「G-SHOCK」今月の衝撃!!!
G-SHOCKは新たなステージへ!

「G-SHOCK」2019年ヒットモデルを振り返り! 「カーボン」&「加飾」がキーワード

数多くの新作でわいた2019年のカシオの腕時計ブランド「G-SHOCK」。改めて、この1年を振り返ってみたい!

数多くの新作でわいた2019年のカシオの腕時計ブランド「G-SHOCK」。改めて、この1年を振り返ってみたい!

初のモノコック構造で新しいG-SHOCK像を表現!

G-SHOCKの2019年は、カーボンの年――。そう言っても過言ではないだろう。

同社が「ブランド誕生36年目の本気」として大きく打ち出したのが、このカーボンだった。耐衝撃性、剛性、耐劣化性にすぐれたカーボンをケースに用いることで強度を確保する「カーボンコアガード構造」を開発。樹脂、メタルに続く第3の素材と銘打ち、カーボンの魅力を多角的に展開していった。

G-SHOCK「グラビティマスター GWR-B1000」は、2019年3月に発売。写真は4月に発売された「グラビティマスター GWR-B1000X-1AJR」

象徴的なモデルが、「カーボンモノコック構造」を採用したフラッグシップモデル「グラビティマスター GWR-B1000」だ。

裏ブタがなく、側面は丸みを帯びている

裏ブタがなく、側面は丸みを帯びている

通常G-SHOCKは、ケース(+ベゼル)・風防・裏ブタで内部モジュールを守る構造をしており、基本的にケースは筒型を採用している。ところが、今作で初採用したカーボンモノコック構造は裏ブタがなく、土鍋のようにモジュールを包み込む作りだ。

力強さと迫力のあるフェイスデザイン

力強さと迫力のあるフェイスデザイン

随所に耐衝撃性を高める突起部を備え、「G-SHOCKと言えば、ゴツゴツとしたシルエット」とのイメージを持つ人は多いだろう。しかし、本モデルのモノコックケースはヌルッとした丸みがあり、突起物も極力排除。いっぽうで、滑り止めのローレット加工を施し、サイズも大きなリューズやプッシュボタンを組み合わせることで無骨さをプラス。これまでにない、まったく新しいアプローチでG-SHOCKらしさを表現している。

スッキリとしたケースサイド

スッキリとしたケースサイド

デザインの幅を広げたのは、カーボンの高剛性による部分が大きい。

従来であれば、落下の際にプッシュボタンが衝撃を受け、内部モジュールにまでダメージが及ぶのを防ぐためには、ボタンの周りにガードを付けて物理的に衝撃を与えないようにするか、メタル素材でシリンダー状にして衝撃を緩和する内部構造にするか、それらのどちらかが必要だった。しかし「グラビティマスター GWR-B1000」では、これまでメタル素材が担っていた耐衝撃の仕組みをカーボンケースそのもので代用しており、よりシンプルな表現を実現。そのうえ軽量化も果たしている。

2019年に入ってから「カーボンコアガード構造」採用モデルは続々と登場しているが、そのなかでも上位と言える「カーボンモノコック構造」を採用しているのは、まだ「グラビティマスター GWR-B1000」のみだ。G-SHOCKの新たな可能性を秘めた構造であるのは確かで、2020年は後続モデルの登場に期待したい。

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G-SHOCKのデザイン制限を解放! 「グラビティマスター」が驚くほど軽くスタイリッシュに

自分好みにカスタム! バンド付け替えの道が拓いた

2019年3月に発売されたG-SHOCK「GA-2000E-4JR」

2019年3月に発売されたG-SHOCK「GA-2000E-4JR」

もうひとつの革新的な出来事と言えば、バンドの付け替えを実現したことだ。3月に発売された「GA-2000E-4JR」は、G-SHOCKで初めてスライドレバー式バンドを採用。付け替え用バンドも展開し、好みに応じたカスタマイズを可能にした。

専門工具は必要なく、スライドレバーを操作するだけでバンドを着脱できる

専門工具は必要なく、スライドレバーを操作するだけでバンドを着脱できる

ケース裏面からの耐衝撃性を高めるため、従来モデルでは羽根と呼ばれる「ショックアブソーバー」を取り付けたり、ケース裏が直接床に着かないバンド形状を用いたりしていた。しかし、「GA-2000」では、「カーボンコアガード構造」に加え、ステンレス製バックパネルとガラス繊維入りファインレジン製カバーで裏面を強化。裏側の耐衝撃性にバンドを関与せずにすませたことで、付け替えを可能にしたわけだ。

バンドを付け替えるだけで、印象は大きく変わる

バンドを付け替えるだけで、印象は大きく変わる

あこがれのブランド品で身を包むより、自分らしいアイテムをセレクトするというのが、今のファッションシーンのニーズだ。時計においては、バンドの付け替えがひとつの答えであり、対応ブランドの数は年々増えている。G-SHOCKが対応したのも、時代のシーンに応えてきたブランドとして当然の流れと言えるだろう。

この「GA-2000E」の登場以降、一部に「ショックアブソーバー」的なパーツを与えることで、付け替えを可能にしたスライドレバー式付きバンドが増えている。今後はますます、G-SHOCKにとってもバンドの付け替えの重要性は増していくだろう。

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「G-SHOCK」初のバンド付け替え型は、カーボンで“最強”をアップデート

2019年という時代を象徴する新たなベーシックが登場!

2019年8月に発売されたG-SHOCK「GA-2100」

2019年8月に発売されたG-SHOCK「GA-2100」

個人的に最も興味を引かれたのが、8月に発売されたG-SHOCK「GA-2100」だ。2019年の幕開けから始まった"カーボン祭り"が、本製品でひとつの完成形を見せたと思ったからだ。

カーボンの採用で11.8mmのスリムケースを実現

カーボンの採用で11.8mmのスリムケースを実現

「GA-2100」は、デジタルとアナログのコンビネーションモデル「GAシリーズ」に連なるベーシックラインの新作だ。

最大の特徴は、薄さにある。高剛性を生かせる「カーボンコアガード構造」を駆使することで、G-SHOCKのデジアナコンビモデルとして最薄となる11.8mmを実現。それまで、同種のモデルのケース厚は16mm前後であったことを考えると、一気に30%近くの薄型化に成功していることになる。

スリムケースながら立体感を表現

スリムケースながら立体感を表現

オリジンの「DW-5000C」から着想を得たという八角形フォルムも印象的だ。スリムケースながらフランジに傾斜をつけて立体感を表現するなど、ミニマルでモダンに仕上げた文字板デザインが目を引く。

「GA-2100-1A1JF」(左)と「GA-2100-4AJF」(右)は、よりソリッドなカラーリング

「GA-2100-1A1JF」(左)と「GA-2100-4AJF」(右)は、よりソリッドなカラーリング

「デカくてゴツゴツしているのがG-SHOCK」と考える旧来のファンからすると、薄くてモダンな「GA-2100」は亜流のように思えるかもしれない。しかし、時計として格別なタフネスを必要十分な仕組みで果たしてきたのがG-SHOCKであり、初代スクエアケースのサイズや造形もすべて意味のあるものだった。今の時代のベーシックとして誕生した「GA-2100」のカタチも、カーボンという先進新素材や現代のファッション性を突き詰めた結果として生まれたものであり、まさにG-SHOCKの本流と言えるのではないかと考える。

公式サイト価格で1万円前半という価格も奏功し、「GA-2100」はG-SHOCKの基本モデルのひとつとして高い人気を維持し続けている。別カラーの展開などの期待は高まっており、G-SHOCKの今とこれからをつなぐモデルとして注目していきたい。

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オールブラックが人気爆発! デジアナ史上最薄のG-SHOCK「GA-2100」

“加飾”の分野でもやっぱりスゴかった!

カーボンでにぎわったいっぽう、もうひとつのテーマに掲げられたのが「加飾」だった。

2019年6月に発売されたG-SHOCK「GMW-B5000V-1JR」

2019年6月に発売されたG-SHOCK「GMW-B5000V-1JR」

部位ごとのエイジドの違いが質感を高めている

部位ごとのエイジドの違いが質感を高めている

6月、絶大な人気を博すフルメタルスクエアモデルに、エイジド加工を施した「GMW-B5000V-1JR」が発売された。ケース表面にブラックIP処理を施した後、カシオ独自の技術を用いてその表面の一部をあえてはがした加工を施しており、長年使い込んだようなリアル感を追求した。

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「G-SHOCK」ビンテージ感のあるフルメタルスクエアモデル誕生! ギア感獲得で大満足

10月に発売された「MTG-B1000XBD」では、機能を高める構造体として多用していたカーボンを加飾パーツとして活用。切削した断面に積み重ねられたカーボンシートが地層のように露出したカーボン積層ベゼルを開発した。精密な加工技術によって、時計のサイドビューからの美観も高めたのだ。

2019年10月に発売されたG-SHOCK「MTG-B1000XBD」

2019年10月に発売されたG-SHOCK「MTG-B1000XBD」

カーボンを積層。上半分も黒×グレーで積層されている

カーボンを積層。上半分も黒×グレーで積層されている

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G-SHOCKの新「MT-G」はこだわり尽くし! 従来品との大きな違いは側面にあった

11月には、メタルケースに迷彩柄をあしらった「GMW-B5000TCM-1JR」と「MTG-B1000DCM-1AJR」を発売。これまで樹脂にプリントすることで迷彩柄を表したことはあったが、本作ではメタル素材に無数のドットをレーザー加工し、パターンを描写。新たな表現を実現した。

染色や加工技術、新素材の活用などにより、加飾できる表現力の幅は広がり、深さは増していく。ここにあげた新作を見ると、G-SHOCKの加飾技術の進化がよくわかる。

2019年11月に発売されたG-SHOCK「GMW-B5000TCM-1JR」

2019年11月に発売されたG-SHOCK「GMW-B5000TCM-1JR」

3種類のドットパターンでカモフラージュ柄を表現●写真:カシオ計算機提供

3種類のドットパターンでカモフラージュ柄を表現●写真:カシオ計算機提供

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「G-SHOCK」からフルチタンの「5000」が初登場! レーザー彫りの迷彩柄が新しい

【まとめ】予想を覆す良作ラッシュで新時代へのクサビが打たれた!

実は、時計販売店などの関係者間では、2019年におけるG-SHOCKの動向を不安視する者も少なくなかった。それは、前年2018年がG-SHOCK誕生35周年に当たり、画期的なフルメタルモデルや希少なアニバーサリーモデルが数多く登場して活況を呼んだため、2019年はその反動から勢いが縮小するのではないかと想像したためだ。

しかし、その予想はいい意味で裏切られた。ここで紹介したカーボン関連モデルを始め、次々と魅力的な新作が登場。G-SHOCKの底力を感じた1年だった。国際的なイベントも行われる2020年は、世界の注目が日本に集まる年でもある。世界に名をはせるG-SHOCKの活躍にも期待したい。

横山博之

横山博之

カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。

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