JTは、高温タイプの加熱式タバコ用デバイス「Ploom X(プルーム・エックス)」を、2021年8月17日より、日本全国のコンビニエンスストアおよびタバコ販売店などにて発売する。
「CLUB JTオンラインショップ」においてはすでに先行販売が始まっており、また8月3日からは全国の「Ploom Shop」においても販売がスタートする。
さらに、「プルーム・エックス」用のタバコスティック「メビウス・リッチ」、「メビウス・メンソール・フレッシュ」、「キャメル・リッチ」も新登場。2021年8月17日より、全国のコンビニエンスストアおよび全国のタバコ販売店の一部などにて順次発売される。こちらも、「CLUB JTオンラインショップ」にて先行販売がスタートしており、8月3日からは全国の「Ploom Shop」においても購入できる。
JTの新・加熱式タバコ用デバイス「プルーム・エックス」の2色「スレートグレイ」と「シルバー」と、新・タバコスティックの3種類。左から「メビウス・リッチ」、「メビウス・メンソール・フレッシュ」、「キャメル・リッチ」
「プルーム・エックス」は、同社の従来の加熱式タバコにおける課題であった吸い応えを強化。さらに、美しいシームレスボディを採用した。ヘビースモーカーの筆者は早速、新デバイスと新タバコスティックを試用してきたので、そのレビューをお届けする。
本機の最大の魅力は、JTの従来モデル「プルーム・エス」で課題だった吸い応えを強化させた点だ。
吸い応えの強化に当たり、大きく分けて2つの改善点があげられる。まずひとつ目は、タバコスティックを加熱する温度を従来の約200℃から一気に295℃まで引き上げたこと。もうひとつは、タバコスティックのタバコ葉を直接加熱するだけでなく、スティック内部を通る熱い気流も活用する新発想の加熱技術「HEATFLOW(ヒートフロー)」を採用したことだ。この加熱方式は、いわゆるヴェポライザー界隈で人気の高いハイブリッド加熱方式。本機は、この方式を搭載した初めての国産加熱式タバコデバイスとなる。
喫煙可能時間は、従来の4分30秒から約5分へと約30秒延長された。また、従来は最大14パフと吸う回数に制限が設けられていたが、本機ではパフ回数制限なしというのも地味にうれしい。なお、加熱の待ち時間は約25秒だ。
もうひとつの魅力は、スタイリッシュな「ナストロデザイン」(ナストロはイタリア語でリボンの意)を採用したこと。凹凸がほとんどなく、全体的に丸みを帯びているため、手のひらにしっかりとフィットする。なお、重量は、「プルーム・エス」よりも11g軽い約95gを実現している。
フロントパネルは、鏡面仕上げの樹脂製を採用。起動は、この中央部分を長押しして行う。飛び出たボタンはないが、クリック感はある
フロントパネルは、マグネットで本体に装着されており、着脱はしやすい。なお、フロントパネルを外していると、本体が起動しない仕様を採用している
フロントパネルは、別売の「プルーム・エックス・フロントパネル」(全7色/税込980円)を使えば、着せ替えも楽しめる
本体のボディは、マットなアルミ製
充電は、USB Type-Cケーブルで行う。約110分でタバコスティック1箱分(20本)、140分かけてフル充電すると、約23本分吸えるようになる
「プルーム・エス」の機能として最後に紹介したいのが、スマートフォンとのBluetooth連携だ。対応ブラウザー上で、デバイス本体のバッテリー残量をより詳細な数値で確認したり、デバイスロック機能を使用したりできる。また、スマホと「プルーム・エス」が最後に接続していた場所を確認できるため、デバイスを紛失した際にも役立ちそうだ。
ここからは、「プルーム・エックス」の実力を実際に吸って確認していこう。
試したタバコスティックは、「プルーム・エックス」に最適化したという新製品「メビウス・リッチ」、「メビウス・メンソール・フレッシュ」、「キャメル・リッチ」の3種類だ。
左から「メビウス・リッチ」、「メビウス・メンソール・フレッシュ」、「キャメル・リッチ」。「メビウス・リッチ」と「メビウス・メンソール・フレッシュ」は、20本入りで540円(税込)で、「キャメル・リッチ」は、20本入りで500円(税込)。なお、3つとも「プルーム・エス」でも使用できる
試用には、「プルーム・エックス」の「スレートグレイ」を使用
JTいわく、「プルーム・エックス」のタバコスティックでは、レギュラータイプの充実を目指したと言うが、そのひとつが「メビウス・リッチ」だ。加熱式タバコにおいては、レギュラー味をおいしくするのはひときわ難しいとされているが、本製品は、タバコ葉の中でも特に香りの高い葉肉部分「ラミナ」をブレンドすることで、深みのあるリッチな味わいを実現しているという。
実際に吸って、驚愕した。紙巻きタバコの「メビウス」そのものの味がしたのだ。
喫味は、従来のレギュラータイプとは一線を画す。これは、おいしい! 従来スティックでも、ある程度の風味は再現されていたが、今回は吸い応えが強化されたことで、“紙巻きメビウス”に近いフィールが実現されているのだ。ザ・タバコ的なクセのない香りと、ほのかな甘みが見事に再現されており、はっきりと「これは『メビウス』です」と言い切れるほどの味わいで、本当に感動した。
加熱式タバコでメンソールタイプを愛用している人なら、「メビウス・メンソール・フレッシュ」が気になるだろう。こちらは、先述の葉肉部分「ラミナ」を使用していないが、JTのお家芸とも言うべき、天然由来メンソールを100%使用。その透き通る爽快なフレーバーは、一切のケミカル感なしに、自然な清涼感を感じさせてくれる。ほどよい刺激で、素直においしく感じた。
ワンコインで楽しめる廉価版ブランド「キャメル」シリーズには、「キャメル・リッチ」が追加された。ランニングコストを重視する人にとっては、こちらも注目度が高いはず。
同製品は、香り高い葉肉「ラミナ」をブレンドすることで、コクを出しているが、同じく「ラミナ」をブレンドした「メビウス・リッチ」よりは幾分マイルド。しかし、香ばしさは楽しめるので、これはこれで捨てがたいおいしさだ。
「プルーム・エックス」で吸えるのは、2銘柄12種類。「メビウス」からは、「レギュラータイプ」2種類と、「メンソールタイプ」2種類、「キャメル」からは「レギュラータイプ」2種類、「メンソールタイプ」2種類、そして「フレーバーメンソールタイプ」4種類が展開される。もちろんどのタバコスティックも「プルーム・エス」と互換性あり
紙巻きタバコではレギュラータイプを吸うが、加熱式タバコではメンソールタイプを吸うという人は少なくない。その原因としては、加熱式タバコのレギュラータイプの味わいが全体的に物足りない、という点があげられるだろう。
しかし今回、「プルーム・エックス」と「メビウス・リッチ」の組み合わせからは、“レギュラー味新世紀”とも言うべき衝撃を受けた。デバイス自体もカスタマイズ性が高く、エモーショナルな嗜好品・愛着品としての魅力も高い。
そのうえ、気流調整のために、内部で圧縮されて先のほうが楕円形になるスティックの吸い殻は、ほぼ焦げ目がなく、ニオイも強くない。なかなかの無敵感が感じられた、「プルーム・エックス」初体験だった。
「プルーム・エックス」は、アクセサリーも充実。デバイスとスティックをスマートに持ち運べる「プルーム・エックス・ファブリック・キャリーケース」(左)を始め、本体に装着するカバー「プルーム・エックス・ファブリック・バックカバー」(中央上)や「プルーム・エックス・レザー・バックカバー」(中央下)、そしてデバイスを立てて充電できるスタンド「プルーム・エックス・ドッキングステーション」(左下)などがラインアップされる
クルマのエアコン吹き出し口に取り付けられる車載ホルダー「プルーム・エックス・カーホルダー」。前述の別売カバー「プルーム・エックス・ファブリック・バックカバー」と「プルーム・エックス・レザー・バックカバー」を装着した「プルーム・エックス」を固定できる
元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!