映像やサウンドはシリーズ史上最高!

「グランツーリスモSPORT」レビュー。過去シリーズとは異なる方向へ進化!

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ソニー・インタラクティブエンタテインメントから、ファン待望のシリーズ最新作「グランツーリスモSPORT」(以下、GT Sport)が2017年10月19日に発売されました。「PlayStation 4」専用タイトルということで、シリーズ最高峰のグラフィックを実現しているうえに、レースゲームと相性のいいVRモードを搭載。もちろん、自動車のリアルさを追求したドライビングシミュレーターとしての実力は過去シリーズから継承されています。ゲームシステムが大幅に変化し、インターネット上では賛否両論の議論が巻き起こっていますが、実際のところはどうなのでしょうか? 実際にプレイして確かめてみました。

シリーズ最新作「GT Sport」をプレイしてレビューします!

シリーズ最新作「GT Sport」をプレイしてレビューします!

購入前の注意! シリーズ初のオンライン専用タイトルのためすべてを楽しむにはネット接続が必要

「GT Sport」は、シリーズ初となる「オンライン専用タイトル」になり、パッケージにも「オンライン専用」と書かれています。そのため、オフラインのプレイはかなり制限がかかるため、「せっかく購入したのにまったく遊べない!」とならないように注意しましょう。

また、ゲーム進行データはクラウド上に保存されるため、インターネットに接続していないとセーブすることもできません。インターネットに接続すれば、オンラインでほかのユーザーとレースを行うモード「スポーツ」以外のすべてのコンテンツがプレイ可能になります。なお、「スポーツ」をプレイするには、有料の「PlayStation Plus」に加入する必要があります。

オフライン時は、「アーケード」以外のモードがグレイアウトし選ぶことができない状態。「GT Sport」のすべてを遊びつくすにはインターネットに接続しなければなりません。また、初回起動時に12GBの修正パッチが当てられるので注意してください

収録車種とコースは「グランツーリスモ6」から大幅に減少

「GT Sport」の収録車種は全部で163台。「グランツーリスモ6」のときは1247台だったため、大幅に少なくなっています。収録されているのはレーシングカーやコンセプトカーが多く、一般市販車は少なめ。過去シリーズのプレイヤーは少し寂しいかもしれません。車種が削られたのは残念ですが、自動車のモデリングは過去最高レベルに美しく進化。1台のモデリングに約半年もかけているとのことで、再現度は目を見張るものがあります。

車種は少ないものの、モデリングは過去シリーズで最高レベルです

車種は少ないものの、モデリングは過去シリーズで最高レベルです

「ブランドセントラル」というショップのような場所で自動車を購入するのですが、もはや自動車メーカーのカタログを見ているような美しさ。「ブランドセントラル」で販売されている自動車すべてを1本の動画にまとめたので、確認してみてください。

収録コースは17ロケーション、38コースで、「グランツーリスモ6」が40ロケーション、107コースだったことを考えると、収録車種数同様に減少しています。コースは、日の出、早朝、朝、昼間、夕暮れなどさまざまな時間帯を選択可能で、時間帯によって異なる表情を見せてくれます。

収録コースは17ロケーション、38コース。実際のサーキットが多数登録されています

収録コースは17ロケーション、38コース。実際のサーキットが多数登録されています

首都高速環状線をモデルにした「東京エクスプレスウェイ」。首都高バトルもできちゃいます

首都高速環状線をモデルにした「東京エクスプレスウェイ」。首都高バトルもできちゃいます

過去シリーズと比べると、収録車種やコースの少なさには落胆してしまいますが、自動車やコースのグラフィックは格段に進化しています。なお、プロデューサーの山内一典氏は「市販車、旧車、名車、コースをDLC(ダウンロードコンテンツ)で追加していく」とコメントしていたので、今後のアップデートに期待したいところです。

「GTモード」はなくなったが、多彩なゲームモードはボリューム満点

ここからはゲームシステムを紹介。「GT Sport」は、「アーケード」「キャンペーン」「スポーツ」という3つのレースモードを搭載しています。「アーケード」は、前述の通りオフラインでも楽しめるモードで、AIとレースをする「シングルレース」、タイムアタックに挑戦する「タイムトライアル」、ドリフトの腕前を競いあう「ドリフトトライアル」、さまざまな条件を設定できる「カスタムレース」、「2プレイヤー対戦」、VRモードを楽しめる「VRツアー」とボリューム満点です。

オフラインでもプレイできる「アーケード」は6つのモードを搭載。AIと対戦する「シングルレース」では、難易度を「初級」「中級」「上級」の3つから選べるので初心者でも安心です

「カスタムレース」では、レースタイプ(周回/耐久)、走行台数、スタート方式、タイヤや燃料の消耗、ショートカット/壁接触のペナルティなど細かいレース条件を調節してAIとのレースを楽しめます

「VRツアー」では、「PlayStation VR」を使用し、自動車に乗り込んでAIとのマッチレースを行う「VRドライブ」をプレイできます。精巧に再現された車内のインテリアは本当に自動車に乗り込んだような感覚で、AIの運転する自動車とのレースは迫力がとにかくすごいです。

ゲームを始めると、そこはもう自動車の中

ゲームを始めると、そこはもう自動車の中

横を見たり振り返ったりすると、窓越しにAIの自動車を確認できるわけですから、尋常じゃない没入感です。入り込みすぎて、コーナーで壁に激突したときは思わず体がのけぞってしまうほど。AIの自動車をミラー越しに見ていた時に、思わず「ハイビーム消してよ! まぶしい!」と言ってしまうこともありました。

「PlayStation VR」を持っているなら「VRドライブ」をぜひプレイしてみてください。

「キャンペーン」は、どちらかというと「グランツーリスモ」のビギナーを対象にしたモード。ドライビングの基礎を学んだり、ドライビングテクニックを駆使するミッションに挑戦したり、各サーキットの攻略法を学べたりできます。ビギナーはまず「キャンペーン」に挑戦してみるのもアリです。

「キャンペーンモード」にはイベントが用意されていて、ひとつずつクリアしていく形。ドライビングに必要なテクニックをていねいに指導してくれるため、進めていくだけでだんだんと自分の腕前が上がっていくのを実感できます。

なお、「キャンペーン」モードで使用する自動車はあらかじめ決められていて、自分が所有する自動車を使うことはできません。

ドライビングの基礎を学べる「ドライビングスクール」。ただまっすぐに走らせる基本中の基本からスタートし、アウト・イン・アウトやヘアピンカーブの走行など徐々に難しくなっていきます。各イベントではクリアタイムによってゴールド、シルバー、ブロンズのトロフィーを獲得。全イベントでゴールドを得るには相当な時間がかかりそう

イベントごとにクリアに必要なドライビングテクニックを教えてくれます。どうやってクリアするかを説明する動画まで用意されていてものすごくていねい

「スポーツ」は、オンラインでほかのユーザーとレースを楽しむモード。自分と近いレベルのドライバーとマッチングしてレースを行う「デイリーレース」や、FIA(国際自動車連盟)公認のチャンピオンシップも定期的に開催。この公認レースである一定以上の成績を収めると、「FIAグランツーリスモ デジタル ライセンス」という本物のモータースポーツライセンスを取得可能です。

オンラインの「スポーツ」では常時開催されている「デイリーレース」とFIA公認のチャンピオンシップに参戦できます

公認レースはレビュー時点で開催されていないため、「デイリーレース」のみをプレイした感想になります。

「デイリーレース」は、毎日20分おきに開催。レースにエントリーすると、予選タイムトライアルが始まり、その成績に応じてレースのスタート順位が決まります。自分と同じようなレベルのドライバーとマッチングしてくれるのですが、それに大きく関わってくるのが、ドライバーレーティングとスポーツマンシップレーティングです。

ドライバーレーティングは、ドライバーの速さのレベルを表すもので、レースでよい成績を残すと上昇します。しかし、注意してほしいのは、ドライバーレーティングを上げるには、スポーツマンシップレーティングも上げなくてはいけないということです。

マッチングを左右するドライバーレーティング。これを上げるにはスポーツマンシップレーティングを上げる必要がある

スポーツマンシップレーティングは、レース中のマナーによって変動します。たとえば、ほかの自動車にぶつかったり、幅寄せしてコースアウトさせたりなど危険な行為を行うと下がり、安全な運転をしていると上昇します。オンラインでのレースにおいて一定のマナーを保つために導入されたレーティングシステムです。

スポーツマンシップレーティングを上げないとドライバーレーティングが上がらないため、危険な運転ばかりしていると、いつまでたってもドライバーレーティングは低いまま。自分のレベルに合ったプレイヤーと対戦したいなら、クリーンな運転を心がけようということです。

レース中はほかのドライバーを妨害しないように安全運転を心がけるのがドライバーレーティングを上げるコツ

レース中はほかのドライバーを妨害しないように安全運転を心がけるのがドライバーレーティングを上げるコツ

オンラインでほかのドライバーとプレイするのは、AIを相手にするレースとは違う楽しさがあります。ただし、オンラインで活躍するプレイヤーはかなり腕前が高いので、「アーケード」や「キャンペーン」でしっかり練習してから挑むのがよさそうです

「アーケード」「キャンペーン」「スポーツ」をプレイすると、賞金や経験値、マイレージポイントを獲得できます。賞金は新しい自動車の購入資金で、経験値はプレイヤーのレベルを成長させる要素です。レベルが上がると、「アーケード」で新しいコースが利用できるようになります。

マイレージは、レースでの走行距離や順位に応じてもらえるポイント。ためたマイレージポイントは、ヘルメットやホイール、デカール、カラーなどカスタマイズに使用するアイテムの購入に利用できます。

「アーケード」「キャンペーン」「スポーツ」のプレイを重ねて、新しい自動車を購入したり、新しいコースをアンロックしたりするというのがゲームの大まかな流れ。これまでのシリーズに搭載されていた「GTモード」に相当するゲームモードはないなど、ゲームシステムは大きく変更されており、このあたりは評価が分かれるポイントでしょう。

映像やサウンドはシリーズ史上最高レベル。60fpsのフレームレートは画面がヌルヌル動いているのを実感できますし、HDR対応による光の描写は見事です。また、サウンドもエンジンやギアの音が車種ごとに違っていて、非常にリアルに近くなっています。

ボディデザインをカスタマイズできる「リバリーエディター」と、フォト撮影を行える「スケープス」は時間泥棒

レースをするだけが「GT Sport」の魅力ではありません。お気に入りの自動車のペイントやデカール、ホイールなどを自由にカスタマイズできる「リバリーエディター」や、世界各地で撮影された風景と自動車を撮影できる「スケープス」も、ハマりだすとあっという間に時間が過ぎてしまう面白さを秘めています。

「リバリーエディター」では、自動車、ヘルメット、レーシングスーツのデザインを自由に変更できます。自動車の部位ごとにカラーパレットやカラーピッカーから色を選んでペイントしたり、数字からブランドロゴまで大量に用意されたデカールを貼り付けたりしてカスタマイズ可能。また、自作のデカール(SVG形式)をアップロードして使用できる「デカールアップロード機能」も公開予定です。用意されたデカール(シェイプ)だけを使って痛車を作成する猛者まで現れており、ほかのユーザーのデザインを見るだけでも楽しいです。

自動車のデザインを自由自在に変更できる「リバリーエディター」

自動車のデザインを自由自在に変更できる「リバリーエディター」

パターンやフォントからブランドロゴやメディアロゴまで、ものすごい数のデカールが用意されています。お気に入りの自動車のデザインをカスタマイズするだけでもかなり長い時間遊べそうです

「スケープス」は、世界各地で撮影された風景の中に自動車を配置して撮影を行えるモードです。用意されているロケーションは、日本のおなじみの場所から世界の有名観光地まで1017スポット。駅や美術館、工場など普段は自動車が入れない場所まで用意されています。

1017スポットという膨大な数のロケーションで撮影できる「スケープ」

1017スポットという膨大な数のロケーションで撮影できる「スケープ」

自動車を自由な向きで配置できるほか、走行中の写真を撮影できる流し撮りも可能。前輪の切れ角の調整から、ヘッドランプやブレーキランプ、キーランプなどのオン/オフなど、かなり細かく設定をいじれるのはうれしいポイント。

カメラも露出やシャッタースピード、絞りなど詳細を細かく設定可能。エフェクトはプリセットが豊富に用意されているほか、色温度や露出を調節してホワイトバランスを変更することもできます。調節できる設定の項目がとにかく多く、かなり力を入れて開発したことがヒシヒシと感じられます。撮影した写真は保存したり、ほかのプレイヤーに公開したりすることも可能です。

自動車の配置から撮影、エフェクトまでものすごく細かい設定を調節可能。ただ写真を撮るモードと思っていると衝撃を受けること間違いなし

「リバリーエディター」で作成した自動車で写真を撮影することもできます

「リバリーエディター」で作成した自動車で写真を撮影することもできます

「GT Sport」は“スポーツ”としてのレースに焦点を当てたゲーム

本作を1週間ほどプレイしたのですが、「GT Sport」は今までのシリーズとは少し異なる方向に進んでいるのは間違いありません。正式なナンバリングではないタイトルや、収録車種の多くがレーシングカーになっていることからもわかるとおり、「GT Sport」はスポーツとしてのレースに焦点を当てたゲームです。

そのため、レーシングドライバーの生活を仮想体験する「GTモード」や「キャリアモード」といったゲームモードは搭載されていません。中古車を購入してレースで賞金をかせぎ、少しずつカスタマイズして新しい自動車を買い上位レースに挑戦するというようなRPG的な育成要素はなく、ドライビングテクニックの上達に快感を覚えるのが「GT Sport」の真髄と言えそうです。

その最たるものがオンラインの「スポーツ」でしょう。「スポーツ」のレースでは、レギュレーションが設定されており、公平性を期すために自動で性能調整が行われます。事前に設定したチューニングが使用できないため、プレイヤーのドライビングテクニックがレースを大きく作用することになるわけです。

ただ、ドライビングテクニックに重点を置いているとは言え、オンラインの対人レースはものすごく楽しいです。「アーケード」や「キャンペーン」で腕前を磨き、「スポーツ」で白熱したレースに参加。私の腕前が低すぎるのか、オンラインのプレイヤーがうますぎるのかわかりませんが、これまでのところ「スポーツ」で勝利したことは一度もありません。それでも、悔しくて何度もプレイしてしまうくらい「スポーツ」の楽しさは別格です。

レースに疲れたら、「リバリーエディター」や「スケープ」でデザインをカスタマイズしたり写真を撮影したりしてひと息入れるのもいいでしょう。気になっている人はチェックしてみてはいかかでしょうか。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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2017.12.11 更新
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