あれこれ通信
ニコチン・たばこ特異的ニトロアオアミンに関して、周囲への悪影響なし

加熱式たばこ「アイコス」の非喫煙者への影響は? フィリップ モリス ジャパンが研究結果を発表

加熱式たばこ「アイコス(IQOS)」が爆発的大ヒットとなる中、たびたび取り沙汰されているのが、非喫煙者への影響だ。その問題に対するひとつの答えとして、販売元であるフィリップ モリス ジャパンは、「実生活環境において、現在存在する検出方法で測定する限り、ニコチンとたばこ特異的ニトロアオアミンに関して、アイコス使用による非喫煙者への悪影響は認められない」という研究結果を発表した。

アイコスの使用によってたばこの煙が発生することはなく、使用中の屋内空気中のニコチン、たばこ特異的ニトロアオアミン(発ガン性物質として知られる)、吸入性粒子(PM1、PM2.5)を測定した結果、「屋内空気環境に悪影響を与えていない」という結論に至ったという。

アイコスが発売されたのは2014年11月。愛知県名古屋市、イタリア・ミラノでのテスト販売だった。現在は世界38か国で販売中で、日本でも全国47都道府県で販売されている。紙巻きたばこから切り替えたユーザーは、世界で500万人以上、国内には約300万人いるという。写真は現行モデルの「IQOS 2.4Plus」

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タールなどの有害物質を大幅に低減して、灰も煙も出ない

アイコスは、たばこ葉を含む専用の「ヒートスティック」を加熱し、発生する蒸気を吸い込んでニコチンを楽しむ電子機器だ。紙巻きたばこは600℃を越える温度で燃焼されることで、ニコチンと一緒にタールなど健康に有害な成分を含む煙を発生させる。対してアイコスは火を使わず、350℃以下の温度でたばこ葉を加熱するため、灰や煙を発生させない。フィリップ モリス ジャパンはこれまでにも、アイコスは紙巻きたばこと比較して、タールなどの有害な化学物質のレベルが大幅に低減できるという研究結果を公表していた。

ヒートスティックが加熱されることによって発生する蒸気に含まれる有害物質の量は、紙巻きたばこの煙に含まれる有害物質の量比べ、約90%も少ない

喫煙者を、「紙巻きたばこをそのまま吸い続ける(赤)」「完全にアイコスに切り替える(青)」「完全に禁煙する(緑)」の3つのグループに分けて90日過ごした後、それぞれの有害物質の曝露(ばくろ)量を表したグラフ。完全にアイコスに切り替えた人の曝露量は、禁煙した人の曝露量とほとんど変わらない

紙巻きたばこ喫煙時と、アイコス使用時の屋内空気環境への影響を表したもの。アイコス使用時の場合、人がいても何もしていない部屋と比べ、ニコチンとアセトアルデヒド、窒素酸化物は微量に検出されたものの、その他の成分に関しては、検知不能な少量、もしくは出ていないという結果に

ニコチン・たばこ特異的ニトロアオアミンに関する、新たなデータを公開

フィリップ モリス ジャパンは今回、アイコスを使用することによって、周囲の非喫煙者にどのような影響があるのかを検証。臨床試験は、2017年11月30日から2017年12月13日までの2週間、非喫煙者・紙巻たばこ喫煙者・アイコスユーザー(検証中にアイコスを使用する/しない)計397名の被験者を対象に、実生活に近い環境となる都内レストランにて行われた。

アイコスによる受動曝露レベルを測定するため、被験者それぞれの尿サンプルを各日、臨床試験実施前後に収集したという。この試験では、非喫煙者の受動曝露の影響のほか、屋内空気環境についても検証している。

臨床試験は、全たばこ製品およびニコチン製品使用禁止の中で食事などをする「非曝露イベント」を2回と、アイコスのみ使用可能な「曝露イベント」を4回実施するというもの。イベント終了後、被験者を非喫煙者・紙巻たばこ喫煙者・アイコスユーザー(検証中にアイコスを使用する/しない)の4つのグループに分け、それぞれの曝露量を測定した。なお、イベント中は、さまざまな料理やアルコールを含む飲み物が提供された

臨床試験の結果、実生活環境下において、身近でアイコスが使用されることによる非喫煙者のニコチン、たばこ特異的ニトロアオアミンへの曝露量増加はなかったという結論に至った。また、臨床試験を行なったレストランの空気中のニコチン、たばこ特異的ニトロアオアミン、吸入性粒子(PM1、PM2.5)についても、屋内環境に悪影響を与えていないという結果になったという。

空気中のニコチンとたばこ特異的ニトロアオアミン量

曝露イベント時の会場内のニコチン濃度は、最大で平均1.5μg/m3。この数値は、米国労働安全衛生局のガイドラインで示されている500μg/m3をはるかに下回る数値となる。
→非喫煙者への悪影響なし。

たばこ特異的ニトロアオアミン(NNK、NNN)にいたっては、検出不可なほど微量、もしくは出ていない

たばこ特異的ニトロアオアミン(NNK、NNN)にいたっては、検出不可なほど微量、もしくは出ていない

アイコス使用者と非喫煙者のニコチン曝露量

下の写真の左2つのグラフによると、身近にアイコスの使用があってもなくても、非喫煙者のニコチンの曝露量(尿より検出)はほぼ変わらない。
→非喫煙者への悪影響なし。

右側のグラフを見ると、アイコス使用者のニコチン曝露量(青のグラフ)に対し、非喫煙者のニコチン曝露量は、限りなく0に近い量であることがわかる

非喫煙者のたばこ特異的ニトロアオアミン曝露量

非喫煙者のたばこ特異的ニトロアオアミンの曝露量に関しては、近くでアイコスの使用があってもなくても、検出されなかった。
→非喫煙者への悪影響なし。

アイコス使用の有無に関わらず、非喫煙者には影響がないという結論に

アイコス使用の有無に関わらず、非喫煙者には影響がないという結論に

臨床試験会場の空気における吸入性粒子の量

臨床試験会場の空気における吸入性粒子(PM1、PM2.5)の量についても、最大20μg/m3で、人体に有害とは考えにくい。
→非喫煙者への悪影響なし。

しかも、PM1、PM2.5ともに最大値を記録したのが非曝露イベント時であることから、アイコスの使用が原因とは考えにくい

なお、ニコチン、たばこ特異的ニトロアオアミン、吸入性粒子以外の評価項目については、引き続き分析を行い、すべての検証・分析結果が出そろったうえで、追って報告される予定だという。

実はアイコス使用中の汚染物質発生量は、「料理中」や「運動中」よりも少ない

と、ここまで読むと、紙巻タバコやアイコスの蒸気のみが空気汚染の主たる原因かのように思われるかもしれない。しかし、フィリップ モリス ジャパンによると、日常生活において、人の存在が屋内空気環境に与える影響は無視できないという。空気が汚染されていると感じたとすれば、それはアイコスを使用したことによるものではなく、料理やスポーツなど、人の日常活動によるものという可能性も高いのだという。

たとえば人間は、呼気、皮膚、汗などから1,849種類の揮発性有機化合物(VOC)を放出。時にその量は、空気中に検出可能なレベルにまで達する。人が屋内に存在する限り、ある種の空気の汚染は避けられないのだ

たとえば屋内でラクレットと肉料理を調理した場合では、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドなどの濃度が上昇。アセトアルデヒドに関しては、日本におけるガイドラインの上限値を超えている

キャンドルやお香の使用も、有害な粒子状物質およりガス汚染の発生源に。キャンドルは紙巻きたばこやアイコスよりも大量の窒素酸化物を発生させ、お香1本でもアイコスの使用とは比にならない量のベンゼンを生み出す

燃焼をともなう製品や日常生活における人の活動が、屋内の空気環境にどのような影響を及ぼすのかを表したもの。驚くべきことに、アイコスの使用よりも調理中やスポーツ中のほうが、空気環境に影響を与えているという

フィリップ モリス「いずれは紙巻きたばこ事業からの撤退を目指している」

フィリップ モリス ジャパンは、今回の研究結果について、「煙のない社会を、ここ日本で(スモークフリーニッポン)というフィリップ モリス ジャパンのビジョンの実現に向けて、大きな1歩となった」と語り、「いずれはアイコスへの全面切り替えを達成し、紙巻きたばこ事業からの撤退を目指している」と、今後のビジョンを述べた。

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大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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