新傑作ウォッチで令和を刻む
第10回/カシオ計算機「プロトレック キャンパーライン PRG-30」

キャンプで! 街で! スッキリ小顔で話題のカシオ「プロトレック」最新作が人気上昇中

新型コロナウイルスの流行により、休日の過ごし方に変化が見られます。ことに、感染回避のための“脱密集”ということで、もっかキャンプやハイキング、トレッキングが大人気。これを機にアウトドアライフにハマったというビギナーも少なくないかと思います。

今回の「新傑作ウォッチで令和を刻む」では、そうしたトレッキングやキャンプなどのライトユーザーをターゲットに、2021年4月、カシオ計算機(以下、カシオ)の「プロトレック(PRO TREK)」シリーズから登場した「PRG-30」を紹介します。

「プロトレック PRG-30」は、全3色で展開中。写真は、ブルーグレーのベゼルとブルーのバンドが若々しくスタイリッシュな「PRG-30-2JF」。公式サイト価格は、30,800円(税込)

「プロトレック PRG-30」は、全3色で展開中。写真は、ブルーグレーのベゼルとブルーのバンドが若々しくスタイリッシュな「PRG-30-2JF」。公式サイト価格は、30,800円(税込)

本モデルは、「プロトレック」の基本機能である「トリプルセンサー」や「タフソーラー」などの実用性は維持しつつ、街使いにも違和感のないスッキリ顔と、腕になじみやすいサイズ&軽さを追求。「高機能&多機能のタフネスウォッチが欲しいけど、ゴツくてデカ過ぎるのはちょっとなぁ」という人にオススメです。

「プロトレック」ってどんなブランド? 「G-SHOCK」との違いは?

カシオの高機能&多機能ウォッチというと、「G-SHOCK」がまず思い浮かびますが、そちらのコアテクノロジーが耐衝撃性であるのに対し、「プロトレック」はクライミング、トレッキング、ハイキング、フィッシングといったアウトドアスポーツを取り込んだライフスタイルをサポートするブランドと定義できます。すなわち、過酷な自然環境に耐える堅牢性に加え、フィールドでのアクティビティで求められる機能&操作性を備えつつ、日常使いにも応えるデザイン性をあわせ持つモデルのコレクションというわけです。

「プロトレック」の特徴のひとつとして、表示の見やすさがあげられます。たとえば、危険な高所では、注意をそらしたことで負傷や遭難に陥りかねず、したがって必要な情報の確認は瞬時に、かつ正確に行う必要があります。そこで「プロトレック」では、時間や標高などの情報を文字盤中央に大きく表示することで、瞬時に読み取れる視認性を確保しているわけです。

1994年、カシオは初の「トリプルセンサー」を搭載したモデル「ATC-1100」を発売しました。その「トリプルセンサー」とは、「方位」「高度/気圧」「温度」を計測する、カシオ独自の革新的機能。磁気センサーによって自分がいる位置が確認でき、圧力センサーで高度や天候の変化がわかり、現在地のみならず目的地の気温予測もできるというものです。「プロトレック」は、その「ATC-1100」の機能を継いだ「DPX-500」を初代に、翌1995年にブランドデビュー。そして、この「トリプルセンサー」が、現在まで続く「プロトレック」のコアテクノロジーとなったのです。

また、2002年には駆動方式を、バッテリーからソーラー充電システム「タフソーラー」に変更。定期的な電池交換を必要とせず、フィールドにおいても常に安定的に駆動する同機能も、これ以降、ブランドのコアテクノロジーとなりました。

ということで、現在の「プロトレック」は、「『トリプルセンサー』と『タフソーラー』をコアテクノロジーとする、視認性にすぐれたアウトドアウォッチのブランド」であると定義を言い換えることもできるでしょう。

多機能性はそのままに小型化&軽量化を実現

写真は「時刻モード」の状態で、その表示の内訳は次のとおり。「CASIO」のロゴ直下は、「月・日」、中央は「時・分」(12時間表記に切り替え可)で、左端の「PS」は節電中であることを表しています。また、時・分の下は秒。最下段の「M」は、十分充電されていることを示しています

写真は「時刻モード」の状態で、その表示の内訳は次のとおり。「CASIO」のロゴ直下は、「月・日」、中央は「時・分」(12時間表記に切り替え可)で、左端の「PS」は節電中であることを表しています。また、時・分の下は秒。最下段の「M」は、十分充電されていることを示しています

「プロトレック」というと、ゴツゴツした無骨な時計というイメージがありますが、実はスッキリとスマートなモデルも存在しています。今回紹介する「PRG-30」も同様で、プラスチックベゼルを袖口に引っかかりにくい形状にしているうえ、各ボタンやボタンガードの張り出しを控えめにするなどして、きれいめカジュアルやビジネススタイルの手元にも違和感のないたたずまいの、洗練されたデザインに仕上げています。

また、本モデルの機能やデザインは、「PRG-330」というモデルをベースにしているのですが、その“元ネタ”と比べて幅が1.9mm減、縦が4.4mm減と小型化を実現。長時間の装着でもストレスにならない、このサイズ感こそが「PRG-30」のいちばんの個性だとも言えるでしょう。

ライトキャンパーなどを意識したモデルだけに、見やすさや使い勝手にも独自の工夫が施されています。たとえば、デジタル表示では、従来よりも判読性の高い太いフォントを採用することで、ライト点灯時でも各表示を読みやすいものに。また、ボタンの誤操作を起こさぬよう、各ボタンの機能名がベゼル上に記されていたり、方位計測で基準となる12時位置の▲印、および6時位置のライトボタンに色埋めのデザインを取り入れたり、という具合です。

ちなみにバンドには、カシオが栃木県小山市のゴム製品&電子・電気製品メーカー、トーアテック社と共同開発した「デュラソフトバンド」を採用。この特殊シリコンのバンドは、一般的な樹脂製よりもしなやかで装着感はやさしく、また低温環境でも硬くなりにくいうえ、耐加水分解性が高いなどの利点をもつ大変にすぐれた素材です。

ケースの側面には、計5つの丸型プッシュボタンを配置。誤操作を防ぐ半円形のボタンガードがユニークです

ケースの側面には、計5つの丸型プッシュボタンを配置。誤操作を防ぐ半円形のボタンガードがユニークです

各プッシュボタンの素材には、軽量なプラスチックを導入。このことが「PRG-30」の軽量化にひと役買っているそうです。また、それらボタンを囲うように設けられた半円形のボタンガードは、落下の衝撃などからボタンを保護することはもちろん、手首を返した際に誤ってボタンが押し込まれるのを防ぐ役割も担っています。

なお、デジタル画面の縁取りには、円周加工による内斜面が設けられていますが、そこにキラリときらめくメタルパーツを取り入れて、控えめながらもフェイスの質感を高める工夫も施されています。

試してみました! 「トリプルセンサー」の基本操作

「プロトレック」のコアテクノロジーである「トリプルセンサー」は、もちろん「PRG-30」も標準装備しています。ということで、ここからは「方位」、「高度/気圧」、「温度」の各センサーの基本的な使い方&読み方を確認してみます。

なお、「PRG-30」では、「高度」と「気圧」は同一のセンサーで計測されるものの、操作&表示においては「気圧」と「温度」がひと組みになっているので、この点にはご注意を。また、以下ではそれを踏まえたうえで、各ボタンの配列にしたがい、「方位」、「気圧/温度」、「高度」の順で解説します。

「方位」を知るには……

方位計測は、右上のプッシュボタン「COMP」を操作します

方位計測は、右上のプッシュボタン「COMP」を操作します

たとえば、進みたい方向に12時位置の▲印を向け、時計を水平に保ちながら「COMP」と表記された2時位置のボタンをワンプッシュ。これで瞬時に方位が計測されます。写真上では▲印が指す方角が「SW」、すなわち南西であることがわかります。また、東西南北はそれぞれ黒四角で表示され、このうち、北は3点の黒四角(写真上では5時位置にある)で示されるので、これはとてもわかりやすいと感じました。また、ほかの方角を調べたい時に、そのたびにボタンを押し直す必要はなく、コンパスのように時計の向きを変えるだけで計測が可能です。

さらに、デジタル画面中央の数値(写真上では「223°」と表示されている)は、▲印が指す方向と、基準となる方位(=北方位)との角度を表しています。ちなみに、北方位は磁北(方位磁針が示す北)であって、実は真北(北極点の方向)とは角度差があります。本品は通常、磁北をベースに東西南北などを表示するのですが、真北で計測したいという場合は、磁気偏角角度(真北と磁北との角度差)をもとに補正することもできます。

「気圧/温度」を知るには……

気圧・温度計測は、右中央のプッシュボタン「BARO」を操作

気圧・温度計測は、右中央のプッシュボタン「BARO」を操作

ベゼルに「BARO」とある3時位置のボタンをワンプッシュ。これで瞬時に気圧と温度の両方が表示されます。写真上の表示では、気圧が1017hPa、温度が30.2℃と教えています。試しに、同時にスマホでも計測したところ、気圧と温度ともに両者はほぼ同じ数値を表示しました。

また、「CASIO」のロゴ直下にある気圧傾向グラフは、2時間ごとに自動計測した気圧をグラフ化したもの。グラフが上がっている時は気圧が上昇傾向(天気が良くなる)、下降では気圧が下がり傾向(天気が悪くなる)という目安にできます。この機能は、たとえば山小屋やキャンプ場などに到着した際に気圧計測を開始。翌朝、出発前に気圧傾向を確認することで、その日の行動の参考にできるというものです。

文字盤の3時位置には黒四角が表示されていますが、これは現在計測中の気圧の値と、自動計測における最新値の差を±10hPa(1hPa単位)の範囲で表示するものです。よく見ると、メタルリング部分に10〜−10までの目盛りがついているのですが、写真上では黒四角がその目盛り「0」を指しており、すなわち「気圧の変化なし」を教えているのです。なお、気圧は260〜1100hPa、温度は−10〜60℃の範囲で計測可能。また、注意すべき気圧の変化を検知した際、音などで知らせる「気圧傾向インフォメーション」機能も装備されています。

「高度」を知るには……

高度計測は、右下のプッシュボタン「ALTI」を操作します

高度計測は、右下のプッシュボタン「ALTI」を操作します

現在地の高度を知るには、「ALTI」と表示された右下のボタンをワンプッシュすればOK。写真上では、高度161mと表示されています。計測範囲は−700〜10000m。その上には、高度傾向(移動中の複数地点での各高度の変化値)が棒グラフで表示されます(写真では、高度差のある場所を移動していなかったので、グラフがフラット状に表示されています)。また、このグラフに代え、この部分に基準点と現在地との高度差を数値表示させることもできます。

本モデルでは、内蔵の圧力センサーで気圧の変化量を計測し、それを高度に換算する相対高度が採用されています。それもあって、実際の高度と異なる数値を示す場合があるため、補正機能が付いています。したがって、正確な海抜高度(標高)がわかる地点であらかじめ高度計を合わせておき、その後の移動では地図や標高標識などでこまめに補正しながら計測することをオススメします。

フィールドのみならず、街使いにも便利な機能が満載!

以上、「トリプルセンサー」について検証してみましたが、アウトドアウォッチにしてはシンプルに見える「PRG-30」ながら、実はこのほかにもさまざまな機能が搭載されていますので、以下では主要なものをザッと紹介していきます。

まず、「トリプルセンサー」と並ぶ「プロトレック」のコアテクノロジーである「タフソーラー」です。このソーラー充電システムは、文字盤の背後に仕込まれたソーラーパネルとバッテリー(2次電池)によって発電&蓄電された電力が、時計を駆動させる機能です。本品においても昼夜を問うことなく、強負荷のかかる各機能を効率よく動かしています。

「LIGHT」の記載の直下にあるボタンを押すと、LEDライトが点灯します

「LIGHT」の記載の直下にあるボタンを押すと、LEDライトが点灯します

暗所で時刻などを確認する際には、6時位置の「LIGHT」ボタンをプッシュ。これにより、高輝度のフルオートLEDライト「スーパーイルミネーター」が文字盤を明るく照らし、太めフォントのデジタル文字をクッキリと浮かび上がらせます。なお、残照時間については、1.5秒と3秒のいずれかが選択でき、また時計を40°以上傾けることでライトが自動点灯する「オートライト機能」を設定することも可能です。

さらに、世界48都市・31タイムゾーンに対応するワールドタイム機能や、サマータイム表示、日の出/日の入り時刻表示、1/10秒ストップウォッチ、時刻アラーム、フルオートカレンダー、−10℃までの低温環境下でも機能する耐低温仕様など、多彩な機能がてんこ盛り。ライトキャンパーに向けたモデルとはいえ、アウトドアウォッチとしてのスペックは本格的です。

従来モデルに比して小ぶりで、スッキリ&スマートな手元を演出します

従来モデルに比して小ぶりで、スッキリ&スマートな手元を演出します

上の写真は、フィッティング例となります。先述したとおり、袖口に引っかかりにくいスッキリした形状なので、キャンプで調理などの作業を行う際にも煩わしさはないでしょう。また、デジタル文字はもちろん、ライン穴埋めによるベゼル上の文字も視認性がよく、しかし、控えめゆえに悪目立ちしていないのが好印象。これならアウトドアレジャーだけでなく、休日の買い物やビジネスでも違和感なく使用できそうです。

装着感も申し分なく、「デュラソフトバンド」はしなやかで、長時間の装着でもストレスは感じられません。しかも、スライドレバー式バネ棒の採用で、誰でもベルト交換が簡単にできますし、別売のカラビナなどにリンクさせることで、バックパックのストラップなどに装着もできるのです。

精悍なブラック&アウトドア風味の特濃なブラウンも

「PRG-30」を検証するにあたり、本稿ではスタイリッシュなブルータイプ「PRG-30-2JF」を取り上げてきましたが、このほかにも、精悍な印象のフルブラックタイプと、アウトドアシーンに調和するブラウンタイプも存在。以下では、それらカラバリ2タイプを紹介します。

精悍さと品のよさをあわせ持つフルブラックタイプの「PRG-30-1JF」。ダークスーツとも相性よさげです。公式サイト価格は、30,800円(税込)

精悍さと品のよさをあわせ持つフルブラックタイプの「PRG-30-1JF」。ダークスーツとも相性よさげです。公式サイト価格は、30,800円(税込)

「トリプルセンサー」表示や12時位置の▲印、ライトボタンに、バンドと同じブラウンを取り入れた「PRG-30-5JF」。公式サイト価格は、30,800円(税込)

「トリプルセンサー」表示や12時位置の▲印、ライトボタンに、バンドと同じブラウンを取り入れた「PRG-30-5JF」。公式サイト価格は、30,800円(税込)

【まとめ】 大人のカジュアルに合わせても違和感なし!

以上、トライアルインプレッションを含む、「プロトレック PRG-30」の詳解でした。「トリプルセンサー」など、各機能の説明では理解しづらい内容も含まれていたと思いますが、操作してみると、実はとても簡単で、アウトドア入門者でも簡単に操作できるよう配慮されたモデルであることがわかりました。

とはいえ今回、この「PRG-30」を取り上げた理由は、そうした機能ではなく、ズバリ“見た目”にありました。すなわち「プロトレック」のモデルでありながらも無骨さは感じられず、既存モデルよりも小ぶりという点に興味を持ったのです。アウトドアウォッチとしての機能と耐久性を備えながらも、「このルックスとサイズなら、街使いにも違和感がないのでは?」と……。

その第一印象は、実機を手にして確信に変わりました。これなら大人っぽいキレイめのカジュアルにはもちろん、ジャケパンやスーツに合わせても違和感がなく、すなわちアウトドアからビジネスまでをカバーできる時計だと感じました。そしてコーディネートの汎用性が高いということは使う機会も多くなるわけで、早い話、「PRG-30」は費用対効果の高い“お買い得”な時計であるということなのです。

●写真/篠田麦也(篠田写真事務所)

【SPEC】
「プロトレックPRG-30」 ※3タイプ共通
●駆動方式:クォーツ
●電源:ソーラー充電システム「タフソーラー」
●防水性能:10気圧
●ケース材質:樹脂
●バンド材質:特殊シリコン樹脂「デュラソフト」
●ガラス:無機
●ケースサイズ:45.2(横)×51.6(縦)×12.9(厚さ)mm
●重量:約64g
●時計機能:時・分、秒、日付、曜日、ワールドタイム(世界48都市、31タイムゾーン)、日の出・日の入り時刻、ストップウォッチ、タイマー、アラームなど
●センサー機能:
・方位計測/16方位・方位の角度(0〜359°)、東西南北をグラフィック表示、ベアリングメモリー(方位の角度、記録した方向を示すグラフィックを1本メモリー)、磁気偏角補正、方位補正など
・高度計測/相対高度計(計測範囲:−700〜10000m)、高度メモリー、登山記録データ14本、高度差計測(−3,000〜3,000m)など
・気圧計測/計測範囲:260〜1,100hPa、気圧傾向グラフ表示、気圧差グラフィック、気圧傾向インフォメーションアラームなど
・温度計測/計測範囲:−10〜60℃

山田純貴

山田純貴

東京生まれ。幼少期からの雑誌好きが高じ、雑誌編集者としてキャリアをスタート。以後は編集&ライターとしてウェブや月刊誌にて、主に時計、靴、鞄、革小物などのオトコがコダワリを持てるアイテムに関する情報発信に勤しむ。

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