レビュー
アコースティックとデジタルの融合っぷりに注目

ヤマハの「デジタルサックス」を吹いてみた! 管楽器初心者でも簡単に音が鳴らせる

ヤマハの新しい管楽器「デジタルサックス YDS-150」(以下、YDS-150)が、本日2020年11月20日に発売されました。サックスのアコースティック感を残しつつデジタル化した独自設計で、誰でもすぐに音を鳴らせるようになるというものです。発売に先駆けて実機を体験することができたので、レビューをお届けします!

吹き口とベルはアナログ、音の出る部分はデジタル

まずはYDS-150の基本スペックをチェック。その魅力は何と言っても、見た目からバンバン伝わってくるアコースティックとデジタルの融合っぷりです。吹き口とベルはアナログで、ヤマハがこれまでのアコースティックサクソフォン開発で培った技術を投入しながら、音の出る仕組みをデジタル化しているのです。以下、外観を写真でご紹介しましょう。

いかにもアナログとデジタルが融合してる感! 本体サイズは110(幅)×699(高さ)×10s3(奥行)mmで、重量は1.0kg(電池含まず)です

いかにもアナログとデジタルが融合してる感! 本体サイズは110(幅)×699(高さ)×10s3(奥行)mmで、重量は1.0kg(電池含まず)です

詳細は後述しますが、「ベル一体型アコースティック音響システム」が最大の特徴。内部にセンサーを備え、サックスのデジタル音源を内蔵しています。ヤマハ公式サイトの言葉を引用すると「デジタルでありながらアコースティックサクソフォンを演奏しているような吹奏感、楽器との一体感を得ながら音楽を奏でることができます」とされています

詳細は後述しますが、「ベル一体型アコースティック音響システム」が最大の特徴。内部にセンサーを備え、サックスのデジタル音源を内蔵しています。ヤマハ公式サイトの言葉を引用すると「デジタルでありながらアコースティックサクソフォンを演奏しているような吹奏感、楽器との一体感を得ながら音楽を奏でることができます」とされています

アコースティック部分が生きているマウスピースには、ヤマハのアルトサクソフォン相当の専用品を採用。専用樹脂リードとリガチャー、交換用リードもひとつ付属します。取り外しもでき、手軽にお手入れすることが可能

アコースティック部分が生きているマウスピースには、ヤマハのアルトサクソフォン相当の専用品を採用。専用樹脂リードとリガチャー、交換用リードもひとつ付属します。取り外しもでき、手軽にお手入れすることが可能

内部はデジタルですが、その外側に配置されるキイレイアウトは、ヤマハのアコースティックサクソフォンのフラッグシップモデルを元に設計されたそう。しかも、後述する専用アプリを使って運指を変更でき、自分専用にカスタマイズが可能です!

内部はデジタルですが、その外側に配置されるキイレイアウトは、ヤマハのアコースティックサクソフォンのフラッグシップモデルを元に設計されたそう。しかも、後述する専用アプリを使って運指を変更でき、自分専用にカスタマイズが可能です!

そしてベルには、ヤマハのアコースティックサクソフォンと同じ素材を使用したイエローブラス製ベルを採用。アコースティック楽器の製造ノウハウを生かして設計されています

そしてベルには、ヤマハのアコースティックサクソフォンと同じ素材を使用したイエローブラス製ベルを採用。アコースティック楽器の製造ノウハウを生かして設計されています

電源は単四乾電池×4で駆動します

電源は単四乾電池×4で駆動します

電子楽器なので、本体背面に電源ボタンがあります。その下にボリューム調整のボタンを付属し、ディスプレイには選択中の音色ナンバーを表示してくれるのがデジタルならでは

電子楽器なので、本体背面に電源ボタンがあります。その下にボリューム調整のボタンを付属し、ディスプレイには選択中の音色ナンバーを表示してくれるのがデジタルならでは

ネックストラップも付属していますよ

ネックストラップも付属していますよ

右手の親指を引っかけるサムフックももちろん付いています

右手の親指を引っかけるサムフックももちろん付いています

アンブシュアを意識しなくても音が鳴る独自システム!

さて、サックスのようなリード楽器の何が難しいって、正しい口の形=「アンブシュア」でマウスピースをくわえないと、音がうまく出ないところ。初心者のうちは、このアンブシュアができなくて、音を鳴らせるようになるまでかなり苦労します。

しかしYDS-150は、マウスピースに息を吹き込み、正しい指使いでキイを操作すれば、「アンブシュアを気にせずに音を鳴らすことができる」というのです。その秘密は、ヤマハの「ベル一体型アコースティック音響システム」。スピーカーユニット、エンクロージャー、音響管、イエローブラス製ベルで構成される独自設計です。

仕組みをざっと説明すると、YDS-150の内部にはブレスセンサーが搭載されています。演奏時には、そのブレスセンサーがマウスピースから吹き込まれた息を検出し、それにあわせてデジタル音源システムがスピーカーを駆動して内部の音源を鳴らします。その音と振動がイエローブラス製ベルに伝わり、楽器全体が振動するのです。

そして、その振動がマウスピースから口元に、キイから指先にフィードバックされるようになっていることで、アコースティックサクソフォンを演奏しているような吹奏感が得られるとのこと。ただデジタルで音が出るだけではなく、ちゃんと生楽器に通じる演奏感を生み出す設計を狙っているのがスゴいです。

吹き口の近くに配置されたブレスセンサーで吹き込む息の強さ(圧力)をセンシング。音の大きさはもちろん、音色を変えて演奏することも可能です

吹き口の近くに配置されたブレスセンサーで吹き込む息の強さ(圧力)をセンシング。音の大きさはもちろん、音色を変えて演奏することも可能です

実際に吹いてみた! 本当に初日から音が鳴った!

……と、説明されれば仕組みについてはなんとなくわかりますが、「それが実際に吹いてみるとどうなるんだ」と思いますよね。というわけで、YDS-150の演奏にチャレンジしてみました。

先に筆者の音楽歴をざっと説明しますと、趣味程度にピアノとギターを触ることはありますが、サックスを含む管楽器を専門的に習ったことはありません。ただ、過去に価格.comマガジンの企画で、同じヤマハのリード楽器「Venova」や、nuvoのおもちゃのサックス「jSAX」にトライしたことはあります(以下記事参照)。

【関連記事】
リコーダーとサックスが合体!? ヤマハの新感覚楽器「Venova」を素人が吹いてみた
大人が吹いても難しい!? サックス風おもちゃ「jSAX」にトライしてみた

上記の記事をご覧いただくとわかるのですが、リード楽器初心者の筆者は、VenovaもjSAXも音を出せるようになるまでかなり練習が必要でした。現在も、それくらいのレベルの「リード楽器初心者」だと思ってください。以下の動画は、そんな筆者がYDS-150の実機を受け取った初日の様子です。

本当に初日から吹けました……!!(最後の音がちょっとビビッちゃってますがご愛嬌)

このYDS-150、マウスピースをくわえるにも関わらず「リード楽器の難しさ=音を鳴らすまでのハードルの高さ」がちゃんと解消されています。難しい低音部もすぐに音が出ました。デジタルすごい。そして例の「ベル一体型アコースティック音響システム」のおかげでしょう、確かにアコースティックな楽器を演奏している感覚に近いものがあります。

リードをふるわせるという大変な練習をすっ飛ばせるので、かなりハードルが下がっていて初心者でもとっつきやすいはずです。やはり感動したのは「なんとなくアンブシュアっぽい感じ」でOKというところですね。ちなみにアコースティックと違い、マウスピースとネックの差し込み量を変えても音のピッチは変わりません。

ただ、音を出すときに肺活量が必要になるのは同じで、慣れないうちは結構息切れします。普段から管楽器を演奏してる人にとっては普通でしょうが、初心者的には、演奏していて決して楽ではありません。上の動画で筆者は演奏しながらユラユラしていますが、これもリズムに乗っているのではなく、息が苦しくて悶えているのです。おかげで簡単だけど簡単すぎず、アコースティックな演奏感に近いものが得られますし、楽器練習のやりがいもちゃんと感じられます。絶妙なさじ加減だなと思いました。

デジタル楽器ならではのメリットもたくさん

ちなみに上の動画は、アルトサックスの音色(in Eb)で吹いているのですが、YDS-150にはヤマハのアコースティックサクソフォン(ソプラノ/アルト/テナー/バリトン)のすべての音階が、プロ奏者による演奏からサンプリングされ収録されています。

ソプラノ/アルト/テナー/バリトン各種の調子、音域、音色に切り替えて演奏でき、ビブラート奏法やジャズからクラシックまでさまざまな音楽ジャンルに対応する音色を内蔵。56音色のサックスに加え、電子楽器や尺八、アイリッシュパイプなど全73音色を奏でることができるんです。ここがデジタルのイイところ!

また、3.5mmステレオミニ出力端子を装備しているので、ヘッドホン/イヤホンを接続すれば外部に音を鳴らさずに夜間練習できるのもうれしい。そのとなりにはAUX IN端子も備えており、スマートフォンやオーディオプレーヤーなどを接続して、自分の好きな音源を鳴らしながら演奏することもできます。

本体側面に、3.5mmステレオミニ出力端子を搭載。ヘッドホン/イヤホン接続のほか、逆にスピーカーを接続して大きい音量で鳴らすこともできます

本体側面に、3.5mmステレオミニ出力端子を搭載。ヘッドホン/イヤホン接続のほか、逆にスピーカーを接続して大きい音量で鳴らすこともできます

また、YDS-150用の専用アプリ「YDS Controller」を使用すると、スマホから「音色の編集」「運指情報の編集」など設定を調整することが可能です。エフェクト調整などの細かい音作りや、息の抵抗感や反応といった吹き心地の調整もアプリからできちゃいます。

アプリ使用時には、YDS-150とスマホをBluetooth接続します。登録されている運指を表示できるのも便利!

アプリ使用時には、YDS-150とスマホをBluetooth接続します。登録されている運指を表示できるのも便利!

まとめ

というわけで、実際にYDS-150に触れてみて、簡単に音が出るところに感動しきりでした。それにヘッドホン接続できたりアプリと連携できたり、アコースティックな演奏感を備えつつデジタル楽器のメリットもしっかりと確保しているのがポイント高いです。特に2020年は「おうち時間需要」で、例年になく楽器の人気が高まっていましたが、最後の最後にまた楽しい製品が出てきたなという感じ。年末年始のお休み期間にでも、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか?

あと、本体を分解する必要がなく、そのまま付属のキャリーバッグに収納できるのも便利! 軽々と持ち運びができます

あと、本体を分解する必要がなく、そのまま付属のキャリーバッグに収納できるのも便利! 軽々と持ち運びができます

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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