片桐仁の「あまりにも異常なガンプラの世界」
第2回

《ガンプラ》「Ver.2.0」以降、“狂気”を感じる! 歴代MG「ナナハチ」頭部比較/後編

【PROFILE】
片桐 仁さん
1973年生まれ。大学在学中の1996年、小林賢太郎さんとともにコントグループ「ラーメンズ」を結成し、シュールな芸風でカルト的な人気を獲得。俳優としても映画、TVドラマ、舞台で活躍するほか、粘土造形作家やお笑いコンビ「エレキコミック」とのユニット「エレ片」のメンバーとして活動するなど、マルチな才能を発揮しています

本連載は、ガンプラが大好きな片桐仁さんが、世界に誇る日本のホビー「ガンプラ」の“どうかしてる”としか思えない部分にスポットを当てて、あまり知られていない魅力を紹介するユニークな連載。聞き手は、ホビーライターの河上拓。第2回は、1/100スケールのマスターグレード(以下、MG)の「RX-78-2ガンダム」の頭部だけを並べて、その変遷をたどる企画の後編。ついに「Ver.2.0」が登場です!

※今回の企画では、商品名は異なりますが、「RX-78-2ガンダム」に装甲を施した「MG 1/100 プラモ狂四朗専用モビルスーツ PF-78-1 パーフェクトガンダム」「MG 1/100 真武者頑駄無」「MG 1/100 フルアーマー・ガンダム Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)」も同時に並べて比較しました。いっぽうで、カラー違いや限定版は含みません。

【前編はこちら!】
《ガンプラ》歴代のMG「RX-78-2ガンダム」の頭部だけを比較してみた!

上段左から
「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム」
「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.1.5」
「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.Ka」
「MG 1/100 プラモ狂四朗専用モビルスーツ PF-78-1 パーフェクトガンダム」
「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.ONE YEAR WAR 0079」
下段左から
「MG 1/100 真武者頑駄無」
「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」
「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.3.0」
「MG 1/100 RX-78-02 ガンダム(GUNDAM THE ORIGIN版)」
「MG 1/100 フルアーマー・ガンダム Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)」

◇◇◇◇◇

顔のサイズから分割位置、色味まですべて変わった!

「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」
2008年7月発売

口元の2本のへの字が貫通。角度や長さも変わった。首から2本のシリンダーが出ているのも特徴だ

口元の2本のへの字が貫通。角度や長さも変わった。首から2本のシリンダーが出ているのも特徴だ

アンテナ基部の位置も上部へ移動。ヘルメットのツバは浅め

アンテナ基部の位置も上部へ移動。ヘルメットのツバは浅め

長年続いた前後の分割がなくなった!

長年続いた前後の分割がなくなった!

細かくパーツ分けしたことで、パーティングラインをモールドのように見せることに成功している

細かくパーツ分けしたことで、パーティングラインをモールドのように見せることに成功している

片桐仁さん(以下、片桐) ついにたどり着きました、「Ver.2.0」! これまでの流れは何だったんだって言えるくらい、すべてが変わっています。

河上 これまでのものと、シルエットがまったく異なりますね。

片桐 満を持しての登場って感じですね。これはスゴいな。もう分割の場所から異なりますよね。何これ! スゴいところで分かれる! あと「バルカン砲」が別パーツ仕様だ! 当時、ゲームなどで強調されてきた戦闘機的なロボット感をやわらかくしようってことで、対極とも言える曲線を追求したラインに仕上がっています。しかも、「Ver.1.0」では採用されていたけど、その後、不採用だった内部構造がここに来て復活している。

河上 「Ver.1.0」より、内部メカのボリュームが増えた気がしますね。

片桐 「Ver.1.0」と比べると、外装パーツが薄くなっていますね。で、前後分割ではなくなった。

外装が左右に分割されるようになり、内部メカも復活!

外装が左右に分割されるようになり、内部メカも復活!

河上 頭部を形成するパーツ数も、一気に増えていますね。「Ver.1.0」が12個、「Ver.1.5」が7個。次の「Ver.Ka」から8個の時代が5年以上続いて、ここでついに最高パーツ数を更新して14個に。だけど、一切パーティングラインが気にならない。

片桐 下のパーツを覆うように重ねて組んでいくような作りになっていますね。

河上 外から見えているラインは、ディテールとして生かしている感じですね。でもここまで力を入れて変えてきたのは、「Ver.1.0」的な挑戦をもう1度やってみようって試みですよね。

片桐 たぶんバンダイの人も、こうして顔を全部並べてみたんじゃないですかね。で、「8年ぐらい変わらずに進めてきたけど、そろそろいいんじゃない?」って。

河上 「Ver.1.5」から同じタイプの顔が5つも続いてましたからね。

片桐 で、パーツ数が増えたから、バルカン砲もヘルメットのツバの部分も別パーツに。あと、今気づいたんですけど、こうして見ると今までで1番顔が小さい。ほかと並べると「Ver.2.0」は意外に小顔ですね。

河上 目の周りも変わっていますね。目の下にある歌舞伎の赤い隈取(くまどり)のような部分が広くなった。

片桐 「Ver.2.0」は、最初のテレビアニメ「機動戦士ガンダム」(通称ファーストンガンダム)のキャラクターデザインやアニメーションディレクターを務めた安彦良和さんが描いた設定画に寄せているんです。で、ここからさらに7年後の2015年に発売された「ORIGIN版」も安彦さんのデザインなんだけど、これがまったく「Ver.2.0」と似てないんです。

河上 へー! 並べて見ると「Ver.1.0」と「Ver.2.0」だけが、ヘルメットのツバの部分が短いから好青年っぽく見えますね。

片桐 あと「Ver.2.0」は、あごの下から内部メカのシリンダーが2本突き出ているんです。

河上 だからこうして頭部だけを置いてみると、首から出ているシリンダーが支えになって、まっすぐ前を見つめているように見えるんですね。

片桐 シリンダーは、首の外装を付けると隠れちゃうんですけど、思い切り頭部を見上げさせてみると、ほんのちょっとだけすき間から見える。で、「Ver.2.0」は首の関節部分が、ポリキャップではなく専用パーツを採用している。

河上 そのチラ見せをさせるギミックのために、可動を制限しているんですかね?

片桐 それは、あるかもね。

河上 それチェックしたいけれど、今日は頭しかないから無理ですね(笑)。ポリキャップについては別の機会に検証しましょう。

片桐 あと、これも結構大きな変化なんですけど、正面から見ると「Ver.2.0」からマスクの2つのへの字の口が貫通していますね。よく見ると向こう側が見えるでしょ?

マスク部分の2本のラインが貫通しているのがわかる。ちなみに、ラインの角度と長さも変化

マスク部分の2本のラインが貫通しているのがわかる。ちなみに、ラインの角度と長さも変化

河上 ホントですね! あごの部分の赤パーツが裏側にくるので、そのへの字のすき間から赤いのが見えます。

片桐 でも、赤いっていうのは設定的にはおかしいんですよね。まあ、普通は気にならないですよ。ホントよく見たらってレベルなんですけど。いっぽうで、モデラーはその赤いところを黒く塗るんです。で、僕も塗っていました。

河上 それならいっそのこと、貫通させなきゃよかったんじゃないかって思っちゃいますけど(笑)。

片桐 でも、貫通しているほうが“何かうれしい”んですよね。あと「Ver.2.0」は、これまでのキットと比べて色味が変わっています。白い部分が緑っぽくなっている。プラモデルの「ジム」って最初の1/144キットからうっすら緑色なんですけど、あの緑色をさらに薄めたような色味ですね。

河上 確かによく見ると、エメラルドグリーンっぽい色ですね。
さて、ここから次の「Ver.3.0」が発売されるまで5年空きます。

片桐 そう考えると、「Ver.2.0」は相当いいデキだったんだよね。これも「Ver.1.0」と同じく、ある種の完成形と言えますね。

「RG」第1弾と同じく実物大ガンダム立像がベース

「MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.3.0」
2013年8月発売

「デュアルアイ」が奥まって、ヘルメットを深めに被ったような配置になり、歴代トップの“コワモテ”に。また、バルカン砲が黄色くなった

頭頂部の色が顔の周囲と微妙に異なることがわかる

頭頂部の色が顔の周囲と微妙に異なることがわかる

メカ感が復活。「Ver.2.0」に比べ、細かいディテールが増えている

メカ感が復活。「Ver.2.0」に比べ、細かいディテールが増えている

後頭部も様変わり。これまで縦に入っていたセンターラインがなくなった

後頭部も様変わり。これまで縦に入っていたセンターラインがなくなった

片桐 2009年夏に、東京・お台場で実物大ガンダム立像がお披露目になって、その立像をモデルにした「HG 1/144 RX-78-2ガンダム Ver.G30th」が発売されるんです。その翌年2010年のガンプラ30周年のタイミングでは、「RG(リアルグレード)」が発売されましたよね。

河上 「RG 1/144 RX-78-2ガンダム」は、「RG」シリーズの第1弾モデルですね。「RG」は、スタンダードモデルの「HG(ハイグレード)」と同じ1/144スケールサイズに、「MG」の技術を詰め込んだ、いわば「MG」の小型版的な位置付けのシリーズですよね。

片桐 「RG」は作っていると、「技術を見せびらかしたい!」っていう作り手の気持ちが伝わってくるんです。「こんな細かいのにこんなことできるんですよ!」っていう。ただ、本当に細か過ぎて、作るのが大変なんですよね。

河上 パーツがどれもかなり小さいから、組んでいるそばからなくなりがちですよね。

片桐 ホントそう! ポロッと落とすと、もうどこへ行ったかわからなくなる。

河上 それからさらに2年後、「MG」でも実物大ガンダムをモデルにした「Ver.3.0」が発売されました。

片桐 ヘルメットのツバの角度が下がったのもあって、とにかく目つきが悪いですね。

河上 うつむき加減では、怒っていて強そうに見えますね。「Ver.2.0」で原点に立ち返ったと思わせて、また「Ver.3.0」でガラッと変えてきました。

片桐 やっぱそこは、実物大ガンダムの存在が大きいですよね。とにかく実物大ガンダムに寄せている。たとえば、実物大ガンダムは夜になると発光していたから、「Ver.3.0」はデフォルトで電飾ユニットを仕込めるようになっています。「ガンプラ用LEDユニット」さえ買えば、「デュアルアイ」を光らせることができるんです。目の部分のパーツが透明パーツなのは変わっていないんですけど、アンテナの上の四角いメインカメラも一体化することで、同時に光るようになっている。

河上 「Ver.2.0」は、前後のカメラがひとつのパーツになっていて目とは分かれていましたが、今回その部分に関しては「Ver.1.5」などの簡略化タイプの仕様に戻っています。ステッカーも「デュアルアイ」の部分は透明を採用していますね。それもあってか、さらに目が奥まって見える気もします。

片桐 あと首の関節もポリキャップに戻ったけど、「LEDユニット」を仕込めるように穴が空いている。

河上 パーツ数は……16。新記録を更新ですね。

片桐 白いパーツはよく見ると、グレーっぽい色と真っ白の2色が使い分けられている。これも、実物大ガンダムに寄せた色分けですね。

河上 パーティングラインは、「Ver.2.0」と比べるとかなり多いですけど、その色分けのための分割とも取れますね。

片桐 「Ver.3.0」以降、パーツの色分けがめちゃめちゃ細かくなります。何にも塗装しなくても完全な顔ができあがる。

河上 全体の作りは、「RG」版と似ていますね。

片桐 そうですね。でも、「Ver.3.0」のほうがさらに細かく作られています。あと、「バルカン砲」は「RG」では別パーツではなく外装と一体化されていますけど、「Ver.3.0」では分かれている。この「バルカン砲」の部分は、「MG」だと「Ver.2.0」で初めて別パーツが採用されたんですけれど、今回は黄色に色分けされていますね。

河上 全体的に色分けが忠実になった印象ですね。

黄色いパーツが「バルカン砲」。顔を形成するパーツと頭頂部のパーツの色が若干異なる

黄色いパーツが「バルカン砲」。顔を形成するパーツと頭頂部のパーツの色が若干異なる

片桐 そもそも「バルカン砲」って、最初のテレビアニメシリーズ「機動戦士ガンダム」では穴が開いていて、その内側が黄色だったんですよ。それがいつからか、黄色い「バルカン砲」が搭載されて、それ自体に穴が空いている形になった。

河上 確かに旧キットでは穴が開いているのに、「MG」では「Ver.1.0」からすでに「バルカン砲」が入っていますね。

片桐 で、当たり前のように、着色されていなかったんですが、ついに黄色くなりました。
あれ、ちょっとアンテナを見てください! 何これ、めっちゃ短い!

河上 ホントですね。並べてみると、「Ver.3.0」だけが明らかに短い。

片桐 今日初めて気づきました。これ、つまり元になっている実物大ガンダムのアンテナがこんなに短いってことだよね。

河上 もしかしたら、実物大立像は下から見た時に、より遠近感を付けるためにあえて短くしているのかもしれないですね。そうすることで、実際よりも巨大に見えるというか。

片桐 確かに! 実物大立像を初めて見た時は、すっごく大きいと思いましたもん。これ、コクピットから足を滑らせたら死ぬやつじゃん!って。

河上 そう考えると、少しうつむいているのも、見上げる人を意識した視線なのかもしれないですね。「RG」とは似ていますが、こうして「MG」だけで比較すると「Ver.2.0」から大きく変わっていることがわかりますね。

片桐 「RG」が先に発売されているから、感動はそこまで大きくなかった気がするんですけど、こうして「Ver.2.0」と比較すると、パーツ数が増えて色分けも細かくなって、至れり尽くせり感はありますよね。

バンダイの狂気さえ感じる“への字の内側”に注目

「MG 1/100 RX-78-02 ガンダム
(GUNDAM THE ORIGIN版)」
2017年3月発売

マスクの2本のへの字が太くなった。シールを使わなくなった目元の作り込みにも注目!

マスクの2本のへの字が太くなった。シールを使わなくなった目元の作り込みにも注目!

「デュアルアイ」周りの黒い部分にはモールドが入っている

「デュアルアイ」周りの黒い部分にはモールドが入っている

 「バルカン砲」の外側がふくらんでいるのがポイント

「バルカン砲」の外側がふくらんでいるのがポイント

「Ver.3.0」によく似たモールドが入りつつ、センターのパーティングラインが復活した

「Ver.3.0」によく似たモールドが入りつつ、センターのパーティングラインが復活した

片桐 「ファーストガンダム」でキャラクターデザインやアニメーションディレクターを務めた安彦良和先生が、30年以上経ってから「ファーストガンダム」をコミカライズした「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」ってマンガがあるんです。その作品がアニメ化された時に発売されたのがこのキット「THE ORIGIN版」です。

河上 「Ver.3.0」からの大きな変更点は、LEDユニットが同梱されていて、電池さえ用意すれば目を光らせることができるようになっていることですね。

片桐 顔も独特ですね。この目のパーツを見てください。「デュアルアイ」とその周囲の縁の黒い部分を別パーツにしている。

河上 ホントだ! 「デュアルアイ」のパーツが独立してる!

片桐 目の周囲の黒い部分に、後ろから「デュアルアイ」をぶち込むシステムは、今回初めてですね。「Ver.3.0」でも採用されていないですからね。やっとここに行き着いたんですよ。これは、ずっとガンプラ好きな人たちが求めていたことなんです。僕も目のシールは貼るけれど、「デュアルアイ」の周囲の黒い部分は使わないんです。

河上 そこは塗装しているってことですか?

片桐 そう。当時、模型雑誌「ホビージャパン」に書いてあったんです。これが「1番早くカッコよくできる方法」って。シールだと、どうしてもツヤが出ちゃうんですよね。いっぽうで、シールから目の部分だけ切り抜くのがホント大変で……!

河上 確かに小さいし、難しそうですね。

片桐 ほかには、アンテナが「Ver.3.0」よりもさらに短くなっていますね。「THE ORIGIN版」には2色のアンテナが付属していて、黄色と白から選べる。でもこれ、細くてむちゃくちゃ折れやすいんですよね。あと、口というかマスク部分のへの字の部分が「Ver.2.0」で貫通してましたよね。

河上 はい。「Ver.2.0」は奥に見える部分が赤くて、片桐さんご自身で黒く塗っていたっていう。

片桐 で、「THE ORIGIN版」を見てください。

河上 わっ! への字の後ろ側に、それも外から見えるところだけに黒いパーツが入っている!Ver.3.0」では、この黒い部分に透明パーツを採用していました。まあ、透明でも目立たなかったんですけどね。

黒いパーツの目の下にある出っ張りに注目。その下の赤い口元パーツの真ん中の穴に、この黒い部分が入る

黒いパーツの目の下にある出っ張りに注目。その下の赤い口元パーツの真ん中の穴に、この黒い部分が入る

河上 「LEDユニット」を仕込むから「デュアルアイ」は透明パーツなんですけど、今回「デュアルアイ」と周囲の部分が別パーツになったことで、周囲のパーツは透明にしていない。だからこれが実現したってことですね。

片桐 初めてマスクの2本のへの字が貫通した「Ver.2.0」から9年。ついに、への字の向こう側に色を塗らなくてもよくなったんです!

河上 とてもくだらないんだけど、なんかスゴい!

カトキ先生のファンにはたまらない、“メカメカしい”デザイン

「MG 1/100フルアーマー・ガンダム Ver.Ka
(GUNDAM THUNDERBOLT版)」
2016年7月発売

「デュアルアイ」は、黄色とクリアグリーンの選択式。ここでは黄色を使用している。マスク横の四角いダクトと頭頂部のアンテナが特徴

カトキハジメのファンにはたまらない、“メカメカしい”デザイン

カトキハジメのファンにはたまらない、“メカメカしい”デザイン

せり出したツバが異様に長く、V字アンテナはかなり低い位置で設置されている

せり出したツバが異様に長く、V字アンテナはかなり低い位置で設置されている

後部に関しては「Ver.2.0」に近い印象

後部に関しては「Ver.2.0」に近い印象

片桐 「MG 1/100フルアーマー・ガンダム Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)」(以下、「THUNDERBOLT版」)ですが、パッと見のパーツ構成は、「THE ORIGIN版」とほとんど同じですね。ただ造形は「Ver.3.0」に近い。「Ver.3.0」「THE ORIGIN版」と、アンテナが短くなってきていたのが、ここでまた長くなっている。昔は、モデラーは改造でとにかくアンテナを長くしていたんですよね。アンテナが長いと、対比で顔が小さく見えるっていうのもあって。

河上 「Ver.1.5」以降にしばらく続いた顔に戻った気もしますね。

片桐 カトキ先生のデザインですしね。また、さらに凶悪な顔に仕上がっていますね。あと、プラの厚みが薄くなった気がします。

左が「Ver.1.0」、右が「THUNDERBOLT版」の頭部側面パーツ。プラの厚みが変わっていることがわかる

左が「Ver.1.0」、右が「THUNDERBOLT版」の頭部側面パーツ。プラの厚みが変わっていることがわかる

全10キットの頭部をバラした状態。写真上が前編で取り上げた「Ver.1.0」「Ver.1.5」「Ver.Ka」「パーフェクトガンダム」「Ver.1.75」。下の写真が本稿で取り上げた「Ver.2.0」「Ver.3.0」「THE ORIGIN版」「THUNDERBOLT版」

【まとめ】やり過ぎなほど、技術が詰め込まれていることがわかった!

河上 というわけで、「MG」の「RX-78-2 ガンダム」の頭部だけを全10キット比較してきましたが、正直、顔だけでこんなに変化があったとは知りませんでした。

片桐 やっぱ並べないと気づかないことがいろいろありましたね。「Ver.1.0」より「Ver.1.5」のほうがパーツが少なくなって、作りも簡素になってたのも意外でしたし、よく見るとアンテナの長さや角度が微妙に変わっていたのも驚きました。

河上 こうして比べてみて、特に興味深い顔はどれですか?

片桐 「Ver.2.0」かな。このころから、“バンダイ先生の狂気”がキットに反映されている気がします。

河上 技術の限界に挑戦しているこの感じが面白いですよね。でも、何かきっかけがあったんですかね。

片桐 1番は、3Dソフトなどの技術の進化でしょうね。あと、3Dプリンターを使って造形することで、データ上で設計を簡単にいじれるようになり、トライ&エラーを繰り返しやすくなった。これにより、これまで不可能だったことが可能になり、進化のスピードが速くなった気がします。

河上 確かに「Ver.1.0」から「Ver.2.0」まで13年かかったのに、「Ver.2.0」から「Ver.3.0」までは、わずか5年しか経っていませんからね。

片桐 でも、作っていて1番感動したのはやっぱり、「THE ORIGIN版」から「デュアルアイ」が透明パーツになったことかな。

河上 発売順に見ていくと、いろいろと進化の過程がわかりましたね。

片桐 前作からどこが変わったかがわかるよね。発売してから結構時間が空くから、組み立て中は「前作のキットも確かこうだったかな」って気になりますもんね。「RX78-2 ガンダム」以外の「ガンダム」も作っているから、もうわけがわからなくなってきている!

河上 とにかく、顔だけ見ても、いろんな部分にやり過ぎなほど技術が詰め込まれていることは伝わってきました。

片桐 というか、同じファーストガンダムをこれだけ発売していることが、すでに“どうかしてます”よね!

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河上拓

河上拓

「日経エンタテインメント!」から「月刊ムー」まで、エンタメやホビーを中心に幅広く活躍するマルチライター。トランスフォーマーなどの変形玩具、海外ボードゲームに詳しい。

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