「ネオ・ブースト・ミント・プラス・スティック」(写真手前左)、「ネオ・ブースト・ベリー・プラス・スティック」(写真手前右)が、後列の4種類の「neo(ネオ)」に追加となる。販売価格は450円だが、すかさず10月の値上げで490円になるようだ
現在日本では、アイコス(PMJ)、グロー(BAT)、プルーム・テック(JT)の3種類の加熱式タバコが存在しており、キャラクター的には当初、タバコ感なら「アイコス」、おしゃれ感がありメンソールが充実しているのが「グロー」、果てしなく存在感なく楽しめるVAPEライクな「プルーム・テック」という区分けだった。しかし、先だってグローはアイコスの牙城を崩そうとするかのように、喫味濃いめの加熱式タバコのために開発された新ブランド「ネオ」を誕生させた。そのラインアップはレギュラー2種にメンソール2種の4種類。そこに今回、KENTシリーズでおなじみの、フィルター内のカプセルを押しつぶして味変を可能にするメンソールタイプ2種、「ネオ・ブースト・ベリー・プラス・スティック」と、「ネオ・ブースト・ミント・プラス・スティック」が追加となった。はたして濃い喫味のまま、そうした変化を楽しめるのか気になるところだ。
グローの喫煙時間はおよそ3分30秒と、6分間のアイコスに比べて短めだ。本来はこうした味変は、喫煙時間の長いアイコスにこそ搭載されそうなものだが、カプセル・スパーク式はもっぱらグローの独壇場。今回も、すでにKENTネオスティックシリーズで2018年6月から展開している「ミント・ブースト」「ベリー・ブースト」ですでに採用されている。
世間的には電源アイコンとなっているマークだが、BATのタバコでは、「カプセルを押しつぶしてスパーク的に味変が可能」という意味になる
シックな濃紺屋根デザインはそのままに、電源アイコン付きでの登場となったのが、「ネオ・ブースト・ミント・プラス・スティック」と「ネオ・ブースト・ベリー・プラス・スティック」である。メンソールに関しては強力に展開しているBAT製品だが、メンソールの刺激が強すぎてタバコ感がわかりにくくなることもしばしばなので、そのあたりに注意しながら確認してみたい。また、ネオ・シリーズ登場時は「ネオ・ダークフレッシュ・プラス・スティック」なら“グレープのように香る満足メンソール”のようにサブタイトルがついていたが、今回はついていないようだ。
フィルター部分中央に電源アイコンがついている。ここが味変の際にプッシュするポイントだ
まずは「ネオ・ブースト・ミント・プラス・スティック」を試してみる。加熱時には、メンソールはほぼ感じない。しかしゆっくりと吸い込むと、ガツンとした強烈なメンソールに喉奥を突かれてびっくりする。それでいてまんべんなくスティックが加熱されていくと「ネオ」ならではのタバコ感も立ち上がるからいい。キツめのネオで、しっかりペパーミント系のメンソール。タバコならではの苦味も少々といったところだ。
だが、ここまでは既発売の「ネオ・フレッシュ・プラス・スティック」(爽快満足メンソール)とほぼ同じだ。この状態では、「ネオ・ブースト・ミント・プラス・スティック」はあまり変わりがない。だがこちらにはまだ隠し球がある。
スティックは水色の帯とグリーンの電源アイコンでカラフル
加熱し始めると漂ってくる酸味を抑えたタバコ感のある香ばしい香りで、ネオ・シリーズだとわかる
じわじわと力を入れてもなかなか潰れないカプセル。一気にグッと力を入れるのがコツだ
では、フィルター中央の電源アイコン部分をプッシュしてみよう。すでにメンソール感は十分すぎるほど強烈なので、恐る恐る勢いよくプッシュ。喉奥が強烈刺激を警戒するが、味変はブーストと言いつつ、強力さをアップさせるのではなくて、芳醇なスペアミント系メンソールを追加するタイプだった。どちらかというと、喉奥よりも鼻に抜けるタイプだ。凶暴化するわけではなく、深みのある人間性を得るような奥行き追加がこのブーストの特徴だった。ひと安心だ。
潰した後は結構無残なフォルムになってしまう……。少々かっこ悪いか
こちらの「ネオ・ブースト・ベリー・プラス・スティック」は、ベリー系のミント味とのこと。既発売の「ネオ・ダークフレッシュ・プラス・スティック」はリトルシガーのようなフレーバリングで、大人の男性でもおいしく感じるところが気に入っていたが、今回はどうだろう。
蒸気を吸い込むとふわりとした甘みのあるメンソールが喉をキック。芳醇なベリー系果実は後味に特に強く出る。吐息がリフレッシュされるところは、ちょっとしたミントタブレットのようである。タバコ感はその分控えめ。
この“口紅ついちゃった”感のあるフィルターのアイコンはいかがなものか
加熱時の香りもベリーミントで中和されており、VAPEのような香り
それでは問題のブースト。これは……、かなりアロマ感追加タイプ。ジューシーでありながら、パフューム系の香りをまとった、クセのある味わいだ。これは人を選びそう。女性には人気のある系統のようだが、男性だと苦手となる人も多いと思う。
一度で潰れない時は結構ストレス
情けないフォルムに……
フィルター部分を切り裂いて、中のカプセルを取り出してみた。両方とも結構硬い。なるほど、これは力が要るはずだ。慣れればもっとスマートにできて、フィルターもぐちゃぐちゃにならずに済むと思う。
「ネオ・ブースト・ベリー・プラス・スティック」の中から出てきたカプセルは、意外にも赤色ではなかった
さらに、カプセルもカット。「ネオ・ブースト・ベリー・プラス・スティック」は液体が出てきたが、「ネオ・ブースト・ミント・プラス・スティック」は液体なし
裏面の使い方だけではちょっとわかりにくい
結論としては「ネオ・ブースト・ミント・プラス・スティック」は万人に受け入れられるタイプのストレートなメンソール。ブースト後も刺激ではなくおいしさが広がるので人にも勧めやすい。いっぽう、「ネオ・ブースト・ベリー・プラス・スティック」の芳醇なアロマは好き嫌いが分かれそうだ。普段からディフューザーなどでアロマ活動を楽しんでいる人には喜ばれると思う。
もちろんどちらのフレーバーも、ひと口でまずくて吸えないとかいうレベルの問題ではないので、ぜひ機会があれば試してもらいたい。
元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!