三者揃い踏みの今、あなたに向いているのはどれ? 

「アイコス」「グロー」「プルーム・テック」を比較! 加熱式タバコの現状をまとめてみた

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嫌煙ムードが加速している今、すさまじくヒットしているのが、火を使わない「加熱式タバコ」だ。タバコ葉を燃やさずにニコチンを発生させることで、タールなどの有害物質を9割ほど軽減できるのが特徴。本人はもとより周囲への配慮として、有害副流煙の削減になるのが大きなメリットだ。

2017年2月現在、日本に流通している加熱式タバコは、昨年2016年に放映されたテレビ朝日系「アメトーーク!」をきっかけに大ヒットを記録した「iQOS(アイコス)」(フィリップ モリス ジャパン)。そのヒットに続けとばかりに、これまた予約不可の大ヒットとなった「Ploom TECH(プルーム・テック)」(JT)。宮城県仙台市限定発売という実験段階ながらも大いに話題を呼んでいる「glo(グロー)」(BAT)の3種類だ。三者揃い踏みとなった加熱式タバコの現状を、「入手のしやすさ」「ニコチンを発生させる仕組み」「使いやすさ・喫味」「コストパフォーマンス」といった側面から改めて比較したい。
(2017年2月6日更新)

左が「アイコス」、右が「グロー」、下の細長いのが「プルーム・テック」だ

左が「アイコス」、右が「グロー」、下の細長いのが「プルーム・テック」だ

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<目次>
・一番入手しやすいのはどれ?
−唯一の全国販売「アイコス」
−仙台市限定の「グロー」
−2017年6月より東京都でも発売予定「プルーム・テック」

・それぞれの加熱方式をチェック
−中心から加熱する「アイコス」
−周りから加熱する「グロー」
−「電子タバコ」に近い「プルーム・テック」

・使いやすさと喫味を比較
−不満は多いが“タバコ感”は強い「アイコス」
−「アイコス」の不満を解消する「グロー」
−ほぼ無臭の「プルーム・テック」

・コストパフォーマンスを比較
−保障期間後が怖い「アイコス」
−「アイコス」よりは安い「グロー」
−実は圧倒的有利な「プルーム・テック」

・こんな人にはこの加熱式タバコ

どれも品薄なのはわかっているけど、一番入手しやすいのはどれ?

とにもかくにも、手に入らなければ話にならない。まずは、それぞれの現在の販売状況を確認しておこう。

唯一の全国販売「アイコス」

2017年2月の時点で唯一の全国発売という点では、「アイコス」が一番入手しやすい。とはいえ首都圏のみに存在する「アイコスストア」に並んでやっとゲットできるかどうか……というのが現状。まれにコンビニエンスストアに入荷されることもあるものの、予約などは受け付けていない。ネットオークションなどで高値で転売されているが、思ったより壊れやすいので保証は必須。正規ルートで購入したほうが無難だ。

「アイコス」のスターターキット。充電用のケーブルはもちろん、クリーニングブラシのほかに専用の清掃用綿棒もついてくるという充実した内容だ

宮城県仙台市在住でないと入手できない「グロー」

「グロー」は宮城県仙台市在住者でないと購入できない。ネット販売も在住者のみという徹底ぶりで、近郊に住んでいない人にとっては選択肢にも入らない。

「グロー」のスターターキット。仙台在住の人以外は製品もカートリッジも見ることはできないレア製品だ。早めの全国発売を願いたい

2017年6月に東京都内、2018年上期には全国で販売開始予定の「プルーム・テック」

2016年3月に福岡県福岡市限定で店舗販売が開始された「プルーム・テック」。発売当初より、オンラインストアでは全国から入手できたが、これもまた生産が追いつかず、現在販売を中止している。しかし、2017年2月、6月には福岡県福岡市に加え東京都内で、2018年上期には全国での販売を開始することがアナウンスされた。
(2017年2月6日更新)

「プルーム・テック」のスターターキットは、実質本体とACアダプターとUSBチャージャー。中央のグレーの大きな樹脂製のケースは野暮ったく、あまり持ち歩く気がしない

ニコチンを発生させる仕組みにもそれぞれ違いがある

加熱式タバコは、タバコ葉を「燃やす」のではなく「加熱する」ことによってニコチンを発生させる仕組みだが、その方式には製品ごとに違いがある。「アイコス」と「グロー」はほとんど同じ仕組みだが、「プルーム・テック」のみ少々構造が違う。

「ヒートスティック」を中心から加熱する「アイコス」

「アイコス」は、蒸気を発生させるグリセリンを染み込ませた特殊加工のタバコ葉が入った紙巻きタバコ状の「ヒートスティック」を加熱ブレードに刺し、加熱して蒸気を吸い込む方式。

「アイコス」本体の中に仕込まれた加熱ブレード。ここにヒートスティックを刺して使うのだが、これが汚れやすく、折れやすいのが玉にキズ。ちなみに「アイコス」スターターキットにはクリーニングブラシのほか、専用の清掃用綿棒もついてくるが、これはベビー綿棒に無水エタノールを染み込ませることで安価に代用可能

ヒートスティックを刺すのにもコツがいる。最初のうちは失敗してうまく刺さらず、スティックをムダにしてしまうことも多かった

細い「ネオスティック」を周りから加熱する「グロー」

「グロー」は、細身の「ネオスティック」を周囲から温めて蒸散させる仕組み。太めの「ヒートスティック」を中心から加熱する「アイコス」に比べ、喫味は軽くなる。

バッテリーと一体なので、本体に「ネオスティック」を差したまま吸う独特のスタイル

バッテリーと一体なので、本体に「ネオスティック」を差したまま吸う独特のスタイル

「電子タバコ」に近い仕組みの「プルーム・テック」

「プルーム・テック」は、蒸気を発生させるグリセリン類を染み込ませた専用カートリッジとタバコ葉の入ったたばこカプセルを分けているのが特徴だ。構造は、発生させた蒸気を、粉状になったタバコ葉の詰まったカプセルを通過させて吸い込む方式で、「電子タバコ」に近い。

「プルーム・テック」は「アイコス」、「グロー」に比べると嘘のようにスリムで軽い

「プルーム・テック」は「アイコス」、「グロー」に比べると嘘のようにスリムで軽い

なんだかんだでコレが重要! 使いやすさと喫味を比較

続いて、実際の使用感や「タバコ」としての味について比較してみよう。

1本ごとに充電が必要で壊れやすく、ひんぱんな手入れが必要。デメリットは多いがタバコ感は強い「アイコス」

3種類の加熱式タバコを試した筆者が感じる「アイコス」のメリットは、3種の中でもっとも紙巻きタバコに近い喫味を味わえるということ。デメリットは、本体に1本分の充電しかされないために、連続吸いができないことだ。

1本吸うごとに6分ほどの充電が必要。「iQOSポケットチャージャー」は本体充電約20回分の充電が可能なので、ポケットチャージャーごと持ち歩き、本体をつねに充電しておく必要がある。なお、充電時間が約20%短縮され5分程度となった新モデル「IQOS 2.4 Plus」が、2017年3月3日より全国のIQOSストアで先行発売されている(※2017年3月8日追記)

また、故障が多いというのもよく言われる。ヒートスティックを刺す加熱ブレードは清掃中に折れることが多く、充電器自体の不具合も多いようだ。1年保証は付いているので、繋がりにくいサポートに電話するか、アイコスストアなどで交換も可能だが、保証期間を過ぎると一気にコストアップとなるだろう。

使用後のヒートスティックは、本体上部をスライドさせてから抜く。そのまま抜くと葉の部分が中に残り、次のスティックが刺せないというトラブルを招く

さらに、紙巻きタバコほどではないが、特有の酸味のあるニオイがあり、髪や服にまったくニオイがつかないわけではない。手入れを怠ると途端に臭いがきつくなっていくので、わりと頻繁に内部を清掃する必要がある。細かい作業が苦手な人にはあまり向いていない。

火を使わないがゆえに、そのままゴミ箱に捨てても大丈夫という触れ込みだった「アイコス」だが、わりとニオイがきついので、実際問題、灰皿は必要だと感じる

「アイコス」のデメリットを解消している「グロー」

「グロー」は「アイコス」に似た方式だが、加熱ブレードを採用していないので、「アイコス」に比べて壊れにくく、クリーニングの頻度も少なくて済む。また、バッテリーと一体式なので、本体が重くはなるが、連続使用が可能で、フル充電から、1本につき約3分使用した場合、約20本分も連続して吸うことができる。後発品だけあって、「アイコス」のデメリットを解消した製品となっている。ただ、本体の壊れやすさに関しては、発売から時間が経っていないので未知数。

「グロー」を吸っていると、一瞬ストローを刺したパック入り牛乳を飲んでいるように見える(笑)。そのうえ仙台市以外では使用者がほぼいないため、都内では非常に目立つ

ただ、「グロー」に使用する「ネオスティック」は細身のため、「アイコス」に比べると喫味は随分と軽くなるのがデメリットといえばデメリット。もともと軽いタバコを吸っていた人間にとっては問題ないかもしれないが。

圧倒的にスティックの細い「グロー」。穴に入れるだけと簡単なのはいいが、吸っていると唇にくっついてすっぽ抜けやすいのがやや難点

連続吸い可能でクリーニング不要。ほぼ無臭だが喫味が軽〜い「プルーム・テック」

「プルーム・テック」は、本体の充電こそ必要なものの、「プルーム・テック専用たばこカプセル」にカートリッジも同梱されており、1箱分使うごとにカートリッジごと交換してしまうのでクリーニングの必要がなく、故障率はおそらく一番低いだろう。

蒸気を発生させるカートリッジ(右端)が1箱に1個入っている

蒸気を発生させるカートリッジ(右端)が1箱に1個入っている

本体に取り付けたカートリッジに「たばこカプセル」をセットして使用する

本体に取り付けたカートリッジに「たばこカプセル」をセットして使用する

本体は分離して充電。一度充電すればたばこカプセル5個分(1箱)の連続使用が可能になる計算

本体は分離して充電。一度充電すればたばこカプセル5個分(1箱)の連続使用が可能になる計算

特筆すべきは、その無臭ぶり。葉を直接加熱させることがないので、「アイコス」ユーザーでもそのニオイのなさには驚くだろう。非喫煙者の目の前で吸ってもタバコ臭を感じさせない徹底した無臭ぶりは、その他の加熱式タバコと同列線上で語るのもはばかられるほど。「プルーム・テック」こそが未来のタバコに一番近い存在だと思う。

さらに、吸い終わった後は、プラスチックの小さなパーツがゴミになるだけ。そのままポケットに入れてもニオイは感じない。ただその分、喫味としてはタバコ感は少なくなるので、紙巻きタバコからいきなりの移行は難しいかもしれない。

それぞれのコストパフォーマンスを比較

「加熱式たばこに切り替えよう」という人は、毎日のようにタバコを吸っている人がほとんどだろう。気になるコストパフォーマンスもチェックしよう。

1年間の保障期間が切れた後が恐ろしい「アイコス」

「アイコス」のスターターキットは、定価9,980円(税込。初回のみ3,000円引きキャンペーン実施中)。ヒートスティックはマールボロ銘柄4種類(2017年3月中旬には、2種類の新たなフレーバーを発売予定)で各460円(税込)。本体は保証期間が1年なのだが、先述のとおり壊れやすいので、1年を過ぎて故障すると大きな支出になる可能性が高く、今から不安になる。

ヒートスティックは、全国のコンビニエンスストアやタバコ店で入手可能だ。フレーバーはどれも「マールボロ」と言いつつも、紙巻きタバコの味わいとはまったくの別物であることに注意。加熱式タバコ全体に言えることだが、特有のニオイに慣れるまではリアルタバコでメンソールを吸っていなかった人でも、メンソールタイプを選んだほうがいい

本体、カートリッジともに「アイコス」より安い「グロー」

「グロー」のスターターキットは通常価格8,000円(税込)で、現在はキャンペーン価格で4,000円(税込)で販売されている。「アイコス」よりは安く、「プルーム・テック」よりは高い。ネオスティックは各420円(税込)と、アイコスより40円も安い。

人気銘柄「ケント」をベースにした3味展開

人気銘柄「ケント」をベースにした3味展開

コスパ的に圧勝な「プルーム・テック」

本体に直接充電する方式のためか、スターターキットは定価4,000円(税込。2,000円引きキャンペーン実施中)と格段に安い。ただ、紙巻きタバコの「メビウス」に比べると割高な1箱460円。

フレーバーは3種類。ただし、福岡県以外ではカートリッジは送料が必要なネット通販でしか入手できないうえ、現状ではまとめ買いに上限が設けられているので注意

しかし、「プルーム・テック」のコストパフォーマンスは、実はほかの2つに比べて圧倒的にいい。なぜかというと、「プルーム・テック」のみ、喫煙の中断が可能だからだ。「アイコス」も「グロー」も一度加熱すると途中でやめて再加熱はできないが、「プルーム・テック」は必要な時のみ蒸気を出し、たばこカプセルを通す構造なので、断続的なスモーキングが可能。つまり、「途中で消す」という行為がなくなり、たばこカプセル分はムダなく吸えるため、結果的にコストは最小限に抑えられるというわけだ。

あなたに向いているのはどの加熱式タバコか

「アイコス」は3つの中でもっともタバコ感が強いため、紙巻きタバコでタール値高めのものを吸っていた人に向いている。そして普及率の高さから、喫煙所などで吸っていても目立ちにくい。周囲にユーザーが多いならまずはここから始めるのもいいだろう。ただし、こまめな手入れは覚悟してほしい。

「グロー」の喫味は「アイコス」と「プルーム・テック」の中間。1本ごとに充電しなければならない煩わしさ、加熱ブレードの掃除のめんどうという「アイコス」ユーザーの悩みのタネを解消しているのが最大のポイントだ。好みは分かれそうだが、最先端ガジェット好きの人なら手に入れたくなるディテールにまでこだわったデザインの魅力もある。

「プルーム・テック」に向いているのは、とにかくタバコに関するコストを下げたい人と、周囲にニオイをまき散らしたくない人。普段から軽いタバコを吸っている人なら違和感も少ないと思う。ただかなり細長い本体なので、喫煙所では目立つかも。

とはいえ、この3つの加熱タバコ製品のどれを選ぶか悩めるようになるには、供給が追いつくまで、もう少し時間が必要だろう。しかし、建物内原則禁煙の機運も高まっている昨今、喫煙者は遅かれ早かれ紙巻きタバコから卒業しなければ非常に厳しい時期がやってくるのかもしれない。

確かに味の面ではまだまだ改良の余地がある加熱式タバコだが、今後も進化を遂げていくことは確実。それにそもそもタバコは嗜好品であり、慣れという要素は非常に大きい。筆者も今では普通の紙巻きタバコは、吸わなくなってしまった。もちろん2週間程度は違和感があったが、ニコチンは摂取しているので厳密には禁煙しているわけではなく、やっかいな禁断症状は起こらない。人様に迷惑をかけたくない気持ちが大きい人なら、精神的にも楽になれる。興味のある人はぜひ試してみてほしい。

公開日:2017年1月19日
最終更新日:2017年3月8日

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清水りょういち

清水りょういち

元「月刊歌謡曲(ゲッカヨ)」編集長。今はめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として活動。家電や雑貨など使って楽しい商品のレビューに命がけ!

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