加熱式タバコ「アイコス(IQOS)」の専用たばこスティックに、新たなレギュラー系「マールボロ・ヒートスティック・リッチレギュラー」が加わった。こだわったのは“もっともコクのある強い味わい”ということで、ヘビースモーカーの筆者が期待たっぷりに吸ってみた。
「マールボロ・ヒートスティック・リッチレギュラー」。20本入り 550円(税込)
加熱式タバコは火を使わず煙は発生させないものの、発する蒸気に特有のクセがある。そのため、紙巻きタバコではレギュラーを吸っている人でも、「アイコス」ではメンソール系を選ぶという人も少なくない。しかし、タバコの基本はやはりレギュラーである。ただ、味わいに差を出しにくいためか、レギュラーはメンソール系に比べるとバリエーションが少ないのが現状だ。
今回新たに加わった「マールボロ・ヒートスティック・リッチレギュラー」は、名前でわかる通り、定番の「レギュラー」をリッチに仕上げた方向性。「コクと強さを表す指標が5段階中5と最高評価になる」とのことで、PCなどで言うところのフラッグシップ的な位置づけになるようだ。
そもそも、「アイコス」のデバイス自体が約300〜350℃と、加熱式タバコの中で最高加熱温度を誇る。その中で最強の喫味というのだから、これはもう加熱式タバコ全体の専用スティックの中でも最強ということである。
「アイコス」で吸える既存のレギュラー系は2銘柄7種類。左上から下へ「マールボロ ヒートスティック レギュラー」「バランスド レギュラー」「スムース レギュラー」、中央上から「ディメンションズ ノア」「ヒーツ ディープ ブロンズ」「バランスド イエロー」、右下「クリア シルバー」
それでは実際に吸ってみたい。箱を開けると、紙巻きタバコの「マールボロ」に近い樹木の香りがする。「レギュラー」がいわゆるタバコらしからぬ不思議なニオイであるのと比べると、明らかによい香りだ。タバコ葉らしいアロマが期待を高める。
加熱して吸ってみると、甘さを控えたキリッとした味で、タバコ葉の旨味をしっかりと感じることができて、酸味も抑えられている。フィールはかなり紙巻き「マールボロ」に近い印象だ。その分、吐き出す蒸気が煙に近い。
強度としては「レギュラー」と同等以上。味わいは深く濃い。喉を通る蒸気は確かにコクを感じる。余計な香料感も少なく、純粋にレギュラータバコの味わいがおいしい。
既存の「レギュラー」よりも濃紺に近いブルーのパッケージ
上質なタバコ感と喫味の強さで加熱式タバコの常識を変える味わい
せっかくなので、「アイコス」とともに誕生した既存の「レギュラー」と比較もしてみたい。喫味の強い(キツい)タバコを好む人間にとって、従来の第1選択肢だった「レギュラー」。改めて吸い比べてみると、まずスティックのケミカルなニオイが違う。
吸ってみると、喫味の強さとともに雑味がある。タール的な味わいと言ってもいいだろう。その相乗効果でキツさを実現しているが、中盤以降に酸味が強まるところが惜しい。
今まではそうしたことはあまり感じなかったが、「リッチレギュラー」と比べると明らかに不利だ。まだそこには荒々しさが付きまとい、不思議なアロマと渾然一体の中で“やっぱりうまい”と感じるタイプだ。
その点、「リッチレギュラー」は紙巻きタバコのフィールを追求してでき上がった究極の完成品という印象だ。この飛躍は素晴らしい。レギュラー派のアイコスユーザーは、ぜひ一度試してみてほしい。
キツさの方向性が違う。「リッチレギュラー」はタバコ葉の深みとともに甘さを抑えた重厚感、「レギュラー」は雑味を含めて強度を感じるタイプだと思う
元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!