特別企画

前澤さんがうらやましすぎるので、ロシアの「ソユーズ」ロケット組み立てキットを作ってみた!

2021年12月20日、実業家の前澤友作さんとアシスタントの平野陽三さんが宇宙旅行から帰還しました。前澤さんと平野さんは宇宙旅行者として12月8日にロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗って国際宇宙ステーション(ISS)へと渡り、地球を周回する史上最大の有人拠点で12日間を過ごしました。

筆者はアメリカ航空宇宙局(NASA)による打ち上げ時および帰還時のライブ配信を拝見していましたが、ロケットが発射台を離れた瞬間に見せた前澤さんの笑顔がとても印象的でした。念願の宇宙へと飛び立つロケット、その打ち上げ時の加速を身体で感じれば、きっと自分も満面の笑みがこぼれるはず……。

ポジティブなうらやましさを感じた筆者は、できる範囲で自分の気持ちに応えることにしました。私にできることといえばそう、プラモデル。今回製作したのはグッドスマイルカンパニーの1/150スケールキット「ソユーズロケット+搬送列車」です。

ソユーズ宇宙船とは?

ソユーズ宇宙船を搭載したソユーズロケットの打ち上げ(クレジット:Roscosmos)

ソユーズ宇宙船を搭載したソユーズロケットの打ち上げ(クレジット:Roscosmos)

ソユーズは現在ロシアが運用する有人宇宙船ですが、その歴史は古く、初飛行は旧ソ連時代の1966年にさかのぼります。もともとは有人月面探査のために開発された宇宙船で、言ってみればアメリカの「アポロ宇宙船」にとってライバルのような存在です。もしも歴史の流れが違っていれば、月へ向かう旧ソ連の宇宙飛行士が乗り込んだ宇宙船として、歴史にその名が刻まれていたかもしれません。

旧ソ連による有人月面探査は実現しませんでしたが、アメリカがアポロ宇宙船の運用を終えたこととは対照的に、ソユーズ宇宙船が歴史の表舞台から退場することはありませんでした。ソユーズは1970年代に始まった旧ソ連の宇宙ステーション計画で宇宙飛行士が地上と宇宙ステーションを往復するために用いられるようになって以降、現在でも国際宇宙ステーション(ISS)への飛行で使われ続けています。

また、ソユーズ宇宙船を打ち上げるロケットも「ソユーズ」と呼ばれていますが、こちらは旧ソ連が開発した大陸間弾道ミサイル「R-7」を起源としています。1957年10月に打ち上げられた世界初の人工衛星「スプートニク1号」や、1961年4月に世界初の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンが搭乗した宇宙船「ボストーク1号」を打ち上げたのも、R-7から派生したロケットでした。

ざっくりまとめると、ソユーズは旧ソ連時代からの長い歴史を持ち、改良を重ねつつもロシアの宇宙開発を支え続けるベテランの宇宙船&ロケットシリーズというわけです。

本キットのパーツ群。成型色が異なるパーツが用意されています。

本キットのパーツ群。成型色が異なるパーツが用意されています。

本キットはソユーズ宇宙船とソユーズロケットだけでなく、組立棟から発射台までロケットを運搬する搬送車両がセットになっています。

パーツは実物の塗装に応じて異なる成型色に分けられていて、色を塗らずに組み立ててもそれなりに満足できる仕上がりが期待できます。また、一部に接着剤の使用が推奨される部品もありますが、基本的に接着剤が不要なスナップキットになっているのもうれしいポイントです。

組み立ては宇宙船から第1段まで「上から下へ」の順番

本キットはソユーズ「宇宙船」に始まり、ソユーズ「ロケット」の先端から後端へと「上から下へ」順番に組み立てる手順になっています。最初に組み立てるソユーズ宇宙船はわずか4点のパーツから構成される小さな部分です。

手順「01」でソユーズ宇宙船の船体を組み立てたところ

手順「01」でソユーズ宇宙船の船体を組み立てたところ

本キットではソユーズ宇宙船の状態を「格納状態」と「航行状態」の2種類から選ぶことができます。格納状態にした場合はソユーズロケットに搭載することもできますが、搭載しなくてもキットを作ることはできるので、今回は航行状態を選びました。

格納状態と航行状態では、太陽電池アレイおよびドッキングシステム用アンテナのパーツにたたまれているか展開されているかの違いがあります。それぞれの状態に適したパーツをランナーから切り離してソユーズ宇宙船本体に取り付けましょう。太陽電池アレイのパーツにはシールも用意されています。

完成したソユーズ宇宙船(航行状態)

完成したソユーズ宇宙船(航行状態)

組み立て中の筆者はちょっとした完成気分に浸りながら写真を撮ったりしていますが、ここからはソユーズ「ロケット」の組み立てに移ります。

ロケットの組み立ては宇宙船を収める真っ白なフェアリングからスタート。左右に分割されたフェアリングを組み合わせ、先端には脱出用の小型ロケットを取り付けます。

宇宙旅行にも使われるソユーズロケットですが、打ち上げ時に絶対事故が起きないというわけではなく、実際に脱出装置が使われたこともあります。最近では打ち上げ中にトラブルが発生した2018年10月の「ソユーズMS-10」でフェアリング側に組み込まれている脱出装置が作動し、搭乗していた米ロの宇宙飛行士2名を生還させています。

フェアリング(太い部分)と脱出用ロケット(細い部分)を組み立てたところ

フェアリング(太い部分)と脱出用ロケット(細い部分)を組み立てたところ

フェアリングが完成したら、続いてロケットの第3段と第2段を順番に組み立てていきます。ソユーズロケットのエンジンはひとつの燃料ポンプから4つの燃焼室とノズルが枝分かれした構造になっていて、4つのノズルで1基のエンジンを構成しています。

第3段を組み終えたところ。ソユーズっぽさが少しずつ現れてきました

第3段を組み終えたところ。ソユーズっぽさが少しずつ現れてきました

第2段を組み立てたところ。途中で太さが変わるフォルムにソユーズロケットらしさを感じます

第2段を組み立てたところ。途中で太さが変わるフォルムにソユーズロケットらしさを感じます

その後は第1段の組み立てなのですが、ソユーズの第1段は4基あるので、キットでも同じ部分を4本量産する必要があります。

過去に製作した戦艦「武蔵」や駆逐艦「島風」といった、艦船模型で量産が必要な部分(戦艦であれば10基前後の高角砲や無数に並ぶ機銃など)に比べればやさしい量産数ですが、同じ手順を繰り返す作業はどうしても疲れやすかったり集中力が途切れがちになったりします。楽しいプラモデル作りといえども、休憩を挟みつつ進めることをおすすめします。

第1段のエンジン部分。2〜3ミリ四方の小さな部品もあるので要注意です

第1段のエンジン部分。2〜3ミリ四方の小さな部品もあるので要注意です

余談ですが、3段式のソユーズロケットでは第2段を取り囲むように4基の第1段が配置されていて、離陸時には第1段と第2段を同時に点火し、推進剤を使い尽くした第1段を先に切り離す仕組みになっています。この第1段を「ブースター」、第2段を「第1段」と呼ぶ場合もあります。

完成した第2段(中央)と4基の第1段。第1段が「ブースター」として扱われる場合もあります

完成した第2段(中央)と4基の第1段。第1段が「ブースター」として扱われる場合もあります

最後にフェアリングから第1段までをひとつに組み上げればソユーズロケットの完成です。画像や動画で何度も目にしているフォルムではあるものの、手に取って眺めることができるスケールモデルはワクワク感が違います。

完成したソユーズ宇宙船とソユーズロケット

完成したソユーズ宇宙船とソユーズロケット

手順は「はたらく鉄道車両」の組み立てへ

本キットはこれで組み立て終了ではありません。ここからはディスプレイを兼ねる搬送車両の組み立てが始まります。

ソユーズロケットは組立棟の屋内にて水平姿勢で組み立てられた後に、その姿勢のまま発射台へと運ばれてから垂直に起こされます。この輸送と発射台設置を担うのが搬送車両です。搬送車両は2両編成で、本キットでは先頭の車両から1両ずつ作成していきます。

一瞬何のキットを組み立て始めたのかがわからなくなるくらい搬送車両も作り込まれています

一瞬何のキットを組み立て始めたのかがわからなくなるくらい搬送車両も作り込まれています

後述するようにディスプレイ方法は2通りから選べるため、搬送車両の一部は可動するように作られています。特に2両目のピストンを組み込む部分は接着剤の使用を推奨するパーツも多く、慎重な組み立てが必要でした。

完成した2つの搬送車両。ここにソユーズロケットを載せることになります

完成した2つの搬送車両。ここにソユーズロケットを載せることになります

完成! ディスプレイ方法は2通りから選べる

搬送車両が完成したら、締めくくりにソユーズロケットをディスプレイします。ディスプレイ方法は「発射状態」と「搬送状態」の2通りから選ぶようになっていますが、後から組み換えることも可能です。どちらの状態で飾るとしても、まずは台座となるパーツ(レールを模した溝が掘られている)をランナーから切り離します。

発射状態の場合は台座が2段になるように組み立てて、搬送車両の1両目を下段に配置します。2両目は上段に配置しつつアームを立てた状態にして、ソユーズロケットを取り付ければ完成です。

搬送状態の場合は台座が一列になるように組み立てて、搬送車両の1両目と2両目を連結状態で配置します。アームは寝かせたままにしておき、その上にソユーズロケットを載せれば完成です。

発射状態を選んだ場合

発射状態を選んだ場合

搬送状態を選んだ場合

搬送状態を選んだ場合

筆者の場合、製作時間はソユーズ宇宙船&ソユーズロケットが約1時間30分、搬送車両が約1時間30分、合わせて3時間ほどでした(プラモデルの製作経験や塗装の有無などによって個人差があります)。まだまだ庶民には手が届かない宇宙旅行。本キットでその気分に浸れる……というわけではありませんが、宇宙に憧れを抱く人なら製作中も完成後もきっと満足できると思います!

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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