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漫画プロデューサー・小林琢磨が選ぶ

まだ読んでないなら、秋の夜長に一気読み!30巻以上の長期連載漫画10選

時代が変われど愛される、魅力的な漫画はおのずと長期連載となるもの。まだ読んだことがない人も、もう一度読み返したい人も、秋の夜長に気になる漫画を一気読みしてみませんか。ここでは、単行本30巻以上の長期連載漫画10作品を紹介していきます。

1.三国志/横山光輝
1から100まで楽しく学べる、「三国志」入門はコレ

「三国志」は、1970年代から1980年代にかけて連載されていた漫画で、単行本は全60巻に及びます。三国志を扱った漫画は数多く存在しますが、一番有名な作品は横山先生が描いた、この「三国志」ではないでしょうか。三国志と聞いて真っ先にこの絵を思い浮かべる人も多いと思います。

ではなぜ人気なのか。1番の理由は、三国志の歴史を最初から最後まできっちりと描き切っていることにあるのではないでしょうか。三国志はとても長い話で、長いからこそすべてを描いている作品は意外と少ないんです。でも、横山版「三国志」は、劉備、張飛、関羽による「桃園の誓い」から、劉備が立ち上げた蜀が滅ぶところまで描いています。歴史物って、すべてを描くと間延びした展開になりがちで、最後のクライマックスだけを切り取って物語化する作品も多いのですが、横山版「三国志」は違います。三国志をいち早く扱った漫画であり、それでいて物語の始まりから終わりを描ききった超大作であることが、「三国志と言えば横山版」と言われるゆえんなのでしょう。三国志を楽しく学べるので、ぜひ一気読みしてほしい作品です。

(C)横山光輝/潮出版社

(C)横山光輝/潮出版社

あらすじ
今から約1800年前、中国・後漢時代末、黄巾の乱と朝廷内の争いによって、漢王朝は滅びようとしていた。乱れた世を正し、人々の苦しみを救おうと、玄徳・関羽・張飛の三人は、桃園で義兄弟の契りを結び立ち上がった。巨匠・横山光輝の熱筆によって新たな生命を吹き込まれた英雄たちが、悠久の大地を舞台に繰り広げる壮大な歴史ドラマ、ここに開幕!(潮出版社作品ページより)/単行本は全60巻を刊行。

2.からくりサーカス/藤田和日郎
まるで小説のような先の読めないストーリーと発想力に圧倒されよ!

「からくりサーカス」は「週刊少年サンデー」で連載されていた作品で、単行本は全43巻刊行されています。作者の藤田先生の代表作と言えば「うしおととら」があげられますが、物語の秀逸さで言えば、「うしおととら」に負けないくらいの名作だと思いますね。

人を笑わせないと死んでしまう「ゾナハ病」という不治の病を治すために、主人公たちが自動人形と戦う物語なのですが、本作品のおもしろいところは、「からくり編」と「サーカス編」という2つの物語が同時に進行し、それぞれの物語が交差しながら展開していくことです。小説っぽいと言うか、いい意味で少年漫画らしくない壮大なストーリーが特徴なんですよ。連載中は、次週の展開がどうなるのだろうとワクワクしていたのを覚えています。ゆっくり読んでもおもしろいですが、勢いのある展開も魅力ですので、時間がある時に一気読みしてほしい作品ですね。

(C)藤田和日郎/小学館

(C)藤田和日郎/小学館

あらすじ
人形使いにつけ狙われる少年・才賀勝は、偶然居合わせた加藤鳴海に救われる。一時は引いた人形使いたちだったが、策を弄して勝の呼び出しに成功。ふたたび窮地に陥った勝を救ったのは、銀髪の女・しろがねだった。大手家電メーカー・サイガ社の社長・才賀貞義の遺産180億円を相続した小学五年生の勝。若く腕の立つ拳法家だが謎の奇病「ゾナハ病」に侵された鳴海。あるるかんと呼ばれる人形を巧みに操るしろがね。偶然出会った3人は、遺産を狙う大きな陰謀に巻き込まれていく。(小学館作品ページより)/単行本は全43巻を刊行。

3.嘘喰い/迫稔雄
酸素ボンベをベットする? 笑いあり、駆け引きありの斬新なギャンブル漫画

「嘘喰い」は、「週刊ヤングジャンプ」で約12年間連載されていたギャンブルを題材にした漫画です。と言ってもただのギャンブル漫画ではなく、ギャンブルとバトルという男子の大好物な題材をミックスさせた斬新な設定が特徴で、その結果、単行本が全49巻も刊行されるほどの長期連載漫画となりました。

“嘘喰い”と呼ばれる主人公がギャンブルを通して裏社会でのし上がっていくのが本筋なのですが、ギャンブラー同士の勝負と並行して、審判的な立場である立会人と戦ったり、その立会人同士でもバトルが発生したりします。本当に殴り合っていて、もはやバトル漫画としても成り立っているくらい、「誰が勝つんだ!」と引き込まれてしまうんですよ。また、ギャンブルの内容も独特で、島を一島賭けるギャンブルだったり、水中で酸素ボンベを賭けて、負けると酸素が減って死んでしまうギャンブルだったり。ギャンブルもバトルも「嘘喰い」にしかない斬新な設定で、その独自性こそが1番の魅力だと思いますね。

(C)迫稔雄/集英社

(C)迫稔雄/集英社

あらすじ
遊ぶ金欲しさに闇金に手を出し、取り立てに追われる青年・梶くんの前に現れた謎の男・斑目貘。自らギャンブラーと名乗り、借金返済を手伝うと豪語する貘は、闇カジノへと乗り込むが……!?(集英社作品ページより)/単行本は全49巻を刊行。

4.ハチワンダイバー/柴田ヨクサル
将棋をエンターテインメントに昇華した、一気読みしたい名作

「ハチワンダイバー」は「週刊ヤングジャンプ」で約8年間連載された漫画で、将棋を題材にしています。将棋漫画というと、将棋を通して人間的に成長していく姿を描いたり、リアルな駆け引きが繰り広げられる勝負の世界を描いたりすることが多いのですが、「ハチワンダイバー」は将棋のバトルを描いているんですよ。将棋なのに「ズドーン!」という効果音がつくほど躍動感があって、対局ではなくバトルなんです。

しかも、主人公の敵は将棋で世界征服を目指すような組織です。ついには将棋の世界大会が誕生して、主人公やライバル、名人などが参戦する、将棋の無差別級王座決定戦が始まります。突っ込みどころ満載の設定ですが、将棋をエンターテインメントとして楽しめるし、テンポもよくて、単行本は全35巻でしっかり読み応えもあって、一気読みにちょうどいい作品だと思います。

(C)柴田ヨクサル/集英社

(C)柴田ヨクサル/集英社

あらすじ
表のプロとは違う、賭け将棋をなりわいとする「真剣師」の青年・菅田。アマ最強を自負する彼を倒したのは、秋葉原の女真剣師だった! テンション無限大! 81マスの宇宙を舞台に繰り広げられる破天荒将棋バトル、ここに開幕っ!!!(集英社作品ページより)/単行本は全35巻を刊行。

5.ベイビーステップ/勝木光
1歩ずつステップアップしていく、真面目でリアルなテニス漫画

「ベイビーステップ」は、2007年から約10年間「週刊少年マガジン」で連載されていたテニス漫画で、単行本の刊行数は全47巻。個人的には近年のテニス漫画の1番の名作だと思っています。スポーツ経験のない主人公がテニスに出会い、「ベイビーステップ」という名の通り、1歩ずつ成長していく物語です。

「テニスの王子様」が流行っていた時期に連載が始まったので、何かと比較されることが多いのですが、少年漫画らしいカッコいい必殺技などが描かれる「テニスの王子様」に対し、「ベイビーステップ」はもっと現実的。必殺技などは一切なく、地道にフィジカルトレーニングをして、サーブの成功率を上げて、リターンで主導権を握ってという、地味だけど上達のために大切なことを、愚直なまでにていねいに描いているんですよ。主人公は負けた試合の分析をノートにしたためていて、負けて、分析して、練習で克服して、試合に勝つというPDCAを回して上達するんですよね。派手な演出はないですが、1歩ずつ成長していく主人公たちに、なんだかほっこりさせられる作品です。

(C)勝木光/講談社

(C)勝木光/講談社

あらすじ
小学生のときから、成績はずっとオールA! 几帳面でマジメな“エーちゃん”は、高校進学を機に軽〜い気持ちでテニススクールに通い始める。そこで、ちょっぴりいい加減!? でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会い、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!!(講談社作品ページより)/単行本は全47巻を刊行。

6.SKET DANCE/篠原健太
笑いのセンスがキラリと光る学園コメディ

「彼方のアストラ」という漫画が「マンガ大賞2019」で大賞を受賞し、今年アニメ化もされて話題になりましたが、その作者である篠原先生の前作が「SKET DANCE」です。人助けを目的とした高校の部活動「スケット団」の日常が描かれた学園コメディ漫画で、基本は1話完結のギャグ漫画ですが、ギャグといっても下ネタや時事ネタではなく、センスで笑わせてくれるので、誰にでもおすすめできる作品です。また、要所に謎解きや泣ける人間ドラマが盛り込まれていて、とても読み応えがあります。登場するキャラクターが魅力的ですし、ただのギャグ漫画ではないから、単行本が32巻も刊行されるほどの長期連載となったんでしょうね。

(C)Kenta Shinohara 2018/Shueisha

(C)Kenta Shinohara 2018/Shueisha

あらすじ
誰もが抱える悩みや問題。それらを何でも解決してくれるヤツらがいた! その名も学園生活支援部──通称「スケット団」! 頼れる(?)リーダー“ボッスン”、紅一点の武闘派“ヒメコ”、情報収集が得意なオタク“スイッチ”。個性あふれる面々が、今日も悩める人の助っ人になる!(集英社作品ページより)/単行本は全32巻を刊行。

7.エア・ギア/大暮維人
画力の高さを味わい尽くしたい、カッコいい少年漫画

「エア・ギア」は「週刊少年マガジン」で約10年間連載されていた作品で、単行本は全37巻に及びます。作者の大暮先生は、小林琢磨的「日本4大画力画家」のひとりで、とにかく絵がうまいんですよ。連載最後のほうなんて、漫画というよりリアルな映画のようなタッチになっていて。絵だけでも十分に楽しめる作品だと思いますね。

物語は、モーターを内蔵した特殊なシューズ「エア・トレック」を使った、架空のエクストリームスポーツを題材にしていて、「エア・トレック」を使ったギャング同士の抗争がきっかけで、やがては世界中を巻き込んだ壮大な戦いへと展開が広がっていきます。キャラクターがカッコよく、技もスタイリッシュですし、エクストリームスポーツを切り口に大きなストーリーへと移行していく展開力も少年漫画らしく、一気に読み進められます。ただ、本作品の注目ポイントは、何より大暮先生の画力だと思います。ぜひ読んでみてください。

(C)大暮維人/講談社

(C)大暮維人/講談社

あらすじ
誰よりも迅(はや)く! 誰よりも高く! 自由に空を走ることができるインライン・スケート「エア・トレック」が夜のストリートを変えた。暴風族と呼ばれるA・Tライダー達がチームを作り、パーツ・ウォウという名のバトル・システムの中でひとつでも上のランクを目指してバトルを繰り広げているのだ。主人公イッキもチーム「小烏丸」を率いてパーツ・ウォウに参戦! 目指すは、全てのライダーの頂点。天空の塔の頂に舞い降りる伝説の「空の王」!!(講談社作品ページより)/単行本は全37巻を刊行。

8.はじめの一歩/森川ジョージ
“強い”とは何か? ボクサーの成長を描いた不屈の名作

「はじめの一歩」は、「週刊少年マガジン」で約30年間連載している森川ジョージ先生の代表作です。いまだ連載中にして、すでに伝説と言えるボクシング漫画でしょう。2019年10月時点で、単行本は既刊126巻にもなります。

これは知らない人も多いのですが、最近「一歩」は防衛戦で負けて引退しているんですよ。それも、永遠のライバルである「宮田」と戦うことなく。これは一歩ファンの僕にとってかなり衝撃的な展開でした。絶対、宮田と戦ってから引退すると思っていましたから。だから僕は、一歩は現役復帰するんじゃないかと予想しています。これからどのように展開するのかまったく読めないのですが、ボクサーとして、そして人間としての成長過程が描かれた名作ですので、ぜひ一度は読んでみてください。多くの人が「人生のバイブル」とする理由がわかると思いますよ。

(C)森川ジョージ/講談社

(C)森川ジョージ/講談社

あらすじ
いじめられっ子だった幕之内一歩はひょんなことからボクシングに出会い、熱中していく。一歩は「強いってどういうことだろう?」という素朴な疑問を抱えながら、持ち前のがんばりで過酷な練習に耐え抜き、強くなっていく。数多の強敵との死闘を勝ち抜き、国内屈指のハードパンチを持つ日本王者となった一歩。その次なる目標は遥かなる世界王者への道! 限りなく熱く純粋な一歩のさらなる挑戦が始まった!!(講談社作品ページより)/単行本は既刊126巻。

9.名探偵コナン/青山剛昌
「週刊少年サンデー」史上最長の連載期間を誇る、国民的ミステリー漫画

小学館の長期連載漫画と言えば、この作品を紹介せずにはいられません。青山剛昌先生の代表作「名探偵コナン」は、1994年から「週刊少年サンデー」で連載されているミステリー漫画です。テレビアニメも人気ですし、老若男女多くのファンがいることで知られていますね。

単行本は2019年10月時点で96巻。総発行部数は、2018年11月時点で2億3000万部を突破している国民的漫画です。ミステリー漫画で96巻ってすごくないですか? エピソードの数だけトリックを考えているのですから、本当に感服しますよ。つねに読者の裏をかくトリックを描くため、1つひとつのエピソードや伏線が複雑かつ濃厚なのも特徴で、それを少年たちが読んでもわかりやすい物語に落とし込んでいるバランスが秀逸だと思います。一気読みするのは大変だと思いますが、ミステリーって賞味期限がありませんから、いつ読んでも楽しめる作品ですよね。

物語についてひとつだけ。ようやく、「新一」が小さくなってしまった原因を作った黒の組織について、本当の黒幕の正体がわかってきたんですよ。黒幕を突き止めて、物語は終幕へと進んでいくのでしょうか。今後の展開が楽しみですね。

(C)青山剛昌/小学館

(C)青山剛昌/小学館

あらすじ
ホームズばりの推理力で、大活躍の高校生名探偵・工藤新一。ところがある日、事件を追っていた彼は、妙な薬の力で、なんと子供に戻ってしまった……!? 仮の名を“江戸川コナン”。小さな名探偵が登場だ!!(小学館作品ページより)/単行本は既刊96巻。

10.こちら葛飾区亀有公園前派出所/秋本治
単行本は全200巻。ギネス世界記録も保持するこの漫画を読めずに死ねるか!

集英社が誇るというか、漫画業界が誇る作品ですね。2016年に40年続いた連載が終了し、単行本は全200巻。「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」として、ギネス世界記録にも認定されています。もはや説明不要の名作ですが、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、派出所に勤務する警察官の両津勘吉こと両さんを主人公にしたドタバタ群像劇です。

長期連載なので、改めて1巻から読むとおもしろいポイントがあるんですよ。たとえば、単行本の背表紙の絵を見ると、初期の頃は黒電話が描かれていて、それが携帯電話に変わって、新しい巻ではスマートフォンになっています。作中でも、時代の流れや流行り物を取り入れているのが「こち亀」の特徴ですね。また、何よりもすごいのは、40年間1回も休載がないことです。連載が開始されてから一度も読者を待たせることなく連載を続けてきた秋本先生は、本当に鉄人だと思います。だからこそ、「こち亀」が終わると聞いた時は衝撃を受けました。200巻あるので、一気読みするのは難しいかもしれませんが、一度は読んでみてほしい作品です。

(C)秋本治/集英社

(C)秋本治/集英社

あらすじ
空前絶後の三大大記録を達成!!!! そして今もなおその記録を更新し続ける日本を代表するギャグ漫画!! 派出所に勤める両さんこと両津勘吉は何よりもお金儲けが大好きな型破りなお巡りさん。そんな両さんが、超絶セレブの中川・麗子、超堅物上司の大原部長、ほかにも大勢いる超個性豊かなキャラ達と繰り広げるドタバタ人情ギャグを繰り広げるぞ!!(集英社作品ページより)/単行本は全200巻。

取材・記事:雪か企画

小林琢磨

小林琢磨

(株)ナンバーナイン代表取締役社長。大切な事は全て漫画から教わりました! 情熱こそ全てであり最優先。魂が震える作品が好きです。マンガサロン「トリガー」のオーナーと(株)人狼の代表も兼任。サーチフィールド創業者。アイコンはうめ先生制作。

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