こんにちは! ガンプラマニアのポッチです。2022年4月9日に発売された「ENTRY GRADE νガンダム」ですが、おなじみニッパー不要かつ色分け良好、可動範囲も広いということで、初心者に最適なガンプラに仕上がっていました。
今回はそんなエントリーグレードのνガンダムと、過去に発売された、“同じ1/144スケールのνガンダム”がどう違うのか、徹底的に比較検証していきたいと思います!
今回検証するのは、1/144スケールのガンプラ「ENTRY GRADE νガンダム」「HGUC νガンダム」「RG νガンダム」の3体!
エントリーグレードというシリーズについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「ニッパー不要のガンプラ!? 『ENTRY GRADE RX-78-2ガンダム』を徹底検証!」
https://kakakumag.com/hobby/?id=16010
こちらが4月に発売された、新作のENTRY GRADE 1/144 νガンダム。価格は1,100円(税込)
まず「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」の感想を簡潔にまとめると、「ニッパー不要かつ最低限のパーツ数ながら色分けが優秀」という、初心者さんやガンプラ復帰を考えている方にも安心な親切設計に仕上がっている点があげられます。特に頭部の色分けとパーツ分割構造が驚異的で、ツインアイのグリーン部分が別パーツで色分けされていたり、ヘルメット部分の合わせ目がなかったりと、ストレート組みでも高品質なνガンダムを組み上げることができるのが最大の長所です。ただ、νガンダム最大の特徴である「フィン・ファンネルが付属しない」というのが弱点だったりします。
アクションベースなど3mm軸タイプのスタンドに対応。フィン・ファンネルが同梱しないのが寂しい……!?
左から「ENTRY GRADE」「HGUC」「RG」。それぞれ発売年にかなりの差があります。※中央のHGUCは少しだけ塗装してある状態です
ENTRY GRADE以外はフィン・ファンネルのほか、ニュー・ハイパー・バズーカやビーム・サーベルの刃パーツが付属します
今回比較するのは、先ほど紹介した2022年4月発売の「ENTRY GRADE νガンダム」と、2008年3月発売の「HGUC νガンダム」、そして2019年8月発売の「RG νガンダム」の3体。1/144スケールのνガンダムは1987年に旧キットである「1/144 RX-93 νガンダム」、1988年に「1/144 RX-93 νガンダム(フィン・ファンネル装備型)」も発売されていますが、今回は旧キットは除外しました。
それでは各部分をアップで比較していきましょう!
頭部を比較。ここに限りませんが、RG版は実機考証に基づくアレンジが施されており、ENTRY GRADE版とHGUC版とは別の顔つきで造形されているのが見て取れます
どのνガンダムも頭部の作り込みが優秀で、たとえば2008年に発売されたHGUC版でさえヘルメットが1パーツ成形になっており、合わせ目がないというすさまじい金型になっているのが特徴です。さらに最新版のENTRY GRADE版にいたっては、ツインアイにシールを使わず、パーツ分割にて色分けを実現しています。RG版はかなりのスタイリッシュアレンジが施されており、小顔になりリアルグレードらしいモールド量とバルカンの色分けが特徴的です。
胴体と腰部を比較。HGUCでは腰部中央のV字にホイルシールを使いますが、ENTRY GRADEとRGでは別パーツにて色分けされています。また、腰部がブロック構造のようになっていて柔軟にひねったり傾けたりすることができます
肩から腕を比較。RGには大量のリアリスティックデカールが付属するので、マーキングマニアにはたまらない細かなディテールを感じることができます
肩周りの可動範囲を比較。ENTRY GRADE版の劣っている部分がここで、HGUCとRGのほうが大きく腕を上げることができます
ヒジ関節の曲がり具合を比較。ENTRY GRADEとHGUCは90°強曲がりますが、RGでは180°近く曲げることができます
腰部後ろ側のアーマーを比較。RGは細かなイエロー部分などが色分けされています
RG版の腰部リアアーマーをアップで。付属するリアリスティックデカールには、ラー・カイラム(ロンド・ベルの戦艦)を表す「RA」マークが印刷されています。このあたりは価格的な差もあり、RG版の作り込みがすごいですね
脚部を比較。細かなイエロー部分は、HGUCよりもENTRY GRADEのほうがすぐれています
脚の曲がり具合を比較。ENTRY GRADEとRGがすぐれており、RGにいたっては「マルチリンクギミック」という技術が使われていて、曲げる動作に合わせて装甲がスライド可動する構造になっています
足裏を比較。ENTRY GRADEは低価格なこともあり、ぐるりと肉抜きがあるのが弱点といえそうです
背部を比較。ENTRY GRADEには、フィン・ファンネルとニュー・ハイパー・バズーカが付属しません
本体をアップで比較してみましたが、色分け・ディテール感・可動範囲に関してはRG版が勝っているのは当然といったところでしょうか。ただすごいのは、14年前に発売されたHGUC版も、頭部に合わせ目がなかったり、肩を上げる動作が得意だったり負けていないところが多々ある点です。
ENTRY GRADE版を買う前からわかっていたことですが、やはり「フィン・ファンネル」「ニュー・ハイパー・バズーカ」「ビーム・サーベルの刃パーツ」が付属しないのが寂しいところ。ここからはビーム・ライフルとシールドを比較してみます。
ビーム・ライフルを比較。ENTRY GRADEのみ人さし指を突き出したハンドパーツが付属せず、ライフルのトリガーガードが造形されていません。さすがにこのあたりの作りは簡易的になっているようです
シールドを比較。どのνガンダムにもユニコーンのアムロマークのシールが付属します
シールド裏側を比較。HGUCとRGの色分けが秀でていますが、ENTRY GRADEにもビーム・キャノンとミサイル4発が造形されています
フィン・ファンネルが付属しないENTRY GRADEですが、実はHGUC版から無改造で移植できます。ニュー・ハイパー・バズーカにも対応しているので、フル装備のνガンダムが好き、かつENTRY GRADEを軸に組みたい方はHGUC νガンダムとの合わせ買いがおすすめです。
バックパックの取り付け規格が同じで、無改造でフィン・ファンネルを移植することができます
HGUCに付属するニュー・ハイパー・バズーカも、バックパック中央にマウント可能です
やはりフィン・ファンネルを背負わすと落ち着きます……(笑)
ニュー・ハイパー・バズーカもハンドパーツにジャストフィットします
HGUC版から移植して楽しむことができるのがうれしい仕様ですね。ちなみに、同じ1/144スケールでもRGのフィン・ファンネルなどには対応していません。
ただ、ENTRY GRADEとHGUCを両方買って移植させるとHGUCのνガンダムがもったいないので、ほかからパーツを持ってきて「自分オリジナルのνガンダム」にカスタムするのも捨てがたい選択だと思います。その中から、ちょっとおもしろい組み合わせを見つけたのでご紹介しましょう。
別のガンダム作品になりますが、「HGBD:R 1/144 フェイクニューウェポンズ」を取り付けてみました
「ガンダムビルドダイバーズRe:RISE」シリーズのHGで発売された、フェイクニューウェポンズのフィン・ファンネルを取り付けてみました。こちらは元々、別売りのアルスコアガンダムにフェイクニューユニットを装備させて「フェイクνガンダム」を再現させるカスタムパーツなのですが、本家νガンダムに持ってくるのもおもしろいかと思います。取り付け基部のサイズが微妙に合っていないので小加工は必要ですが、簡単な改造で装着できますよ!
1/144スケールのνガンダム3体でディスプレイ。余談ですが、3体飾る場合は「魂STAGE ACT TRIDENT」を使うと見栄えがグッとよくなりますよ!
どのνガンダムもかっこいいですね!!
今回、1/144スケール「ENTRY GRADE νガンダム」「HGUC νガンダム」「RG νガンダム」の比較をして思ったのは、「RGだからすべてが最高!」ではないという点です。確かに驚異的な色分けにディテールの細かさ、可動範囲の広さなど頭ひとつ飛び抜けていますが、たとえばHGUC版は劇中再現度の高い体型バランスや顔つきで立体化されているのが長所だと思います。あの思い出深い映画の中のνガンダムを求めるならHGUC版を選択するのもアリですし、ENTRY GRADE版は両者の間のような「原作イメージを損なわない程度のスタイリッシュ体型」にアレンジされているという絶妙なラインをついていると思います。
それぞれでかなりの違いがある3体だと思うので、「あなたの理想のνガンダム」をチョイスしてみてくださいね!
あなたはどのνガンダムがお好みでしょうか?
ガンプラレビューサイト「ポッチのガンプラ+」の管理人でガンダムマニア。都内で出版・コンサル系の会社を経営しております。【ポッチのガンプラ+】https://gunplapocchi.com/