レビュー
PMJとJTの最新フラッグシップモデルを徹底比較!

5番勝負! 「アイコス イルマ プライム」と「プルーム・エックス」、実際どっちがいいの?

2021年8月、フィリップ モリス ジャパン合同会社(PMJ)とJTは、それぞれ新型の加熱式タバコデバイスを発売した。

PMJは、従来モデル「アイコス 3 デュオ」との互換性を廃止して進化させた「アイコス イルマ プライム」と「アイコス イルマ」を発売。JTは、気流に着目した独自技術と高温化により、従来モデルの喫味の弱さを克服した「プルーム・エックス」を発売した。

ここでは、各社のフラッグシップモデルと位置づけられる「アイコス イルマ プライム」と「プルーム・エックス」を、「吸い応え」、「メンテナンス性」、「使いやすさ」、「衛生面」、「ランニングコスト」の5つのポイントで比較してみた。

次世代加熱式タバコのフラッグシップモデル2機種。左が、PMJの「アイコス イルマ プライム」で、右がJTの「プルーム・エックス」

次世代加熱式タバコのフラッグシップモデル2機種。左が、PMJの「アイコス イルマ プライム」で、右がJTの「プルーム・エックス」

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【5番勝負(1)吸い応え】強い喫味を維持した「アイコス イルマ プライム」と、喫味を大幅にアップした「プルーム・エックス」

「アイコス イルマ プライム」(以下、「イルマ プライム」)と「プルーム・エックス」の進化はどちらも、加熱式タバコデバイスの心臓とも言える加熱システムに見られた。

「アイコス」は元々、最高加熱温度と最高の喫味で定評があったが、新モデル「イルマ プライム」においては、その喫味の強さをキープしながらメンテナンスフリーを実現するために、「加熱ブレード」を廃止。代わりに、専用タバコスティック「テリア スティック」の中心に金属片(誘熱体)を埋め込み、磁力を活用して中心加熱するという技術「スマートコア・インダクション・システム」を採用した。

「テリア スティック」内の金属片はいわば、“使い捨て”の「加熱ブレード」

「テリア スティック」内の金属片はいわば、“使い捨て”の「加熱ブレード」

「プルーム・エックス」はまず、従来モデル「プルーム・エス」では約200℃だった加熱温度を、一気に約295℃にまで引き上げ。さらに、従来の周辺加熱式に加え、スティックの内部に熱風を送り込むというコンベクション式を組み合わせた新加熱技術「ヒートフロー」を採用。これは、ヴェポライザー界では「ハイブリッド方式」と呼ばれる加熱方式で、強く深い喫味を実現できるものだ。

熱い空気をスティック内部に吹き込む「ハイブリッド方式」

熱い空気をスティック内部に吹き込む「ハイブリッド方式」

「イルマ プライム」の加熱温度は非公開ではあるが、従来の約300〜350℃を下回るとは考えにくい。いっぽうの「プルーム・エックス」は、約295℃の加熱を実現したことで、それらの温度差は肉薄した。また、「アイコス」は元々、独自の温度コントロールを自動で行っている機種だが、「プルーム・エックス」もまた、温度によって喫味の強さをコントロールできるようになった。

加熱システムの面だけで見れば、フラッグシップ2機種の喫味は初めて、ほぼ同レベルの域に到達したと言えるだろう。以下では、実際に使用してみて、吸い応えを比べてみた。

雑味とニオイがなくなった! 最強の吸い応え「アイコス イルマ プライム」

結論から言うと、「イルマ プライム」と「プルーム・エックス」の吸い応えは、レギュラータイプのスティック、特にリッチレギュラータイプでキャラクターの差を感じやすかった。

「イルマ プライム」では「テリア リッチ レギュラー」を吸ってみたが、1服目から従来の“アイコス味”とは異なるスムーズなクセのなさを感じられて驚いた。加熱式タバコ特有の甘酸っぱさは、ほぼ感じられないのだ。雑味はないが、しっかりとしたキックをノドに感じ、蒸気を吐き出す時もケムリ感があっておいしい。

正直、「イルマ プライム」の吸い応えは、加熱式タバコとしては最高点まで到達したのではないだろうか。これ以上の強さを欲する人は、現代ではもはや少ないのではないか、と思うほど、紙巻きタバコに非常に近い十分な喫味を体験できる。

いっぽうで、紙巻きタバコで感じられるいがらっぽさや臭みを醸し出すタール味は、ほぼ影を潜めている。したがって、タバコの吸い応えをタールで感じる人の中には、多少物足りないと思う人もいるかもしれない。

「イルマ プライム」専用タバコスティック「テリア スティック」のレギュラータイプのラインアップ。喫味の強さなどが異なる。写真の左端が「テリア リッチ レギュラー」

「イルマ プライム」専用タバコスティック「テリア スティック」のレギュラータイプのラインアップ。喫味の強さなどが異なる。写真の左端が「テリア リッチ レギュラー」

また、メンソールタイプやフレーバー系メンソールタイプのスティックを味わってみると、「イルマ プライム」の別の魅力が見えてきた。メンソールが実においしいのである。

なかでもバランスよく感じたのは、「テリア ミント」だ。雑味をなくしたレギュラータバコ味と清涼感が両立しているのだ。紙巻きメンソールタバコのような、凜々(りり)しいミント感がスキッとシャープに感じられ、ケミカル感のないウマさに仕上がっている。

なお、フレーバー系メンソールタイプも、ケミカル感は抑えられていた。

「テリア スティック」は、メンソールタイプ3種類とフレーバー系メンソールタイプを4種類ラインアップ

「テリア スティック」は、メンソールタイプ3種類とフレーバー系メンソールタイプを4種類ラインアップ

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全11種類レビュー! 「アイコス イルマ」専用「TEREA(テリア) スティック」吸い比べ
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重めの蒸気で「メビウス」と「キャメル」が吸える「プルーム・エックス」

加熱式タバコでは初となる、「周辺加熱×気流加熱」というハイブリッド方式を採用した「プルーム・エックス」。リッチなレギュラータイプのタバコスティック「メビウス・リッチ」を吸ってみると、加熱式タバコの「メビウス」シリーズでは初めてと言ってよいほどの強い吸い応えを感じられた。

蒸気は量が幾分多いようで、広がりとかすかな甘みのあるメビウス風味を携えて、ノドに重く、深くのしかかる。そして、ズシッと来るキック感。これが「プルーム」シリーズ最高峰の味か……。レギュラータイプのみではあるが、タバコ葉の中でも特に香りの高い、葉肉部分「ラミナ」をブレンドしていることが効いているのだろうか。

スティックの加熱時に感じる“ポップコーン臭”は、蒸気を実際に吸ったらいなくなった。「イルマ プライム」のシャープなスロートキックとは異なり、ズンと来るキック感。この吸い応えを待っていた。まるで「プルーム・エス」とは別物のような圧倒的進化を遂げた吸い応えである。ただ、後半になると、多少のタール感は感じられた。

「プルーム・エックス」専用タバコスティックのレギュラータイプのラインアップ

「プルーム・エックス」専用タバコスティックのレギュラータイプのラインアップ

抜群においしくなった「テリア」のメンソールタイプと比べると、従来スティックの延長線上のおいしさに留まっていると感じたのが、「プルーム・エックス」のメンソールとフレーバー系メンソールタイプのスティックだ。どのスティックも、従来スティックよりは多少おいしく感じられると思うが、驚くほどではない。ただ、フレーバー系メンソールタイプは、ケミカルさが薄れた気がする。

「プルーム・エックス」専用タバコスティックの、メンソールとフレーバー系メンソールタイプのラインアップ

「プルーム・エックス」専用タバコスティックの、メンソールとフレーバー系メンソールタイプのラインアップ

【5番勝負(2)メンテナンス性】完全メンテナンスフリーな「イルマ プライム」と、ほぼフリーな「プルーム・エックス」

「イルマ プライム」は、掃除が面倒なうえに折れやすかった「加熱ブレード」を廃止するだけでなく、「テリア スティック」の先端にフタ(シール)をすることで、タバコ葉が外に漏れる可能性を一切なくし、タバコ葉カスのない完全メンテナンスフリーを実現。これは、全「アイコス」ユーザーにとって夢のようなシステムである。

いっぽう「プルーム・エックス」は、スティック先端部分にはタバコ葉が露出しており、2〜3週間に1度くらいは付属のクリーニングスティックで、穴の奥を拭う必要がある。ただ、タバコスティックを本体に挿した時、スティックの先端部分はキュッと絞られる構造に設計されており、葉がこぼれにくくなっているため、さほど面倒ではなさそうだ。

神経質な人にとってみたら、本体ボディが鏡面仕上げなので、そちらに付く指紋のほうが気になるかも。

「イルマ プライム」のホルダー(左)と、「プルーム・エックス」(右)のスティック挿入口。どちらもブレードレスだ

「イルマ プライム」のホルダー(左)と、「プルーム・エックス」(右)のスティック挿入口。どちらもブレードレスだ

【5番勝負(3)使いやすさ】ハイエンド感あふれる「イルマ プライム」と、気軽に使える「プルーム・エックス」

使いやすさを語るうえで、まず大前提として、本体の形式が異なることを知っておきたい。「イルマ プライム」は、従来モデル「アイコス 3 デュオ」の血統を引き継ぐ、ポケットチャージャーとホルダーからなるセパレート式を採用。「プルーム・エックス」は、従来モデル「プルーム・エス」の流れをくむバッテリー一体型だ。

実際に使用した時の操作性を比べてみよう。

「イルマ プライム」の直感的な操作性

緞帳(どんちょう)のようなマグネット式のラップカバーを開け、ホルダーを取り出す形式に変更された「イルマ プライム」。ファーストインプレッションは、ちょっと重いと感じた。重量の実測値は141gだ。

ホルダー自体も、重量は「アイコス 3 デュオ」のホルダーの22gから、30.5gと多少重くなってはいるが、その代わり、アルミニウム製のおかげで見た目の高級感が増したとも言える。手に持った時の感触も、高級なシガーのような感覚で、いろいろともてあそびたくなる。

従来モデルのホルダーよりも、手にしっくりくる心地よい重み

従来モデルのホルダーよりも、手にしっくりくる心地よい重み

またホルダーは、手前に振ると、吸える本数をLEDで表示する「スマートジェスチャー」機能を搭載。さらに、Bluetooth機能も搭載しており、専用アプリと連携することで「ライトイルミネーション」の変更や、「アラート機能」のオン/オフなども可能になった。こうした新機能はてんこ盛りなのだが、それら機能を使わずとも、シンプルに操作できるのが「イルマ プライム」のよいところだと思う。さながら、アップル社の製品のようだ。

喫煙する際は、「ポケットチャージャー」からホルダーを取り出し、その穴に「テリア スティック」を挿すだけ。自動的に加熱がスタートし、バイブレーションを感じたら喫煙スタートだ。吸い終わったら、スティックを抜けば、自動停止。途中で喫煙をやめたい時も、スティックを抜くだけで加熱は自動停止する。スティック1本につき、6分間もしくは14パフ吸うことができる。これで、クリーニング不要と来れば、もはや言うことはないだろう。

充電は、USB Type-Cケーブル経由。タバコスティック1箱分(20本)を使用可能なフル充電には、約135分かかる。

5分以内ならパフ制限なしの「プルーム・エックス」

従来モデル「プルーム・エス」の流れをくむ、エルゴノミクス的な持ちやすさが特徴の「プルーム・エックス」。継ぎ目のない「ナストロデザイン」を採用し、重量は約95gと、バッテリー一体型としては軽量な部類に入る。

手のひらに吸い付くようなフィット感

手のひらに吸い付くようなフィット感

本体に凹凸はないが、鏡面仕上げのフロントパネルの中央にボタンが隠されており、押すとクリック感が感じられる。押すポイントがズレていると押せないことや、押し心地が重めであることは、多少気になる人がいるかもしれない。ちなみに、フロントパネルを取り外すとボタンそのものが現れるが、パネルを外した状態では押せない仕組みを採用している。チャイルドロックとして、活用できるわけだ。

また、「プルーム・エックス」は、スマートフォンとBluetoothでの連携も可能だ。対応ブラウザー上でバッテリー残量を詳細な数値で確認できるほか、デバイスロック機能も使用できる。さらに、スマホと「プルーム・エス」が最後に接続していた場所が確認できるため、デバイスを紛失した際にも役立ちそうだ。

喫煙の際は、フタを開けてスティックを挿し、フロントパネル中央を長押しして起動。バイブレーションを感じたら、喫煙可能のサインだ。吸い終わったら、スティックを抜いて、フタを閉めると電源オフとなる。

手のひらになじむボディデザインは最高だが、挿入口の穴のサイズが多少ゆるめの設定で、スティックが時々、唇にくっついて抜けてしまいそうになるのはイマイチだった。ただ、このコンパクトさで深い喫味を味わえるのはうれしい。

喫煙インターバルが短めの人だったら、1本の喫煙可能時間約5分の間であれば、パフ制限なしというのも魅力だろう。

充電には、USB Type-Cケーブルを使用。約110分でタバコスティック1箱分(20本)、140分かけてフル充電すると、約23本分吸える。

【5番勝負(4)衛生面】ニオイを低減した「イルマ プライム」と、とうもろこしのよい香りがする「プルーム・エックス」

これまで、ニオイの少なさは「プルーム」シリーズのアイデンティティーだったが、今回「イルマ プライム」が、タバコ葉をスティック内に密閉することで、高温加熱式では最高レベルでニオイの低減に成功してしまった。加熱式タバコ特有の甘酸っぱいポップコーンのような異臭は、「イルマ プライム」からはほぼ消えた。何らかの金属的なニオイは多少するが、タバコの臭さではない。また、何度も言うが、スティックが密封されているので、タバコ葉のカスはゼロ。さらに、吸い殻さえもほぼ臭わないことに驚く。

「プルーム・エックス」は、加熱を始めた途端に“ポップコーン臭”が香り始める。ただ、従来モデルよりも“香ばしさが増した、とうもろこしの香り”と表現できるものだ。また、その中に酸味も感じられないので、気になりにくいと思う。

さらにニオイについて言うと、本体にスティックを挿入すると、スティック先端が絞られる構造に設計されているので、タバコ葉自体がこぼれにくくなっているうえ、吸い殻は以前より臭わなくなった。

吸い殻の比較。ほぼ“無傷”の「イルマ プライム」のスティック(左)と、先端が楕円形に変形し、焦げ目も見られる「プルーム・エックス」のスティック(右)

吸い殻の比較。ほぼ“無傷”の「イルマ プライム」のスティック(左)と、先端が楕円形に変形し、焦げ目も見られる「プルーム・エックス」のスティック(右)

【5番勝負(5)ランニングコスト】贅沢な「イルマ プライム」と、庶民派「プルーム・エックス」

「イルマ プライム」のメーカー希望小売価格は、12,980円(税込/以下同じ)と、最近の加熱式タバコ業界の傾向からすると、初期投資としては高めだ。「プルーム・エックス」は3,980円なので、スタートラインで大きな差がつく。

専用タバコスティックのランニングコストは、次のとおり。

「イルマ プライム」用「テリア スティック」は、1箱20本入りで550円なので、1日1箱使用の30日換算で16,500円。2020年10月の値上げ後は、1箱580円で、30日換算費は17,400円となる。

「プルーム・エックス」用は、「メビウス」シリーズが1箱20本入りで540円なので、30日換算費16,200円。10月値上げ後は1箱570円で、30日換算費は17,100円となる。

驚くべきは、「プルーム・エックス」用の「キャメル」シリーズ。1箱20本入り500円なので30日換算で15,000円なのだが、10月のタバコ税増税以降も、「キャメル」のみ価格は据え置きの1箱500円なのだ。

ランニングコストを意識するなら、現状、「プルーム・エックス」で「キャメル」シリーズを利用するのが圧倒的に安いだろう。

なお、「イルマ プライム」には、従来モデルの「マールボロ ヒートスティック」に対する「ヒーツ」のような廉価版スティックがまだ用意されていないので、現時点では加熱式タバコ界一の贅沢デバイスと言える。

タバコ税増税にともなう値上げ後も、ワンコイン維持で圧倒的なコスパを誇ることになる「キャメル」シリーズ

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【まとめ】至福のタバコ時間を優雅に過ごしたいなら「イルマ プライム」、軽快に安価に楽しみたいなら「プルーム・エックス」

重厚な雰囲気をまとったハイエンド感満載の贅沢デバイス「イルマ プライム」。シガーに近いホルダーのホールド感や、和風エッセンスを取り入れた高級感のある本体デザイン、そしてニオイや汚れの少ない空間さえも実現した。今までの高温加熱式タバコの中では最も“タバコ感”が少ない、未来を感じさせる喫煙具だ。エモーショナルな観点で言えば、格段の差を見せつけている。

いっぽう、「プルーム・エックス」は、「イルマ プライム」よりも軽快で、現実的な喫煙具だ。タバコっぽさを少しでも感じたい人や、日本のタバコの代表銘柄「メビウス」を味わいたい人、そして「キャメル」ブランドが好き、あるいはとにかく安価に運用したい人なら、こちらに軍配が上がるだろう。

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清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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