特別企画
今こそ全力で楽しみたい、“高画質”世界旅行

画質マニア感嘆の映像美!「Microsoft Flight Simulator 2020」で世界旅行に出かけよう

※注:サイトの仕様上、画像は圧縮掲載されるため本来の画質が100%再現できているものではありません

※注:サイトの仕様上、画像は圧縮掲載されるため本来の画質が100%再現できているものではありません

2020年8月、マイクロソフトから、パソコン用フライトシュミレーターソフト「Microsoft Flight Simulator 2020」(以下、MSFS2020)が正式リリースされた。圧巻なのは、最新技術の粋を結集した実写と見まがうほどのリアルで美しい高画質映像。しかも「地球上の風景をすべて網羅している」とされており、言ってみれば「地球シミュレーター」としての性格も持っている。

そこで今回は、画質にこだわる“オーディオビジュアルファン目線”で、MSFS2020の超高画質な世界旅行を満喫してレポートしたい。世界的な観光スポットや風光明媚な景色は、いかに画質マニアをうならせてくれるのか!? なかなか旅行や出張がままならない今こそ、新しい「旅の様式」を模索してみよう。

「Microsoft Flight Simulator 2020」のココがすごい!

フライトシミュレーター、MSFSシリーズの原点は遡ること40年近く前、1982年に1作目が発売された(元の開発元はSublogic社)。以降、技術の進歩とともにグラフィックが高精細に美しくアップデートされながら、新作が発表され続けてきた。……のだが、直近の作品は2006年リリースの「Microsoft Flight Simulator X」が最後となっていた。それがこのたび、14年ぶりに新作が登場したのである。その沈黙を破った進化は、ファンの期待を裏切らないものだった。


そのポイントは、以下の3つだ。

▼4K/HDR/最高60p高画質

MSFS2020は、4K/HDR/60p(Hz)で世界中の映像を楽しめる。同スペックの映像は、現在Ultra HD Blu-rayや配信サービスなどで視聴することができるが、これらはデータ量を節約するために「非可逆圧縮方式」が採用されていて、厳密に言えばいくらか劣化がともなう。対して、PCでレンダリングするCGは「非圧縮方式」の映像データ。PCの性能やコンテンツにもよるが、こちらで視聴する4K映像はUltra HD Blu-ray以上のポテンシャルを持つのだ。

ちなみにPCゲームの世界では、144Hzといった超ハイフレームレートのものもあるが、MSFS2020は現時点で最高設定が60Hz(60コマ/秒)となる。プレイ中は画柄の複雑さとグラフィックボードの性能により、画質設定が適宜自動調整されるようになっている。今後、PCやグラフィックボードの処理能力が飛躍的にアップし、よりなめらかな映像が楽しめるようになることも期待したい。

▼破格のデータ量

PCゲームの画質に関するポテンシャルはご理解いただけたと思うが、同等に重要なのがコンテンツ自体の作りである。MSFS2020は、総量2PT(=2,000TB)に及ぶと言われる、ゲームソフトとしては破格のデータ量を駆使する。これは、従来の常識では作るのも溜めるのも非現実的な数値だ。

しかしMSFS2020では、今まで蓄積してきた衛星写真や航空写真を使用し、AIで側面を補間することでそれを3D化。公式発表によると、3万7000か所の空港、15億軒の建物、実際の山や川、道路、2兆本の木が描かれているという。また、こうした膨大なデータを、インターネットを通じて逐一送る仕組みが併用されているおかげで、PCで使用するストレージ量は150GB程度で済むのもポイントだ。

超リアルな空港の景色! こちらはジョン・F・ケネディ国際空港

超リアルな空港の景色! こちらはジョン・F・ケネディ国際空港

そう、ここ最近発達したAI技術や高速ネット通信のインフラが、MSFS2020を実現させたとも言える。もちろん、人手がかけられているのも忘れてはならない。登場する航空機のほか、主要な空港、有名な建造物を含む街並みは「Hand-Crafted」、つまり、人が3Dデータを作成しており、どの角度から見ても忠実に再現されるようになっている。

▼季節や天候も自在に設定が可能

シミュレーションソフトの醍醐味と言えば、任意の条件を設定できること。風景に関しては、季節や時間が自在に設定でき、ドラマチックな夕景や夜景も思いのまま。天候は、雲の量、雨の度合い、雷雨など、細かな設定も再現可能だ。もちろん、こうした気象条件は、操縦にも反映される。設定で「LIVE」を選択すれば、その時間のその場所の実際の天候情報を反映することもできるので、「超リアル派」にはたまらない機能と言える。

このほか、道路は自動車が行き交い、動物がいる地域もある。海、湖、川は、水面の動きもリアルで、「生きている」感までも演出。つまりMSFS2020は、地球上のどこにでも自由に飛んで行くことができ、その場所に行けば、その場所をリアルに感じられるのだ。

動物がいる景色や……

動物がいる景色や……

美しい夕焼けの中のフライトも!

美しい夕焼けの中のフライトも!

MSFS2020のプレイ概要。必要環境は?

それでは、MSFS2020の製品概要をご説明しよう。現時点ではWindows PC英語版のみがリリースされていて、ダウンロード購入の場合「スタンダードエディション(7,450円/税込)」「デラックスエディション(10,700円/税込)」「プレミアムデラックスエディション(13,100円/税込)」の3タイプから選択できる。

3タイプの違いは、利用できる航空機や「Hand-Crafted」された空港数の差。ちなみにあとからアップグレードすることも可能なうえ、サブスク方式の「Xbox Game Pass for PC」でプレイすることもできるので、ひとまず試してみたいというユーザーにも門戸は広く開かれている。

PC版のラインアップはこちらの3種類。あとからバージョンアップできるので、まずはスタンダードエディションを購入してみたり、サブスク方式の「Xbox Game Pass for PC」で試しにプレイしてみるというのもアリ

お次は、プレイするPCのスペックについてだが、ここは少々注意が必要だ。公式ページでは最低要件として、OSがWindows 10 (v.1909)のほか、CPUは「Intel i5-4460, Ryzen 3 1200」、GPUは「NVIDIA GTX 770, Radeon RX 570」などを推奨している。しかしこれは、あくまでもソフトが動く最小限と考えたほうがよい。MSFS2020の魅力である美しい映像を堪能するならば、「Ideal」(理想)とするスペックを満たすようにしたい。

その主要条件は以下の通り。
・CPU: Intel i7-9800X, Ryzen7 Pro 2700X
・GPU: NVIDIA RTX2080, Radeon VII
・RAM: 32GB
・ストレージ: SSD150GB

相当に高いスペックであるが、今回は、この条件を満たすPC「XA7C-R80S」(i7-10500, RTX2080Super, 32GB RAM, M.2 SSD 500GB)と、4K/HDR対応モニター「LG 27GN950」を用意してプレイした。

ドスパラ「XA7C-R80S」(RAMを標準の16GBから32GBに拡張して使用)

ドスパラ「XA7C-R80S」(RAMを標準の16GBから32GBに拡張して使用)

LG「27GN950」(VESA DisplayHDR600準拠/144Hz対応)

LG「27GN950」(VESA DisplayHDR600準拠/144Hz対応)

いざ、MSFS2020で世界旅行!

それでは、以下よりMSFS2020による“高画質旅行”の模様をレポートしていこう。旅の相棒と言える飛行機には「Icon A5」を選択。風景を眺めるなら低速で飛行できるプロペラ機が好適だ。Icon A5はフロントの視界が広く、プロペラも操縦席の後ろなので、遊覧飛行にはもってこい。水上の離着陸が可能なのも特徴で、風景の楽しみを広げてくれる。

いざ、出発!

いざ、出発!

なお、本記事では飛行機操縦には触れていない。奥深く非常にリアルな体験が可能だが、究極には複雑過ぎてマニア以外の手には負えないのだ。いくらか簡単に飛ばす設定もできるが、やはり、操縦には基礎知識と訓練を覚悟しなくてはならない。というわけで先に白状すると、今回は2時間ほどチュートリアルに従って練習しつつも、安定飛行や着陸は難しいので、設定で「クラッシュしない」を選択してプレイした。

※注:記事中の画像は、SDR設定でプレイしてスクリーンキャプチャしたものです。またサイトの仕様上、画像は圧縮掲載されるため本来の画質が100%再現できているものではありません。あらかじめご承知のうえ、想像をふくらませながらご覧ください!

▼1. 都市編その1〜まずは定番、マンハッタン!〜

MSFS2020では、世界の主要都市をリアルな映像で楽しむことができる。最も有名な都市のひとつが、ニューヨークはマンハッタン。行ったことはなくても、ニュース、ドラマ、映画で、誰もが見て知っているはず。

マンハッタン上空。高層ビルが高密度に立ち並ぶ!

マンハッタン上空。高層ビルが高密度に立ち並ぶ!

さっそくMSFS2020で訪れてみると、超高層ビルが高密度に描かれている。なんとなくいい加減な部分もあるが、エンパイア・ステート・ビルなど主要な建物はきちんと側面まで描かれているので、筆者の目には実写さながらのリアルな風景に映った。上空から空中散歩のように摩天楼を眺めるもよし、腕に覚えがあれば高層ビルの隙間をスパイダーマンのように駆け抜けるのも楽しいだろう。Icon A5なら、難なくハドソン川に着水することもできる(はず)。

ちなみに、建物が多いと描写の処理が重くなるので、その引き換えにフレームレートが低下する。今回の環境では、おおむね20fpsは確保でき大きな問題は感じなかったが、確実になめらかな映像を楽しむには30fps以上は欲しい。新しく登場するNVIDIAのGPU「RTX30」シリーズを搭載したグラフィックボードを用いれば、大幅に改善できるかもしれない。

▼2. 都市編その2〜ヨーロッパ探訪〜

続いては、記憶と照合するため、旅行したことのあるロンドンとベルリンの上空を飛んでみた。時間帯を夕方に設定すると、記憶の中にある原風景のしっとりした雰囲気がよみがえる。こうした繊細な感覚は、ディプレイの色味に左右されるので、キャリブレーション(色較正)をしっかりしておくことをおすすめしたい。今回使用したLGの「27GN950」は、別途センサーを追加すると、自動で精度よくハードウェアキャリブレーションができるので、より確実な色味の再現が可能だ。

イギリスならではの街並みも体感できる

イギリスならではの街並みも体感できる

印象的だったしっとりした風情がよみがえった!

印象的だったしっとりした風情がよみがえった!

▼3. 絶景編〜セブンマイル・ブリッジ/キーウェスト〜

橋のある風景が好きな筆者にとって、行ってみたいものの行ったことがないのが、フロリダはキーウェストまで延々とつながる「セブンマイル・ブリッジ」。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「トゥルーライズ」のクライマックスで爆破されて以降、20年以上も気になっていた場所だ。

空、海、そして太陽光のリアルな表現が見事!

空、海、そして太陽光のリアルな表現が見事!

MSFS2020では任意のポイントから飛行を開始できるので、今回は上空からキーウェストを望む。壮大なスケールは期待以上で、フロリダの緑味を帯びた海もよく再現されている。HDRでプレイすると、日差しの強さ、海面や機体を反射する光が強烈でリアルだ。「トゥルーライズ」で爆破されたポイントが見つからないのは残念だったが、キーウェストの街も美しく描かれ、満足の行く旅だった。

▼4. リッチな暮らしをする人たちを覗いてみよう〜マイアミ近郊〜

続いては、筆者のお気に入り「マイナー」都市を紹介しよう。マイアミから少し北に、ボカ・ラトンという街があり、太平洋と並行するように水路のような地形の両側に高級な住宅や別荘が数キロに渡って立ち並ぶ地域がある。各邸にはあたりまえのようにヨットやクルーザーがあり、なかにはホームシアターを備える大型豪華船もめずらしくない。筆者憧れのライフスタイルだ。

マイアミの近く、閑静なボカ・ラトン

マイアミの近く、閑静なボカ・ラトン

その印象に強く残る風景も、MSFS2020なら忠実に再現。ダイナミックで美しい風景をみなさんにも共有したいので、こちらの景色は個人のYouTubeチャンネルに動画も掲載してみた。ワールドクラスのリッチな気分を!

リッチな気分に浸ると、いつかはここに住みたいという欲望が湧き上がり、仕事もがんばれそうな気がする。ちなみに筆者は船酔いするので、クルーザーは遠慮しておこう。

▼5. 動物に会いに行こう!

地球を再現するというMSFS2020の醍醐味のひとつが、自然もリアルに再現されていることだ。地域や品種は限定的だが、設定されたスポットに行くと、動物にも会うことができる。出現する動物と大まかな地域の組み合わせは、以下の通り。

・キリン、象……エチオピア
・フラミンゴ……チリ南部 ほか
・グリズリー、ベア……アラスカ(アリューシャン列島)
・ブラック、ベア……ロッキー山脈(ヨセミテ公園付近)

エチオピアBlue Nile でキリンに会えた

エチオピアBlue Nile でキリンに会えた

動物の動きがやや単調ではあるが、「そこに行けば存在する」という感覚は、パソコンの中に地球が詰め込まれているかのような感動を覚える。近くに着陸して、天候や時間を調整し、インスタ映えするベストショットを撮影してみてはどうだろうか? 

▼6. 超番外編〜個人的に見たいあの景色をもう1度〜

「昔、旅行に行ったあの景色をもう1度見たい!」と思うことはないだろうか? そこが有名観光地ではなく、自分だけの思い入れがある場所の場合、ネットで検索しても動画や写真が出てこないのはもどかしい。

筆者にもそんな場所がある。若かりしころに北米を車で一周した際、途中で寄った名もなき街のはずれ。人が親切で思い出に残り、そこで見た壮大な風景がより強く印象に残っていた。手がかりは数枚の写真と、位置がおおむねデンバーからラスベガスの間で、現場の近くに小さな飛行場、ホリデーイン(ホテル)とターゲット(スーパー)があった……というあいまいな記憶のみ。

これが、正確な場所がわからないままになっていた思い出の地。1995年に筆者がフィルム撮影した写真だ

これが、正確な場所がわからないままになっていた思い出の地。1995年に筆者がフィルム撮影した写真だ

この記憶を思い出すたびに、もう1度行ってみたいと位置を特定すべく、GoogleマップのストリートビューやGoogle Earthで探してみたのだが、それらしき風景は見つかるものの、確証が持てずにいた。

そこで今回、MSFS2020を活用。すると、あたりを付けていた場所をいくつか飛行しただけで、「ここだ!」と思える場所を発見することができたのだ。3DのCGで、距離感やスケール感がつかめるのが決め手になった。視点を調整すると、ご覧の通り写真と完全に一致。その街は、「Grand Junction」という名前だったことがわかった。

ここが、MSFS2020で見つけた思い出の場所! 街の名前がついに判明した

ここが、MSFS2020で見つけた思い出の場所! 街の名前がついに判明した

念願がかない、PCとソフトに費やした30万円弱の出費も報われた思いだ。さらに、自由に空を飛び、記憶の風景の裏側も確認できて大満足! 自由に旅行ができるようになれば、真っ先に飛んで行きたいと思う。実際のところ飛行機は操縦できないので、現実ではレンタカーで行くことになると思うが……。

さいごに

今回は、理想とされるスペックを満たしたパソコンを用意したつもりだったが、MSFS2020の最高画質設定「ULTRA」を選択したところ、フレームレートは25fps〜30fps程度だった。十分満足できる高画質が堪能できたものの、まだまだ上はある。際限がないかもしれないが、このあたりのスペックアップを追求するのは今後の楽しみでもある。

こちらがMSFS2020の画質設定

こちらがMSFS2020の画質設定

しかしこれでも、映像の美しさは最先端と呼べるもの。特にHDRを利用すると、恐ろしくリアルで美しい動画映像を満喫できる。もしMSFS2020の画質を語るなら、必ず信頼のおける高画質モニターを用い、HDR設定をしてほしい。

みなさんも、MSFS2020をフライトシュミレーターとしてはもちろん、「地球シミュレーター」として使ってご自身の楽しみを見つけてみてはいかがだろうか? なかなか国外を旅することができない今、MSFS2020ならすばらしい旅行気分が味わえて、気分転換になること請け合いだ。

なお、年末に登場予定の新生代「Xbox Series X」でもMSFS2020がプレイできるようになるとのことで、その映像クオリティは未知数ながら、入手しやすさの観点では一気に身近になるだろう。ちなみに、もっと簡単に楽しむなら、YouTubeでプレイ動画を鑑賞してみるのもアリだ。自由は効かないが、ハイライトシーンが次々と目に飛び込んで来て、「パック旅行」的に楽しめるだろう。

鴻池賢三

鴻池賢三

オーディオ・ビジュアル評論家として活躍する傍ら、スマート家電グランプリ(KGP)審査員、家電製品総合アドバイザーの肩書きを持ち、家電の賢い選び方&使いこなし術を発信中。

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