レビュー

新しいベイプ!? いえ、「私はこれで高濃度酸素を補給しました」

人間は酸素なしでは生きられない。

酸欠の苦しさは、吐いた息を吸ってしまうコロナ禍のマスクによって、誰もが多かれ少なかれ体験しただろう。特に炎天下や運動時のマスクは息苦しくて不快。酸欠症状のひとつでもあるあくびも止まらなくなるし、集中できずに仕事のパフォーマンスは落ちるし、疲れも取れず、時には頭だって痛くなる。

そんな酸素不足の解消のために、従来よく使われてきたのはスプレータイプの酸素缶だ。さらに近年は、アスリートの間で“飲む高濃度酸素補給水”「WOX(ウォックス)」も人気だという。

今回使用したのは、その「WOX」をベイプ(電子タバコ)のように蒸気にして吸引できる高濃度酸素補給デバイス「酸素PAIPO(パイポ)」だ。一体どのような体験が待っているのだろうか。

39年のロングセラー「禁煙パイポ」で知られるマルマンH&Bの「酸素PAIPO」。フレーバーは2種類で、写真左が「エナジードリンク」で右が「ブルーベリー」。充電不要で約300回吸引可能な使い切りタイプ。各2,750円(税込)

39年のロングセラー「禁煙パイポ」で知られるマルマンH&Bの「酸素PAIPO」。フレーバーは2種類で、写真左が「エナジードリンク」で右が「ブルーベリー」。充電不要で約300回吸引可能な使い切りタイプ。各2,750円(税込)

昭和時代からロングヒットを続ける「禁煙パイポ」から「ウェルネスパイポ」がスピンアウト

昭和世代の禁煙のお供として大ヒットした「禁煙パイポ」は、39年にわたるロングセラー製品。タバコ葉の代わりにミントを吸引して禁煙を実現する「ハッカパイプ」を、手軽なシガレットタイプに応用した禁煙補助製品だ。2018年には「電子パイポ」というベイプ製品も発売されている。

そんなパイポブランドからスピンアウトしたのが、新設「ウェルネスパイポ」シリーズ。第1弾として登場したのが「酸素PAIPO」である。

「O2(酸素)」を前面に打ち出したパッケージ。どちらもノンニコチンでノンメンソール

「O2(酸素)」を前面に打ち出したパッケージ。どちらもノンニコチンでノンメンソール

吸い口であるドリップチップを見ても、やっぱりベイプに似ている

吸い口であるドリップチップを見ても、やっぱりベイプに似ている

長い板ガムのような形状で厚さは約6mm。全長は104mmで幅は18.5mm。重量は実測値で約15.1gだ

長い板ガムのような形状で厚さは約6mm。全長は104mmで幅は18.5mm。重量は実測値で約15.1gだ

酸素を飲む? アスリートに人気の高濃度酸素水「WOX」と「酸素PAIPO」の関係

「酸素PAIPO」の見た目は、いわゆるPOD型の使い切りベイプそのもので、構造も内部リキッドを加熱して発生した蒸気を吸入するのでベイプと同じだ。では一体、どうやって酸素が補給できるのだろう?

その秘密はリキッドに使用している高濃度酸素補給水「WOX」にある。「WOX」はそれまで空気を吸って肺で吸収していた酸素分子を水分子で包み込み、それを高濃度のまま飲んで消化管で吸収できるようにしたドリンクである。その技術は、日本、米国、中国で物質特許取得済み。高濃度酸素の素早い補給が結果を左右するアスリートを中心に人気だという。

「酸素PAIPO」は、そうした「WOX」をリキッドとして水蒸気化することで吸えるようにした製品だ。1周回って、また吸って補給することになるわけだ。なお水蒸気化することで、肺だけでなく粘膜全体で高濃度酸素を吸収できるという。

累計販売本数400万本を突破した「WOX」は、一見ペットボトルのミネラルウォーターのようだが、1本600円を超えるスペシャルドリンク(「酸素PAIPO」公式サイトより)

累計販売本数400万本を突破した「WOX」は、一見ペットボトルのミネラルウォーターのようだが、1本600円を超えるスペシャルドリンク(「酸素PAIPO」公式サイトより)

パッケージから「WOX」とのコラボ製品であることがわかる。「パイポ」のロゴは本作から一新された

パッケージから「WOX」とのコラボ製品であることがわかる。「パイポ」のロゴは本作から一新された

【体験レビュー】「酸素PAIPO エナジードリンク」
ライトなエナジードリンク感でクセがなくて吸いやすいが……

ボディがゴールドに輝く、エナジードリンク風味のフレーバー

ボディがゴールドに輝く、エナジードリンク風味のフレーバー

パッケージを開けて手に取ってみると、ボディがアルミ合金製でとても軽い。付属の保護キャップを取り外し、まずはアイドリング的な意味合いで、軽く3回ほど吸い込み、蒸気が出てきたところで口の中にいったん溜めて、ぐっと吸い込んでみた。

最初の数回はハチミツ感のある甘酸っぱいエナジードリンク風味が広がるが、結構早めに薄まった。ニオイは感じるものの、すぐに分解されて無臭になるので、周囲に迷惑もかけにくいところはよい点だ。

リキッド成分は「酸素、水、グリセリン、PG、エタノール、香料」なので、ノドへのキック感は一切なし。そもそも、タバコの代用品でもないので、そこを求めるのは筋違いである。

ひと吸いにつき、3秒程度の吸引がちょうどいいようだ。ベイプ的に一気に肺まで吸うこともできるが、ドロー(吸い込む力)が重いので、口に蒸気を溜めてから吸うのに向いている。

通常、ベイプを吸ってもニコチンが入っていないので何も起こらず、フレーバーをおいしく楽しむだけだが、「酸素PAIPO エナジードリンク」は味の薄い分、結果的に味よりも酸素の補給を意識してしまった。10分程度楽しんでみたが、これにより作業のパフォーマンスが上がったかというと実感はなかった。

【体験レビュー】「酸素PAIPO ブルーベリー」
甘酸っぱさがほんのりと広がってリラックスできた

鮮烈なブルーのボディ

鮮烈なブルーのボディ

次は「酸素PAIPO ブルーベリー」を体験。こちらも最初はブルーベリーのフルーティーさが強かったのだが、すぐにライトなフレーバーに落ち着いた。ベイプリキッドは香料が強いことが多く、連続で吸うとうんざりすることも少なくないが、「酸素PAIPO」はどちらも飽きずに吸える点が優秀だ。

こちらも5分程度フレーバーを楽しんでみたが、続けて吸ったことで酸素が行き渡ってきたのか、気持ちが落ち着いた気がする。もちろんカフェイン的高揚感のような派手さはないが、じわじわとヘルシーさが身体に行き渡ってきたような気がしたのだ。

とてもマイルドな蒸気。これがウェルネスの味か!

とてもマイルドな蒸気。これがウェルネスの味か!

【まとめ】健康志向をさらにもう1ステップ高めたいならコレ!

「酸素PAIPO」は、タバコの代替品としてスパスパ吸うようなものではない。なぜなら2,750円で約300回の吸引回数というのは、たとえば加熱式タバコ「アイコス イルマ」の専用スティック「テリア」に換算(1本につき15回吸うとして)すると、1箱(20本)程度だからだ。ちなみに「テリア」は現在1箱580円だ。

ひと吸い約9円。とはいえ、タバコとは正反対にヘルシーな影響を及ぼすものなので、タバコ的なコスパというよりもサプリメント的な価値で考えるほうが適切だと思う。

清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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