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まもなく実写映画が公開

今読むべき漫画「キングダム」が多くの人を魅了する3つの理由

今や国民的マンガとなった「キングダム」。中国の春秋戦国時代を舞台にした長編歴史ファンタジーで、低い身分ながらも大将軍を目指す「信(しん)」と、中華統一を目指す「政(せい)」の2人を主人公に据えています。2019年3月現在、既刊累計3,600万部突破、第17回手塚治虫文化賞漫画大賞受賞、4月には実写映画が公開されるほどの大人気作品ですが、一体なぜ、これほどまでに長く読まれ続けるのでしょうか? 年間1,000冊以上の漫画を読むという漫画コンシェルジュ・小林琢磨が、漫画「キングダム」の人気が続く「3つの理由」を解説します。

(C)原泰久/集英社

(C)原泰久/集英社

あらすじ
時は紀元前――。
いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は、500年の大戦争時代。苛烈な戦乱の世に生きる少年・信は、自らの腕で天下に名を成すことを目指す!! (集英社作品ページより)/単行本は既刊53巻。

【読まれ続ける理由1】
7つの国が覇権争いを繰り広げた「春秋戦国時代」を舞台としている

そもそも日本人は歴史物が好きなんです。NHKで毎年大河ドラマが放送されているのが象徴的ですよね。戦国時代や幕末といった日本の歴史はもちろん、中国の歴史も昔から人気があって、「三国志」をはじめ、多くの名作が生まれています。しかしながら、数ある歴史物の中でも本格的にスポットライトが当てられていない時代がありました。それが「キングダム」の舞台、春秋戦国時代です。春秋戦国時代というのは、紀元前770年から紀元前221年まで500年ほど続いた中国の戦乱の時代で、戦国の七雄と呼ばれる七大国「秦」「楚」「斉」「燕」「趙」「魏」「韓」が覇権を争い、激しい戦いを繰り広げていました。7つの国が争い天下統一を目指す。いかにも日本人が好きそうですよね? 戦国時代好き、幕末好きであれば間違いなく心引かれる時代と言えるでしょう。

(C)原泰久/集英社
本作のもうひとりの主人公・政。後に中国統一を成しとげ、秦の始皇帝となる人物です。7つの国が覇権争いを繰り広げる中、「政」がどのようにして始皇帝にまで上り詰めていくのか、政の物語にも注目です

【読まれ続ける理由2】
ビジネスのヒントが多く、社会人に絶大な支持があるから

本作は「ヤングジャンプ」で連載されていて、小中学生よりも社会人に多く読まれているイメージがあります。特にIT系の社長の中には「キングダム」好きが多く、「起業するなら『キングダム』を読め」と言われるくらい、IT界隈では課題図書レベルの作品になっているように思います。成功されている社長さんが、起業するなら「キングダム」を読めと言う。それなら、と意識の高いビジネス層が読んでみると、これがかなりおもしろい。そんな風にして、どんどんファンの裾野が広がっていったのかもしれません。

では、なぜ起業家や社会人に支持されるかというと、そこにビジネスのヒントを見出せるからではないでしょうか。「キングダム」に描かれる戦いは武力だけの単純なものではなく、戦略、戦術が複雑にからみ合っていて、とても勉強になります。本作に登場する強い武将は、戦略、戦術を駆使する“知力タイプ”と、本能で罠を回避し、突き進んでいく“本能タイプ”という、大きく2種類のタイプに分けられます。これは現代のビジネスの世界にも当てはまるのではないでしょうか。「究極の知能型に勝てるのは本能タイプしかいない」とか、「でも、本能タイプだけだと知能タイプの罠にはまってしまう」とか。どっちが強い、弱いとかじゃなく、どっちもいて、どっちも大事だよねと。大将軍になるためには、人との付き合い方や、逆境を乗り越える力が大切になるというところも、ビジネスの世界とリンクするのではないでしょうか。

(C)原泰久/集英社
30巻の表紙になっている、秦国の大将軍「麃公(ひょうこう)」。本能タイプの象徴とも言える将軍で、敵対する武将のあらゆる知略や戦略に対して本能で突き進み、困難を打開していきます。その姿からは勇気をもらえますし、普通ではあり得ない言動から「そうきたか!」と、いい意味で裏切られる場面が多い。決断力や行動力の面でも、ビジネスの参考になるのだと言えるのでしょうね

【読まれ続ける理由3】
敵味方関係なく、魅力的なキャラクターが多いから

「三国志」もそうなのですが、歴史物は基本的に登場人物が多くて、本作でも100以上のキャラクターが登場します。これだけ数が多いと散漫になりがちですが、「キングダム」では登場人物1人ひとりの背景やストーリーがていねいに描かれていて、魅力的なキャラクターが本当に多い。だからどんな読者でも感情移入できるキャラクターを見つけられるのではないかと思います。敵キャラの背景など、普通は省略しがちなところを驚くほど深く掘り下げているからこそ、ストーリーに厚みが出て、それがキャラクターの魅力にもフィードバックされていく。たとえば、「王騎(おうき)」というキャラクターがいまして、これがまためちゃくちゃにかっこいい。主人公を食ってしまうほどかっこいいんです。もちろん、主人公が関係している史実のメインストリームはありますが、歴史の中には主人公が出てこない戦いも間違いなく存在していて、そういう部分もきちんと描いているというのはとても魅力的ですよね。

(C)原泰久/集英社
魅力的なキャラクターの筆頭であり、個人的にも大好きなのが、秦国六大将軍の「王騎」。武力、知略、リーダーシップ、経験値、すべてにおいて作中トップクラスの実力者で、主人公の「信」がもっとも影響を受けるカリスマ的な将軍です

今後も見どころ盛り沢山。「キングダム」は“今”読むべき漫画

歴史物なので結末は決まっています。簡単に言えば「政」は始皇帝になるんです。でも、そこまでの過程、つまり中華統一までの物語がおもしろいわけで、今後の展開が楽しみで仕方がありません。それと、統一した後の歴史がどう描かれるのかも気になりますよね。

もしもまだ「キングダム」を読んだことがないのなら、それはとても幸せなことです。だって今から「キングダム」が読めるんですから。個人的には、社会人の必読書にすべき作品だと思っています。働くうえで大切なこと、仕事のやりがい、そして、困難に挑む勇気。キングダムにはそういうエッセンスが満ちあふれています。4月から社会人になる方々には、就職前の“今”のうちに読んでおいてもらいたいですね。

(C)原泰久/集英社

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取材・記事/雪か企画

小林琢磨

小林琢磨

(株)ナンバーナイン代表取締役社長。大切な事は全て漫画から教わりました! 情熱こそ全てであり最優先。魂が震える作品が好きです。マンガサロン「トリガー」のオーナーと(株)人狼の代表も兼任。サーチフィールド創業者。アイコンはうめ先生制作。

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