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漫画コンシェルジュ・小林琢磨が選ぶ

笑うって大事! 大人も子どもも一緒に笑えるギャグ漫画10選

壮大なストーリーの冒険漫画や、思わず引き込まれてしまうミステリー漫画など、それぞれのジャンルごとに漫画の楽しさは異なりますが、何も考えず、ただただ笑いたい時は、やはりギャグ漫画で決まり。今回は、年間1,000冊以上の漫画を読むという漫画コンシェルジュ・小林琢磨が、読めば笑顔になれて、パワーをもらえるギャグ漫画10選を一挙紹介します。

1.あそびあそばせ/涼川りん

「あそびあそばせ」は、今最も注目されているギャグ漫画のひとつで、白泉社「ヤングアニマル」で連載されている作品です。単行本の表紙だけを見ると、かわいい女の子たちの日常を描いた、いわゆる“ゆるふわ系”の漫画かなと思ってしまうのですが、中身は全然違う。3人の女子中学生たちがひどすぎる顔芸をしたり、シュールなギャグが連発されていたり、とにかく勢いのあるシュール系ギャグ漫画です。かわいらしい表紙や絵柄に対して、漫画の中身があまりにもかけ離れているので、いい意味で「表紙詐欺」として話題を呼んだ作品です。人気が高く、アニメ化もされています。表紙だけで漫画の中身を想像して読むと、間違いなく裏切られますので、ぜひ手に取って騙されてください。

(C)涼川りん/白泉社・ヤングアニマル

(C)涼川りん/白泉社・ヤングアニマル

あらすじ
圧倒的画力で描かれる美少女とシュールギャグに、笑わずにはいられない!! ギャグ漫画の最先端を行く「美少女×お遊戯」コメディ! (白泉社作品ページより)/単行本は既刊6巻。

2.セトウツミ/此元和津也

「セトウツミ」はドラマ化も映画化もされているので、ご存じの方も多い作品だと思います。登場人物は主に瀬戸と内海の2人。基本的に河原でだべっているだけなのですが、2人の会話のテンポが漫才のようで、漫画を読んでいるのに漫才を見ている感覚になってしまいます。台詞を抜き出せばそのまま漫才が完成してしまうくらい、会話の構成も展開も考え抜かれていて、本当に完成度の高い作品です。毎回、良質な漫才を見させてもらったような、そんな読後感を味わえます。淡々と読める1話完結モノですが、話が進むにつれて少しずつ伏線が張られていって、最後にはどんでん返しが待っています。特に最終話のひとコマがとても感動的で、キレイに話が終わるんですよ。全8巻なので、一気読みしてもらいたいですね。

(C)此元和津也(秋田書店)2013

(C)此元和津也(秋田書店)2013

あらすじ
「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」。 まったりゆったりしゃべるだけ。関西の男子高校生、瀬戸と内海のクールでナナメでシニカルな放課後トーク7編。(秋田書店作品ページより)/単行本は全8巻を刊行。

3.監獄学園/平本アキラ

「監獄学園」は、“ザ・おバカ漫画”ですね。努力、友情、勝利、そしてエロと笑い。青年漫画に必要なすべての要素が詰まっている漫画で、おバカ漫画の最高傑作だと思います。どれだけおバカなのかというと、1ページまるまる使って、ていねいにパンチラを見せていくとか、そんなレベルです。ドラマ化もされているのですが、きちんと毎週放送できるのかどうか、こちらが心配になってしまうくらい(笑)。また、内容はくだらないのに、作者の画力が高いから、そのギャップが笑いに対する絶妙なフリになっているんですよね。ひたすら高い画力で、おバカを描き続けている、愛すべきおバカ漫画です。

(C)平本アキラ/講談社

(C)平本アキラ/講談社

あらすじ
東京都郊外にある私立八光(はちみつ)学園は由緒正しい全寮制の女子高……だった。本年度から理事長交代によって教育方針が変わり、男子が入学することになったのだが、入ってきたのは主人公の藤野清志他、たったの5人。女子1,000人に対して圧倒的少数の男子どもを待ち受けるのは、はたして天国か地獄か。男共の下心がうずきまくる仰天ハイスクールコメディ始業!!(講談社作品ページより)/単行本は既刊11巻。

4.今日から俺は!!/西森博之

「今日から俺は!!」はヤンキー漫画としての要素も強いので、ギャグ漫画として扱っていいのかどうか迷いましたが、現在放送されているドラマがギャグ調でしたので、今回選ばせていただきました。ストーリーの柱は、ヤンキー漫画としてのシリアスな部分と、ギャグの部分の2つがありますが、特にギャグの切れが秀逸でおもしろい漫画ですね。主人公の三橋がほかのキャラクターを監禁するシーンや、同じく主人公の伊藤がカッパになるところなどは特に笑える回で、三橋と伊藤という魅力的なキャラクターを見事に生かし切っている作品だと思います。ストーリーの中にギャグ要素が散りばめられているという点では、「銀魂」に近いところもあるかも知れませんが、シリアスとギャグを融合した漫画の先駆けになるのかなと。ギャグだけではないシリアスなストーリーも楽しめる漫画ですので、ぜひ一度読んでみてください。

(C)西森博之/小学館

(C)西森博之/小学館

あらすじ
「この転校をキッカケに俺は・・・」 今までさえなかった三橋は目立ちたい一心で金髪パーマでツッパリデビュー! そんな三橋の前にもう一人の転校生、トンガリ頭にマスクでキメた伊藤が現れて・・・・・・。金髪とトンガリ頭の最強ツッパリコンビが繰り広げる青春不良コメディ!(小学館作品ページより)/単行本は全38巻を刊行。

5.主に泣いてます/東村アキコ

ギャグ漫画を語るうえで絶対に外せない超大御所、東村アキコ先生の作品ですね。東村先生と言えば、「かくかくしかじか」や「東京タラレバ娘」など数多くの有名作品がありますが、僕はこの「主に泣いてます」が大好きです。主人公の絶世の美女と、その周囲の人たちが繰り広げるドタバタ劇を描いた王道系のギャグ漫画なのですが、この主人公の美女が「美女過ぎて不幸」という絶妙なキャラクターで(笑) 普通美女は天狗になったり、そのかわいらしさを利用したりしますが、この主人公は根暗でネガティブなので、周囲の注目を浴びたくないためにダサい格好に変装したり、ダサい仕草や変顔の練習をしたり。それでも美女であることは隠しきれず、みんなが彼女に恋をしてしまい、「休日は何をしているんですか」と口説かれると、「主に泣いてます」と答える。こうしたグッと引き込まれる設定の中にシュールなギャグが連発されていく、東村アキコ節満載の漫画です。

(C)東村アキコ/講談社

(C)東村アキコ/講談社

あらすじ
死にもの狂いで非モテ道。あり余る美貌が故、絶対的不幸にさいなまれる美人美術モデル・紺野泉。涙腺ゆるゆる。幸せぽろぽろ。あの手この手で非モテ道に邁進する川沿い美人協奏曲開演。(講談社作品ページより)/単行本は全10巻を刊行。

6.中間管理録トネガワ/原作:萩原天晴 作画:橋本智広、三好智樹 協力:福本伸行

昨年頃から、漫画界に空前のスピンオフブームが到来したのですが、そのブームの先駆け的な存在と言えるのが、この「中間管理録トネガワ」で、「賭博黙示録カイジ」に登場するトネガワのスピンオフ作品です。トネガワに焦点を当てるその発想がもう「そうきたか!」というおもしろさがありますし、「賭博黙示録カイジ」は有名だから、読者はトネガワのキャラクターを知っていることを前提としてギャグを繰り広げているのが斬新です。トネガワはカイジの敵で、最終的にカイジに負けて失脚するのですが、本作品は、カイジに負けるまでのトネガワをギャグを交えて描いています。ギャグ漫画としてのおもしろさはもちろん、スピンオフブームの火付け役になった作品としても注目したい漫画です。

(C)萩原天晴/橋本智広/三好智樹/福本伸行/講談社

(C)萩原天晴/橋本智広/三好智樹/福本伸行/講談社

あらすじ
帝愛グループの会長・兵藤和尊によって、債務者たちによる「死のゲーム」の企画を命じられた幹部・利根川幸雄!! 早速、黒服たちを招集し企画会議を開く利根川だったが、次第に会議室に暗雲が立ち込み始め……!? 会長と黒服の間を右往左往する利根川幸雄、魂の中間管理録っ!!! (講談社作品ページより)/単行本は既刊7巻。

7.金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿/原作:さとうふみや、天樹征丸、金成陽三郎 作画・作画原作:船津紳平

「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」は、「金田一少年の事件簿」のスピンオフ作品で、本作品は犯人の視点から描かれた漫画になっています。本編では、ストーリーを盛り上げるための設定として、見立て殺人や現実にはあり得ないような状況での殺人事件が描かれていますが、本作品は、そのような殺人現場において、犯人はどのようにして犯行を行ったのか、おもしろおかしく描いています。たとえば、タロット山荘での殺人事件は、タロットになぞって殺人が展開されていきます。風車に死体が吊り下げられていて、「これはタロットの絵と同じだ!」と。でも、そう描かれてしまうと、犯人は死体を風車に取り付けなければいけなくなります。しかも、ひとりで死体を背負って、雪の中「寒っ!」みたいな。大真面目な殺人の裏には、犯人の大変な苦労があって、それがギャグとしてシュールに描かれていて、かなり笑えるんです。これを機に再び本編が注目されているくらい、話題を集めている作品です。

(C)さとうふみや/天樹征丸/金成陽三郎/船津紳平/講談社

(C)さとうふみや/天樹征丸/金成陽三郎/船津紳平/講談社

あらすじ
やめろ金田一! みんなの前で俺のトリック暴かないでくれ……!! SNSで大反響! 金田一少年に謎を全て解かれた”犯人視点”スピンオフ! 第1巻は、オペラ座館殺人事件、学園七不思議殺人事件、蝋人形城殺人事件、秘宝島殺人事件、そして制作舞台裏を初めて明かす特別描き下ろし『外伝煩悩シアター』を収録! (講談社作品ページより)/単行本は既刊4巻。

8.SKET DANCE/篠原健太

「SKET DANCE」は、人助けを目的とした高校の部活動「スケット団」の日常が描かれた学園コメディ漫画です。基本は1話完結モノですが、ギャグ要素だけでなく、謎解きや感動話も盛り込まれます。登場するキャラクターも魅力的ですし、ストーリーとギャグのバランスが秀逸なので、とても読み応えのある作品ですね。笑いは、下ネタや時事ネタなしにギャグのセンスを全面に押し出して構成されているので、そういった意味では、年齢や性別問わず誰でも気軽に読める作品だと思います。アニメ化もされているので、広く知られている作品ではありますが、自信を持って勧められる一押しの漫画です。

(C)Kenta Shinohara 2018/Shueisha

(C)Kenta Shinohara 2018/Shueisha

あらすじ
誰もが抱える悩みや問題。それらを何でも解決してくれるヤツらがいた! その名も学園生活支援部──通称「スケット団」! 頼れる(?)リーダー“ボッスン”紅一点の武闘派“ヒメコ”情報収集が得意なオタク“スイッチ”。個性溢れる面々が、今日も悩める人の助っ人になる! (集英社作品ページより)/単行本は全32巻を刊行。

9.かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜/赤坂アカ

「かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」は、2019年1月からアニメ放送が開始される予定で、今、最もホットなラブコメ漫画のひとつと言えると思います。エリートが集まる名門校で、学園一頭のよい生徒会長と、その次に頭のよい副生徒会長は、お互いに惹かれ合っているけど、2人ともプライドが高すぎて告白することができない。でも、好きだからどうにかして相手から“告らせ”ようと、あの手この手を使った頭脳戦を繰り広げるラブコメ漫画です。そこにギャグ成分がふんだんに盛り込まれているのがおもしろいんです。好きなのに、プライドがじゃまして何もできずにもじもじしている2人の描写が見事で、思わず背中を押してあげたくなるような感情にさせられてしまいます。話が進むにつれて、相手からの告白を待つのではなく、自分から伝えようと変化していく様子もおもしろいですね。最新話ではまさに勇気を出そう、という段階なので、今、目が離せない漫画ですね。

(C)赤坂アカ/集英社

(C)赤坂アカ/集英社

あらすじ
「恋愛は告白した方が負けなのである!」家柄も人柄も良し!! 将来を期待された秀才が集う秀知院学園!! その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過!! プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった!? 恋愛は成就するまでが楽しい!! 新感覚“頭脳戦”ラブコメ、開戦!! (集英社作品ページより)/単行本は既刊11巻。

10.HIGH SCORE/津山ちなみ

「HIGH SCORE」は、1990年代に少女漫画を読んでいた人であれば、その名前を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。1995年から現在に至るまで、約23年間「りぼん」で連載され続けている、伝説と言っていい少女ギャグ漫画ですね。連載開始当時、作者は中学3年生ということもあって多くの話題を集めました。ただ、話題を集めたのは作者の年齢だけではありません。僕は妹の影響で連載開始当初から読んでいましたが、少女漫画の王道と言える「りぼん」で、シュールなギャグ漫画が連載されたことに驚きましたよ。ストーリーは今で言う“リア充”高校生による群衆劇で、キャラクターにパンチがあってすぐに引き込まれます。描写はかわいらしいタッチなのですが、不細工なオヤジキャラが出てきたり、ヴァイオレンスやエロネタが盛り込まれていたり、少女漫画としては異色の作品で、そのギャップがくせになるギャグ漫画です。4コマ漫画なので、気軽に読めるのも魅力ですよ。

(C)津山ちなみ/集英社 りぼんマスコットコミックス

(C)津山ちなみ/集英社 りぼんマスコットコミックス

あらすじ
めぐみと政宗、嵐士に沙夜に多摩先生……。常識を超えたキャラが続々と出現! ハイスピードで展開する学園ギャグ4コマ。大爆笑のHIGH SCOREワールドへようこそ。(集英社作品ページより)/単行本は既刊17巻。

取材・記事/雪か企画

小林琢磨

小林琢磨

(株)ナンバーナイン代表取締役社長。大切な事は全て漫画から教わりました! 情熱こそ全てであり最優先。魂が震える作品が好きです。マンガサロン「トリガー」のオーナーと(株)人狼の代表も兼任。サーチフィールド創業者。アイコンはうめ先生制作。

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