ギタリストにとってベースは、演奏技術は使い回せそうだし楽器としての構造にも共通点が多いし、比較的に身近に感じられる楽器。だからギタリストって何となく思いつきがちですよね、「ベースも弾いてみようかな」って。
ですが、いざベース始めるぞ! ベース買うぞ! となってから気付くのです。「改めて考えてみたら実はベースのことよく知らなかった問題」に。ベースのことよくわかんなくて、どんなベースを買えばいいのかわかんない!
そこで今回は「ギタリストのためのベースの選び方」をお届け。完全な楽器初心者ではなく「ギターのことならある程度わかってる」ギタリストに向けて、そのギター知識を前提にしてベースの選び方をガイドしていきます。
そう、ギタリストはベースも弾いてみたくなりがち。「おうち時間で宅録を始めたら、ベースも打ち込みじゃなくて自分で弾いてみたくなった」とか「コロナ禍が過ぎてセッションできる状況が戻ってきたとき、自分がベースも弾けたりすると遊びの幅が広がる」とか、動機はさまざまでしょうがとにかく、我々ギタリストは何となくベースも弾いてみたくなりがちな生きものなのです。
ですが上述の通り、いざベース始めよう! ベース買ってみよう! よしベース選ぶぞ! という段階になると今度は、「落ち着いて考えるとベースのことあんまり知らなくて、どんなベースを選べばいいのかわからない問題」にぶつかりがちだったりします。というか過去の僕がまさにぶつかりました。
たとえばギターにおける「ストラトキャスターとテレキャスターの違いは?」という問いにはペラペラと答えられても、ベースにおける「ジャズベースとプレシジョンベースの違いは?」となるとそういえばよくわからん! みたいな。そんなありさまではベース選びも成功しません。
加えて、ギタリストが趣味的あるいは副業的に、ネトゲ的に言えばサブクラス的な感覚でベースも弾く感じなら、そのためのベースの選び方は本職ベーシストのベース選びとは違ってきたりもします。
たとえば本業ベーシストが「弾きやすければ音色はどんな傾向のでもいいや」とか言い出したら「音にもこだわってくれよ!」という気がしますが、ギタリストが副業的に弾くベースであればそれもアリに思えませんか? そこでそれらを踏まえて、
●ギターの基礎知識はあることを前提に、その知識を生かしてベースのことも理解してもらえるように
●あくまでも「ギタリストがベースも弾いてみる」という立場を前提に、本業ガチベーシストのベース選びとは別の視点で
……というところを意識してお届けするのが、こちらの記事というわけです。そして今回は「手っ取り早くわかりやすく!」ということで以下の4つのコースをご用意。
●安心鉄板コース:ジャズベ買っとけば大体間違いない
●楽々快適コース:弾きやすいショート&ミディアムスケール
●決め打ちコース:曲に合わせて5弦などの仕様を選ぶ
●趣味全開コース:趣味性重視なら個性派や特殊仕様もあり
順番に読む必要はないので、コース名をぱっと見た感じで「自分にはこのコースが合うかも?」という気がしたところから読み進めていただいてOKです。
安心鉄板コース:ジャズベ買っとけば大体間違いない(写真は「Fender Player Jazz Bass」)
楽々快適コース:弾きやすさならショートスケール(写真は「Fender Player Mustang Bass PJ」)
決め打ちコース:曲に合わせて5弦などの仕様を選ぶ(写真は「Ibanez SR505))
趣味全開コース:趣味性重視なら個性派や特殊仕様もあり(写真はIbanez「SRH505F」)
なお、記事中で実例として紹介していく具体的なモデルの価格帯としては、
●本職じゃないからこそ先々も買い増しとかしないで済むように、ある程度のクオリティのものにしておこう!→10万円前後
●本職じゃないんだからあんまりお金はかけないでおこう→5万円未満
……あたりを重点的にセレクトしてありますが、実際に購入する際のそこはもちろん、みなさんそれぞれの予算と気合い次第です!
ギター選びの場合なら「ストラト買っとけば大体間違いない」みたいな感じありますよね。エレクトリックギターのスタンダードでありながら、さまざまなジャンルに対応できる幅広さも備えるFender「Stratocaster」シリーズの安心感は絶大!
ではベースにおいて、そのストラトと同じくド定番・ド鉄板なモデルはあるの? となればその答えとなるのがジャズべ、同じくFenderの「Jazz Bass」シリーズです。
Fenderラインアップ売れ筋「Player」シリーズから、王道サンバーストなJazz Bassの姿がこちら
ロック、ジャズ、ファンクにヒップホップ。あらゆるジャンルのベーシストがジャズベを愛用。幅広いプレイスタイル、サウンドに対応できる汎用性の高い楽器であることが証明されています。こういうベースが欲しい! こういう仕様が必要だ! みたいな明確な要望がある場合は別ですが、そうではないなら、ビギナーはジャズベを買っておけば大体間違いありません(注意点があるとすると、人によっては重さでしょうか。重量が気になる場合はショップで実物を持ってみてから選ぶことをおすすめします)。
またこれもストラトと同じく、「ユーザーの多さ」もベース初心者にとっては助けになります。ネット上にも身の回りにも、ジャズべユーザーはたくさんいるので、ジャズベでわからないことは検索すれば大量ヒットしますし、周りのベーシストに聞いてみればすぐに解決したりもします。
ほか、これもストラトと重なる特徴ですが、スタンダードだからこそサードパーティー製のジャズベ用パーツも豊富。将来的にたとえば音色を調整したくなったりしても、ピックアップやブリッジなどの交換時に、選択肢の少なさに困ることはありません。よりナチュラルな音にしたい場合でも、もっとパワフルな音にしたい場合でも、それに応えてくれる交換パーツを見つけられます。
もちろん本家Fenderの純正パーツも豊富。こちらはビンテージサウンドにパワーをちょい足しした感じのFender「Custom ’60s Jazz Bass Pickups」
元のネジ穴をそのまま使って交換できる重量級ブリッジ、Freedom Custom Guitar Research「Tone Shift Bass Bridge Ver. 3.0」
ちなみにジャズベと双璧をなすFenderベース、もういっぽうのスタンダードは「プレベ」こと「Precision Bass」。ジャズベがストラトならプレベはテレキャスみたいなイメージで、プレベのほうが無骨だからこそ、それを好むファンもいたりするわけです。
こちらは「Fender Player Precision Bass」
ではその「ジャズべ」シリーズから、定番カタログモデルで10万円前後のモデルをいくつか紹介。
<モダン系代表>
「Fender Player Jazz Bass」(写真はパーフェロー指板ですがメイプル指板モデルもアリ)
<ビンテージ系代表>
「Fender Made in Japan Traditional Jazz Bass」
モダン系とビンテージ系の違いはギターの場合と大体同じようなものです。現代のシーンに合わせて演奏性やサウンドを見直してあるのがモダン系。ビンテージに沿ったスペックでその音色や弾き心地を再現しているのがビンテージ系。
でもイマドキのビンテージ系は、大枠はビンテージ仕様にまとめつつ指板Rは9.5にしたりと、細部にはモダンスペックを導入してあるモデルも多いです。「MIJ Traditional」はギターもベースもそれにあたります。
「基本はビンテージ系なので耳なじみのよい、これぞジャズベなサウンド」「でもガチビンテージ系より絶妙に弾きやすい」「安定した品質の日本製」など、ジャズベの中でも特に「これ買っとけば大体間違いない」的な製品と言えるかもしれませんね。
もちろんもっとお手頃価格なジャズべもあります。Fenderのエントリークラス向けサブブランド的な位置付けである「Squier」のジャズベは、「正当なJazz Bass」にしてぐっと手の届きやすいお値段!
「FSR Affinity Series Jazz Bass」
なおジャズべはもはやエレクトリックベースのアイコン、デファクトスタンダード的な存在ですので、FenderおよびSquier以外からも、膨大な「ジャズベタイプ」が販売されています。そこもストラトと同じですね。あくまでも「ジャズベではなくジャズベタイプ」に過ぎないものではありますが、1万円を切る激安なものから、本物にはない仕様を備えるものまでの豊富な選択肢が揃ってはいます。
こちらは、本記事の序盤で例に挙げた、「ギタリストが副業的に弾くベースであれば弾きやすさ重視もあり」という考え方からのコースです。
弦楽器は同じ種類の楽器でもモデルごとに弦長=スケールが違ったりしますよね。ギターの場合は以下の通り。
●ロング 25 1/2"≒648mm:ストラト、テレキャスなど
●ミディアム 24 3/4"≒628mm:レスポール、SGなど
●ショート 24"≒610mm:ムスタングなど
スケールが長くネックが長いモデルはローポジションのフレット間隔が広くなっていたりするので、「スケールが短いほうが、手が少し小さめだったりしても弾きやすい」とされることが一般的です。
そのあたりはベースでも同じで、スケールの種類として一般的な区分けは以下のような感じ。
●ロング 34"≒864mm:ジャズべ、プレベなど
●ミディアム 32"≒813mm:モダン系で増加中
●ショート 30"≒762mm前後:ムスタングベース、SGベースなど
こちらもFender「Player」シリーズから、ショートスケール代表Mustang Bassのメイプル指板モデル
Fender「Player」シリーズのストラト、ムスタングベース、ジャズベの写真を、縮尺を合わせて並べるとこんな感じです
そもそものスケールが長いベースでは、ギターの場合よりもスケールごとの差を大きく感じるかと思います。それにギタリストがベースを構えたときには、ローポジションの遠さは特に気になりがち。ギターを弾く姿勢が体になじんでいるからこそ、「ギターと比べて左手を体からかなり離れた場所にまで伸ばさないと、ローポジに手が届かないこと」に違和感があるわけです。
もちろん、比較的小柄な日本人女性のベーシストたちだってジャズベをかっこよく弾きこなしているわけですから、ロングスケールベースだって慣れれば弾くのに支障はありません。ですが、我々ギタリストが「本職じゃないからベースで苦労はしたくない」というユルい考えで選ぶなら、弾き心地もユルめなショート&ミディアムスケールを選ぶのもアリなのでは? というのがこの「楽々快適コース」の提案というわけですね。
なおサウンドについては、ショートスケールやミディアムスケールは「ロングスケールに比べての弦の張りのユルさに比例して音の張りもユルめ」と評されることが多いです。ですが「音の張りがユルめ=音が悪い」ではありません。張りのユルさから生まれる独特の弾みやふくらみを好んで、あえてショートスケールベースを使用するベーシストもいたりします。よくも悪くも「ロングスケールとは異なる、個性的なサウンド」と理解しておく感じがちょうどよいでしょう。
注意点としては、弦もショート&ミディアムスケール用のものが必要で、ロングスケール用より選択肢が少ないこと。たとえばコーティング弦の代表、Elixirのラインアップにはショートスケール用やミディアムスケール用は用意されていません。
弦のほうが長い分には問題ないっしょ? ロングスケール用の弦はショートにも使えるっしょ?なんて油断は禁物ですよ。以下のような理由から、そういった使い回しには無理があります。
ベースの弦はペグに巻き取る先端付近だけ細くした構造になっています
先端側が細くしてあるからこそちゃんとペグに巻けるわけです
ショートスケールベースの代表はFender「Mustang Bass」。名前の通り、そして見ての通り、ショートスケールギターの代表「Mustang」のベース版として誕生したモデルとなります。
そのムスタングベース、本家Fenderでの生産停止以降長らく、当時はFenderとは別の企業であったFender Japanによるライセンス生産復刻モデルしか選択肢がない状況でした。しかし近年になって、Fender社のラインアップ戦略のピースとして改めて注目されたのか、現在は幅広いグレードのモデルが展開されています。
Fender Player Mustang Bass PJ。ピックアップがブリッジ側ジャズベPU+ネック側プレベPUになっているのが大きなポイントなモダン系
このムスベ、ショートスケールであるだけではなく、ボディもジャズベよりかなり小ぶりで、しかも薄め。おかげで重量は3.5〜4.0kg、つまりギターと同程度です。またビンテージ仕様では、弦と弦の間隔もジャズベと比べて狭めなので、ピック弾きの弦移動なども楽と感じるかも。
なおムスベの注意点は「弦長はショートスケールなんだけど、適合する弦はミディアムスケール用」というところ。弦を「裏通し」するタイプなのでその分、弦の長さに余裕が必要になるのです。
ボディの裏側から弦を通すので、その分だけ普通のショートスケールベースより弦の長さが必要
また、ジャズべなら20fまであるところ19fまでしかない上にネックとボディのジョイント位置も深めなので、ハイポジションを使いにくいのはムスベの弱点。高音域でのメロディアスなプレイとかは少し弾きにくいかもしれません。
Gibsonも伝統的に、短めのスケールを採用したベースをラインアップしています。「EB」としても知られる、ギターの「SG」に近いフォルムの「SG Standard Bass」は、ムスベに近い30.5インチスケールです。
Gibson SG Standard Bassはちょっとお高いんですけど、見るからに雰囲気あります
また「この店にあるショートスケールベースの中で最高のものを出したまえ!」的に剛毅な感じでいくなら、先日発売されたばかりのErnie Ball Music Man「Short Scale StingRay」なんてのもあります。
元のロングスケールモデルは、フリーさんが初期レッチリで使用していたモデルとして有名。30"のショートスケールにしてパワフル!
たとえば「打ち込みでベースを入れてある自作曲のベースを自分で弾いて生に差し替えたいんだけど、その打ち込みの最低音が普通のベースでは出せない低さ」とか、「コピーしたいバンドのベーシストが5弦ベースを使ってる」みたいな場合、そのフレーズを普通に4弦のジャズべで弾くのはさすがに無理。普通に6弦なストラトで7弦ギターのリフをコピーするのは無理というのと同じです。
というように「それはもうそれに合わせた仕様のベースじゃなきゃ弾けないから、そういうベースを買うしかないよ」なパターンもあるわけですね。
まずは出せる音程・音域の広さの話で言うとベースの場合、通常の1〜4弦の低音側により太い弦を追加した「5弦」仕様は、いまやかなり一般的な選択肢になっています。ギターの6弦開放E音に対して7弦開放はB音なのと同じく、ベースも4弦開放のE音に対して5弦開放はB音というチューニングです。
「Fender Player Jazz Bass V」。ここまでにもたくさん紹介してきたPlayerシリーズのジャズベ5弦モデルですね
多弦ベースのヘッド設計は難しいのですが、Fenderは象徴的なジャズ部ヘッドのデザインを崩さずにうまく弦を増やしています
それが普通に使われるようになってきているということで、「ヒット曲を何気なくコピーしようとしたら5弦じゃないとコピーできないやつだった」なんてことも結構あります。たとえばKing Gnu「白日」の1分38秒あたりからは5弦ローポジションの音を多用。無理矢理4弦で弾くとすればそれらの音をオクターブ上に移すとかになるわけですが、曲の雰囲気への影響が大きいことは言うまでもありません。
5弦ベースは今や、それくらいさらっと普通に使われているものになっているので、Fenderもジャズベ各シリーズに5弦仕様を用意しているわけです。Squierブランドでのお手頃価格モデルにも5弦が用意されています。
「Squier Classic Vibe '70s Jazz Bass V」。Classic Vibeという名前ですが5弦も含めて結構モダンな仕様
またギターと同じく「多弦」といえばIbanez。個性も価格帯も幅広いそのラインアップを眺めれば、あなたの好みや予算にヒットする1本を見つけやすいかも。
Ibanezベースの定番「SR」シリーズのスタンダードライン5弦モデル、「SR505E」
なお、低音域の拡大ということでは、5弦追加のほかに「スケールをロングよりさらに長い35"などのエクストラロングにすることで、ダウンチューニングにしても弦の張りを維持できるようにする」という手法を採用しているベースもあります。ギターでも増えてきているスタイルですね。さらに5弦+エクストラロングなんてベースもあります。ですが、エクストラロング弦の入手性やらそのお値段やら厄介な面もありますので、ギタリストが軽い気持ちで手を出すには向かないかも……。
また「24f仕様」「高音域側にも弦を足した6弦仕様」など、音域を高音域側に拡大する仕様なベースもありますので、場合によってはそちらにも注意を向けてみてください。
ここまでのコースはギタリストがお気軽にベースも弾いてみるうえでの実用性を重視したセレクトでしたが、本職ベーシストではないからこそ、実用性は無視って趣味としての楽しさに思い切り振り切ったセレクトもありですよね?
たとえばフレットレスベース!
こちらもFender「Player」シリーズから「Player Jazz Bass Fretless」
金属製のフレットはなく、その代わりに「ライン」が入っています
フレットレスはもうサウンドもニュアンスも普通のベースとは別物なので、普通のベースとしての使い回しが効きませんし、弾きこなすまでの苦労も多大。弾き始めてから実用的な腕前に達するまでにどれほどの時間がかかるのか、予想もつきません……。
ですが完全に趣味として楽しむ視点からは、普通のベースよりさらにギターと別物の感覚を味わえるので新鮮でおもしろい! 弾きこなすまでの苦労も難しめのゲームに挑戦するような感じで楽しむ! という心づもりで向き合ってみてはいかがでしょう?
なおフレットレスには、フレットはないけれどフレットと同じ位置にラインが入れられているモデルと、コントラバスのように完全無地指板なモデルがあります。初心者はやはり、押さえる位置の目安がつけやすいラインありモデルから始める方が無難です。
フレットラインという「目安」のあるなしは初心者には超重要!
指板ではほかに「コーティングの有無」なんて要素もありますが、コーティングありモデルは大体高価。本腰を入れて取り組む覚悟のある方はチェックしてみてください。
あと、音への反応が早くてディスプレイの視認性が高いチューナーも用意しておくのがおすすめ。それを使って常に音程を確かめながら練習することで、音程の正確性を高めていくことができます。
さてそして、趣味性の強い個性派ベースはフレットレスのほかにもあります! たとえばギターでいうところのセミアコ、フルアコ、エレアコ的なベースは、ルックスもサウンドも、ジャズベやプレベなどのソリッドボディベースとは全然違う雰囲気です。
「Ibanez SRH505F」は5弦+フレットレス+ホロウボディ+ピエゾピックアップという超個性派!
最後になりましたが、ベースを楽しむにはベース本体のほかにも必要なものってありますよね?それらについても確認しておきましょう!
まずは弦! 基本的なところはギター弦の知識がそのまま役に立ちます。スケールごとに標準的な弦の太さみたいなのがあるとか、それより細いゲージにすれば弾き心地も音色も少しユルめにできるとか。標準的なゲージはロングスケールで1弦から順に、.045/.065/.085/.0105あたりですね。
また「コーティング弦は高いけど長持ち」とか「どこでも売ってる代表的なメーカーはD'AddarioとErnie Ball」なんてところもギターと同じです。
D'Addarioのベース弦はギター弦と同じくラインアップがすごい豊富だったりします。こちらはムスベにも使えるミディアムスケール用
いっぽう、ギター弦との違いとしては、「フラットワウンド」「ハーフラウンドワウンド」といった種類の弦が使われる割合は、ギターよりも多めかもしれません。ギターと違ってすべての弦が巻き弦なので、ワウンドの違いによる影響が大きいことも理由のひとつかもしませんね。一般には「ラウンドは明るめの音でフラットはダークな音」「フラットは指の摩擦が大きめ」なんて言われていたりします。でも「主流はラウンドワウンド」ということで、普通はそれを選んでおけば問題ないですよ。
主流のラウンドワウンド弦。男子にわかりやすいようにトカゲにたとえるなら、カナヘビみたく鱗の凸凹感があります
ラウンドの表面を研磨して凸凹をなくしてある、D'Addarioのハーフラウンド弦。こちらはニホントカゲの鱗みたいにするっとしています
そして弦と同じくらい大切な存在がベースアンプ! ギターと同じくベースも「エレクトリックベースはアンプとあわせてひとつの楽器」です。しかもベースの低い音程の生音は、その音域に慣れていないギタリストの耳にはギターの生音より聴き取りにくいので、その意味からもアンプは必須と言えます。
とはいえギタリストとしては、本職ではないベースのアンプに置き場所や金銭コストをガンガン注ぎ込むわけにもいきません。ということでおすすめなのは「ヘッドホン接続型のアンプ」です。場所も取らずお値段もお手頃です。
定番VOX「AmPlug」シリーズにはベース用もあり。写真は我が家の旧モデルですが、後継機「AmPlug2 Bass」には練習に便利なリズムボックス機能まで搭載されています
Fender「Mustang Micro」はベースにも使える「Studio Preamp」モードも搭載。ギターと兼用のヘッドホンアンプ&宅録インターフェイスにできます!
新しい楽器を始めるのには、やはり新鮮な楽しみがあります。しかもギタリストにとってベースは、新しい楽器に挑戦する新鮮さと、ギターと似た部分の多さによる親しみやすさや習得しやすさのバランスが絶妙な楽器。今回のおすすめコースの中に何となくピンと響いたものがあったなら、ぜひさらに詳しくチェックして、ベースへの挑戦を検討してみてください!
オーディオ界隈ライター。現在はポータブルやデスクトップなどのパーソナルオーディオ分野を中心に、下からグイッとパンしていくためにてさぐりで活動中。