1979年にテレビ放送が開始され、2019年で40周年を迎える「機動戦士ガンダム」。そのシリーズ最新作となる劇場版アニメ「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」が、本日11月30日より公開される。
「機動戦士ガンダムNT」は、宇宙世紀が舞台のガンダム作品としては、「機動戦士ガンダムF91」以来27年ぶりの新作映画。「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」以降の物語を各種メディアで展開する「UC NexT 0100」の第1弾として製作された
「機動戦士ガンダムNT」は、Blu-rayとDVDの累計出荷数180万枚を突破した大ヒットシリーズ「機動戦士ガンダムUC」のその先を描く劇場版作品。「機動戦士ガンダムUC」のストーリーを担当した福井晴敏氏みずから脚本を手がけ、サンライズ第1スタジオが制作を担当する宇宙世紀サーガ最新作だ。
ここでは、そんな世界中のガンダムファンが待ち望んだ新作を、「ガンプラ」を交えながら紹介する。
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まずは、「機動戦士ガンダム」、通称「ファースト」から連なる宇宙世紀の年表から。
【宇宙世紀年表】
※宇宙世紀 出来事……「作品名」
●「機動戦士ガンダムNT」に関わるキーワード
0079 一年戦争……「機動戦士ガンダム」
●「一年戦争とコロニー落とし」/宇宙に住むスペースノイドの自治独立を叫ぶジオン公国と、それを認めない地球連邦の衝突が勃発。その戦争の緒戦で、ジオン公国は全長30kmを超えるスペースコロニーを地球に落下させる「コロニー落とし」を決行。計り知れない被害を生んだ。
0087 グリプス戦役……「機動戦士Zガンダム」
●「ルオ商会」/世界的ネットワークを構築する華僑の商業集団。地球連邦軍がエゥーゴとティターンズに分裂した内乱「グリプス戦役」ではエゥーゴを支援。世論がエゥーゴに傾いて戦乱の転機となった「ダカール演説」時をはじめ、さまざまな便宜を図り、エゥーゴの勝利に貢献した。こうした立ち回りにより、連邦軍参謀本部を動かせるほどに政界にも強い発言力を持つ。
0088 第一次ネオ・ジオン戦争……「機動戦士ガンダムZZ」
0093 第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)……「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」
0096 ラプラス事変……「機動戦士ガンダムUC」
●「ラプラス事変とユニコーンガンダム」/地球連邦のありようを覆すとされる「ラプラスの箱」を巡り、地球連邦、ネオ・ジオン残党軍「袖付き」、そして「箱」を利用して権益を得るビスト財団が争った事件。「箱」のありかの鍵となったのが「ユニコーンガンダム」で、ニュータイプの搭乗者によってマシンを超えた超常性能を発揮した。
0097 不死鳥狩り……「機動戦士ガンダムNT」
0123 コスモ・バビロニア建国戦争……「機動戦士ガンダムF91」
0153 ザンスカール戦争……「機動戦士Vガンダム」
年表を見ればわかるように、「機動戦士ガンダムUC」以後、「機動戦士ガンダムF91」に至るまで物語は空白に等しかった。今回スクリーンで描かれる「機動戦士ガンダムNT」は、「機動戦士ガンダムUC」のそのあとを描きつつ、さらに深く「ニュータイプ神話」に踏み込むという。
そんな「機動戦士ガンダムNT」のあらすじは以下の通り。年表でも書いた通り、「ファースト」の「一年戦争とコロニー落とし」、「Z」の「ルオ商会」、「UC」の「ラプラス事変とユニコーンガンダム」が物語の重要ファクターとなる。
「機動戦士ガンダムNT」あらすじ
舞台は、「ラプラスの箱」が開かれてから1年後のU.C.(宇宙世紀)0097――。
ニュータイプの存在とその権利に言及した「宇宙世紀憲章」の存在が明かされても、世界の枠組みが大きく変化することはなかった。
のちに「ラプラス事変」と呼ばれる争乱は、ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の瓦解で終結したかに見えた。その最後の戦闘で、2機の「フル・サイコフレーム」仕様のモビルスーツが、人知を超えた力を示す。 “白き一角獣”と“黒き獅子”の脅威は、封印されることで人々の意識から遠ざけられ、忘れ去られるはずだった。
しかし、2年前に消息不明となっていた「RX-0 ユニコーンガンダム3号機」が、地球圏に再びその姿を見せ始めた。その「フェネクス」と呼ばれる機体を巡り、地球連邦軍、「袖付き」、アナハイム・エレクトロ社と関連の深い大企業、そしてルオ商会までも介入する。
3人の主人公たち。左から、ミシェル・ルオ、リタ・ベルナル、ヨナ・バシュタ
物語の主人公は、U.C.0079にジオン公国軍の“コロニー落とし”を事前に察知して街を救ったことで、「奇蹟の子供たち」と呼ばれた過去を持つ3人。地球連邦のヨナ・バシュタ少尉、ルオ商会の特別顧問、ミシェル・ルオ、そして2人の幼なじみで地球連邦のリタ・ベルナル少尉だ。なお、リタ・ベルナルは、U.C.0095、「RX-0 ユニコーンガンダム3号機」の機動実験中に暴走事故を起こし、消息不明となっているという。
ここからは、劇中に登場するモビルスーツを「ガンプラ」を交えながら紹介。物語をもう少し深くチェックしていこう。
「機動戦士ガンダムNT」の主人公、ヨナ・バシュタは、地球連邦宇宙軍所属の少尉。彼は、「RX-0 ユニコーンガンダム3号機」の捜索「不死鳥狩り」作戦に投入された「シェザール隊」の増援として送り込まれるのだが、その際に搭乗するのが「ナラティブガンダム」だ。
ガンプラ「HGUC 1/144 ナラティブガンダム A装備」(5,940円)。写真は、武装パーツを外した素体状態
劇中の「ナラティブガンダム」
主人公のひとり、ヨナ・バシュタ少尉。ルオ商会が準備した「ナラティブガンダム」に搭乗する
「ナラティブガンダム」は、アナハイム・エレクトロニクス社製モビルスーツ。「RX-93 νガンダム(ニューガンダム)」の前にサイコフレーム試験機として開発された経緯を持つ。素体状態においては各部の装甲が外されており、機体の内部フレームがむき出しになっている。試験機という出自から、素体自体の武装は頭部バルカンのみで、「不死鳥狩り」作戦においてはルオ商会の力を借り、複数の武装を換装して運用される。
「ナラティブガンダム」に高機動用装備「A装備」を装着した姿
劇中の「ナラティブガンダム A装備」
A装備を換装した「ナラティブガンダム」は、脚部周りの強化に主眼が置かれており、大型ブースター類すべてを後方に向けることで爆発的な加速力を実現している。また、「フェネクス」捕獲用に複合特殊兵装「サイコ・キャプチャー」を備え、「不死鳥狩り」作戦の戦線に参加する。
「HGUC 1/144 ナラティブガンダム A装備」には、「フェネクス」捕獲用複合特殊兵装「サイコ・キャプチャー」も付属
「ナラティブガンダム」が「サイコ・キャプチャー」を使用する劇中シーン
また、「ナラティブガンダム」は、有線式遠隔攻撃端末2機を搭載するバックパックを背部に装備する「B装備」にも換装可能。両腕には、ミサイルが内蔵された小型シールドを装備している。なお、「HG 1/144 ナラティブガンダム用 B装備拡張セット」の予約受付は、12月上旬より開始される。また、噂される「C装備」の「ガンプラ」に関しては、いまだ公式の発表はない。
「HG 1/144 ナラティブガンダム用 B装備拡張セット」のティザーサイト。「B装備」を再現するには、先述の「HG 1/144 ナラティブガンダムA装備」が別途必要だ
ジオン共和国軍も、「フェネクス」捕獲をもくろんでいる。その中心人物がゾルタン・アッカネン大尉。ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の首魁(しゅかい)フル・フロンタルと同様に、“シャアの再来”のひとりとして開発された強化人間である。そんな彼が搭乗するのが、「シナンジュ・スタイン」だ。
ガンプラ「HGUC 1/144 シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.)」(2,808円)
ゾルタン・アッカネン大尉
「シナンジュ・スタイン」は、「RX-0 ユニコーンガンダム」を開発した「UC計画」において、サイコフレームの強度や追従性のテスト機として生み出された試作モビルスーツ。開発コードは「スタイン01」。U.C.0094、地球連邦宇宙軍所属のクラップ級巡洋艦ウンカイで輸送中に、強奪されたとされている。
U.C.0097時に確認された「シナンジュ・スタイン」は、胸部と前腕部に「袖付き」の装飾(エングレービング)が施されていた
劇中の「ナラティブガンダム」(左)と「シナンジュ・スタイン」(右)
「シナンジュ・スタイン」のガンプラは、HGUCモデルのほか、1/100スケールのMG(マスターグレード)モデルと、1/144スケールのHG(ハイグレード)モデルのクリアカラー版がラインアップされている。
2019年1月に発売予定の「MG 1/100 シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.)」(8,100円)。メカデザイナー、カトキハジメ氏デザインのプラモデルオリジナルマーキングシールが付属する
映画「機動戦士ガンダムNT」が公開される劇場と、東京・お台場にある「THE GUNDAM BASE TOKYO」にて販売される「HG 1/144 シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.)[クリアカラー]」(2,900円)。初回限定生産分のみ、映画のキービジュアルを使用した限定パッケージで販売される
地球連邦とジオン共和国軍が捕獲をもくろんでいるのが、「ユニコーンガンダム3号機 フェネクス」。試験用に先行納入された「フル・サイコフレーム」の素体をもとに、白い1号機「RX-0 ユニコーンガンダム」と黒い2号機「RX-0[N] ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン」の建造データを反映して組み上げられたモビルスーツだ。U.C.0095、暴走事故を起こし、行方不明となっていた。
ガンプラ「HGUC 1/144 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(デストロイモード)(ナラティブVer.)」(3,024円)
劇中の「ユニコーンガンダム3号機 フェネクス」
パイロットは、ヨナ・バシュタの幼なじみであり、地球連邦宇宙軍所属のリタ・ベルナル少尉。彼女と「フェネクス」が今作の鍵を握りそうだ。
なお、「ユニコーンガンダム3号機 フェネクス」のガンプラも、ラインアップは豊富だ。
「HGUC 1/144 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(デストロイモード)(ナラティブVer.)[ゴールドコーティング]」(5,400円)
「HG 1/144 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(デストロイモード)(ナラティブVer.)[クリアカラー]」(3,100円)。先述の「HG 1/144 シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.)[クリアカラー]」と同じく、映画の公開劇場と「THE GUNDAM BASE TOKYO」にて販売される。初回限定生産分のみ、映画のキービジュアルを使用した限定パッケージを採用
「MG 1/100 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(ナラティブVer.)」(14,040円)
「機動戦士ガンダムNT」に登場予定のモビルスーツとしては、以上のほかにもキット化されている。一挙に紹介しよう。
「II(セカンド)ネオ・ジオング」は、「機動戦士ガンダムNT」公式PVのロングバージョンにも一瞬映る巨大モビルアーマー。「機動戦士ガンダムUC episode 7」に登場する圧倒的な火力を誇る、フル・フロンタル搭乗のモビルアーマー「ネオ・ジオング」が真っ赤なボディだったのに対し、「IIネオ・ジオング」はホワイトをボディカラーの基調とする。
「HG 1/144 IIネオ・ジオング(ナラティブVer.)」(28,080円)。HGシリーズながら、全高83cmを誇る巨大キットで、先述の「HGUC 1/144 シナンジュ・スタイン(ナラティブVer.)」も同梱される
シナンジュ・スタインが装備する「ビーム・ライフル」と「バズーカ」、「シールド」、そして新装備の「大型ビーム・アックス」が付属
別売の「HGUC 1/144 ネオ・ジオング用 拡張エフェクトユニット“サイコシャード”」(2,700円)と組み合わせることで、「サイコシャード」発生状態を再現可能
「ジェスタ シェザール隊仕様」は、アナハイム・エレクトロニクス社で開発された特殊作戦用モビルスーツ。「不死鳥狩り」作戦ではシェザール隊が使用し、全機の頭部にスコープ型のセンサー強化ユニットが装備されている。
また、同作戦のために、バックパックを高機動型に換装した「A班」、「メガ・ビーム・ランチャー」にトライポッドを組み合わせたスナイパー装備の「B班」、「89式ベース・ジャバー」に乗って捕獲用キャプチャーガンを携行する「C班」の3つの装備仕様が準備され、各2機ずつ計6機小隊で「不死鳥狩り」に挑む。
「HG 1/144 ジェスタ(シェザール隊仕様 A班装備)」(3,024円)。シェザール隊の隊長、イアゴ・ハーカナ少佐やタマン少尉が駆るA班装備のジェスタを忠実に再現している
「HG 1/144 ジェスタ(シェザール隊仕様 B&C班装備)」(2,484円)。「B班」(写真)と「C班」の仕様をどちらも再現できる
劇中の「ジェスタ シェザール隊仕様 C班装備」
「ジェガンD型 護衛隊仕様」は、「RGM-89D ジェガンD型」のバリエーション機。D型で標準装備されていた「60mmバルカン砲」は外され、頭部には新規デザインが採用されている。また、「機動戦士ガンダムUC」に登場した「RGM-89De ジェガン(エコーズ仕様)」と同様に、胸部装甲の強化が図られている。主武装として「90mmショートマシンガン」を使用。
「HG 1/144 ジェガンD型(護衛隊仕様)」(1,944円)
「機動戦士ガンダムUC」にも登場する量産型汎用モビルスーツ。胸部に内蔵された「ロケットランチャー」の展開ギミックを差し替えなしで再現する。
「HGUC 1/144 グスタフ・カール(ユニコーンVer.)」(2,592円)
以上のほか、「リック・ディアス」をベースに改修した試作陸戦用モビルスーツ「ディジェ」などが劇中に登場するが、「ナラティブVer.」のキット化はまだ発表されていない。なお、「機動戦士Zガンダム」で、アムロ・レイが正式搭乗した「ディジェ」をキット化した「HGUC 1/144 ディジェ」は発売中。
劇中の「ディジェ」
「機動戦士ガンダムNT」
2018年11月30日全国ロードショー
配給/松竹
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