選び方・特集
「エフェクター挫折」を乗り越えよう!

プロが解説する「エフェクター」の基礎知識! 膨大な種類と最初の1台の選び方


こんにちは、ギタリストの高村です。今回は、エレキギターの音作りに欠かせない「エフェクター」がテーマです。「エフェクターってどういうもの?」という基本に始まり、その膨大な種類からセッティングに至るまでをざっくり解説していきましょう! ギターを始めた多くの方が、「エフェクター挫折」を乗り越えられますように。

好きなギタリストの音が出ない! 「エフェクター挫折」という壁

エレキギターを始めて数か月もすると、多くの人がこのように思います。「好きなギタリストのような音が出ない……」と。

最初はギターと一緒に練習用の小型アンプを購入することが多いと思いますが、この組み合わせだけでは、どうにもカッコいい音にならないのです。最近の練習用アンプにはいろいろな機能が搭載されているので、うまく設定すればそれなりにいい音を作れますが、そもそもの知識がないことには、どういう設定にすればいい音になるのかがわかりません。

そこであれこれと調べてみると、どうやら「エフェクター」というものが、カッコいいサウンドの鍵を握っているということが判明します。で、よくよく確認してみると、すでに持っている練習用アンプにもEffect(エフェクト)という項目があるではありませんか!? ということは、その練習用アンプに搭載されているEffectツマミを適当にグリグリするか、エフェクターというものを購入すれば解決となりそうです!

価格.comで「エフェクター」を調べると超たくさん種類が出てきます(画像は2020年5月26日時点の価格.comページより)

……で、使い方を調べ始めた初心者の前に立ちはだかる最初の壁が、エフェクターの種類の多さと横文字だらけの専門用語の数々です。「Overdrive」「Distortion Compressor」「Chorus」「Delay」「Reverb」などなど、聞き慣れない文字だらけ。設定も「GAIN」「SPEED」「TONE」など、どこをどういじったらいい音になるのかわからないものばかりです。

それにエフェクターメーカーもかなりの数が存在していて、どういう基準で何を選べばいいのか、とてもわかりづらいのです。こうして、頭から煙を出しながらエフェクター挫折者への道を歩み出す、というのがよくあるパターンな気がします(苦笑)。

プロにもある「初めてのエフェクター」で挫折した思い出

実際、ギター歴2年目ごろの私もエフェクター挫折者のひとりでした。90年代前半という、今よりも情報を収集しづらい時代性も手伝い、完全にお手上げ状態でした。それでも「カッコいい音を出したい!」という熱意は強く、地元の楽器店さんに相談しながら、最初の1台を購入することに成功したのです。このとき購入したのがいわゆる「マルチエフェクター」と呼ばれる種類のもので、確かBOSS製の「ME-6」という製品だったと思います。

このME-6に搭載されていたのは、いわゆる「ファクトリー・プリセット」と呼ばれる、メーカーの用意したサウンドライブラリーみたいなものだったのですが、凝りすぎていて、初心者にはどう使ったらいいのかわからないサウンドばかりでした。試行錯誤を繰り返しても、ピンとくるサウンドが得られず、いじればいじるほど泥沼にはまり、そして挫折……。

こちらは同じBOSSの現行モデル「GT-1」。全く知識のないまま初めてマルチエフェクターに触れると、横文字だらけのインターフェイスを見て「何をどう動かしたらいいんだ?」とわけがわからない状態になりがち

今なら「こういうシーンで使えるな」と気付けるのかもしれませんが、全く知識を持ち合わせていなかった当時の私には、使いどころが全くわからなかったのです。というわけでこの記事は、そんな戦意喪失している当時の私に語りかけるつもりで書いています。できるだけ平易な言葉で、エフェクターについて解説してみましょう。

そもそもエフェクターって何?

さて、まずは根本的な部分から。エフェクターって、そもそも何なんでしょうか? これに関しては、エレキギターの位置づけから振り返ってみましょう。

エレキギターより以前から存在していたアコースティックギターは、ピアノや管楽器など大音量を出せる楽器に対して、音量的に負けてしまうものでした。それに対してエレキギターは、ピックアップというパーツで弦の振動を拾うという特殊な構造により、弦振動を電気信号に変え、それをアンプで増幅させて大音量で鳴らすことができるようになっています。

そんなエレキの音は、アコギで得られるそれとは大きく異なり、とても独特なサウンドです。そのため、アコギとエレキは同じギターでありながら、サウンド的には全く別の楽器と言っても過言ではないでしょう。そしてエレキは、アコギのサウンドを追いかけるのではなく、独自の進化を遂げていくのです。

エレキギターは、本体に搭載されるピックアップというパーツでその音を拾います

エレキギターは、本体に搭載されるピックアップというパーツでその音を拾います

さて、このようにピックアップで拾った音を増幅して生み出されるエレキギターサウンドですが、電気信号によって増幅されるという特徴から、機械的に音質変化を加えることが可能です。たとえば、「もっと音の輪郭をくっきりさせたらバンドの中で埋もれないんじゃないか?」とか「音を揺らしてみたらサウンドに広がりが出るんじゃないか?」とか。そうやって多くのアイデアが生まれてきました。

そう、エレキギターに機械的なサウンド効果を加えるアイテムとして登場したのが、エフェクターなのです。その後、時代を象徴するような楽曲やギタリストに使用され人気が出たエフェクターが、その後の定番として不動の地位を築きあげていったと思われます。

そして膨大な種類のエフェクターが登場していきます。その詳細なカテゴリー分けはのちほど解説します!

そして膨大な種類のエフェクターが登場していきます。その詳細なカテゴリー分けはのちほど解説します!

エフェクターの代表的なカテゴリーは2つ

さて、このように種類を増やしてきたエフェクターですが、とにかく数が多いです。初めて手にするエフェクターをどれにしたらいいか、かなり頭を悩ませると思います。

ここでは、代表的なものを2つのカテゴリーに分けて解説しましょう。「プリエフェクト」と「ポストエフェクト」です。名称は難しいので覚えなくてOKです。ただ、こう覚えておいてください。「プリエフェクト=音の土台を作る」「ポストエフェクト=音に彩りを加える」。こんなイメージです。以下、それぞれに属するエフェクターの効果をできるだけ噛み砕いて解説します。

プリエフェクト

まずプリエフェクト、つまり土台を作るエフェクターですが、ギターから入力された信号のキャラクターを決めたり、整えたりするものです。たとえば、ロックっぽい音にするのか、キラキラしたクリーンサウンドにするのか、はたまたブルースっぽいサウンドにするのか……といったサウンドの方向性を決めます。具体的には、歪み系、コンプレッサー、イコライザー、フィルター系などがそれにあたります。

▼歪み(ひずみ)系

昔のアンプは、音量を上げると音が割れてしまったのですが、そのサウンドが気持ちいいということになり、ロックなどの音楽で愛されるようになりました。そのサウンドを、音量を上げずに得ようということで作られたのが「歪み系エフェクター」です。

種類としては、オーバードライブ、ディストーション、ファズがあります。オーバードライブは、まさにアンプで得られる自然な歪み(割れた音)を再現したものや、その系譜のサウンドのものを指します。ディストーションは、アンプサウンドでは得ることのできない、より荒々しいサウンドを作り出します。ハードロックやメタルのような激しい音楽で重宝されます。

そしてファズですが、これら歪み系エフェクターの中で最も歴史が古く、「毛羽立った」という言葉の意味通り、かなりエッジのたった攻撃的な歪みサウンドが得られます。ファズと言えば、ジミ・ヘンドリックスを思い浮かべるギタリストが多いですね。ジミヘンが愛用していた「FUZZ FACE」はいまだに大人気です。

ジミヘンでおなじみ「FUZZ FACE」

ジミヘンでおなじみ「FUZZ FACE」

ちなみに、エフェクター全体の中で最も収集家の多いのが、この歪み系エフェクター群です。各社から毎年のように新作が発表され、ギタリストたちは自分だけのサウンドをめざして、さまざまな歪みペダルを試す日々を送っているのです。完全に沼です……。

▼コンプレッサー

このエフェクターほど効果がわかりにくいものもないでしょう。英語の意味としてはコンプレッサー=圧縮ということになりますが、大きい音は潰し、逆に小さい音は持ち上げるといった効果が得られます。

こうすることで、バンドサウンドの中で埋もれることなく常に一定のサウンドが得られます。ただ、その効果は初心者にはわかりにくく、またピッキングの強弱などを訓練している段階では、成長を阻害する原因にもなりかねないので、後回しにしてもいいかなと思うエフェクターです。有名どころだと、MXRの「DYNA COMP」やBOSSの「Compression Sustainer」あたりが比較的手頃に入手できます。

BOSSの「Compression Sustainer」

BOSSの「Compression Sustainer」

▼イコライザー

音質を補正するためのエフェクターです。簡単に言えば、「もう少し音質を明るくしたい」とか「もう少し低音に迫力が欲しい」といった音を補正するために使います。

ただ、アンプにもイコライザーは装備されており、まずはアンプ側で好みの音に作る練習をしましょう。いよいよアンプだけで作り込むことができないと思ったら、より細かく音作りのできるイコライザーに手を出してみるといいと思います。個人的には、MXRの「M108S 10 Band Graphic EQ」が手頃かつ便利でオススメです。

MXRの「M108S 10 Band Graphic EQ」

MXRの「M108S 10 Band Graphic EQ」

▼フィルター系

フィルター型の主役といえばワウ(Wow)です。このエフェクターは、足踏みできるペダル方と、自動で効果を発生させるタイプに分かれます。理屈的な部分は置いといて、音がワウワウと変化します……まんまですね(苦笑)。

こう書かれても「つまりどんな音やねん!」と思われそうなので、念のため参考音源をご紹介しておきましょう。ワウペダルを使った曲の中で特に有名な1曲が、ジミ・ヘンドリックスの「Voodoo Child」です。イントロからワウペダル踏みまくりです。ぜひ1度聴いてみてくださいね!

ちなみにワウペダルの王道は、JIM DUNLOPの「CRYBABY」とVOXの「ワウ」です。最初の1台はこのうちのどれかを選択すれば間違いないと思います。

JIM DUNLOPの「CRYBABY」

JIM DUNLOPの「CRYBABY」

ポストエフェクト

次に彩りを加えるポストエフェクトですが、プリエフェクトで作り上げたサウンドに広がりを与えたり、残響を加えたりして、リッチに仕上げていくものです。具体的なところでは、モジュレーション系、ピッチ系、残響系などがそれにあたります。

▼モジュレーション系

コーラス、フランジャー、トレモロ、ビブラートなどのエフェクターがこのカテゴリーに入ります。小難しい仕組みはさて置き、サウンドキャラクターだけを簡単にお伝えします。モジュレーション系は音を揺らすエフェクターです。その揺らし方の特徴によって、名称が異なると思っておいてください。

コーラスはサウンドに広がりを作ります。コーラスを使った最も有名な楽曲例としては、Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」じゃないでしょうか? 激しいイントロ明けに突如静かに鳴らされるコーラスサウンドは鳥肌ものです。

フランジャーは過激なコーラスといったイメージで、歪んだサウンドと組み合わせることで、独特な「ジェットサウンド」を作り出せます。Van Halenの「Unchained」を聴いていただければ、サウンドキャラクターがよくわかると思います。

トレモロは音量を上下させることで断続的なサウンドを作り出すエフェクターです。設定次第ではマシンガンのような強烈なサウンドも作り出せます。ビブラートは断続的に音程変化を作り、名前のとおりビブラート効果を生み出します。

BOSSの「SUPER Chorus CH-1」

BOSSの「SUPER Chorus CH-1」

▼ピッチ系

ピッチとは音程のことです。たとえば、カラオケで誰かがハモってくれたとします(嫌がられることも多いですが……笑)。これがピッチ系エフェクターのイメージです。元となる音にハーモニーを重ねてくれます。ギタリストが1人しかいないバンドだったとしても、ツインギター、もしくはトリプルギターかのようにハモることができてしまいます。

代表的なのが、オクターバーとピッチシフター、ワーミーなどです。オクターバーは1〜2オクターブ上、下にハーモニーを作り出してくれます。ピッチシフターにはいくつか種類がありますが、とりあえずハモリをつけてくれるエフェクターだと思っておいてください。ワーミーはペダルを踏むことで強制的に音程変化を加えてくれるおもしろいエフェクターです。

Eventideの「PitchFactor」

Eventideの「PitchFactor」

▼残響系(空間系)

個人的には、プリエフェクトの中で残響系がもっとも使用頻度の高いエフェクター群だと思います。なお、ディレイとリバーブといった原音に残響を施すエフェクターを総称して「残響系」と言っています。こういった効果から「空間系」とよばれることもあります。

まずディレイですが、原音に「やまびこ効果」を付加するエフェクターです。つまり、音が遅れて跳ね返ってくるイメージです。ソロにさりげなくかけることで立体感を生み出したり、特殊効果的に積極的に使うことも可能です。私の場合、どんなサウンドにも薄くかけっぱなしにしていることが多いです。

とにかく1台持っておくと便利なエフェクターですので、歪み系の次に購入されているのがディレイだと思います。とにかくONにするだけで上達した気分にさせてくれますよ(笑)。ちなみに、私的には、U2のギタリストThe Edgeがディレイの使い手として最高峰だと思っています。

BOSS「Digital Delay DD-8」

BOSS「Digital Delay DD-8」

次にリバーブですが、これは自然な残響を作り出すエフェクターです。カラオケでエコーをかけることが多いと思いますが、正にそのイメージです。

たとえばホールで演奏しているような残響だったり、部屋で演奏している残響だったりといった反響を疑似的に作り出してくれます。そんなことから、常にかけっぱなしにしている人も結構多いと思います。

Strymonの「BigSky」

Strymonの「BigSky」

そういえばギターを始めたてのころ、感じていた疑問があります。それは、「ほかの楽器は音にリバーブをかけたりせずに、自然に発生する反響音だけで演奏しているのだから、ギターにもリバーブなんていらないんじゃないか?」ということ。実際、ギターの音もアンプから出力された後は、壁や天井に跳ね返り、自然な残響が得られます。ところが不思議なことに、ほかの楽器と違ってスピーカーから音を鳴らすという特殊な構造だからなのか、軽くでもリバーブをかけたほうが自然に感じるのです。

もちろんリバーブをかけないギタリストも多くいますが、アンプに最初から搭載されていることも多いくらいなので、ギタリストの多くがリバーブのかかったサウンドを好んでいるのだろうと推察できます。

リバーブには、スプリングリバーブ、プレートリバーブなどの種類がありますが、反響の質が変わるくらいに頭に入れておいたらいいでしょう。

エフェクターの選び方

ここまでで、エフェクターの種類にどのようなものがあるのかご理解いただけたと思います。しかし、何をどういう順番で買い揃えたらいいのか、なかなかイメージがつきにくいですよね。ということで、この項ではエフェクター入門者がどのような基準でエフェクターを選べばよいのか、できるだけ噛み砕いてレクチャーしていこうと思います。

▼コンパクトエフェクター

コンパクトエフェクターは、ひとつの筐体に、前述した各種エフェクト効果がひとつだけ収められたものを指します。多くの場合、ツマミが2〜4つほど搭載されていて、とりあえずグリグリ回すだけで音の変化を体感できます。こういったわかりやすさもコンパクトエフェクターの魅力です。また、エフェクトごとに好きなメーカーのものを選択できるというのも大きな魅力です。

現役ミュージシャンがスタッフに名を連ねる米EarthQuaker Devicesのコンパクトエフェクター

現役ミュージシャンがスタッフに名を連ねる米EarthQuaker Devicesのコンパクトエフェクター

デメリットとしては、1個あたりの単価がそこそこするので、自分の欲しいエフェクターをすべて揃えると、それなりの出費になってしまうことです。また、エフェクター同士を接続するためには、パッチケーブルという短いケーブルや、それらをまとめて取り付けるエフェクトボードなどが必要となり、まずまずインパクトのある出費に……。

そのほかにも、同時に複数の効果を呼び出すことができないという問題もあります。各エフェクターにON/OFFスイッチが付いているため、たとえばコーラスとディレイを同時にオンしようとした場合、両足で踏まなければならなくなり、立って演奏する場合は両足かかと立ちでスイッチを踏むような、不気味な動作を余儀なくされます。この問題に関しては、スイッチャーと言う機材を使うことで解決できるのですが、その分の出費がかさむことを覚悟しなければなりません……。

▼マルチエフェクター

各種エフェクターが1台の筐体に収まったものをマルチエフェクターと呼びます。最大の魅力は、すべてのエフェクトをトータルで管理できることです。つまり、1回のアクションで、同時に複数のエフェクターを呼び出すことができるのです。

また、コスパがいいことも大きな魅力と言えるでしょう。コンパクトエフェクターの場合、1台10,000円だとして5台揃えれば50,000円になります。パッチケーブルや電源供給用のパワーサプライといった機材、それらを収めるケースなどを購入していくと、すぐに6〜7万円ほどの出費になってしまいます。それに対して、マルチエフェクターは、30,000円もあればそれなりにいい製品を手にすることができて、非常にリーズナブルです。

ZOOMのマルチエフェクター「Multi-Effects Processor G1X FOUR」

ZOOMのマルチエフェクター「Multi-Effects Processor G1X FOUR」

こう考えると、マルチエフェクターが最強じゃないかと思われるかもしれません。ただ、そう簡単に言い切ることができないのが、エフェクターのおもしろいところなのです。

エフェクターには、アナログとデジタルの製品が存在します。どちらがいい悪いではなく、好みによる部分です。マルチエフェクターのほとんどがデジタル処理でサウンドを作っているため、サウンドにこだわりたい人にとっては、このあたりの柔軟性を持てないことがストレスになると思います。

また、すべてのエフェクターがそのメーカー1社のものになるため、コンパクトエフェクターを収集するように「コーラスは〇〇社のもの」「リバーブは▲▲社のもの」といったような柔軟なサウンド構築ができません。

ただ最近のエフェクターは少し進化していて、先述のとおり、コンパクトエフェクターを1〜2台システムに取り込むことができるタイプも増えてきました。これができることで、アナログが強いと言われている歪み系のエフェクターなどを接続して、アナログとデジタルの融合を図ることが可能です。まあこの場合、前述のコンパクトエフェクターと同じで、パッチケーブルが必要になりますし、マルチとコンパクトの2台を持ち運ぶためのケースも検討しなければならないため、結局、出費は増えてしまうのですが……。

▼アンプシミュレーター搭載マルチエフェクター

今までの2つは、あくまでもアンプに接続することを前提に作られていました。ここで紹介するのは、アンプ機能が搭載されているマルチエフェクターです。くわしくはこの後にお話しする接続方法の項でお話ししますが、要するにアンプのサウンドをデジタルでシミュレーションし、さらに内部でエフェクトまでかけて出力すると言うハイブリットなモデルです。アンプとエフェクターを同時に手に入れると考えれば、とてもリーズナブルと言えるかもしれません。

Positive Gridの「BIAS Mini Guitar」

Positive Gridの「BIAS Mini Guitar」

デメリットは、普通のマルチエフェクターとほとんど同じです。また、リアルなアンプと違ってシミュレーターなので、音に違和感を覚える人もいるかもしれません。ただ、昨今のアンプシミュレーターは本当に優秀です。かなり実際のアンプに肉薄してきましたので、悩んでいるなら1度試奏してみることオススメします。

以下の記事は、アンプシミュレーターの記事になります。アンプ機能のみの製品ですが、参考になると思いますので、あわせてご覧いただければ理解が深まると思います。

【関連記事】
無敵のギターアンプヘッド「BIAS Mini Guitar」8つの魅力を徹底解説!

初心者は、歪み系をいじり倒すことからスタートしよう

さて、これでエフェクターの種類が把握できたと思います。では、最初の1台は何を選ぶのがいいのでしょうか? 私の経験からは、最初は歪みエフェクターをコンパクトで買って、いじり倒すことから始めるのをオススメします。ツマミが3〜4つだけなので、マニュアルなしでもなんとかなります。ツマミに書かれたGAINやらTONEといった意味も、音の変化から意味合いがつかめると思います。

通称「ボスコン」と呼ばれるBOSSのコンパクトエフェクターから、オーバードライブ「SD-1W」

通称「ボスコン」と呼ばれるBOSSのコンパクトエフェクターから、オーバードライブ「SD-1W」

この1台に慣れたところで、次に残響系を1台追加します。オススメはディレイです。この2台があれば、それなりに本格的かつ使えるサウンドが作れます。この2台を使いこなせるようになったら、この調子でコンパクトエフェクターを集め続けるか、マルチエフェクターやアンプシミュレーターを導入するかを検討したらいいと思います。

なお、仮にマルチエフェクターなどに乗り換えるとしても、ここまでに買った歪み系エフェクターはムダになりません! マルチエフェクターの前に接続したり、外部エフェクターをつなげる端子がついている機種であれば、そこに接続することでシステムに取り込めます。そういう意味でも、コンパクトエフェクターから始めるのはいい方法なのです。

マルチやアンプシミュレーター搭載マルチエフェクターは、機能モリモリで複雑です。昔の私のように途方に暮れてしまう可能性がありますので、特に機械音痴の方はコンパクトエフェクターから始めるのが無難でしょう。

複数のエフェクターを並べる順番

ちなみに、エフェクターには一般的にいいとされている並べ順が存在します。もちろんサウンドに正解はありませんから、好きに並べて構わないのですが、これから初めてエフェクターでの音作りを始めるなら、とりあえずこの順番を守って並べてみましょう。この通りに並べておけば、とりあえず、おかしなことにはならないはずです。

フィルター系(ワウなど) → コンプ系(ダイナミクス系)→ 歪み系 → モジュレーション系 → ピッチ系 → 残響系

迷ったらこの並び順にしておきましょう。

セッティングのパターン

さて、今回の記事のクライマックスです。自分にあったエフェクターの種類も決まり、いざ購入したとしても、セッティングに悩む人も多くいます。

今回は一般的なセットアップ例をいくつかご紹介しますが、アンプの知識も少し頭に入れておいたほうが、より理解が深まると思いますので、まずはアンプの構造の話から入っていこうと思います。ここが理解できると、よりサウンドシステム構築が楽しくなりますので、入門者の方も今のうちに覚えてみてくださいね!

手持ちのシステムの中に組み込んでセッティング

手持ちのシステムの中に組み込んでセッティング

▼アンプの役割

さて、アンプ(Amplifier)というのは、日本語にすると増幅器です。要するに、エレキギターの微弱な音をライブで演奏できるほどに増強する機械のことです。ギター用アンプはオーディオ用アンプとは異なり、エレキギターらしいサウンドキャラクターを意識しながら増幅します。

そのサウンドキャラクターを決定するのが、アンプ内部の「プリアンプ」とよばれるセクション。ここで、そのアンプらしさが決定されます。その後、「パワーアンプ」というセクションに信号が流れ、本格的に増幅した上で、スピーカーで出力するという仕組みです。

▼エフェクターとアンプの理想的なセッティングとは

前項で「プリエフェクト」と「ポストエフェクト」という話をしました。簡単に説明しますが、プリエフェクトとはプリアンプの前に設置することが望ましいエフェクターです。そして、ポストエフェクトとはプリアンプの後、つまりプリアンプとパワーアンプの間に設置することが望ましいとされているエフェクターなのです。

プリエフェクトとプリアンプでサウンドのキャラクターを決め、その後、ポストエフェクトで彩りを加え、パワーアンプで最終的な増幅をするというイメージです。

なお、プリエフェクトとプリアンプで作った信号を外部に1度出力する端子が、アンプ裏にある「Send」です。その後、ポストエフェクトを通過した信号をパワーアンプに戻す時に使う端子が「Return」となります

多くの場合、とりあえずコンパクトエフェクターを順番に並べて、まとめてアンプのインプットに接続するか、マルチエフェクターをそのままアンプのインプットに接続していますが、前述の接続を考えると、この接続法は決して最高の接続法ではないのです。各エフェクターの性質を無視して、すべてをプリアンプの前に接続してしまうわけですから(汗)。

もちろん、クセの少ないアンプ(JC-120など)を使っていれば、あまり気にならないかもしれませんが、いい真空管アンプを使っているような場合では、とてももったいない使い方だと言わざるを得ません。ということで、理想的なセッティングとは以下のようになります。これはコンパクトでもマルチでも同じです。

ギター → プリエフェクト → アンプのインプット → アンプ裏のSendからポストエフェクトのインプットに接続 → ポストエフェクトのアウトプットからアンプ裏のReturnに接続

なお、この接続法を「4CM(フォーケーブルメソッド)」といいます。4本のケーブルを使用することからこのように呼ばれています。上記の接続例の矢印の数を数えてみてください。4つになっていますよね。もちろんアンプシミュレーターの場合はプリアンプを搭載していますし、場合によってはパワーアンプまで搭載していますので、4本もケーブルは要りませんが……。

ということで、だいぶ長くなってしまいましたが、エフェクターのおおまかな知識は大体網羅できたかなと思います。なかなかいっぺんに理解するのは難しいと思いますが、何度も読んでサウンドメイキングに役立てていただけたらうれしいです。それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

高村尚平

高村尚平

藤沢市のギター教室「ギターの処方箋TAKAMURA」を運営するギタリスト兼講師。ギターと機材が三度の飯より好き。過去には機材メーカーに在籍し、全国で実演セミナーを開催していたほど。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る