「機動戦士ガンダム」シリーズ最新作、劇場版「閃光のハサウェイ」の公開がまたまた延期となってしまいました。ファンとしては焦らされる日々が続きますが、ガンプラを組み立てながら前向きな気持ちで待つとしましょう。組み立てるのはもちろん、主役機の「HGUC 1/144 Ξ(クスィー)ガンダム」! 1989年に刊行された小説版から30年以上をへて、ついにガンプラ化されたのです! 実際に組み立てながら、「異形のガンダム」とも言われるその全貌をご紹介します。
「閃光のハサウェイ」主役機が堂々の登場! HGシリーズながら大型キットです
本機「Ξガンダム」が登場するのは、1989〜1990年に刊行された、富野由悠季氏による小説「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」。劇中に登場する反地球連邦組織「マフティー」が、極秘裏にアナハイム・エレクトロニクス社に開発を依頼したモビルスーツで、その秘密性ゆえ製造工場などすべてが謎に包まれた機体です。なお、「Ξ(クスィー)」は古代ギリシア語で、「逆襲のシャア」に登場する「νガンダム」の「ν」の次の文字にあたります。「XIガンダム」と表記されることもありますね。
ここでマニアックな小ネタですが、実は小説版「閃光のハサウェイ」は、劇場版「逆襲のシャア」とはつながりのないパラレルワールドの小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」の続編として描かれていました。ただ、今回の劇場版制作にあたって、劇場版「逆襲のシャア」の設定をくんだ続編として描かれるとのことで、どのように物語が変化するのかが気になりますね。
「Ξガンダム」のホビーとしては、2013年に一度「ROBOT魂(Ka signature)」シリーズでフィギュア化されています。しかし今回のガンプラでは劇場版に合わせてリデザインされており、フィギュアとは色合いや顔などがかなり異なっています。では、まずはその独特のスタイルを見ていきましょう。
素組み状態です(スミ入れ、トップコートなし)。かなり異形なスタイルですよね
特徴的な肩のパーツは、「ミノフスキー・フライト・ユニット」。背中のウイングもかなり大型です。後述しますが、ライバル機「ペーネロペー」よりはシンプル
背面から見ると大きな逆三角形のスタイル。一般的なガンダムタイプのモビルスーツとは一線を画します
フィギュア版では胸部がブルーだったのに対して、ガンプラではボディ全体がホワイトカラーで統一されており、かなりスッキリした印象を受けます。
注目すべきはフェイスパーツ。宇宙世紀のガンダムというよりは、アナザーシリーズに登場するような小顔、かつ鋭くとがったパーツで構成されています。
今回はシールも多用します。ガンダムアイはクリアパーツなしで、直接パーツにシールを貼るようになっていました
顔に比べてサイドのパーツが大きく、そして鋭くとがっています。アンテナも同様で、ちょっと悪役っぽい表情にも見えますよね
この小顔もボディと合わせると違和感なく、スタイリッシュなバランスに感じられます
さて可動ですが、肩周りと肘の独特なパーツのために、腕の動きはやや制限されます。脚周りも、膝パーツがかなり大きいため多少の制限がありますね。首周りはよく動くのですが、やはり頬のパーツが大きくとがっているので干渉し、大きな可動はあまりできません。珍しいのは、標準の手首パーツが平手なことです。ガンプラと言えばだいたい握り手なので驚き。そのほかの手首としては、ライフル用の持ち手と、ビームサーベルが持てる握り手も付属しています。
腕は大きく上げられません。肩の「ミノフスキー・フライト・ユニット」を開いて、腕の可動領域を確保する感じです
腕は横にはきれいに伸ばせます。ライフルを構えるとこれくらいの動きに制限されますね
標準手首が平手で、パッケージなどに描かれる印象的なポーズを再現できます
膝はかなりとんがったパーツなのですが、関節部分はしっかり曲がります
武装はビームライフル、ビームサーベル、シールドです。「Ξガンダム」最大の武器とも言えるファンネルミサイルは残念ながら付属しません。ただし、映画公開を記念して発売されたセット商品「HGUC 1/144 ΞガンダムVSペーネロペー ファンネル・ミサイル エフェクトセット」には付属するようです。また、「ペーネロペー」には付属していたスタンドは付属せず。別売りのアクションスタンドなどを使用して浮遊ポーズを表現することになります。
ビームライフルとシールド装備。シールドは肘のパーツを取り外して接続させます
ビームライフル持ち手は右手のみ
ビームサーベルは長い刃と短い刃の2本を柄に付けて装備します
サーベル持ち手は左右あるので二刀流も可能
スタンドは付属せず。ちなみに、「ペーネロペー」付属のスタンドが使えました
ファンネルミサイル発射口はディテールで再現されています
本キットは「フライト・フォーム」への変形が可能となっています。肩の「ミノフスキー・フライト・ユニット」を広げて、脚とウイングの一部パーツを差し替えることで完成します。「ペーネロペー」に比べると、パーツのポロリや複雑な可動がないので楽ちんでした。
肩の「ミノフスキー・フライト・ユニット」を広げて翼のように展開します
脚にあるブルーのウイングを通常時とは逆に取り付け、横の細長いウイングを下ろします。そして背中のウイングを左右に開くようにします。ここでは通常使わないパーツを一部差し替えで使用します
これで「フライト・フォーム」に変形。大気圏内でも自在に飛行できる「Ξガンダム」が完成です
ライフル、シールドを装備。フライト・フォームでの戦闘シーンも再現できます
小説発表から30年以上の時を超えてついに映像化されたガンダム最新作「閃光のハサウェイ」。その主役機と言える「Ξガンダム」は、いわゆるガンダムのスタンダードなスタイルとは大きく異なるのですが、これがガンプラとなって実際に触って動かしてみると、なかなか格好よくて、またスタイリッシュでとてもいいですね。最新のガンプラだからこそ表現できるスタイルに感じました。劇場版ではどんな活躍をしてくれるのか楽しみです。
「Ξガンダム」と同組織のマフティーのモビルスーツ、「メッサー」と。「メッサー」も大型ですが、全長26mを超える大型MSである「Ξガンダム」のほうがひと回り大きいです
同スケールの初代「ガンダム」、「νガンダム」と。宇宙世紀26年の歴史の中で、ガンダムはかなり大型化していることがわかります
もちろん注目は、ライバル機「ペーネロペー」とのバトルシーン。ガンプラでは先に発売されている「ペーネロペー」ですが、ようやくガンプラでもこの2体のバトルを再現できるようになりました。「Ξガンダム」も大型ですが、「ペーネロペー」はさらに大型なので、両機体を飾るのはそこそこのスペースが必要ですね。筆者も劇場版を見てから、印象深いシーンを再現して飾りたいと思っています。
ライバル機となる「ペーネロペー」(写真右)。「Ξガンダム」よりさらに大きいです
劇中での2機のバトルはかなり迫力がありそうです。スクリーンで見たいですね
最新のガンプラらしく、HGながらポリキャップレスで組み立てやすく、余剰パーツゼロというすばらしいキットでした
趣味も仕事もゲーム漬けだった人生から脱却を図り模索中。ホビーや生活雑貨記事などを書かせていただきます。