イベントレポート
「ポッド式」や「使い捨てタイプ」の拡充で、VAPEがより身近になる予感

深センの電子タバコ博「eCigExpo」で感じた“VAPEのこれから”

2019年4月14〜16日にかけて、中国・深セン市にて、電子タバコや加熱式タバコの大規模展示会「2019 IECIE Shenzhen eCigExpo」(以下、eCigExpo)が開催された。初日の会場を取材する機会を得たので、その様子をレポートする。

「中国のシリコンバレー」深センには、多くのVAPEメーカーが集まる

深センは、中国国内のベンチャー企業の本社や大手メーカーの工場が多く、最先端の技術が集結する場所という理由から、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる地だ。近年では、電子タバコ(以下、VAPE)メーカーが多く集まっているという背景もあり、昨年から「eCigExpo」の開催地となった。VAPEの博覧会は日本やイギリスでも開催されているが、深センで行われる「eCigExpo」の規模は、世界最大級だという。

大都会深セン中心部から見える高層ビル群。左側のひときわ高いビルは深セン市内でもっとも高いビル「平安国際金融中心」で、その高さは555m

中国は喫煙人口が多く、「中国唯一のタバコメーカー1社の売り上げが、4つの銀行の売り上げの合計に匹敵する」と言われるというから驚きだ。そんな中国だが、すでにVAPEが広く受け入れられているという。2019年4月現在、加熱式タバコの販売が認められていないことや、日本と違ってVAPE用のニコチン入りリキッドの販売が許可されていることも影響しているのだろう。ユーザーには、脱タールで健康への配慮を目的とする人はもちろん、ファッションアイテムとしてVAPEを愛好している人も多いという。

開催初日の「eCigExpo」会場は、まっすぐ進むことが困難なほどの混雑で、中国におけるVAPEの注目度の高さがうかがえた。おもにアジア圏から訪れていると思われるバイヤーでにぎわっていたが、中東系と思われる出展者やバイヤーと見られる人々もちらほらと見受けられた。中東ではVAPEと用途や構造が似た「水タバコ(シーシャ)」の文化があるため、受け入れられやすいのかもしれない。また、中国国内では加熱式タバコの販売が認められていないにもかかわらず、ホールによっては加熱式タバコ(おもにアイコス互換機)を扱うブースも多く見られた。

「屋内完全禁煙」が法律で定められている深センだが、「eCigExpo」会場内だけは特別にVAPEの使用が許可されており、会場中に蒸気と甘い香りが漂っていた

多くのブースに美人コンパニオンが常駐!

多くのブースに美人コンパニオンが常駐!

「jouz(ジョウズ)」はポッド式や使い捨てタイプを展開。有名VAPEメーカーの新製品をチェック

「eCigExpo」の会場は4つのホールに分けられており、それぞれに50ブランドほどが出展していた。途方もない数のVAPE、加熱式タバコがひしめき合っていたことになるが、今回はその中から、連続喫煙可能なアイコス互換機で知られるメーカー「jouz」をはじめ、日本で流通している有名VAPEブランドの新製品を中心にチェックしてきた。

jouzのブース。モバイルバッテリーなどの開発を行うAnkerから技術的なバックアップを受けているため、製品の温度管理性能が高く、安定した味わいを提供できるという

jouzが展示していたVAPEはおもに「ポッド式」と呼ばれるタイプだ。VAPEというと、「専用のタンクにリキッドを入れ、リキッドがなくなったら補充する」という工程を経て楽しむというものが主流だったが、「ポッド式」は、あらかじめリキッドが充填されたポッド(カートリッジ)を本体にセットするだけで、フレーバー付きの蒸気を楽しめるというもの。

「ポッド式」は、リキッド充填タイプに比べてフレーバーの選択肢やコストパフォーマンスは劣るものの、「カチッと入れて吸うだけ」なので、紙巻きタバコや加熱式タバコに比べて特別手間がかからず、タンクのメンテナンスも不要なため、初心者にとっては導入のハードルがぐっと低くなる。なお、今回紹介する製品の日本国内での発売日や価格などについては現在未定だという。

この4月に日本でも発表された「jouz S」は、jouzのVAPEのフラッグシップにあたるモデル。筐体は高級感のある材質にメタル調のコーティングが施されている

本体にポッドをセットしてフタを閉めたら準備OK。吸うと電源スイッチが入る仕様になっている

本体にポッドをセットしてフタを閉めたら準備OK。吸うと電源スイッチが入る仕様になっている

今回の「eCigExpo」で初お披露目となった「jouz C」は、jouzのVAPEのエントリーモデルに相当。吸い口付きのポッドを取り付けて使用する

ポッドに吸い口が付いているのでセットに手間がかからないのはもちろん、より衛生的に使用できる

ポッドに吸い口が付いているのでセットに手間がかからないのはもちろん、より衛生的に使用できる

ポッドはメンソール、タバコ風味など、10種類ほどが用意される予定だという

ポッドはメンソール、タバコ風味など、10種類ほどが用意される予定だという

なお、「jouz S」のポッドは吸い口が付いていないので、「jouz C」との互換性はない。「jouz S」と「jouz C」を吸い比べてみたところ、「jouz S」のほうが蒸気がたっぷりノドに届くような感覚を覚えた。しっかりとした吸い応えを求めるユーザーには、「jouz S」がより合っているかもしれない。

こちらも初お披露目となった「jouz A」は、使い捨てタイプのVAPE。充電やポッドのセットも必要もないので、ライターで火を付ける必要がある紙巻きタバコよりもさらに手軽。カラフルでかわいらしい見た目は女性受けもよさそうだ

jouzブースには、加熱式タバコ(アイコス互換機)も展示されていた。写真は、2018年に同社初めての製品として発売された、20本連続喫煙可能な「jouz 20」

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Ankerが技術支援するアイコス互換機「jouz(ジョウズ)」が日本先行発売

この4月に発売された、jouz最新の加熱式タバコ「jouz 20 Pro」。加熱温度調整機能を搭載したほか、専用アプリを介してスマホで操作することもできる。使用するヒートスティックや好みに合わせて温度を調節することで、気分に合った味を楽しむことができる。くわしくは、下記のレポート記事をチェックしてみてほしい

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温度が選べる! 加熱式タバコ「jouz(ジョウズ)」のアプリ連携モデル「jouz 20 Pro」誕生

jouzは、初心者がVAPEを導入するハードルを限りなく下げることで、ユーザー層を広げていく戦略のようだ。この考えはVAPE業界全体の流れとしてもあるようで、多くのブランドのブースで、多機能なものやデザイン性の高い製品が展示されるかたわら、手軽に楽しめるポッド型の製品も展示されていた。

ポッド式、充填式ともに、スリムなデザインのVAPEが特に多く見受けられた。写真は「Aspire(アスパイア)」のもの

ポッド式、充填式ともに、スリムなデザインのVAPEが特に多く見受けられた。写真は「Aspire(アスパイア)」のもの

ボディボードのような形をしたこのタイプも多かった。こちらはリキッド充填タイプだが、液漏れしにくい構造で、側面のホールに紐を通して首からかけておくことができるという。こちらもAspireのブースで見つけたものだ

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リキッド充填タイプは、多機能化の様相。スピーカー付きや指紋認証付きなど、どんどんハイテク化してきている。

耐衝撃、防水仕様で、Bluetoothスピーカーとして使えるという「WISMEC(ウィズメック)」の「WISMEC ACTIVE」。カラビナ装着用のホールも設けられている

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やや高級路線のメーカーだという「ASMODUS(アスモダス)」の「MINIKIN 3S KIT」(右)は、指紋認証によるロック機能を備える

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VAPEをファッションアイテムとして愛好する人も多いというだけあって、凝ったデザインのものが多く見受けられた。スマホカバーやアイコスケースのような感覚で、本体デザインを“着せ替え”できるタイプも増えてきているようだ。

日本でも知名度の高い「Joytech(ジョイテック)」ブースで見つけた「EXCEED GRIP」は、ポッドとスタンダードなタンク仕様、どちらでも使用できるタイプ

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「Eleaf(イーリーフ)」の「iStick MIX」にも、デザインパネルの付け替えが可能なタイプが登場していた。USBポートにType-Cを採用しているため、速く安定した充電ができるのも特徴だそう。チャイルドロック機能も備えている

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日本でも話題を呼んだ、パイプデザインのVAPEも発見。写真は「Kamry(カムリ)」の製品

日本でも話題を呼んだ、パイプデザインのVAPEも発見。写真は「Kamry(カムリ)」の製品

Kamryも、新製品の多くがコンパクトなポッド式(左から3、4番目)や使い捨てタイプ(左2つ)だった

Kamryも、新製品の多くがコンパクトなポッド式(左から3、4番目)や使い捨てタイプ(左2つ)だった

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「eCigExpo」で感じた“VAPEのこれから”

今回の「eCigExpo」取材を通して感じたのは、多くのブランドがVAPEの多機能・高性能化を進め、モノとしての楽しさを追求するいっぽうで、手軽に使えるコンパクトタイプやポッド式、使い捨てタイプのVAPEが、その存在感を強めているということだ。これまでVAPEへの切り替えを躊躇していた喫煙者のイメージする、「使っていると喫煙所で浮く」「メンテナンスがめんどう」というデメリットは、払拭されつつあると言っていいだろう。

この3年で加熱式タバコがかなり普及した影響もあり、日本国内でのVAPEの認知度や需要は急激に向上した。ポッド式や使い捨てタイプの拡充によって、この流れにさらに拍車がかかるのではないだろうか。ニコチン入りのリキッドの流通が許される諸外国とは条件が違うとはいえ、日本においても、VAPE市場は今後さらに勢いをもって成長していくカテゴリーになることは間違いなさそうだ。

大泉瑠梨(編集部)

大泉瑠梨(編集部)

美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。

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