ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(以下、BAT)が展開する加熱式タバコデバイス「グロー・ハイパー」シリーズ専用のタバコスティックのなかで、低価格でありながら、無骨で濃厚なタバコ感を実現しているのが、「ラッキー・ストライク」シリーズだ。
今回、同シリーズに加わったのが、シリーズ最大量のメンソールを使用した「ラッキー・ストライク・ダーク・メンソール」と、フレーバーメンソールの「ラッキー・ストライク・イエロー・メンソール」。ヘビースモーカーの筆者が、その味わいを確かめてみた。
BATによる「グロー・ハイパー」シリーズ専用タバコスティック「ラッキー・ストライク・ダーク・メンソール」(写真左)と「ラッキー・ストライク・イエロー・メンソール」(写真右)。2023年2月に発売済みで、20本入り450円(税込)。今回のレビューに使用するデバイスの機種は「グロー・ハイパー・X2」(写真中央)
「ラッキー・ストライク」は、フィリップ モリス ジャパンの「マールボロ」と並ぶ人気の紙巻きアメリカンタバコブランド。特徴はガツンと来るストロングな味わいと、白地に赤い円のトレードマーク「ブルズアイ」で、発売は19世紀(1871年)という歴史あるタバコブランドのひとつだ。
そんな「ラッキー・ストライク」は、2021年11月に加熱式タバコ専用タバコスティックが登場。当初は1箱12本入り290円という価格設定でも話題をさらった(現在12本入りは廃止)。そのベースとなっていたのは、近年、洗練された味わいで人気の「ラッキー・ストライク・エキスパート・カット」シリーズだ。そして20本入りに統一された今も、20本入りで450円(1本あたり22.5円)と、加熱式タバコスティックの価格としては破格である。
「グロー・ハイパー」専用のタバコスティックは、タバコ葉を粉砕したまま、成形せずに自然な味を追求しており、細くカットした「グリセロールシート」を混ぜ込むことで、より濃く長く味わえる「ジェルテクノロジー」が採用されている。味の特徴は、濃厚すぎるほどのタバコ感。近年の加熱式タバコ専用スティックはニオイを低減する傾向があるが、「ラッキー・ストライク」はその流れに反し、吸い応えのキツさと、いぶしたタバコ臭さ、そしてワイルドな旨味があるのが特徴だ。もちろん紙巻きタバコよりは臭わないが、加熱式タバコ専用スティックのなかでは、1、2を争うキツめのタバコ臭が楽しめる。
「ラッキー・ストライク」という銘柄のブランド力は抜群! タフでワイルドなイメージのロゴがカッコいい
加熱式タバコ専用「ラッキー・ストライク」は全6種展開に。写真左からレギュラータイプ「ラッキー・ストライク・ダーク・タバコ」と「リッチ・タバコ」、メンソールタイプ「ダーク・メンソール」「メンソール」、フレーバーメンソールタイプ「ベリー・メンソール」「イエロー・メンソール」
いぶし風味で賛否の分かれる「ダーク」を強烈メンソールアレンジ
「ラッキー・ストライク・ダーク・メンソール」を、まずは標準モードで吸ってみた。強烈な冷たいメンソールがノド奥をヒット! そのまま鼻の奥まで突き抜けていく強烈な刺激に驚いた。さすが「シリーズ最大量のメンソール」とうたっているだけある。油断していたら、むせてしまうレベルだ。
いぶした香りのレギュラータイプ「ダーク・タバコ」がベースだが、キツいタバコ臭が冷感メンソールでマスキングされている分、こちらのほうが吸いやすい。
次は、温度を上げて喫味を高める「ブーストモード」で吸ってみた。すると、冷感メンソールがほどよく揮発し、怪しく罪深い、そして濃厚なタバコ味がせり出てきた。ワイルドに煙を出しながらもタバコの旨味が際立つ。これは紙巻きタバコ「エキスパート・カット」シリーズのおいしさに近い。
「ブーストモード」では、レギュラータイプ「ダーク・タバコ」特有のクセを、清涼感で中和しつつ、タバコらしさをきちんと残す配分にしているようで、実においしい。
紙巻きタバコから乗り換える人でも、メンソールユーザーなら、すんなりと移行できるに違いない。
もうひと声で“罰ゲーム”になりそうなほど強烈なメンソールぶり
強すぎない清涼感と、トロピカルフルーツの組み合わせ
「ラッキー・ストライク・イエロー・メンソール」のパッケージを開けると、トロピカルフルーツを感じさせるアロマがふんわりと漂った。まずは標準モードで吸ってみた。「ダーク・タバコ」特有のいぶした風味は、ほどよい冷たさのメンソールとフルーティーさで中和されており、吸いやすい。ただ後半は、ロースト感が次第に強まり、南国テイストは奥に引っ込んでバランスが崩れてしまうのが惜しい。
次は「ブーストモード」。こちらのほうがトロピカル感が強まった。高温でメンソールがほどよく飛んで、パイナップル的なアロマが前面に出てくる。後半は「ダーク・タバコ」のロースト感が強くなるのだが、意外と気になりにくく、おいしく楽しめた。
今回紹介した「ラッキー・ストライク・ダーク・メンソール」と「ラッキー・ストライク・イエロー・メンソール」はどちらも喫味は濃いが、クセが強すぎると感じる人も多い「ダーク・タバコ」を吸いやすくアレンジしたものだった。450円という財布にフレンドリーな価格設定で、強烈なタバコ感を味わいたい、ただクセはそこそこ抑えてほしいというユーザーの望みに応えた製品に仕上がっていた。
ただ、あえてもう一度言っておくと、ニオイは強力だ。強メンソールもトロピカル風味も、「ダーク・タバコ」のいぶした風味は隠しきれない。特に吸い殻のニオイは強烈なので、周囲の人のことを考えるなら、密閉できる灰皿が必須だ。
価格は抑えてタバコ味は強烈。まさに庶民の味方
元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!