今回のガンプラ組み立てレビューは、「MG 1/100 ガンダムキュリオス」です。2019年発売の「ガンダムデュナメス」に続き「機動戦士ガンダム00」からの3機目のMGモデルとなります。その特徴は何といってもMA(モビルアーマー)形態への完全変形。フレーム構造による見事な再現をぜひご覧ください。
「ガンダムキュリオス」は、2007年より放映されたTVアニメ「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」に登場するガンダムタイプのモビルスーツ。私設武装組織「ソレスタルビーイング」が所有する、太陽炉「GNドライブ」を搭載した4機のガンダムのうちの1体。パイロットはアレルヤ・ハプティズム。飛行形態への変形が可能で、高い機動性を誇る機体です。今回、メカニックデザイナーの柳瀬敬之氏の最新画稿をもとにMG化されました。
ではさっそく作っていきましょう。昨年発売の「ガンダムデュナメス」同様、先にフレーム部分を作って、そこに外装パーツを取り付けていくスタイルです。一部、「デュナメス」との共通パーツも使われており、「キュリオス」で使わない余剰パーツがいくつか出ます。
キュリオス完成形です。劇中同様のスマートなプロポーション。変形後に翼となるパーツなどに、かなりとがったものもあるので注意が必要です
背中には大きく長いパーツがありますが、バランスがしっかり保たれています
「キュリオス」はオレンジと白のカラーリングで、白の部分はマット感のある色合いに仕上がっています。脚部などのパーツはディテールも凝っており、スミ入れするとパネルラインの模様がしっかりと出て、密度感が高まります。
メリハリのきいたスタイリッシュなガンプラです
本体には、過去の「エクシア」、「デュナメス」同様、PPシートを使ったパーツが取り入れられています。薄いビニールのような素材で、ももや肘関節、頭部などに採用され、光の加減でホログラムのように見えてキレイです。
顔周りです。アンテナは太め。額の部分はシルバーのシールになっています
頭頂部の細いスリット内にPPシートを使用。頭横部分はグリーンのクリアパーツです
作っていて特に感心したのは肩周りです。HGやMGでは、肩部分は胸部に差し込むだけというものが多く、可動させると外れることが多いのが常。しかしこの「キュリオス」は、肩、腕部分を胸部に差し込む際に、差し込んだパーツを回転させることでロックがかかり、外れない仕様になっていました。これなら、よほどグルグルと回転するなどしない限り外れることはありません。
腕部のポージングもかなり表現豊かに再現できます
武装は「GNビームサブマシンガン」、「GNハンドミサイル」、「GNビームサーベル」、「GNシールド」です。ちょっと変わっているのは、「無線グリップ」と呼ばれるパーツが2つ付いており、これが、サブマシンガン、ハンドミサイル共通のグリップパーツとなります。そのため、専用の手首パーツはグリップに装着させて、使う武装をそのグリップに取り付けるという仕様。
専用武器の「GNビームサブマシンガン」。無線グリップに装着させて手に持たせます
「GNハンドミサイル」。腕部に固定して装備することが可能。無線グリップを装着させれば、手に持たせることもできます
腕には「GNシールド」を装着できます。このシールドは展開が可能で、ロックされている部分を外すと、大きなカニのハサミのような形状へと変形。サイドアームのようなスタイルで攻撃ポーズを取ることができます。このシールドは大きいですが、腕部にしっかり固定できるので、腕部を動かしていてもポロリと落ちることがありません。
しっかりと装着できる「GNシールド」
ロックを外し変形させると、巨大なカニのハサミのような形状にチェンジ
近接攻撃用として使用することができます。とがっているので、取り扱いには注意してください
腰のリアアーマーに内蔵されたビームサーベルは2本。専用持ち手でしっかり固定できます
「GNシールド」と組み合わせると、キュリオス最強の近接攻撃スタイルを再現
ではMA形態へと変形させていきます。変形機能付きガンプラあるあるとして、パーツがポロリする、うまくハマらない、変形に30分かかった……などが定番ですが、この「キュリオス」は非常に簡単です。さらに、ロック機構でしっかり安定するので、バラバラになったり、変形途中でパーツが落ちたりすることがありません。これからの変形モビルスーツのガンプラは、この「キュリオス」基準で作ってもらいたいくらいの快適さです。
変形そのものもシンプル。背中の黒く長いパーツを回転させて頭部を収納し、肩アーマーを回転させて黒く長いパーツに固定。ここで、ツメがしっかりハマりロックされます
脚部の翼パーツは引っ張ることでロックが解除され、前方向に倒れて翼仕様になります。戻すときも、押し込めばロックがかかり固定されます
あとは、脚部分を回転させれば飛行形態に変形完了。あっという間で、しかも安定感がすごいことに驚きました。別売りのスタンドを使って飾ることも可能です(※初出時、シールドの向きが前後逆となった写真が掲載されていました。訂正してお詫びします。(2020年8月11日11時))
MGを作るとなると、HGと比べてパーツ数が多く、複雑な機構もあり、ちょっと身構えてしまうこともあったのですが、この「キュリオス」はそんなことも感じさせないほど楽しく組み立てられました。昨年発売の「ガンダムデュナメス」よりも作りやすく改良されている部分もあり、新たなガンプラが出るたびに、改良、改善が図られているなと感心させられます。
「ガンダムデュナメス」との共演
また、「ガンダム00」に登場するガンダムはスタイリッシュなので、バランスや可動に制限がかかり難しいのでは?と思っていた部分は、目からウロコのパーツ構成で作られていたりするので、それを発見しながら組み立てるのも非常に楽しいですよ。「エクシア」発売から10年経って「デュナメス」、そしてその翌年に「キュリオス」ときましたので、残り1体の「ヴァーチェ」も期待できそうです!
「月刊PCエンジン」誌で編集ライターデビュー。「64DREAM」誌デスクを経て前職はXbox 広報のゲーム漬け人生。猫とガンプラとaqoursが存在理由のホビー担当。