特別企画
アラフォーギタリストの青春企画第2弾!

90年代を彩った定番エレキギターは今!? 憧れモデルの事情Q&A

ギタリストなら誰しも、ギターを弾き始めた当時に発売された新製品に胸を躍らせた記憶があるはず。なかでもいちばん心躍るアイテムはやはりギター本体でしょう。憧れのブランドの定番モデル! 当時の最新モデル!

とはいえ、若者や学生のお財布には余裕がありません。それらのギターについては、大半は店頭で物理的にも手の届かない高めの場所に展示されていたのを眺めただけで終わってたりしますよね。また、何とか手に入れたものの、その後新しいギターやエフェクターの金策のため、手放してしまったモデルもあることでしょう。

そこで今回は、1990年代に青春を過ごした筆者と同世代のアラフォーギタリストのみなさまに向けて、あの日に憧れたあのギターは今も売られているのか? 後継モデルに世代交代したりしているのか? などの最新事情を、心のおもむくままQ&A形式でまとめていきます!

↓なお、アラフォーギタリスト向け企画第1弾はこちら。あわせてお楽しみください!

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というわけで、以下が目次です。タイトルをクリックするとリンクで各項目に飛べます。当時に憧れたギターはみなさんそれぞれでしょうから、初めはお好きなブロックから目を通していただければと思います。書き始める前から長くなる予感がバシバシ来てるので!

問)FenderのAmerican VintageとAmerican Standardは変わらず定番でしょ?

まず、昔も今もエレクトリックギターを代表するブランド、Fenderの定番シリーズ「American Vintage」「American Standard」について、念のため確認しておきましょう。不動の定番ですから今も定番なのは当然として、年月を経てアップデートは施されているはずですからね。以下、表にまとめてみました。アップデート内容の例として、表にはStratocasterの場合を記しておきます。

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……って「American Vintage」も「American Standard」もなくなってるじゃねーか!

答)アメビンもアメスタも実はもう売ってません。でも後継的位置付けの新シリーズが展開されています。

ビンテージ復刻ラインであるAmerican Vintageと、現代的な仕様を取り入れたAmerican Standard、通称アメビンとアメスタは30年ほどにわたってFenderを象徴するシリーズでした。ですが我らアラフォーにとっては「つい最近」の範疇である2018年と2017年にそれぞれ「American Original」「American Professional」という新シリーズに取って代わられてしまっているのです!

といっても「ビンテージ復刻ライン」「現代的な仕様を取り入れたライン」という位置付けは、アメビン→アメオリ、アメスタ→アメプロと受け継がれています。なので、昔アメビンを買いたかった人は今ならアメオリ、アメスタを買いたかった人ならアメプロを買えば基本的にはOKです。

現行モデル「American Original ‘60s Stratocaster」。もちろんメイプル指板の‘50sモデルも用意されています

現行モデル「American Original ‘60s Stratocaster」。もちろんメイプル指板の‘50sモデルも用意されています

ですが、特にアメビン→アメオリのアップデート内容には注意すべき点もあります。それはネック周りの仕様です。

たとえばストラトの60年代中期仕様モデル「American Original ‘60s Stratocaster」のネック周りは「厚めの"60s C”ネックシェイプ、9.5インチR指板」となっています。対して90年代アメビン62年モデルのネックは「薄めの"60s C”ネックシェイプ、7.25インチR指板」です。

厚みの違いは再現年代の違いからでしょうが、指板の丸みは、62年だろうが65年だろうが本来は7.25インチ。ですがアメオリではそこを現代の一般的な仕様に寄せて、弦高低めのセッティングにもしやすい、やや平ための9.5インチに変更してあります。

どちらが弾きやすいかは好み次第ですが、当時のアメビンの弾き心地が気に入っていた方は、現在のアメオリの弾き心地はそれとは少し違うということに留意しておいてください。日本製の「Made in Japan Traditional」や「Heritage」、メキシコ製の「Vintera」シリーズあたりは7.25インチを堅持していますので、それらを検討するのもありです。

でも「Vintera ‘60s Stratocaster」は指板材や塗装の種類がビンテージとも当時のアメビンとも異なったりします

でも「Vintera ‘60s Stratocaster」は指板材や塗装の種類がビンテージとも当時のアメビンとも異なったりします

いっぽう、アメスタ→アメプロのアップデートは正常進化。アメスタから変わらずアメプロも、9.5R指板に2点支持型シンクロユニット、ロトマチック型ペグがトレードマークです。アメスタ経験のある方がアメプロに触れても、シンプルに「より弾きやすくなった」という印象になるかと思います。最新のアメプロIIではネックジョイント部のヒールカットも導入され、ハイポジションでの演奏性がさらに向上。90年代にはもっとお高い上位モデルにしか採用されていなかった仕様です!

American Professional II Stratocaster。強い木目を生かしたモデルのボディ材はアッシュからロースト処理パインに変更されています

American Professional II Stratocaster。強い木目を生かしたモデルのボディ材はアッシュからロースト処理パインに変更されています

問)Fender Japanはいまどんな感じ?

1990年代前半あたりは円高がすごかったので本家Fender、いわゆる「Fender USA」のギターも、がんばれば学生でもどうにか買えました。とはいえ高額は高額でしたから、より現実的な選択肢だったのはもっと手の届きやすい「Fender Japan」のほうでしたよね。我らにとって最も親しみのあるFender、あのFender Japanのラインアップは今どうなっているのでしょうか? まずは現在のFender Japanの位置付けを確認するため、2020年現在のFenderブランド全体の構成を表にまとめてみました。

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……って「Fender Japan」もなくなってるじゃねーか!「Fender Made In Japan」って何?どういうこと?

答)諸君らが愛してくれたFender Japanは死んだ! なぜだ!? ビジネス上の戦略変更からです。でも日本製Fenderは健在なのでご安心を。メキシコ製の評価もぐっと高まっています。

あの「Fender Japan」は、当初は本国Fender社と日本企業の共同子会社、後にはFender社とライセンス契約を結んだ日本企業によるブランドでした。無断コピーなどではなく正当なStoratocaster等ではありましたが、実はFender社の製品ではなかったのです。そのFender Japan製造モデルを本家が輸入して、本国等で同社製品として売っていたモデルとかもあるようなので、そこはちょっと複雑ですが。その「ライセンス生産Fender Japan」が、経営戦略やブランド戦略の変更によるものと思われますが、現在はなくなっています。

対して現在の「Made In Japan」シリーズ等は、Fender社自身の製品です。製造は変わらず日本の工場への委託ですが、マスタービルダーを引退した本社の重鎮職人が指導におもむいての製造工程や設備の見直しによって、よりFender的な仕上がりとなっています。

Made in Japan Heritageシリーズのビンテージ仕様への忠実度はアメオリ超え!

Made in Japan Heritageシリーズのビンテージ仕様への忠実度はアメオリ超え!

Made in Japanの「Traditional Late 60s」や「Heritage 70s Stratocaster」はラウンドローズ指板仕様も再現!

Made in Japanの「Traditional Late 60s」や「Heritage 70s Stratocaster」はラウンドローズ指板仕様も再現!

なおマスタービルダー主導でのクオリティ向上は、エンセナダ工場製の通称Fender Mexicoも同様。「Road Worn」シリーズが発売された2009年あたりにはその評判が特にグッと高まりました。

筆者もさまざまなグレードのストラトにひと通り挑戦して、結局、身の丈に合っていちばん使いやすいと感じて手元に残しているメインはMexの「Road Worn ‘60s Storatocaster」だったりします。僕レベルだと立派すぎるギターには腕が追いつきませんし、自分でパーツ交換とかしまくるのにもこのくらいのグレードがちょうどよい感じです。

「Vintera Road Worn ‘60s Stratocaster」。近年のメキシコ製はローズウッドに代わりパーフェローを指板材に採用

「Vintera Road Worn ‘60s Stratocaster」。近年のメキシコ製はローズウッドに代わりパーフェローを指板材に採用

ということで、Fender Japanというブランドはなくなっていますが、日本製のFenderは健在ですし、メキシコ製のクオリティも向上。USA製より手の届きやすいラインアップも強力になっています。

問)Fender Japanでしか売ってなかったJazz MasterやJaguarやMustangはどうなっちゃってるの?

1990年代において当時「グランジ」と呼ばれたムーブメントのギタリストたちに愛用されたことでその人気が突然復活したFenderギターが「Jazz Master」「Jaguar」「Mustang」でした。日本ではナンバーガールの田渕ひさ子さんがジャズマスを愛用。現行バンドの女性ギタリストのジャズマス率の高さはその影響と言われてたりしますよね。

頻繁に見かけるようになっているジャズマス!

頻繁に見かけるようになっているジャズマス!

しかしどのモデルもその直前までの不人気で、本家Fender製のそれらは、当時はとっくに生産終了になっていました。

……あれ? でもどのモデルもあの当時、普通に楽器屋さんに並んでましたよね?

実はそれらはすべて当時のFender Japanの製品! あんな特殊な金属パーツが必要なモデルたちまでそのパーツから復刻して作りやがる! USAにもできないことを平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるゥ!

でもそのFender Japanがなくなってしまっている現在、そのあたりのモデルはどうなってしまっているのでしょうか?

答)Made In Japanへの継承はもちろん、USAやMexicoなども合わせた幅広いバリエーションが展開されています。

1999年にはJazz Master、2000年にはJaguarが「American Vintage」シリーズに追加され、本家FenderのUSA製も復活! 現在は前述のAmerican Originalシリーズにアップデート。またそのほかさまざまなシリーズでも両モデルのバリエーションが展開されています。

「American Professional II Jazzmaster」。復刻モデルだけではなく現在進行形のアメプロ等にもジャズマスが用意されています

「American Professional II Jazzmaster」。復刻モデルだけではなく現在進行形のアメプロ等にもジャズマスが用意されています

「Vintera ‘60s Jaguar Modified」は、そうこれこれ的なハムバッカー仕様のジャガー

「Vintera ‘60s Jaguar Modified」は、そうこれこれ的なハムバッカー仕様のジャガー

Mustangも、元がジュニア向けエントリーモデルという位置付けなので、高価な「American Vintage」での復刻はされていませんが、USA製だとAmerican Performer、Mexico製だとVinteraといったハイコストパフォーマンスラインを中心に複数モデルで展開されています。

USA製でやや現代的な仕様の「American Performer Mustang」

USA製でやや現代的な仕様の「American Performer Mustang」

日本製にアメリカ製メキシコ製も加わり、Jazz Master、Jaguar、Mustangは大復活しています!

問)Gibson倒産ってニュースを見かけた気がするんだけど……

エレクトリックギターのブランドとしてFenderと双璧を成す存在と言えば、昔も今ももちろんGibson!

……なのですがそのGibsonについて、2018年に衝撃的な報道が伝えられました。「連邦倒産法第11章の適用を申請」……え? Gibson潰れちゃうん? 潰れちゃったん?

答)誤解です。連邦倒産法第11章というのはむしろ事情継続のためのものですので、その適用によってGibsonは現在も健在です。

含まれる「倒産」という文字のインパクトが強いですが、「連邦倒産法第11章」というのは、事業を停止させることなく継続しながら再建を行っていくための仕組み。そしてその適用の申請が認められたことでGibsonは現在も健在です!

経営が傾いた理由も、ギターではなくほかの分野に手を出しすぎてそれらが不調となったためでした。なので現在は本業のギター分野への注力に回帰し、ハイクオリティなギターを作り続けています。

というわけですので、ご安心ください!

問)Fender Japanが……ってことはもしかしてOrvilleも?

ではそのGibsonについても、現在のブランド構成というかグレード構成のようなところを表にまとめて確認しておきましょう。

※画像はクリックで拡大します

僕らの「Orville」がなくなってる……そんな気はしてた……

答)Orvilleは完全に消滅しています。現存する個体を大切にしましょう。

Orvilleは「Fender JapanのGibson版」みたいなもので、本家からの許諾を得たうえでGibsonモデルを日本企業が日本で製造していたブランド。ブランド名はGibsonの創業者「オーヴィル・ヘンリー・ギブソン」氏に由来し、その名に恥じない高品質な製品で好評を博していました。

ですがこちらもおそらくビジネス戦略の変更等からブランド自体がなくなってしまっており、また「Fender Japan→Made In Japanシリーズ」のような本家への吸収も行われておらず、完全消滅……。

その結果、中古市場ではむしろ当時のGibson本家製品より希少なものとして扱われていたりもします。御所蔵していらっしゃる方はメンテに出してコンディションを復活させるなど、大切に扱ってあげてください……

問)ベック! クラプトン! ヴァイ! ペトルーシ! ヌーノ! そしてエディ! 僕らが憧れたアーティストモデルは今?

ギターヒーローたちがみずからのこだわりを詰め込んで完成させたアーティストシグネイチャーモデル。欲しかった! 正直欲しかった!

ですが、基本的に高価なものが多いうえに、それを抱えた姿が発するであろうあまりにも強大な好き好きオーラを想像すると気恥ずかしいこともあり、実際の購入には至れなかった方も少なからずでは?

しかし今の我らの経済力と「1周回ってもう恥ずかしくない」鈍感力があれば! アーティストモデルに至れるはず! まだ売ってくれていれば、ですが。

というわけで当時を代表したアーティストモデルたちが現在どうなっているのか、あれこれ確認してみました。

答)そのまま続いているモデルもあれば、ブランドを移したものもあり、そしてなくなってしまっているものもあります。

栄枯盛衰……。

気を取り直して、定番的に現在まで継続しているモデルを紹介していきます。

▼Fender Jeff Beck Stratocaster

▼Fender Eric Clapton Stratocaster

ジェフ・ベックさんとエリック・クラプトンさんモデルのストラトは、もうご本人のほかにも著名ギタリストが普通に使うようなモデルとして定着していますので、普通にずっと販売継続。ただし両モデルとも当初のLace SensorからFender Noiselessへとピックアップが変更されていたり、ベックモデルは初期の極太ネックから常識的な太さのネックに変更されていたりと、アップデートは施されています。

▼Fender Yngwie Malmsteen Stratocaster

▼Fender Ritchie Kotzen Tele

テクニカル系Fenderギタリストを代表するお2人のモデルも継続されています。コッツェンさんモデルは、当時はFender Japan製でしたね。なおコッツェンさん、現在はフィンガーピッキングに移行しているのですが、ピックで弾いていたときと変わらぬ超絶っぷり。MR.BIGのビリー・シーンさん、元Dream Theaterのマイク・ポートノイさんと結成したThe Winery Dogsの「Oblivion」という曲など、公式MV開始3秒で笑うしかない仕上がりっぷりです。

また番外編になりますが、

「Eric Johnson Signature Stratocaster」
「Custom Shop Michael Landau Signature Stratocaster」

も要注目。ギターの発売は2000年代になってからなのですが、エリック・ジョンソンさんとマイケル・ランドウさんはともに1990年代からミュージシャンズ・ミュージシャン的な尊敬を集めていましたよね。そのお2人のモデルですから90年代的に見逃せません。特にランドウさんモデルはプロの使用例も増えてきている印象です。Custom Shop製オンリーなのでお高いのですが……。

▼Ibanez JEM & Universe Steve Vai Model

90年代テクニカルギターの究極到達点とも言えるスティーブ・ヴァイさん。Ibanezによるそのシグネチャーモデル「JEM」シリーズもまた、テクニカルギタリストに必要な要素をみごとにまとめ上げた、当時のそのシーンを代表するアーティストモデルのひとつでした。もうひとつのモデル「Universe」も、当時としてはめずらしかった7弦ギターで、以降しばらく7弦ギタリストのデフォルト装備的存在となっていましたよね。

そのJEMとUniverse、現在も継続販売されています! 加えて、JEMの大規模アップデート的な新モデル「PIA」もつい先日に発売されました。現在でも十分に使いやすくて回顧もできちゃうJEMと、現在進行最新型を満喫できるPIA。お好きなほうをどうぞ。ただし、例の純白のJEMはこちらもつい先日に生産完了が決定してしまいましたので、あれが欲しい方は店頭在庫の確保に急ぐべし!

▼Ibanez→Ernie Ball MusicMan John Petrucci Model

Dream Theaterのジョン・ペトルーシさんもテクニカル&Ibanezな印象の強いギタリストのおひとりです。「ピカソ」ギターのインパクトが焼き付いている方も多いことでしょう。

が、2000年にErnie Ball MusicManブランドから、フロイドローズからノンロック式トレモロへの移行などが行われた新しい「JP」モデルが登場。それから20年経つわけですがJPモデルは好評で、改良を加えながら7弦などのバリエーションも含めて継続中。より先進的なフォルムを纏った「Majesty」モデルも追加されており、そちらも含めて、ほかのギタリストにも使用される定番的な存在になってきています。

▼Washburn N4 Nuno Bettencourt Model

ソリッドでありながらファンキーなバッキングプレイでテクニカルシーンの中で異彩を放ったギタリスト、ヌーノ・ベッテンコートさん。その愛器「N4」は現在も継続されており、ボディ材や仕上げの異なるバリエーションも用意されています。例のパドゥク材のやつとか。

本当にほとんど当時のままの仕様が維持されていたり、あるいは当時の市販品よりもさらにマニアックに本人使用個体に近付けたバリエーションも用意されていたりと、ファンアイテム的な要素も強めな印象。ですがそもそも完成度の高いギターですので、当時のままの仕様でも普通に弾きやすいかと思います。

なお現在の輸入元はイシバシ楽器ですが、そのイシバシ楽器には重度N4マニアの店員さんがいるとか……

▼MusicMan→Peavy→EVH Edward Van Halen Model

そしてエディ・ヴァン・ヘレンさん! Ernie Ball MusicManのエディモデルは90年代において、クラプトンモデルと並んで「ほかのプロギタリストも使うほどに完成度の高いシグネチャーモデル」でした。B'zの松本孝弘さんも使っていましたよね。

1996年に今度はPeavyと組んでアップデートモデル「Wolfgang」を発売。MusicManのモデルも名前を「AXIS」に変更して継続されており今も定番。なお「Wolfgang」というモデル名はその後にヴァン・ヘレンのベーシストにもなった息子さんのお名前から。

そして2004年にはFender社と組んでみずから「EVH」ブランドを設立し、そのEVHギターが最後の愛器となりました。EVHからは前述のモデルの流れを汲む、安定の定番「Wolfgang」のほか、「STRIPED SERIES FRANKIE」など過去の歴史的な名器をモチーフとしたモデルも登場しています。

ちなみにYAMAHAの松本孝弘さんモデルはもう売ってませんが、松本さんは1999年にGibsonと契約し、以降Gibsonから数タイプのシグネチャーモデルを出しています!

問)最新進化型ギターは今どうなってるの? Steinbergerは?

木材ではない素材、FenderやGibsonとは全く異なるフォルムや機能性などで新たなギターの形を提案する最新進化型ギター。特にカーボングラファイトネック、ヘッドレス構造、和音を維持したままアーミングできるトランストレムなどを採用したSteinbergerは、その発表は1980年代で1990年代には製造もほぼ打ち切られていましたが、1990年代においても「先進的な設計のギター」といえばまず名前があがる存在でした。

が、1990年代にもうほぼ製造打ち切りってことは……

答)Steinbergerは廉価版のみ継続。現在の最新進化型ギターと言えばStrandbergです。

まずSteinbergerの話をまとめておくと、80年代後半に会社ごとにGibsonに売却されています。ですがGibsonに売却された楽器ブランドの製品って、なぜかそのまま死蔵されて終息されちゃった例も多いんですよ。シーケンサーの「Vision」とか、プロユーザーも多かったシーケンサーの「Vision」とか、僕が愛用していた素晴らしいシーケンサーの「Vision」とか。Steinbergerもそういう感じになってしまいました。

ただ廉価版ブランド「Spirit by STEINBERGER」については、数年ごとに生産が再開されたり途切れたりまた再開されたりしていて、なんだかんだで入手できる時期が多い印象です。廉価版ですからボディ素材が普通の木材だったりトランストレムが搭載されていなかったりはしますが、どう見てもSTEINBERGERでしかないあのフォルムは健在。

StrandbergをZとしたらSpirit by STEINBERGERはリ・ガズィ的なイメージです

StrandbergをZとしたらSpirit by STEINBERGERはリ・ガズィ的なイメージです

しかし時代はバーガーからバーグへ!

2010年代に一気に躍進し、楽器店の一角にコーナーができるほどの立場を確立した新鋭ブランドが「Strandberg」です。2007年創業と、アラフォー時空では、つい昨日できたばかりのブランドですが、その先進的な設計や提案性で、さまざまなジャンルのギタリストに受け入れられまくっています。

同社の原点「Borden」モデルの基本形「Borden Original」の7弦仕様

同社の原点「Borden」モデルの基本形「Borden Original」の7弦仕様

ボディシェイプのインパクトも強めではありますが、真の特徴の大部分は実はネック周りに集中。ネック裏のシェイプは、彼らが「エンデュアネック」と呼ぶ独特すぎる形状です。普通のギターのネックは「Cシェイプ」なんて言われるように丸みを帯びた形状ですが、こちらはなんと台形。その台形の平らな部分に左手親指を乗せるクラシックフォームでの演奏が想定されており、その平たい部分の位置がローポジションからハイポジションへと滑らかに調整されていることで、演奏しやすい置きどころに親指が自然と誘導されるのだそうです。

そして「ファンドフレット」仕様。各フレット平行ではなく、斜めに打たれていますよね? 低音弦側の弦長を長くすることで張力を高めて音程や音色を整えることに加えて、演奏性の面からもこのほうが実は弾きやすいというのが同社の提案です。ほか、実際に抱えてみるとすごく小柄で軽量、7弦は当然、8弦モデルまでラインアップされているなど、さまざまな特徴を備えています。

あの頃に憧れた当時の最先端ギターを手にしたい! ならSpirit by STEINBERGER、あの頃の「最先端ギターへの憧れ」をいまかなえたいというなら、Strandbergに注目です。

まだまだあるよ! 90年代ギター!

以前の「90年代エフェクター企画」に続き、またも長い記事になってしまい、読み疲れさせてしまったかとも思います。まずはお付き合いありがとうございました。

だがしかし! 今回もやっぱりこれでもまだ紹介できていないモデルがたくさんあるんです。ていうかみなさんそれぞれ「あれが紹介されてないじゃん!」と思い浮かんだギターがあるのでは? hideさんのモッキンとか、LUNA SEAモデルあれこれとか、夢の永遠サステイン装置「FERNANDES SUSTAINER」とか! 今回もまた、ここから先はどうかみなさんそれぞれが掘り進んでください。ちなみにhideさんモデルは現在もFernandes/Burnyから継続されており、SUSTAINERも搭載されていますよ!

(※2020/10/18追記:一部内容に誤記がございましたので修正しました)

高橋敦

高橋敦

オーディオ界隈ライター。現在はポータブルやデスクトップなどのパーソナルオーディオ分野を中心に、下からグイッとパンしていくためにてさぐりで活動中。

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