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古楽器「フォルテピアノ」の音色も搭載

ヤマハ電子ピアノの超正統進化! レッスン用「クラビノーバ」が3年ぶりにモデルチェンジ


ヤマハの電子ピアノ主力製品「Clavinova(クラビノーバ)」より、レッスン用として人気の「CLP」シリーズが3年ぶりにモデルチェンジすることが発表された。新製品「CLP-700」ライン合計4モデルが、2020年8月31日から順次発売される。

クラビノーバと言えば、ヤマハ電子ピアノの代名詞的シリーズで、初代モデルが発売された1983年から実に37年の歴史がある。今回発表されたCLP-700シリーズは、ヤマハみずから「アコースティックピアノ開発で培った感性と最新のテクノロジーを融合させた」とアピールしており、レッスン用としてグランドピアノの再現を突き詰めた正統進化を遂げたと言えるものだ。

また、Bluetooth連携機能にも対応し、古楽器「フォルテピアノ」の音色も搭載するなど、ヤマハ電子ピアノの新しいスタンダードモデルとして機能性も高めている。以下より、その進化点を紹介していこう。

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4モデル合計17機種をラインアップ

新たなクラビノーバの製品ラインアップは、「CLP-785」「CLP-775」「CLP-745」「CLP-735」の4モデル。なお、同じ型番でもカラーバリエーションによって価格と発売時期が異なる。カラバリは最上位モデルのCLP-785のみ2色展開で、そのほかは5色展開となる。以下、写真でご覧いただきたい。

※カラー名称:PE:黒鏡面艶出し、B:ブラックウッド調、R:ニューダークローズウッド調、DW:ダークウォルナット調、WA:ホワイトアッシュ調

「CLP-785PE」400,000円(税別/12月10日発売)、「CLP-785B」360,000円(税別/8月31日発売)

「CLP-785PE」400,000円(税別/12月10日発売)、「CLP-785B」360,000円(税別/8月31日発売)

「CLP-775PE」315,000円(税別/12月10日発売)、「CLP-775R/B」275,000円(税別/8月31日発売)、「CLP-775DW/WA」275,000円(税別/12月10日発売)

「CLP-745PE」250,000円(税別/12月10日発売)、「CLP-745R/B」210,000円(税別/8月31日発売)、「CLP-745DW/WA」210,000円(税別/12月10日発売、)

「CLP-735PE」195,000円(税別/12月10日発売)、「CLP-735R/B」155,000円(税別/8月31日発売)、「CLP-735DW/WA」155,000円(税別/12月10日発売)

※2020年9月23日追記:一部製品の発売日が変更になったため、最新の内容に更新しました。

電子ピアノの枠を超える表現力を目指した最新技術

新しいCLP-700シリーズは、前世代モデル「CLP-600」シリーズと外観イメージはほぼ同じだが、中身はかなり変わっている。ヤマハが掲げる開発コンセプトは、「リアルグランドエクスプレッション2」。かみ砕いて言うと、「奏者の感性に応える電子ピアノ」を目指して、これまでのクラビノーバとは一線を画す「表現力の向上」を遂げた。それを実現したテクノロジーについて紹介しよう。

まず大きなポイントとなるのは、CLP-700シリーズのために開発された新技術「グランド・エクスプレッション・モデリング」。グランドピアノ内部の動きで生まれる多彩な音色変化を、電子ピアノで再現する技術である。これにより、グランドピアノにおける鍵盤の弾き方とハンマーの跳ね上がり方による音の違いまでを、細かく再現。奏者が鍵盤を押したときの加速度までセンサーで読み取り、指の離し方による音の切れ方や残り方も表現している。

演奏性と音の響き方という、電子ピアノとしてど真ん中のクオリティを追求

演奏性と音の響き方という、電子ピアノとしてど真ん中のクオリティを追求

さらに上位モデルのCLP-785/ CLP-775には、グランドピアノらしい立体的な演奏空間を実現する音響技術「グランド・アコースティック・イメージング」が搭載されている。グランドピアノの演奏中に1つひとつの音がどういう位置でどのように鳴っているかを測定し、その情報を元に電子ピアノで再現したというもの。それぞれ3ウェイ構成のスピーカー部に加振器も追加搭載することで、あたかも響板から音が鳴っているかのような奥行感と音の広がり感も表現している。

上位2モデルともスピーカーは3ウェイ構成で加振器をプラスしているが、本体のサイズが異なるため、スピーカーユニットはそれぞれ最適となるよう配置を変えている。特にわかりやすい違いは低音部で、最上位のCLP-785は、下前板部分から低音を鳴らす仕組みとなっており、CLP-775は下部にボックス型の低音ユニットを搭載する仕様

新しくなったグランドタッチ鍵盤

クラビノーバの鍵盤と言えば、タッチ感に定評のある「グランドタッチ鍵盤」だが、上位モデルのCLP-785/ CLP-775に搭載されるものはそのクオリティがさらに向上した。鍵盤の先端から支点までの距離をグランドピアノと同等まで長くしたことによって、奥まで弾きやすいタッチ感を実現し、演奏性を高めている。

鍵盤の幅1cmのストロークにおいて、打鍵の強さによる重さの変化まで細かく感じられるようになっている。ちなみに下位モデル2機種は、このグランドタッチ鍵盤と基本構造が同じでありながら支点距離が短い「グランドタッチS」鍵盤を搭載する

ピアノ音色のサウンドクオリティが向上

ピアノ音色については前世代モデルから引き続き、ヤマハ「CFX」とベーゼンドルファー「インペリアル」という2つのコンサートグランドピアノの音色を搭載するが、こちらもサウンド自体のクオリティが上がっていることに注目したい。CFXとインペリアルのいずれも、奏者の耳と同じ位置にマイクを置いて集音する「バイノーラルサンプリング」の手法を採用。ここに、複雑な弦共鳴音を再現する技術「バーチャルレゾナンスモデリング」の最新版を組み合わせ、より豊かなピアノ音の再現を図った。

以下の動画は、CFX音色で演奏している様子。カメラの内蔵マイクで収録した音声なので、音質については参考までにだが、高いクオリティの雰囲気は多少なりともおわかりいただけるかと思う。

さらに、ヘッドホン用のバイノーラルサンプリング技術も向上しており、自然な音場で聞こえるように進化している。筆者も実機でヘッドホン演奏を試させてもらったのだが、鳴り始めの一瞬に「ヘッドホンではなく目の前のピアノから音が鳴っているのでは?」と錯覚したほど自然だった。

ヘッドホン演奏時には、360°包まれるような響きで驚いた

ヘッドホン演奏時には、360°包まれるような響きで驚いた

18〜19世紀様式の「フォルテピアノ」音色を搭載

そしてピアノを学ぶ人にうれしいと思われるのが、こちら。18〜19世紀頃の様式のピアノ、いわゆる「フォルテピアノ」の音色を搭載しているのだ。フォルテピアノ音色で演奏して、「ショパンはこんな雰囲気の音で作曲したのか」なんて感じることもできる。クラシックピアノを学ぶ人には楽しみが広がるだろう。

以下は、CLP-785で「フォルテピアノ」モードの「ショパンピアノ」にして演奏している動画。上で載せたCFX音色の動画と聞き比べてみると、そのサウンドの違いがわかると思う。

「フォルテピアノ」音色は、最上位モデルのCLP-785は4種類(スカルラッティ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン)、その他モデルは2種類(モーツァルト、ショパン)を搭載。18〜19世紀当時の演奏場所であったサロンのような空間で演奏している響きもイメージできる

消灯するコントロールパネルで、演奏に集中しやすい

最後に操作系だが、上位モデルのCLP-785/ CLP-775は、タッチ式のコントロールパネルを搭載しており、視認性が高く操作しやすい。特に注目したいのは、タッチセンサーが搭載されたこと。これにより、一定時間操作しないとタッチパネルが自動で消灯するのだ。細かいポイントであるが、演奏中にタッチパネルが消えることで視界に入らなくなって、より演奏に集中しやすくなる。

コントロールパネルが消灯すると、あたかもそこには最初から何もなかったかのようになって、演奏に集中できる。ちなみに下位モデル2機種は、従来の物理ボタンとディスプレイによるコントロールパネルを装備する

そのほか機能面では、Bluetooth接続にも対応。スマートフォンなどとBluetooth経由でワイヤレス接続し、デバイス内の音楽をピアノ内のスピーカーから鳴らして一緒に演奏できるほか、専用アプリ「スマートピアニスト」から各種の操作も行える。

CLP-785/775/745の3機種は、新しくBluetooth MIDI機能にも対応

CLP-785/775/745の3機種は、新しくBluetooth MIDI機能にも対応

プロのピアニストも「電子ピアノの枠を何段も超えた」と絶賛

ヤマハが開催した製品発表会に登場したピアニストの須藤千晴さんは、新しいCLP-700シリーズについて、「電子ピアノの枠を何段も飛び越えていると思います。打鍵した瞬間に、木のぬくもりに近い自然なタッチ感があって驚きました。レガートしやすく、弱音の繊細なニュアンスも出るし、強い音からやわらかい音まで再現できます」と絶賛。「指に鍵盤が吸い付いてくるようで、弾いていてピアノと親密になった感覚がありました」と表現し、そのクオリティを評価した。

「プロを目指してピアノを習っている人はもちろん、自宅で夜に音を作りたいときなどにプロでも使えるクオリティです」と語った須藤さん

ヤマハはピアノ演奏のポイントを「奏者とピアノの対話のようなもの」と表現する。そのために大事な3要素として、「感度のよさ」「すぐれた音質」「高い演奏性」をあげており、今回のCLP-700シリーズではまさにこの3点が大幅に向上。グランドピアノの演奏に近づく正統進化を遂げたことが実感された。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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