新製品レポート
ピアニカも成長していました

ヤマハが「大人のピアニカ」を開発! 大人っぽいメロウな音色で登場

多くの人が幼少期に1度は触れたであろう楽器、“鍵盤ハーモニカ”。その代名詞といえば、ヤマハの「ピアニカ」シリーズだ。そのヤマハから、大人向けに開発されたという新しいピアニカが発表された。名称もそのまま、「大人のピアニカ」(型番:P-37E)。一体何が“大人”なのか? 製品発表会で筆者が見たその魅力をご紹介しよう。

2018年6月6日に発売される「大人のピアニカ」。メーカー希望小売価格は13,000円(税別)。どんなところが“大人”なのか、レポートしていこう

実はヤマハから30年ぶりに出た! 広音域ピアニカの新モデル

というわけで、「大人のピアニカ」の特徴を見ていこう。少々アダルトな響きもある名称に一瞬ドキッとするが、もちろん基本的な仕様は「ピアニカ=鍵盤ハーモニカ」である。吹き口から息を吹き込み、鍵盤を押して、金属製のリードを震わせることで音を鳴らす。鍵盤楽器と吹奏楽器の特徴をあわせ持つ、アナログ楽器だ。

ヤマハでは1967年から「ピアニカ」の製造・販売を行っているが、もちろんそれは幼児〜小学生の教育向けに展開するもの。それに対して「大人のピアニカ」は、「リビングで楽しく演奏できる大人向けのピアニカ」という新しいコンセプトで訴求される。多くの人にとってなじみのある楽器のため、ハードルがそこまで高くないのがポイントだ。

電子回路等は一切搭載しない、オーソドックスな鍵盤ハーモニカの仕様となっている

電子回路等は一切搭載しない、オーソドックスな鍵盤ハーモニカの仕様となっている

背面は、手持ちするためのバンド部が備えられているほかはいたってシンプル。ライン出力端子等も非搭載だ

背面は、手持ちするためのバンド部が備えられているほかはいたってシンプル。ライン出力端子等も非搭載だ

持ってみるとこうなる。本体重量は830g

持ってみるとこうなる。本体重量は830g

製品には、演奏用パイプ「PTP-37E」(左)が付属。“大人向け”を意識して、パイプのカラーを黒一色に統一した

スタイルにあわせて、2種類の吹き口を使い分けられる

スタイルにあわせて、2種類の吹き口を使い分けられる

本体右側に備えるボタンは水抜き用。演奏中に吹き入れた息の水分が内部に溜まった際に、このボタンを押して水抜きする

本体には、フル3オクターブ(F33〜F69)をカバーする37鍵盤を搭載している。なお、同社から学習向けに提供されるピアニカは25鍵盤や32鍵盤の製品がメインとなるそうで、37鍵の広音域に対応するピアニカの新モデルが登場するのは、なんと30年ぶりだそうだ。

鍵盤部は、3オクターブの音域をカバー

鍵盤部は、3オクターブの音域をカバー

こちらが、30年間ロングセラーとなっている「P-37D」。「大人のピアニカ」に採用されている鍵盤は、このP-37Dと同じもの

続いては、その“大人っぽさ”を3つのポイントに分けてご紹介していこう。

【1】デザインが大人っぽい

「大人のピアニカ」開発に対して、まずヤマハがこだわったのはデザインだったそうだ。ピアニカといえば、子ども向けの明るくポップなカラバリのイメージがあるが、本製品は温かみのあるブラウンと、モノトーンなブラックの2色を展開。上述の通り、演奏用パイプのカラーもブラックで統一するなど、“大人”を意識したシックなカラーとしている。

ブラウン(上)とブラック(下)の2色を展開。本体も、鍵盤楽器とリード楽器のハイブリッドであることをコンセプトに、外装の上半分はピアノを意識した光沢感のある仕上げ、下半分はハーモニカを意識したつや消しの仕上げになっている

ちなみにパッケージもカジュアルでかわいらしく、デザインへのこだわりが垣間見える

ちなみにパッケージもカジュアルでかわいらしく、デザインへのこだわりが垣間見える

箱を開けると、大人になったピアニカからのメッセージが記載されている。ニクい演出だ

箱を開けると、大人になったピアニカからのメッセージが記載されている。ニクい演出だ

ピアニカというと子ども用にハードケースが付属するのが一般的だが、「大人のピアニカ」には持ち運びやすいソフトケースが付属するのもポイント

【2】新構造でサウンドが大人っぽい

「大人のピアニカ」は、上述の従来モデルP-37Dの機構をベースに開発されているが、その音質は“大人向け”のチューニングが施されている。

本体下ケースのボディには、東レの開発した比重の高いバイオマス由来樹脂「エコディア」を採用。また、下ケース内の底面に吸音材を追加配置している。さらに、内部のバルブパッキンの開口部のサイズを低音域、中音域、高音域で変えていることも特徴で、これにより不要な高次倍音を抑えつつ、各音域の音のバランスを最適化しているという。

これらの構造により、P-37Dの特徴である演奏時のレスポンスのよさや、強弱のコントロールのしやすさを踏襲しながら、まろやかで芯のある“メロウな音色”を実現した。

“大人なサウンド”を実現する構造。バルブパッキンの開口面積を帯域によって変更するオリジナル設計は、特許出願中

【3】吹き口が大人っぽい

3つめの特徴は、付属する演奏用パイプの“吹き口の形状”を刷新したこと。吹き口の中間部を唇にフィットしやすいように少し隆起させ、先端部にある突起の形も調整している。これにより、吹き口が口から飛び出しにくいようになり、両手演奏などの高度な奏法がしやすいようにしている。ヤマハではこれを“大人の吹き方”とアピールしている。

新しい“大人向け”の吹き口(右)。端面をアール形状とすることにより、タンギング(舌を使って出音を調整する奏法)もしやすいようになっている

新形状の吹き口により、両手演奏がよりしやすくなっている

新形状の吹き口により、両手演奏がよりしやすくなっている

【動画アリ】「大人のピアニカ」の音色を聴いてみよう

ヤマハが開催した製品発表会では、ピアニストであり鍵盤ハーモニカ奏者でもある妹尾美穂さんをゲストに迎え、「大人のピアニカ」の演奏デモが行われた。その様子は、ぜひ以下の動画を参照されたい。

妹尾さんは「鍵盤ハーモニカには、ピアノとは違う表現力があります。ピアノは打鍵すると音がどんどん減衰していきますが、鍵盤ハーモニカは息を吹くことで音を伸ばせます」と、鍵盤ハーモニカのおもしろさについてコメント。今回の「大人のピアニカ」についても、「まさに、まろやかな音。粒立ちがよく、凛としたサウンドで、和音とメロディの表現を弾き分けることもできます」と、その魅力を絶賛した。

ヤマハは、2017年にリコーダーとサックスが合体したような新感覚の楽器「Venova」を発表して話題となった(詳細はこちら)。今回の「大人のピアニカ」は、ヤマハが展開する“大人が楽しむ楽器シリーズ”としてこのVenovaに続く1台と言える。以下の動画のように、ギターやカホンとあわせてバンド演奏を楽しむのもアリだ。

しかもピアニカ(鍵盤ハーモニカ)は多くの人により親しみのある楽器なので、トライするハードルも高くない。しかし、鍵盤楽器とリード楽器の特徴をあわせ持つなど、よく考えてみると奥の深さも持ち合わせているので、大人目線で使うと新しい魅力を発見できそうだ。

なお、東京・銀座のヤマハ銀座ビル1Fにて、2018年5月23日〜6月11日まで「大人のピアニカ」の特別展示が行われる(詳細はこちら)。ぜひみなさんも、子どもの頃に親しんだピアニカが“成長”した姿と音を体験してみてはいかがだろうか?

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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