2016年のアイコスブームから丸4年。今年も加熱式タバコ市場は話題に事欠かず、価格.comマガジンでも、多くの記事を公開した。本記事では、筆者が独断と偏見で選んだ「2020年に印象深かったトピック」を改めて紹介しつつ、この1年の加熱式タバコ市場を振り返ってみたい。
気になるトピックの詳細は、<関連記事>からチェックしていただきたい
2020年4月、細いスティックでおなじみだった「グロー」を展開するBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)が、太いスティックを採用したデバイス「グロー・ハイパー」を採用したのは、筆者にとって大きな衝撃だった。
2019年10月には、喫味をアップさせるブーストモード搭載の「グロー・プロ」を発売しているが、まさかその後半年で「スティックを太くする」という根本改革を行うとは。
2020年12月現在、後継機の登場を予感させる「gloオンラインストア限定でグロー・ハイパーが780円で購入できるキャンペーン」を実施中。細身スティックの「グロー」は物足りなかったという人も、「グロー・ハイパー」を試してみる価値はありそうだ。
「グロー・ハイパー」では、蒸気量豊富で圧のあるスモーキングが可能になった
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2020年は、レギュラー系の専用スティックやたばこカプセルが続々リリース。加熱式タバコの喫煙体験を刷新するような、本物嗜好への進化が印象的な1年だった。
加熱式タバコは、その独特のニオイをカバーするためにメンソール系フレーバーのラインアップが厚くなる傾向にある。しかし、今年はレギュラー系のラインアップが豊富になったことで、加熱式でもレギュラーがうまい時代に! 「うまいレギュラー待ち」で加熱式タバコの使用をためらっている紙巻きタバコ組の移行もスムーズになるかもしれない。
全国発売当初、専用スティックはメンソール系2種のみだった「パルズ」も、2020年1月にレギュラー系新味2種を発売
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「グロー・ハイパー」の専用スティックでは、人気銘柄「ケント」(レギュラーを含む)が480円で味わえることから、「アイコス一強時代」を脅かす存在となったと思う
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「プルーム・テック・プラス」では、自社生産の希少葉・ゴールドリーフを採用した「メビウス・プレミアムゴールド・レギュラー」が10月に発売。濃厚な熟成ゴールドリーフが実においしい
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こちらも10月に発売された「アイコス」専用スティックの「マールボロ・リッチレギュラー」。筆者は、紙巻きタバコ感を追求してできあがった「究極の完成品」という印象を受けた
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12月には「プルーム・テック」の専用リフィルにも、ゴールドリーフを採用したレギュラーが登場。こちらも上質なタバコ葉のシンプルなうまさで、満足度が高い
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11月には、喫味は強めだがニオイがほぼないという「プルーム・テック・プラス」が、「プルーム・テック・プラス・ウィズ」として生まれ変わった。デザインの刷新によって、手のひらにすっぽり収まるコンパクトサイズに変身しただけでなく、これまでユーザーを悩ませ続けてきた、「あとどれだけ吸えるか」を液晶表示で目視可能にしたのは快挙ではないか。
個人的に、「プルーム・テック・プラス」は目立たずニオイも少ない“ステルスタバコ”の最高峰だと思っている。この利便性とともに「メビウス・プレミアムゴールド・レギュラー」の本格喫味を堪能できるのだから、もはや言うことなし!
使い勝手にこだわった「プルーム・テック・プラス・ウィズ」。基本機構は同じなので、「プルーム・テック・プラス」と味に違いは生じないはずだが、期待以上の蒸気量、高い喫味のバランスで、よりおいしく感じる
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ニコチンゼロスティックのブームも、2020年の注目トピックとして外せないだろう。2019年3月に登場した「ニコレス」のヒットを皮切りに、タバコ葉の代わりに紅茶などの茶葉を使用することでニコチンをゼロにし、事実上の禁煙(ニコチン断ち)を可能にする製品が続々と登場した。
ニコチンゼロスティックはニコチンこそ発生しないものの、茶葉を加熱することで、ノンニコチンのベイプ(電子タバコ)では味わえない吸い応えが得られるのが特徴だ。なかでもカプセル・メンソールまで搭載した「コバト」は、紅茶感を表に出さず、より違和感のないアイコス感が味わえて驚いた。
本物のタバコスティックよりも価格が安く、禁煙や減煙を目指す人の強い味方だ。アイコス専用スティックとサイズが酷似しているものがほとんどで、アイコスやその互換機で使用できる
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4月の改正健康増進法施行で、飲食店で吸いながらの飲食が可能なのは加熱式タバコのみになったということで、紙巻きタバコからの切り替えが促進された2020年。タバコの原点であるレギュラー銘柄の新製品が各社より誕生し、よりホンモノのタバコ味に近づいた記念すべき年だ。
個人的にもっとも印象的だったトピックは、「プルーム・テック・プラス・ウィズ」の発売だ。「ニオイがほぼない」という「プルーム・テック・プラス」の特徴はそのままに、手軽すぎる喫煙体験を実現したところに、新しい時代の到来を感じてワクワクした。
※本記事は喫煙を推奨するものではありません。ご利用にあたっては、健康リスクなどをご考慮のうえ、注意・マナーを守ってご使用ください。
元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!