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正月のすがすがしい気分にぴったりの完結済み作品

漫画コンシェルジュが選ぶ、1年の始まりに読み切りたい5選

明けましておめでとうございます。さっそく、家でゴロゴロ暇していませんか? 新年のきりっと澄んだ空気に、心までまっさら! な気がする正月だからこそ、心に染み入る名作を読んで、しみじみ感動に浸りたいですね。年間1,000冊以上の漫画を読むという漫画コンシェルジュ・小林琢磨が、新年のすがすがしい気分にぴったりで、3日で読み切れる完結済みの5作品をご紹介します。

1.オナニーマスター黒沢/原作:伊瀬 カツラ、漫画:YOKO
だまされたと思って読んでほしい、タイトルを裏切る青春漫画の傑作!

とにかくタイトルのインパクトがすごいんですが、「伝説のWEB漫画」と呼ばれる、知る人ぞ知る名作! レビューサイトでも評価が高い作品です。10年以上前にWEB上で発表され、これまでも「ニコニコ静画」などで読めたのですが、2018年に初めて正式に電子書籍として発売されました。タイトルから、下ネタ満載のギャグ漫画を連想するかもしれませんが、そういった描写も多少出てくるものの、それを差し引いても、とにかく感動できる、ザ・青春漫画です。

多感な中学生男子ならではの苦悩、葛藤、初恋、逆境からの再生という盛りだくさんなストーリーですが、全4巻の中できっちり描ききっています。スクールカーストの1番下から見える景色。逆境を乗り越えていく主人公の姿に胸を打たれるはず。「どんなにつらいことがあっても、またやりなおすことができる」。そんなことを教えてくれる、希望と勇気にあふれた作品です。読み終わった後には「オナニーマスターでよかった……!」と、すがすがしい気持ちになれること間違いなし。老若男女、タイトルで食わず嫌いせず、とにかく最後まで読んでくれ!

(C)伊瀬カツラ/YOKO/ナンバーナイン

(C)伊瀬カツラ/YOKO/ナンバーナイン

作品紹介
中学2年生の黒沢の楽しみ……。それは学校の女子トイレで同級生をオカズに自慰にふけること。しかし、クラスでイジメに遭っている少女に見つかってしまい……。(ナンバーナイン作品紹介文より)/全4巻。

2.徒然チルドレン/若林稔弥
新たに一歩踏み出す人に届けたい、ほっこり学園ラブコメ

胸がきゅんきゅんするような恋愛漫画です。オムニバス形式で、登場人物それぞれに淡い恋や青春があって、それが基本的にはギャグチックに描かれています。登場人物が多いのですが、僕のお気に入りは香取先輩。作者の若林先生も、この香取先輩の存在があったからこそ、ここまで長く描くことができ、物語を終わらせることができたというほど、魅力的なキャラクターです。

この作品は「4コマ漫画」という位置づけではあるものの、登場人物が歳を取らない「サザエさんスタイル」ではなく、文化祭や卒業などの学園行事を経て、それぞれの主人公が成長し、自分の物語に決着をつけていきます。一生続けられるスタイルの作品に、あえてちゃんと終わりを作ったというところが、この作品のよさのひとつでしょう。深く考えずに読めて、キャラに愛着が持てて、最後まで読むと、「いいものを見た」という感覚にさせてくれます。登場人物たちのように、これから新たな一歩を踏み出そうとしている人や、新年の始まりにほっこりしたい人にいいですね。

(C)若林稔弥/講談社

(C)若林稔弥/講談社

内容紹介
WEBで大人気の学園ラブコメディ4コマが待望の単行本化! 「君が好き」って言えない君へ。もどかしくて恥ずかしくて照れくさい思いがたっぷり詰まった話題作!(講談社作品ページより)/全12巻。

3.四月は君の嘘/新川直司
すがすがしい涙を流せる、元・天才少年の挫折と再生の物語

アニメ化・実写映画化もされたので非常に有名な作品ですが、やっぱりめちゃくちゃいいですね。これこそが、「すがすがしい漫画」と呼べるのではないでしょうか。ここ10年に発表された作品で名作TOP100を決めるとしたら、確実に入ってくる作品だと思います。

天才ヴァイオリニストの少女と出会った元・天才ピアノ少年の、挫折と再生の物語なのですが、まー泣けます。ちなみに、僕は3回くらい泣きました。主人公はもちろん、天才少年である主人公のライバルたちも超魅力的で、主人公に追いつくために努力する彼らの姿にぼろっぼろ泣けます。音楽のシーンもリアルで、そこも見どころのひとつ。絵がとにかくキレイなので、音が聞こえてくるような気がするというか、シーンが頭に浮かんでくるようです。とはいえ、青春漫画の側面も強く、音楽を知らない人でも非常に楽しめるので、安心して手に取っていただきたいです。

(C)新川直司/講談社

(C)新川直司/講談社

内容紹介
「あの日、僕はピアノが弾けなくなった……」仄暗い青春を過ごす元・天才少年、有馬公生。夢も恋もない世界に佇む、彼に差し伸べられた手は名も知れぬ少女のものだった!! 少女の名は宮園かをり。性格最低・暴力上等の彼女はしかし、まぎれもなく最高のヴァイオリニストだった! 公生は、かつて住んでいた音楽の世界に、強引に引きずり戻される。カラフルに色づく、音楽の世界に! 完結後の今もなお、各界からの絶賛の声が鳴り止まない音楽コミックの金字塔!「音が聴こえる」その描写から、目が離せない!(講談社作品ページより)/全20巻。

4.惑星のさみだれ/水上悟志
人生の素晴らしさを教えてくれる、脱・王道のSFファンタジー

「惑星」と書いて、「ほし」と読みます。これも、知る人ぞ知る隠れ名作。コアな漫画好きの間では有名で、「惑星のさみだれ」を知っていれば、「お、わかってるな」と思われるはず。そして、みんなが口をそろえて、「いいよね〜」ってなる作品です。

地球をぶっ壊す悪い奴と戦う人間たちの物語を通して、主人公とヒロインの成長を描いているのですが、ヒーローの設定がそんなにかっこよくなかったりして、「王道からちょっとずれたSFファンタジー」という感じ。中二病要素も、ハートフルな要素も詰まった人生賛歌的作品です。作者の水上先生は「稀代のストーリーテラー」と呼ばれていて、どの作品もとにかく終わり方が秀逸なんです。この作品も後半にどんでん返しがあるのですが、伏線が最後まできれいにつながっていって、わかりやすい大団円。最後の聖戦後のストーリーには、「物語が終わったあとも、日常って続いていくよね」というところまで描いているのが素敵です。隠れ名作なので漫画家さんからの評価が高く、玄人好みの作品ではあるのですが、普段そんなに漫画を読まないという人が読んでも、絶対おもしろいですよ!

(C)水上悟志/少年画報社

(C)水上悟志/少年画報社

内容紹介
雨宮夕日はごく普通の平凡大学生だった……ハズが、ある日現れた喋るトカゲに「地球の危機」を救う協力を依頼される。拒否するまもなく、既に指輪と能力が与えられ、早くも敵に襲われてしまった夕日を救ったのはなんとお隣さんの少女・さみだれ。救世主の降臨と思いきや、実は地球征服を企む魔王だった……。平凡な日常と奇妙な世界が交錯する新感覚ご近所ストーリー!!(少年画報社オフィシャルサイト作品ページより)/全10巻。

5.ピンポン/松本大洋
良質な小説を読んだあとのような余韻に浸れるスポ根漫画

これも、実写映画化、アニメ化されている作品。特に実写映画が非常に有名ですよね。映画は、漫画の実写化作品をほとんど観ない僕でも、非常によくできていると思ったくらい素晴らしいんですけど、原作も映画に負けない傑作ですので、映画ファンの方もぜひ読んでみてください。

「スポ根」と「成長」は切っても切り離せないものですが、それをうまく描いている作品だと思っています。ライバルである幼なじみとの友情と葛藤、そして最後にヒーローが……という、読み終わった後に、「あー、よかったなぁ」と感じさせてくれる読後感のよい作品。スポーツ漫画らしく、熱くなれて、「よし、俺もがんばるぞ」と気合いが入るだけでなく、良質な小説を読んだあとのような余韻に浸れます。全5巻と短く、そんなにセリフが多くないので、さくさく読めるという意味でも、お正月に読むのにぴったりだと思います。

(C)松本大洋/小学館

(C)松本大洋/小学館

内容紹介
卓球のイメージを塗り替えたネオ「スポ根」漫画! 卓球で「この星の一番」になりたい星野裕、ペコと卓球は「死ぬまでの暇つぶし」の月本誠、スマイルが織りなすラリーの綾錦!
それが「ピンポン」!(小学館作品ページより)/全5巻。

小林琢磨

小林琢磨

(株)ナンバーナイン代表取締役社長。大切な事は全て漫画から教わりました! 情熱こそ全てであり最優先。魂が震える作品が好きです。マンガサロン「トリガー」のオーナーと(株)人狼の代表も兼任。サーチフィールド創業者。アイコンはうめ先生制作。

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