季節は6月、ジューンブライドのシーズンです。結婚式の披露宴・二次会の余興担当の皆さん、演目を考えているならぜひ「大人のピアニカ」を演奏してみませんか? 子ども時代に使った「ピアニカ」とは違う、本格的な楽器としての魅力にトリコになるはず。実際に体験してみた筆者は楽しすぎて、価格.comマガジン編集部員さんと「大人のピアニカ」でデュオしちゃいました!
大人2人で「大人のピアニカ」をデュオってみました。結婚式の披露宴・二次会の余興で演奏すれば、そのサウンドで新郎新婦の門出を彩ることができるはず!
今回使用したのは、ヤマハの鍵盤ハーモニカの新製品「大人のピアニカ P-37E」(以下、大人のピアニカ)。ヤマハが手がけるフル3オクターブの“広音域ピアニカ”としては、実に30年ぶりに出た新製品です(→新製品発表会の模様はこちら!)。
箱からしてかわいい! さっそく開けてみましょう
箱の内側には、“大人になった”ピアニカからのメッセージが
同梱品はこちらです。ソフトケースがついているのもうれしいところ
本体の大きさは483(幅)×50(高さ)×104(奥行)mm、重さは約830gです。本体のほか、吹き口、演奏用パイプ、ソフトケース(肩かけ用ストラップ付)が付属しています。
ブラックとブラウン、大人なデザイン
普通の吹き口と、演奏用パイプも同梱。吹き口の形状はアールがかかって安定感のあるカタチ。先端に少し突起があるので、手で押さえてていなくても口から飛び出しにくいです
演奏用パイプは黒で、パイプ用のフックも付いています
演奏スタイルに応じて、2種類の吹き口を使い分けるとイイ感じ
鍵盤ハーモニカは、鍵盤楽器ならではの演奏のしやすさと、吹奏楽器ならではの表現力をあわせ持つ楽器です。たとえばギターの場合、チューニング、コードの押さえ方など、ある一定のクオリティの音を出すのに技術を要します。いっぽう、鍵盤ハーモニカの場合は、息を吹いて鍵盤を押せば音が出るので、ギターなどの弦楽器に比べると演奏がしやすいです。
ピアノは音を出したあと、時間とともに自然に音が消えていきますが、鍵盤ハーモニカは息が続く限り音を伸ばせます。さらに、伸ばしている途中からでも、息の吹き込み方によって音を大きく出すことができます。歌を歌うときのように、クレッシェンド、デクレッシェンドなどをコントロールしやすく、初めて楽器を持ったときから表現力に富んだ演奏ができます。
「大人のピアニカ」は、さらに情感豊かに演奏できるよう内部構造が改良されているんです。内部のバルブパッキンの開口面積を、低音域、中音域、広音域で変更するというオリジナル設計を採用。不要な高次倍音を抑えつつ、各音域の音のバランスを最適化しています。
内部のバルブパッキンです。よく見ると左側と右側で穴の大きさが違うのがわかります
実際に演奏してみると、音はまろやかで、アコーディオンを思わせるような明るくて、それでいて哀愁を帯びたような“メロウな音色”です。映画アメリの「アメリのワルツ」や、ピアソラの「リベルタンゴ」などに合いそうな音。
安価な電子ピアノなどでは鍵盤がツルツルすべり、早いパッセージが弾きにくいことがありますが、「大人のピアニカ」の鍵盤は指に吸いつくような押し心地で、安定感があります。和音を弾くと、音が潰れたり抜けたりすることなく、それぞれの音がキレイに聞こえます。3オクターブあるので、工夫と練習次第で、両手で演奏も可能。音域が広いと曲の幅が広がるので、演奏意欲が刺激されます。
鍵盤はクリック感があります
吹けばすぐに音が出て、ダイナミックスも思いのまま。ちょっと頑張れば、ビブラートをかけることもできます。子どものころに1度触ったことがある楽器なので、操作やセッティングもわかりやすい。楽器を持ってすぐに音が出て演奏ができるって、とても楽しいものです。付属の黒いソフトケースに入れてしまえば、軽くて持ち運びもしやすく、とてもピアニカには見えないのもポイント。
さっそく調子に乗って、いろんな曲を演奏してみたいと思います! 時期的にジューンブライドということで、結婚式の余興によさそうな楽曲を織り交ぜながら弾いてみました。
……しかし、思い通りに曲を演奏できるので楽しいのですが、やっぱりひとりだとちょっとさびしい。バンドを組むほどじゃないし、そもそもバンドの中に鍵盤ハーモニカが入っている編成って想像がつきません。そんなとき、YouTubeで男性2人が鍵盤ハーモニカを演奏する動画を発見。これだ!
ということで、価格.comマガジン編集部の杉浦さんを巻き込んで、鍵盤ハーモニカ2台のセッションを実現させました! これが楽しい! 興がのって、「この曲もやってみよう!」と2人で楽譜探しをしちゃうくらい。誰かとセッションって、ちょっとしたお祭りです。
2人で演奏したのは、葉加瀬太郎作曲の「情熱大陸」と、メンデルスゾーン作曲の「結婚行進曲」。「情熱大陸」はピアノ用の楽譜を無理やり2人で弾いてみました。いっぽう「結婚行進曲」は、常磐短期大学幼児教育保育学科の鈴木範之准教授が、ピアニカ2台用に編曲したものを採用しています。
「結婚行進曲」をピアニカ連弾用に編曲してくれた鈴木氏は、ピアニストとして活躍するかたわら、茨城県内外の保育園、幼稚園、子育て支援センター等において、親子のためのコンサートを数多く行っている人物。鍵盤ハーモニカで演奏することもあるということで、今回の編曲を快く引き受けてくださいました。ちなみに筆者の高校時代の後輩だったりします
というわけで、以下の動画が1時間ほど練習してあわせた「結婚行進曲」と「情熱大陸」。2台あるとやはり音が豪華! (少々たどたどしい部分もありつつ)結構カタチになっているのではないでしょうか。
ちなみに今回の取材にあたり、筆者も杉浦さんも、自分の「大人のピアニカ」を自宅からソフトケースに入れて運んできました。肩にかければ持ち運べますし、コンパクトなので通勤時間帯もそれほどじゃまに感じません。本体を取り出して演奏用パイプを取り付けるだけと、楽器そのもののセッティングも簡単なので、すぐに演奏が始められました。
ソフトケースがあるので持ち運びしやすい。ストラップを調整すれば斜めがけも可能
地味だけど便利なのがココ。ソフトケースを立てかけるときは、ストラップを調整すれば床に引きずらないようになっています
この手軽さは、結婚式の披露宴や二次会の余興にもってこいだと思います。筆者は、過去にピアノやハンドベルで余興をしたことがありますが、どちらも準備などが大変。ピアノは会場によっては数万円のレンタル費用がかかりますし、ハンドベルの場合も、楽器を置くためのテーブルの準備など、手軽には演奏ができません。
でも「大人のピアニカ」なら簡単に持参できますし、ケースから出して吹き口を付ければすぐに演奏が始められます。立奏もできるので椅子の準備もいりません。そして何よりも、鍵盤ハーモニカは学校教育などで慣れ親しんだ楽器。一緒にセッションするメンバーが集まりやすいというのも魅力です。
「大人のピアニカ」なら、ちょっとしたオシャレ着で持ってみても違和感がありません。持参して結婚式に出席しても全然OK!
楽譜はピアニカ用のものが発売されていますし、音域が同じくらいで楽譜が読みやすいという意味では、フルートの楽譜も参考になります。編成はピアニカ1台でもいいですし、ピアニカ複数台でも華やかに。ギターやカホンなどとあわせても楽しい演奏になります。
ちなみに演奏感としては、筆者に吹奏楽器の経験がなかったため息が続きにくく、もっとココを伸ばしたい!もっと音量が欲しい!と思うときに息が足らなくなる傾向に。また、ブレスの位置も手探りでした。しかし、吹奏楽器経験者の方なら、タンギング、ビブラート、フラッター奏法などポテンシャルを思う存分引き出せるのではないでしょうか。
手軽に演奏できる鍵盤ハーモニカは、幼児からシニアまで手軽に楽しめる楽器です。家族や友達などでセッションをしてもステキ。娘の結婚式に両親が鍵盤ハーモニカで演奏すれば、哀愁を帯びた音色も相まって、きっと感動しちゃいます。皆さんもぜひ「大人のピアニカ」で、楽器を気軽に楽しんでみませんか。
家電流通専門誌で白物家電と家電量販店と流通に関する取材・執筆・編集を担当。趣味は料理、旅行、舞台鑑賞、米国ドラマ視聴など。クラシック音楽の”現代音楽ファン”というと変人扱いされることが悩み。