新傑作ウォッチで令和を刻む
第5回/テンデンス「ディカラー TY146101 日本限定モデル」

実は大真面目! テンデンス「ディカラー」の日本限定モデルを徹底レビュー

腕時計は、時間を確認するための道具ですが、同時に自分を主張するためのアクセサリーでもあります。「時間を知るのなら、スマホでこと足りる」との主張はあっても、なお腕時計が多くの人々の関心をひきつけているという事実が、そのことを証明しています。

「これぞ令和時代の傑作!」と讃えたい新作時計を紹介する本連載第5回は、個性を主張するのに絶好のカジュアルウォッチブランド、テンデンスのコレクションから、マリンブルーのグラデーションが美しい日本限定モデルを例に取り、その魅力を詳解します!

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「OCEAN」がテーマカラーの「ディカラー TY146101 日本限定モデル」。公式サイト価格は、63,800円(税込)

「OCEAN」がテーマカラーの「ディカラー TY146101 日本限定モデル」。公式サイト価格は、63,800円(税込)

常識を超えたオリジナリティを主張するスイス発ブランド

テンデンスのこと始めは、ジュエリーのインポーターで、ファッションデザイナーのイタリア系スイス人、ガブリエル・ジェルミーニ氏と、時計製造会社を営むフィリッポ・ジャルディエッロ氏の出会いから。

意気投合した2人は、「いまだかつて見たことがない、大胆でオリジナリティあふれる時計」を世に送り出すべく、2007年、イタリア国境にほど近いリゾートの街ルガーノにテンデンス社を設立。今日もなお、ブランドを象徴する存在であり続ける「ガリバー(GULLIVER)」コレクション(詳細は後述)でデビューを果たしました。

イタリアのファッション性や遊び心に、スイスの伝統や先端テクノロジーが融合したテンデンスは、目にする者に驚きを与える強烈な個性と、それを可能にする技術力に裏打ちされた高い品質をもって、たちまち人気ブランドへと台頭しました。

そして現在、世界50か国以上の有名百貨店やファッションセレクトショップなどで販売されており、日本でも2008年に取り扱いがスタートして以降、とりわけ時計好きやファッション通など、感度の高い人々に熱心に愛用されています。

大自然が見せる色の移ろいを繊細な階調で表すコレクション

果てしなく広がる大海をイメージさせる、マリンブルーが美しい

果てしなく広がる大海をイメージさせる、マリンブルーが美しい

2018年2月から展開されている「ディカラー(De'Color)」は、地球上に存在する大自然の美しい瞬間を切り取って、その色彩をデザインに取り入れたクォーツのコレクションです。

選ばれるカラーは、創業者ジェルミーニ氏の「自然の美しさを日常的に感じてもらいたい」との言葉どおり、澄み渡る天空、暮れなずむ砂漠、神秘的なオーロラなど、大自然が見せる色彩がモチーフです。しかも、それを文字盤はもちろんのこと、ベゼル、ケース、リューズ、プッシュボタン、バンド……と、すべてがマッチングカラーのグラデーション(階調)で彩色されているのです。

ちなみに、ここで取り上げる「ディカラー TY146101 日本限定モデル」のテーマカラーは「OCEAN」。海洋国の日本にふさわしい、大海のブルーをモチーフにしたグラデーションカラーが採用されています。

ということで、以下より、主にこのモデルを例にとって、テンデンスの魅力と実力を検証していきましょう。

テンデンスは「オーバーサイズウォッチ」の元祖です!

腕時計は、ケース径が43mmを超えると「大きい」との印象が強くなります。厳密な定義はないものの、そうした大ぶり時計は「ビッグウォッチ」「ラージウォッチ」などと呼ばれますが、「ディカラー」のケース径はと言えば、なんと50mm! このサイズ感は、まさに圧巻です。

男性の腕に合わせても「デカい!」印象のケース径50mm

男性の腕に合わせても「デカい!」印象のケース径50mm

テンデンスは、一般的なビッグウォッチを超える、このようなサイズのモデルを「オーバーサイズウォッチ」と称しています。現在、こうした時計は他社製にも散見しますが、実はその元祖はテンデンスです。

「オーバーサイズ」は、ブランドのデビュー作であり、テンデンスを代表するコレクション「ガリバー」(2007年登場)に早くも採用されました。「あの頃、これだけ大きな時計はほかになかった」と語るジェルミーニ氏は続けて、当時をこう振り返ります。

「試作をケース径47mmにしようと思っていたんですが、ちょっとした手違いで50mmの試作ができあがってきたんです。でも、それが面白いということで採用しました。で、その試作品を目にしたスタッフのひとりが、あまりの大きさに『ガリバーの時計みたい』と言ったのを聞き、それをコレクション名にしたんです」

ところで、ケース径が大きい分、重さが気になるところですが、「ディカラー」ではケース素材に軽量なアルミニウムを採用し、「ガリバー」ではケースの中層に「ナイテック」という素材を使うなど(ケース前面&裏ブタはステンレススチール製)、ともに軽量化が図られています。ちなみに「ナイテック」は、スイスの医療機器メーカー、EMS社が開発した強化ポリカーボネイトの1種で、軽量なうえに弾性や復元力に富み、人体への安全性が高いという特性があるそうです。

気品を実感するブラック×ゴールドの「ガリバー TG460011 02046011AA」。スペックは、クォーツ、10気圧防水、シリコンバンド。公式サイト価格は、56,100円(税込)

気品を実感するブラック×ゴールドの「ガリバー TG460011 02046011AA」。スペックは、クォーツ、10気圧防水、シリコンバンド。公式サイト価格は、56,100円(税込)

テンデンスは「スタジアム文字盤」の元祖!

立体的にデザインされた文字盤&インデックスの妙

立体的にデザインされた文字盤&インデックスの妙

「ディカラー」や「ガリバー」を見ますと、文字盤の周囲が内側に向かって著しく傾斜しているのがわかります。ジェルミーニ氏が「オーバーサイズ」と合わせて考案した、この立体的な文字盤を、同氏は「スイミングプールのような」とたとえ、「ベリーディープ文字盤」と称していますが、ちょうど野球スタジアムを思わせることから、一般的には「スタジアム文字盤」と呼ばれていますので、本稿でもそのように表記します。

この「スタジアム文字盤」は、今でこそ他社製に散見できますが、最初にこのディテールが導入されたのは、これまた「ガリバー」なのでした。

「2007年当時、こういう文字盤は存在していませんでした。実は、時計のサイズが大きいからこそ、このデザインが着想できたんですよ」(ジェルミーニ氏)

また、この「スタジアム文字盤」とセットのごとく採り入れられているのが、球場で言えばスタンド部分に当たる傾斜面に植字されたインデックスです。テンデンスが「3Dインデックス」と呼ぶ、このインデックスは写真からもわかるとおり、文字盤の傾斜面に高く迫り上がっていて、文字盤の表情を変化に富んだものに見せています。

聞けば、このインデックスの植字法は独自のもので、「他社はマネできない」(ジェルミーニ氏)技術なのだとか。たとえば、インデックスと、それを支持するインナーリングは別々に作られているのですが、それらをぴったりとセットするには、それぞれの製造技術に精密さと高い難度が求められるのです。

なお、ドイツの国会議事堂をデザインモチーフにした「キングドーム(KingDome)」コレクション(2016年9月発売)では、ドーム型の風防に呼応するかのように「3Dインデックス」の迫り上がりが、さらに強調されたものになっています。

「キングドーム」は、手の動作でクルクルと軽快に回るターニングダイヤルを備えた、遊び心あるモデルのコレクションです。写真の「キングドーム TY023006-NV」は、ターニングダイヤルがコンパス風にデザインされたバージョン。スペックは、クォーツ、5気圧防水、ナイロンケース&シリコンバンド、ケース径50mm。公式サイト価格は、60,500円(税込)

「キングドーム」は、手の動作でクルクルと軽快に回るターニングダイヤルを備えた、遊び心あるモデルのコレクションです。写真の「キングドーム TY023006-NV」は、ターニングダイヤルがコンパス風にデザインされたバージョン。スペックは、クォーツ、5気圧防水、ナイロンケース&シリコンバンド、ケース径50mm。公式サイト価格は、60,500円(税込)

高度な技術が可能にした「オールグラデーション」!

全身で大海原のブルーを表現した「ディカラー」の日本限定モデル

全身で大海原のブルーを表現した「ディカラー」の日本限定モデル

先述したとおり、「ディカラー」の各モデルは、大自然の色彩をモチーフに、時・分針やインデックス、裏ブタなどを除く外装パーツがマッチングカラーの「オールグラデーション」に染められています。オーシャンブルーがテーマカラーの「ディカラー TY146101 日本限定モデル」もその例外ではなく、グラデーションがピンバックルからバンドの剣先に至るまで中断されておらず、流れるような濃淡の移ろいが見られます。

ちなみに、「オールグラデーション」も、幾度となくトライ&エラーを繰り返して編み出されたテンデンス独自の技術によるもので、しかもすべてが手作業なのだそうです。同ブランドの時計は、どれもが無理のない価格設定なんですが、このカラーリングひとつを取っても、「実は、価格以上の作り」(ジェルミーニ氏)であることが理解できるでしょう。

「ディカラー」のインラインモデルも美麗!

日本限定モデルが魅力的なのはもちろんですが、インラインで展開されている「ディカラー」50mmサイズの3モデルにも捨て難い魅力があります。「OCEAN」がテーマの日本限定モデルと同様、この3モデルにも、それぞれに大自然にインスパイアされたテーマカラーが取り入れられ、美しい色彩の交響を奏でているのです!

テーマカラーが「AURORA」の「ディカラー TY146103」は、ブルーとパープルが織りなすツートングラデーションが神秘的です。公式サイト価格は、63,800円(税込)

テーマカラーが「AURORA」の「ディカラー TY146103」は、ブルーとパープルが織りなすツートングラデーションが神秘的です。公式サイト価格は、63,800円(税込)

「SKY」がテーマの「ディカラー TY146105」。明るく澄み切った大空を思わせるカラーは、春夏スタイルの手元に清涼感を添加します。公式サイト価格は、63,800円(税込)

「SKY」がテーマの「ディカラー TY146105」。明るく澄み切った大空を思わせるカラーは、春夏スタイルの手元に清涼感を添加します。公式サイト価格は、63,800円(税込)

「ディカラーTY146102」のテーマカラーは「DESERT」。砂漠が広がる大地の、昼間から夜へと移ろう様をイメージするカラーリングです。公式サイト価格は、63,800円(税込)

「ディカラー TY146102」のテーマカラーは「DESERT」。砂漠が広がる大地の、昼間から夜へと移ろう様をイメージするカラーリングです。公式サイト価格は、63,800円(税込)

【まとめ】単なる“お遊び時計”ではなく、実は作りは大真面目!

テンデンスを「やたら大きいだけ」だとか「奇をてらっただけ」などと評して、これまで敬遠してきた人は少なくないかもしれません。しかし「オーバーサイズ」や「スタジアム文字盤」の元祖ブランドであることや、「3Dインデックス」「オールグラデーション」などに高度な独自技術が駆使されていることを知れば、ウンチクを好む時計好きならずとも、がぜん興味がわくのではないでしょうか?

しかも、素材や部材にも徹底的にこだわり、製品の組み立てに手間を惜しまず、そのうえ品質管理も徹底しており、それゆえに信頼性が高いブランドなのです。確かに一見すると単なる“お遊びウォッチ”ですが、実のところ、デザインも作りも大真面目。そんな時計ブランドって、ちょっとほかにはないと思います!

●写真/篠田麦也(篠田写真事務所)

【SPEC】
「ディカラー」コレクション全モデル共通
●駆動方式:クォーツ
●防水性能:10気圧
●ケース材質:アルミニウム
●バンド材質:シリコン
●ガラス:ミネラルガラス
●ケースサイズ:41mm、50mm
●表示機能:時・分、スモールセコンド、日付、ストップウォッチ秒針、60分計(50mmサイズのみ)、24間計(50mmサイズのみ)

山田純貴

山田純貴

東京生まれ。幼少期からの雑誌好きが高じ、雑誌編集者としてキャリアをスタート。以後は編集&ライターとしてウェブや月刊誌にて、主に時計、靴、鞄、革小物などのオトコがコダワリを持てるアイテムに関する情報発信に勤しむ。

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