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見られないなら作ればいいじゃない!

<妄想航空祭2020>ブルーインパルスで注目の航空自衛隊最新装備をプラモ&模型で一挙紹介

秋は航空祭シーズンだ。本来なら今頃有休の申請をしてウキウキしていた頃である。しかしながら、今年は新型コロナウイルスの影響で全国の航空祭が中止に。空自大好きな筆者は「もぬけの殻」状態なのである。戦闘機の爆音が……恋しい。そうだ、実物が見られないなら、いっそ家に引きこもってプラモデルでも探してみるか! ということで、おすすめの航空祭基地と装備を妄想しながら、プラモデルや模型として製品化されているものをピックアップして紹介する。

航空祭とは?

航空祭は、一般に公開されることの少ない空自基地を、年に一度だけ無料で開放する広報イベントだ。当日は各基地の戦闘機や輸送機、ヘリコプターなどの装備品が展示され、現役自衛官が説明にあたったり、戦闘機がデモフライトしたりする。ご当地グルメの屋台が出たり、さまざまな自衛隊グッズが販売されるほか、ミス航空祭(自衛官のミスコン!)なるイベントがあることも……。まさにお祭りのようなにぎわいで、自衛隊や戦闘機に興味がなくとも楽しめる。各体験イベントなどは小さな子どもが優先されるようになっており、子連れでも楽しめるのも嬉しい。

三沢基地(青森県)

出展:航空自衛隊主要装備 F-35A

出展:航空自衛隊主要装備 F-35A

三沢。「それ、どこ?」と問いたい気持ちはわかる。ねぶた祭りで有名な青森市でも、ヒュールリー♪の津軽地域でもない、青森県のとある市だ。ただし、ここは航空機ファンにとっては聖地のひとつと言えるスーパーメジャーシティなのである。

三沢基地は何を隠そう、日本で唯一、最新ステルス戦闘機「F-35A(ライトニングII)」が配備されている。さらに、同基地内にはアメリカ空軍の基地もあり、「F-16(ファイティング・ファルコン)」などが目撃できる激レア地域だ。ちなみに同アメリカ空軍基地内は国際法的にはカリフォルニア州であり、治外法権である。以前、基地を見学する機会があった際、引率の自衛官に「(米軍に)むやみやたらにカメラを向けないで」とか「(米軍に)何か言われたら必ず指示に従って」と厳しく言われ、ミリオタ(筆者)としては萌えた覚えがある。

「F-16ファイティング・ファルコン」。三沢では、航空祭ではなくても日常的に訓練飛行しているのを目の当たりにできる

当然、三沢基地の航空祭ではF-35AやF-16の展示飛行を拝める。F-35と言えば“レーダーに映りにくい”最新鋭のステルス戦闘機。従来の戦闘機は速度や運動性能に重きを置いていたが、F-35の強みはそこでなく、レーダーやセンサーでとらえた情報を駆使して戦う“頭脳”だ。まだメディアを含め、映画やドラマで登場することもまれであり、航空祭でしかバッチリ見られない機体なので、機会があれば見に行くべし。

2020年8月発売のプラモデル「1/72 F-35 ライトニングII(A型) 航空自衛隊 第302飛行隊」(ハセガワ)。価格は税別3,000円。ここ1年くらいで第302飛行隊の部隊マーク「尾白鷲」のデカールが付属するモデルが増えてきた。部隊マークは従来機のように目立つことのないロービジ(低視認性)塗装となっている

2020年12月発売のダイキャスト完成品「HA4423 1/72 航空自衛隊 F-35A ”第302飛行隊 69-8701」(インターアライド)。飛行時と駐機時が再現可能。価格は税別15,800円

「トミカプレミアム 28 航空自衛隊 F-35A 戦闘機」。小さいながらさすがの精巧さと重み。価格は900円(税別)

「F-16CJ ファイティング ファルコン “三沢ジャパン”」(ハセガワ)。三沢基地配備のF-16CJがプラモデルに。価格は税別2,400円

プラモデル「傑作機シリーズ 1/48 No.98 ロッキードマーチンF-16CJ[ブロック50]ファイティング ファルコン」(タミヤ)。水平尾翼は可動式、主翼フラッペロンはアップ、ダウンを選択可能。パイロットの人形1体が付属する。価格は税込み3,960円

さらに、2019年の三沢基地航空祭では、横田基地に配備されているアメリカ空軍の大型ヘリコプター「CV-22」(通称「オスプレイ」)が、日本で初めてデモ飛行を行った。その日、同基地には約9万5千人(空自三沢基地発表)が訪れたという。

出展:陸上自衛隊Facebookより 2020年7月10日、木更津駐屯地に暫定配備された際の「V-22」

出展:陸上自衛隊Facebookより 2020年7月10日、木更津駐屯地に暫定配備された際の「V-22」

現在鋭意開発中の「1/72 陸上自衛隊V-22オスプレイ」 (インターアライド)予定価格は18,000円。2020年末発売予定

2015年三沢基地航空祭の「E-2C」。自衛官は一般人にこの機体を紹介する際、「最後はこの背中の大きな円盤を飛ばして攻撃します!」と鉄板ギャグ?を飛ばすらしい

このほか、同基地配備の「E-2C」早期警戒機にも注目だ。E-2Cは、現在配備されているのは三沢と沖縄県那覇基地などで、特徴は背中の上の大きな円盤。昭和世代で「ベレンコ中尉亡命事件」と聞いてピンときたら結構マニアかもしれない。1976年、当時のソビエト連邦から現役将校が低空飛行のミグ戦闘機に乗って日本に亡命。ところが日本の空自はそれを発見できず、領空侵犯したのち函館に強制着陸を許してしまったという事件だ。この事件をきっかけに、主に低空侵入機の早期発見を目的にE-2Cが導入されたと言われている。

プラモデル「1/72 E30 E-2C ホークアイ 航空自衛隊」。デカールは航空自衛隊 警戒航空隊 第601飛行隊 所属機「456」「452」(三沢基地)と警戒航空隊20周年記念塗装機「462」「454」(三沢基地:2003年)。価格は税別3,600円

小松基地(石川県)

出展:航空自衛隊小松基地

出展:航空自衛隊小松基地

小松には日本最強の「F-15」戦闘機部隊が配備されている。飛行教導群「アグレッサー」と呼ばれ、全国の戦闘機部隊の訓練において“敵役”を演じながら教導する役割の専門部隊だ。教導する立場ということは、強くなくてはいけないのは想像に難くないが、実際に全国のF-15戦闘機のパイロットの中から選りすぐりの人材が集まっていると聞く。しかも、このアグレッサーが駆る「F-15DJ」戦闘機は普通のF-15ではなく、遠目にも異様に派手な迷彩柄の識別塗装が施されている。敵役として目立つようにあえてこの塗装にしているんだそうだ。ちなみに、部隊マークは一撃必殺の毒を持つ「コブラ」で、パイロットは胸にドクロのパッチをつけている。

当然、このエリート集団であるアグレッサー部隊の機動飛行は航空祭の目玉だ。航空祭当日は、朝暗いうちから出発しないと長蛇の列で、まず基地に入ることもできない。そもそも近隣の宿泊先がかなり早い段階でなくなるので、参戦には気合いが必要だ。

プラモデル「1/72 F-15DJ イーグル アグレッサー デザートスキーム 02354」(ハセガワ)。砂漠迷彩の機体で付属のデカールには2019年の「076」マーキングを収録する。価格は税別3,400円。

「1/48 JBSP5 F-15J 飛行教導群 アグレッサー 908号機」(フジミ模型)。2017年各基地で巡回教導を行った「単座」のアグレッサー908号機をプラモデル化。価格は税込み4,180円

小松にはこのほか、「F-15J」戦闘機の部隊が2つと、災害時などに活動する、「UH-60J」ヘリコプターが配備される。航空祭ではUH-60Jが模擬救難訓練を行うこともあり、ホバリングする機体からメディック(救難員)がロープで降下するところを見られることもある。

出展:航空自衛隊小松基地

出展:航空自衛隊小松基地

プラモデル「1/72 UH-60J(SP) レスキューホーク 千歳救難隊 60周年記念 02339」(ハセガワ)。航空自衛隊千歳救難隊の創設60周年記念塗装モデルとなっている。7月4日発売。価格は税別3,600円

小松基地の第303飛行隊「F-15J」。部隊マークは「ドラゴン(龍)」

小松基地の第303飛行隊「F-15J」。部隊マークは「ドラゴン(龍)」

ダイキャスト完成品「HA4521 1/72 航空自衛隊 F-15J イーグル ”第303飛行隊 72-8963 戦競2003”」(インターアライド)。飛行時と駐機時が再現可能。2020年7月下旬発売予定(入荷遅延中)。価格は税別13,800 円

入間基地(埼玉県)

2016年の入間基地航空祭。この時は6機編隊で展示飛行を行っていた

2016年の入間基地航空祭。この時は6機編隊で展示飛行を行っていた

都心に近く、東京から最も行きやすいのが、埼玉県の狭山市と入間市域にまたがる入間基地である。池袋から西武池袋線に乗れば40〜50分で到着する。なお、最寄り駅は入間市駅かと思いきや、稲荷山公園駅というひとつ手前の駅だ(入間市からだとほんの少し遠い)。

航空祭ではこのような迫力のプログラムが公開される

航空祭ではこのような迫力のプログラムが公開される

入間基地には戦闘機部隊は配備されていないが、ほぼ毎年、航空自衛隊のアクロバット飛行隊「ブルーインパルス」が展示飛行を行うため、とにかくブルーが見たい!という場合は入間の航空祭に行くのが手っ取り早いだろう。ブルーインパルスは今年5月に東京上空を6機編隊で展示飛行したことで注目を集めたが、航空祭ではもっと迫力のプログラムが見られる。空にスモークでハートを描き最後に矢で射貫く「バーティカルキューピッド」は有名だが、そのほかにも、2機が進入し正面にぶつかりそうな距離でギリギリすれ違う(しかも背面飛行で!)スリル感たっぷりのアクロバット飛行など、見応えありまくりである。

プラモデル「1/48 川崎 T-4 ブルーインパルス」(ハセガワ)。再版品。11月6日頃発売。価格は税別2,200円

プラモデル「1/48 川崎 T-4 ブルーインパルス」(ハセガワ)。再販品。11月6日頃発売。価格は税別2,200円

塗装済み完成品「1/72 プラチナコレクション No.1 T-4 ブルーインパルス」(童友社)。2018年2月発売だが2020年6月に再販された。価格は3,980円

「トミカプレミアム 22 航空自衛隊 T-4 ブルーインパルス」 (タカラトミー)こちらもトミカになったブルーインパルス。金型は、トミカプレミアム用として新規金型を採用。左翼下のブルーインパルスマークなどを含めた塗装もリアルに再現している。価格は税込み990円。

百里基地(茨城県)

出展:航空自衛隊百里基地 現存最後の「F-4EJ改」部隊である第301飛行隊

出展:航空自衛隊百里基地 現存最後の「F-4EJ改」部隊である第301飛行隊

2016年百里基地航空祭にて。現在は「F-35」を運用する第302飛行隊(部隊マーク尾白鷲)だが、この当時は「F-4EJ改」を運用していた

百里といえば、「ファントムU」こと「F-4EJ改」だ。一時は百里に「F-4EJ改」と「RF-4E/EJ」含め3つの飛行隊が配備されていたが、残念なことに2021年3月末で退役することが決まっており、現在は百里基地の第301飛行隊(部隊マークは愛称“ケロヨン”のカエル)が残るのみ。日本導入は1971年で、以来改修を施しながら50年近く日本の空を守ってきたおじいちゃん戦闘機だ。
百里は今年観閲式(自衛隊の式典)が予定されていたため、もともと航空祭はなく、2019年の航空祭がラストファントム祭となった。なお、百里以外では岐阜の飛行開発実験団にもF-4EJ改および、その改修前の「F-4EJ」が配備されている。仮に今年2020年、岐阜の航空祭が行われていたとしたら、F-4EJ改とF-4EJのコラボが見られたのではないか?と噂されていたが、今となっては幻である。2021年3月末までに百里か岐阜の近辺で飛ぶ様子を偶然目撃できればラッキーだ。

プラモデル「1/72 航空自衛隊 F-4EJ改 戦闘機」(ファインモールド)。10月発売予定。価格は税別3,900円。F-4EJ改とF-4EJが同時に発売される。双方の違いを細かく見比べられる。いずれも完全新金型を採用した

プラモデル「1/72 航空自衛隊 F-4EJ 戦闘機」(ファインモールド)。10月発売予定。価格は税別3,900円

プラモデル「1/72 航空自衛隊 F-4EJ 戦闘機」(ファインモールド)。10月発売予定。)価格は税別3,900円

プラモデル「1/72 F-4EJ改 スーパーファントム 301SQ ファントムフォーエバー2020 02355」(ハセガワ)。退役記念塗装を施した第7航空団 第301飛行隊の「F-4EJ改」。2020年百里基地にて撮影した機体とのことだ。発売は9月10日頃。価格は税別4,200円

このほか、同基地には日本とアメリカが共同開発した「F-2」戦闘機が配備されている。大きな主翼と青色の洋上迷彩が特徴だ。西暦2000年(平成12年)から部隊配備を開始しており、愛称(非公式)は“平成の零戦”。日本人として愛着が湧く機体だ。

出展:航空自衛隊百里基地 第3飛行隊の「F-2」。第3飛行隊の部隊マーク「兜武者」

出展:航空自衛隊百里基地 第3飛行隊の「F-2」。部隊マークは「兜武者」

プラモデル「三菱 F-2A “3SQ 60周年記念 ディテールアップ バージョン”」(ハセガワ)。2016年に60周年を迎えた第3飛行隊の特別塗装機。価格は税別4600円

「HA2712B 1/72 航空自衛隊 F-2A 支援戦闘機 ”創設60周年記念塗装”」(インターアライド)。航空自衛隊の創設60周年記念塗装を施したダイキャスト製完成品。価格は税別10,800円。

航空祭はこれだけじゃない

今回紹介した基地はたったの4基地だが、北は北海道の千歳から、南は沖縄の那覇まで、航空自衛隊の基地は全国に点在しており、それぞれ独自の航空祭を例年行っている。基地に配備されている装備はもちろん、近隣の基地から戦闘機が飛んできたり、米軍機の展示飛行が見られることもある。ブルーインパルスのパイロットと並んで写真を撮ったり、地上に展示されている戦闘機のコクピットに座ったりもできる。このほか、イケメン独身自衛官の人気投票なるものを行っていたことも……。
今年は航空祭だけでなく多くのイベントが中止になったが、また来年かその先、無事に開催できる時がきたら、航空祭巡りをしてみるのはいかがだろうか? もちろん、その際には自分の好きな飛行機を見つけて、プラモデルや模型にも興味を持ってくれたら幸いだ。

鈴木 ゆり子(編集部)

鈴木 ゆり子(編集部)

旅行(主に中華圏)、ペット、お酒が大好きな編集部員。飲みの席で盛り上げるのが得意ですがたまに記憶をなくします。

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