「G-SHOCK」今月の衝撃!!!
フルメタルスクエアモデルの新作「GMW-B5000CS-1JR」

“時をかける”フルメタル「G-SHOCK」! レーザーでグリッドを表現

カシオ計算機のG-SHOCKから、フルメタルスクエアモデルとして絶大な人気を博す「GMW-B5000」シリーズの新作「GMW-B5000CS-1JR」が発売された。リリース情報は2020年3月に発表されていたが、全体にグリッドデザインを施した“攻め”の姿勢が話題になり、発売が待ち望まれていたモデルだ。

人類のロマン! 「時間遡行」をグリッドで表現

2020年5月に発売されたG-SHOCK「GMW-B5000CS-1JR」。公式サイト価格は96,800円(税込)

2020年5月に発売されたG-SHOCK「GMW-B5000CS-1JR」。公式サイト価格は96,800円(税込)

今作のテーマに掲げられたのは「時」。

そもそも時計自体が時を刻む存在ではある。しかし今作ではその次元をひと段階飛び越え、「過去と未来」という広大なスケールを思慮した先にたどり着いたのが、このグリッドデザインだった、とデザイナーの池津早人さんは述懐する。

「『GMW-B5000』は、初代G-SHOCK(過去)とこれから発売していくG-SHOCK(未来)をつなぐことができる存在。そのため、グリッドを使ってタイムトンネルを表現しました」

時間遡行とグリッドデザインには強い結びつきがある

時間遡行とグリッドデザインには強い結びつきがある

ここからは少し余談になるが、「タイムトラベル」「タイムスリップ」といった時間遡行(そこう)について触れてみたい。

過去、または未来の世界へ自由に行き来することは、人々の想像力をかき立ててやまないロマンだ。海外TVドラマ「タイムトンネル」では若き科学者らが歴史上の事件を目の当たりにし、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」では「デロリアン」に乗った主人公が若かりしころの父親をピンチから救い、「ドラえもん」ではネコ型ロボットがのび太くんの机の引き出しから現れる。

時間遡行のシーンで描かれるイメージは作品によってさまざまだが、定番のイメージのひとつは、幾何学的なグリッド状のトンネルを抜けていくというものだ。時間遡行の概念自体は、神話にも描かれているほど古くから存在しているが、近代において「本当にありえるのかも?」と思わせたのが、アルベルト・アインシュタインが提唱した相対性理論だ。重力は時空の歪みととらえ、ブラックホールなどを利用したタイムトラベルの可能性が科学的に示唆された。その際、グリッドで描かれた重力場の説明が欠かせなかったことから、時間遡行とグリッドデザインに強い結びつきが生まれたのではないかと考えられる。

重力図を思わせるグリッドデザイン

重力図を思わせるグリッドデザイン

高度なレーザー加工技術がなせる逸品!

「GMW-B5000CS-1JR」の話に戻ろう。

今作では、ケースにもバンドにもグリッドが描かれているが、これらはすべてプリントによるものではない。すべてレーザーで金属の表面を極わずかに削って表現したものだ(文字盤を除く)。

「IP(イオンプレーティング)」処理したステンレススチールに、極細に収束させたレーザーを何度も当てることで、精細感のあるロゴやラインの表現に成功している。拡大レンズを使えばレーザーの投射跡を確認できるが、肉眼ではただ美しいラインにしか見えない。

拡大してみるとレーザー加工の跡がわかる

拡大してみるとレーザー加工の跡がわかる

これまでのG-SHOCKでは、素材にインクを塗布するプリント加工が多用されてきた。しかし今シリーズのような金属素材の場合、こすれることでインク部分がはげ落ちてしまいかねない。そのため、レーザーで物理的に削り取る加飾技術が選択された。

本体全面に施されたグリッドデザインは、「タイムトンネル」が発現する重力場を想起させる。また、建築物や工業製品をデザインする際に用いられる「ワイヤーフレーム」を連想する人もいるかもしれない。いずれにせよ、多くの人が思い描くスクエアモデルのイメージ像に一石を投じるものに仕上がっている。

「GMW-B5000」シリーズのスクエア顔を印象づけるベゼルには、あえて放射状にグリッドを描画。その存在感をさらに強調している。

ベゼルは放射状にグリッドを描画

ベゼルは放射状にグリッドを描画

耐衝撃性を高めるために凹凸を設けたケースには、縁をなぞるようなラインも加えられている。湾曲した部分でありながら狂いなく線が引けているのは、同社の高度な加工技術があってこそだ。立体的なフォルムなのに、縁取られたことで真正面からは平面と錯覚してしまうのも、今作の個性と言える。

ケースを縁取るようにラインが引かれている

ケースを縁取るようにラインが引かれている

バンド部分にもグリッドをデザイン。面白いのは、直線でほぼ等間隔にグリッドを入れることで駒の造形がより明確になったこと。特にバンドの長さ調節には使われない、ケースに近いほうの駒(通称「テーパー駒」)は、文字通りテーパー(先細り)している様がよくわかる。

バンドにもグリッドを表記

バンドにもグリッドを表記

デザイナーの池津さんによると、ケースとバンドでは異なるレーザー加工機を用いざるを得ず、組み上げた際に違和感が出ないように多くの苦労があったという。特に今回のようなグリッドデザインでは、1mm以下のズレさえも許されない。「過去と未来」を結ぶという遠大なテーマを掲げるだけに、「現代」における最高クラスの精度を追い求めた結果が、今作には現れているように思える。

わずかなズレもなくグリッドが描かれている

わずかなズレもなくグリッドが描かれている

三つ折れ式のバックルには、G-SHOCKのロゴマークも刻印。ベゼルのロゴとは異なり、ここでは中抜きで表現しているところにこだわりが垣間見える。

バックルのロゴは中抜きで表現

バックルのロゴは中抜きで表現

こだわりは背面にも。

スクリューバックの裏ブタの傾斜した外周部にも、グリッドが描かれている。ほとんど持ち主の目にしか触れられない部分だが、そこにも「タイムトンネル」ならではのオリジナリティを詰め込めんだ。

スクリューバックにもレーザー加工が施されている

スクリューバックにもレーザー加工が施されている

文字盤にはプリントでグリッドを描き、統一感を醸成。なお、これまでの「GMW-B5000」シリーズの文字盤はすべて、初代モデル「DW-5000C」を踏襲したデザインが採用されているのだが、そのほとんどの機能表示を省略した今作には特別感が漂っている。

文字盤にもグリッドデザインが施されている

文字盤にもグリッドデザインが施されている

なお、艶やかな質感を見せる正面とは異なり、ケースやバンドの側面はヘアラインのマットな仕上げが採用されている。グリッドも入っていない。こうしたメリハリをつけることで、フルメタルシリーズ特有の高級感を獲得している。

側面はマットな仕上げ

側面はマットな仕上げ

「デザインが単調に見えないように、グリッドの線の入れ方や太さ、数など、何度もパターンを変えて調整し、ベストなバランスを見出しました。形にとらわれないG-SHOCKだからこそ実現した、非常に挑戦的なデザインだと我ながら思います。一見奇抜なパターンですが、全体はモノトーンでシックな印象にまとめていますので、さまざまなシーンで取り入れてもらえると思います」(池津さん)

便利なスマホ連携機能も引き続き搭載!

ベゼルとケースの間にファインレジン製緩衝材を実装した耐衝撃構造や、Bluetooth搭載電波ソーラー、視認性の高いSTN液晶といった高品位なスペック面は、これまでと同様だ。

また、専用アプリ「G-SHOCK Connected」を使ってスマホと連携できる機能も搭載されている。

スマホとつながるとBluetoothロゴと「CNCT(Connect)」の文字が液晶画面に表示される

スマホとつながるとBluetoothロゴと「CNCT(Connect)」の文字が液晶画面に表示される

ワールドタイムやタイマーの設定などは、スマホの大画面だと実にラクに操作できる。ほかにも、時計のボタン操作によりプッシュした時間と場所をアプリの地図上にスタンプできる「タイム&プレイスログ」はアプリと連携できてこその機能で、お気に入りのショップの場所などを素早く記録できて便利だ。

専用アプリでの操作画面

専用アプリでの操作画面

【まとめ】G-SHOCKの“今”が詰まった会心作!

デザイナーの池津さんは、2019年11月に発売された迷彩柄フルメタルモデル「GMW-B5000TCM-1JR」を手がけた人物でもあり、レーザーによる新たな加飾技術をG-SHOCKに導入した立て役者だ。2019年9月にG-SHOCKのテーマとして掲げられた「CMF=Color(色)、Material(素材)、Finish(仕上げ)の進化」は今なお続いているが、加飾に対するアイデアの豊富さから、同氏は社内で「Mr. CMF」と呼ばれているという。

【参考】
「G-SHOCK」からフルチタンの「5000」が初登場! レーザー彫りの迷彩柄が新しい

今回の「GMW-B5000CS-1JR」は、そんな池津さんの実力が遺憾なく発揮されたモデルだ。2018年に誕生したフルメタルの「GMW-B5000」は、前回の記事で紹介したようにG-SHOCK人気ランキングの上位を多数占める看板シリーズとなったが、人気であるゆえにバリエーションは出尽くしてきた感があった。そうした中、今回の“タイムトンネルモデル”は目を覚ますような奇手となり、フルメタルスクエアモデル、ひいてはG-SHOCKそのものの魅力を再認識させるきっかけになるだろう。

【参考】
《2020年》「G-SHOCK」売れ筋モデルTOP5を解説! フルメタルが今なお人気

本作はとにかくインパクトは抜群で、装着する者の気持ちをアゲてくれるようなモデルだ。愛着を抱ける対象であるのは間違いなく、いつか自分の「過去と未来」をつなげてくれる存在になってくれるかもしれない。

【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース/ベゼル材質:ステンレススチール
●バンド材質:無垢バンド
●ケースサイズ:43.2(横)×49.3(縦)×13(厚さ)mm
●重量:167g

横山博之

横山博之

カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。

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