加熱式タバコの全機種、全スティックを試したヘビースモーカーの筆者が、独断でランキングするこの企画。今回は、真夏を迎えるにあたって、“涼しく味わえる”加熱式タバコデバイスとカートリッジの組み合わせをセレクトしてみた。今年も猛暑と囁かれているだけに、熱中症対策のドリンクや首かけファンなどとともに、加熱式タバコも涼を感じられるものを選びたい!
※製品写真のパッケージ、デザインは、現状と異なる場合があります。
今回網羅したデバイスは、「アイコス」「パルズ」「プルーム・エス」「プルーム・テック・プラス」「プルーム・テック」「グロー・ハイパー」「グロー・センス」の7種類
<そのほかのランキングはこちら!>
加熱式タバコ×専用スティックの吸い応え・満足度が高い組み合わせTOP10
加熱式タバコ×専用スティックの“スースーうまい”組み合わせTOP10
加熱式タバコ×専用カートリッジの「におわずうまい」組み合わせTOP10
涼しく感じるタバコと言えばメンソール。それはその通りではあるが、その中にも「スースーした清涼感メインのもの」と、「ひんやり冷たい感覚=冷涼感を与えるもの」があり、ひと筋縄ではいかない。また、ミント味だけで涼しさを表現するものだけではなく、フレーバーとしてトロピカルフルーツなどを組み合わせることで、より涼しげな演出を行っているものもある。
加熱式タバコなので、加熱温度による蒸気の熱さ、手元のデバイスの熱さも多少は考えなくてはならない。それらを総合的に判断してのランキングだということを念頭に置いてもらいたい。
派手なパッケージが目を引く。20本入りで500円(税込)
1位に選出したのは、専用スティックを太くして喫味アップを実現した「グロー・ハイパー」だ。250℃加熱の「通常モード」と260℃の「ブーストモード」を切り替えられるのだが、今回のおすすめはメンソール系との相性がよい「通常モード」である。
「ネオ・フリーズ メンソール・ スティック」は、フィルター部分に仕込まれているカプセルをつぶすことで味変ができるカプセルメンソールタイプ。つぶす前は甘さや酸味のないシンプルメンソールタバコ味だ。
内蔵されている氷結ミントカプセルをつぶすと、一気にジューシーな芳醇ミントが広がって、一気に体温が下がる気がする。メンソールと言っても、これは清涼感よりも冷涼感をメインとした、口の中に北極を感じさせるタイプである。
蒸気を吸い、吐き、深呼吸をすると、一気に鼻の奥まで冷え冷えするのがすごい。それでいてタバコ感もしっかりあるのが優秀だ。
<関連記事>
脱・細スティックの「グロー・ハイパー(glo hyper)」はシリーズ史上最強喫味デバイスだ
オレンジ色が鮮やかなパッケージ。20本入りで520円(税込)
「アイコス」が夏に不利なのは、高温加熱式デバイスの中でも最高温度を採用しているのでデバイスを持つ手がやや熱く感じられることだろう。
だが、そうした弱点を補って余りあるのが、近年人気のフレーバーメンソールタイプの「マールボロ ヒートスティック トロピカル メンソール」である。まさに夏にぴったりな南国フルーツの香りを追加した銘柄だ。
辛すぎないレベルに抑えたペパーミント系メンソールが、まずのど奥を急ぎ足でキックする。吐き出す時にはスーッとした清涼感とともに、上品なクラッシュアイスに満ちたトロピカルカクテルのような風味がふんわり広がっていく。夏のビーチの夕暮れの涼しさのような、穏やかな涼しさだ。
吐いたあとの深呼吸がひときわおいしい、完成度の高いタバコ味である。加熱式タバコのメンソールを敬遠する、紙巻きタバコのフレーバーメンソールユーザーにこそ吸ってもらいたい、絶妙なバランス感だ。
<関連記事>
「アイコス」の「トロピカル・メンソール」「フロスト・グリーン」「クール・ジェイド」を吸ってみた
20本入りで530円(税込)。ちなみに数量限定フレーバーとなる
世界的シェフとカクテルバーテンダーのコラボで生まれた、グルメな「マールボロ ヒートスティック ディメンションズ」シリーズ。これはその中の“幽玄”をコンセプトにした複雑系メンソールだ。
梨、ラベンダー、ジャスミンティーを使い、フローラルに仕上げたというその味は、アイコス専用スティックの持つクセをうまく利用しており、スパイシー感とともに実に複雑なおいしさを生み出している。
最初に、ガツンとした強烈な清涼感がのどを越え、一気に鼻奥まで押し寄せる。アロマ感が強いとタバコとしては吸いにくいが、これはギリギリのエッジを突いたバランスを実現している。
「昼間はあんなに暑かったのにね」と、夜の帳が落ちたベランダでゆっくり味わい、スーッと気持ちと体温が落ち着いていくような、独特の涼しさがクセになるタイプだ。
<関連記事>
期間限定はもったいない! 世界的シェフと先鋭のバーテンが作った「アイコス」スティックがうまい
いつの間にか発売されていた「パルズ」のカプセルメンソール。20本入りで480円(税込)
高温加熱式タバコデバイスとしては「アイコス」に次ぐ高温加熱を採用している「パルズ」だが、正直その存在感は薄い気がする。味わいは本格的なのだが、目立った特徴が余りないからだろうか。
今回紹介するのは、かつて福岡限定発売としてリリースされていた「アイディー・スティック・スーパー・カプセル・メンソール」だ。最近は都内タバコ専門店などでも見かけるようになっている。
通常モード(345℃)で味わうと、最初は控えめなメンソールレベル。しかしカプセルを潰つぶすと、ジューシーなスペアミント感が飛び出してくる。ジューシーな甘みを含んだ王道のミント味は普通においしい。変な酸味もなく、紙巻きメンソールタバコに近い、キリッとした涼しさだ。
ポイントはもうひとつある。実は「パルズ」用スティックは、メーカーは決して推奨しないだろうが、アイコスと互換性がある。飛び出すフィルター部分が少々長くなるが、加熱する部分の仕様はほぼ共通であるため、使用に問題はない。
すると、アイコス専用スティックには存在しないカプセルメンソールを、加熱式タバコ最高温度を誇る「アイコス」でも味わえるようになる。わずか5℃だが、清涼感は確実に強くなるし、喫煙時間も長くなるので涼しさも持続しやすい。
発売数は「グロー」専用が圧倒的に多いカプセルメンソール。なお、「パルズ」のスティックはフィルターが折れやすいので注意が必要だ
<関連記事>《吸ってみた》“第4の加熱式タバコ” 「PULZE(パルズ)」の味わいは?
フレーバーカートリッジ1個/たばこ・ポッド3個 500円(税込)
涼しさを感じるためには、吸い方も大切だ。ベイプ(電子タバコ)登場以降に急速に普及したのが「ダイレクト・ラング(DL)」という吸い方。蒸気を口にためることはせずに、一気に深呼吸のように肺まで吸い込むスタイルだ。
この吸い方はメンソールの清涼感を全身で味わうのに適しており、その吸い方にもっとも適しているのが、低温加熱式タバコ「グロー・センス」だ。蒸気がたっぷり出やすい仕組みになっており、DLで吸うと、この「ネオ・クリスプ・メンソール・ポッド」はパワフルな涼しさを発揮してくれる。
味仕立ては「極寒メンソール」と銘打たれているだけあって、清涼感よりも冷涼感が強め。冷えた炭酸飲料と合わせれば、夏場でも確実に北極を感じさせてくれる。低温加熱式なので、手が熱くならないのもいい。
フレーバーカートリッジ1個/たばこ・ポッド3個 500円(税込)
「グロー・センス」でもうひとつ。DLでフレーバーメンソールを味わいたいのなら、「ネオ・アイス・ブルーベリー・ポッド」がおすすめだ。夏が旬のブルーベリーのアロマをたっぷり含んだ、スースーの蒸気を全身で味わいたい。少々タバコ感は弱いが、冷涼感が主体となったシャリシャリのジェラートのようなフルーティーな味わいは、かなりの涼しさを感じさせてくれると思う。
<関連記事>
加熱式タバコの新顔「グロー・センス」を「プルーム・テック・プラス」ユーザーが吸ってみた
「プルーム・エス」のメビウスはパッケージがリニューアルされた。20本入りで490円(税込)
「メビウス・メンソール クールエフェクト」は、初代「プルーム・エス」と同時に発売されたタバコスティックだ。正直、当時の筆者にはピンとこなかったが、先日登場した新モデル「プルーム・エス・2.0」で味わったところ、その味わいの編かに驚いた。
「プルーム・エス・2.0」の、「加熱温度はそのままだが、ピーク時間を伸ばす」というわかりにくい進化は、これを味わうと利点がわかる。喫味の弱い印象のあった「プルーム・エス」だが、「2.0」になってメンソールが大きく広がるように味わえるようになった。それこそ、ハトとワシくらい違う広がり方だ。
しかも、のど奥でもグイグイ広がるインパクトで、のどから鼻からすべてをスースーさせてくれるので、クーラーのよく効いた室内では吸いたくないほどである。天然メンソール100%ということで、自然で嫌味のないおいしさなのもポイントだ。
<関連記事>
「プルーム・エス・2.0」は“メンソール特化型”に進化!
何より価格がうれしい。20本入りで470円(税込)
「マールボロ ヒートスティック」に対して廉価版に位置付けられる「ヒーツ」。登場当初はメンソールに力を入れていなかった「ヒーツ」だが、今ではメンソールのほうが多くなっている。その中でおすすめの涼感タイプは、「ヒーツ シトラスグリーン」だ。
シトラスと銘打っているが、あくまで隠し味的な立ち位置で、タバコ感とメンソール感を両立させたマイルドな吸い心地に、筆者はストイックな涼しさを感じた。地味ではあるけれど、メンソールタバコの基本である、吸って吐いて、その後の呼吸が涼しいという必要条件はすべて満たしている。
<関連記事>
「ヒーツ」初のフレーバーメンソール誕生!「シトラス・グリーン/フレッシュ・パープル」を吸ってみた
どことなくクリスマスを感じさせるパッケージだが、夏向け新作。たばこカプセル5本とカートリッジ1本入りで500円(税込)
「プルーム・テック・プラス」用に登場した数量限定フレーバー「メビウス・エナジー・スパーク・ミント」。ベイプシーンでは定番人気のエナジードリンク味を表現している。
これもまた、DLで楽しむのに向いている。甘いハニー感のある“エナドリ味”で、炭酸飲料をどことなく感じるのが夏っぽい。メンソールはそれほど強くないが、軽くふかしてからゆっくりグーっと肺まで吸うことで、涼しげなおいしさを味わえる。
ただ、吸い込むスピードをリキッド供給が追いつくスピードまで抑えないと(こればっかりは感覚で)、辛みが出ておいしく味わえないので注意が必要だ。低温加熱式なので、デバイス自体は熱くならないのも地味にいい。
<関連記事>
炭酸飲料をイメージした「プルーム・テック・プラス」専用タバコカプセルはどんな味?
ピアニッシモブランドなので白いカートリッジ。たばこカプセル5本、カートリッジ1本入りで490円(税込)
涼しさを考えると、手元が熱くなるのは避けたい。その点でもっとも有利なのは、加熱温度が最低の低温加熱式タバコデバイスの「プルーム・テック」である。ボールペンのような細身で、ドロー(吸い込む時の力)が重めなのは難点だが、これもDL方式でゆっくり味わうと、ほどよいそよ風のような涼しさが広がる。
「ピアニッシモ・ピンク・クーラー」を吸い込んで、口の中に訪れるのは完熟フルーツのミックスフレーバーだ。果実の甘みとともに天然メンソール100%の自然な清涼感がスーッと広がる。低温加熱式で蒸気も少ないので、エアコンの効いた室内でも気にならない。
<関連記事>
おっさんヘビースモーカーが女性向けタバコ「ピアニッシモ」と出会ったら
涼しさを味わうための組み合わせを総合的にランキングしてみたが、いかがだっただろうか。文中でも触れているが、吸い方も重要な要素である。口にいったん蒸気をためてから吸う(MTL)か、深呼吸のように肺まで一気に吸い込む(DL)かで、涼しさは大きく変わってくる。今までMTLオンリーだったなら、ぜひDLにもチャレンジしてほしいと思う。吸い込む空気量が多くなるので、涼しさが倍増するからだ。
さらに、デバイスを持つ手が熱くなるかどうか(高温加熱式か低温加熱式か)もポイントかと思う。最後に手が熱くならない順に各デバイスを並べてみたので、参考にしてもらいたい。
左から「プルーム・テック」(30℃)、「グロー・センス」(非公開)、「プルーム・テック・プラス」(40℃)、「グロー・ハイパー」(250℃/260℃)、「パルズ」(315℃/345℃)、「アイコス」(300〜350℃)。加熱温度の低い順、つまり持つ手が熱くなりにくい順だ※「グロー・センス」のみ加熱温度非公開のため、個人的な体感値となります
※本記事は喫煙を推奨するものではありません。ご利用にあたっては、健康リスクなどをご考慮のうえ、注意・マナーを守ってご使用ください。
元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!