いいモノ調査隊
アクアリウムの難敵対策

水槽内の青〜いコケを防止する“すごい砂利”の効果は!?

魚に害はないコケだけど、やっぱり見苦しい…

アクアリウム趣味歴38年の自動車ライター、マリオ高野です。
子供の頃から淡水の小動物を飼育するのが大好きで、自室やベランダには合計10本以上の水槽があり、常に何かしらの淡水魚を飼育しています。ライターとしてではなく、飼育者として『月刊アクアライフ』という熱帯魚雑誌の表紙に載ったことも。

南米原産の魚種を好んで飼育しており、飼育難易度の高い「アピストグラマ・エリザベサエ」という魚を繁殖させたりとかしています

といいながらも、マニアとしてはたいしたレベルではなく、実態はただ長くやっているだけなのですが、失敗の経験だけは人一倍豊富。それなりに語れる分野ということで、今回はアクアリウム関連の注目アイテムを試してみました。

一般的に、アクアリウムをやっていて最も厄介なことの1つが「コケ」だと思います。
趣味というほどではなくても、誰もが人生で一度ぐらいは金魚やメダカ、熱帯魚などを飼育した経験があると思いますが、たいがい水槽がコケだらけになり、イヤになってやめてしまうのではないでしょうか?

コケは、多くの水生生物にとって害はなく、むしろあったほうがよかったりするものの、コケの生えた水槽は観賞価値が激烈に悪化します。中は悪臭を放つものもあるため、多くの人はコケを忌み嫌います。盆栽の土の上に生えるコケはきれいでも、水中のコケはなぜか見苦しく感じるんですよね。マニア目線で見れば、中には観賞に十分堪えるコケもあるんですけど。

長くやっている私も、コケには悩まされてきました。南米原産のポピュラーな魚種「アピストグラマ・アガシジィ」も好んで飼っています

コケが増えるのは水質が悪くなっているから

また、コケそのものは害ではありませんが、コケが増えすぎる環境は魚にとってよくない状態である場合が多いでことも厄介なポイント。有機物が多いと水は腐敗しやすくなりますし、アンモニアは強い毒性を発揮します。水槽がコケだらけになると魚が死んだり弱ったりするのは、コケそのものが悪いのではなく「水が悪くなっているから」なのですね。コケで魚が見えなくなるとイヤになったり飽きたりして、その水槽への関心が薄れることも魚を死なせたり弱らせたりする遠因となります。

水中の余計な物質を吸収する「すごいんです砂利」

コケを発生させないためのコツ、発生したコケを減らすための対処法もありますが、今回は「長期間コケや藻類の発生を抑える」効果をうたう、コトブキ工芸の「すごいんです砂利コケ防止」の効果をお伝えします。コトブキ工芸は、アクアリウム界隈(かいわい)では絶大な信頼と実績のある老舗ブランドなので、大きな間違いはないはずとの安心感がありますが、はたして。

コケ防止効果の自信のほどが伝わる、かなり強気のパッケージです。「すごいんです」シリーズは砂利のほか、フィルターやケミカル剤もラインアップされています

そもそもコケが増える原因は、魚のフンから出るアンモニアやエサの食べ残しなどの有機物により水中が富栄養化することにあります。要するに、魚の数やエサの量が多ければ多いほどコケの肥料が増えるということで、多くの場合、水槽の大きさに対して魚の数が多すぎたり、エサをあげすぎたりすることがコケの大発生のもとになります。屋内での観賞用とする場合、照明をつけている時間が長すぎることもコケの成長を促します。

「魚は少なめ」「エサは少なめ」「照明は短め」
この三大原則を守ればコケの発生は最小限に抑えられる

これはペットショップでも説明されますし、多くの人はなんとなくわかっていることなのですが、それでも前述したコケの原因を完全に解消するのは至難の業です。せっかく水槽をセットしたのにメダカが2〜3匹しかいないのは寂しいし、エサはおなかいっぱい食べさせてやりたくなるもの。犬や猫などと違って魚はスキンシップや散歩ができず、飼育者がやれることといえばエサをあげることしかないからなおさらです。照明は8〜10時間が適当といわれても、観賞用として飼育する以上、人が活動している時間は明るい状態で眺めていたいものですからね。

そんなわけですから、いくらわかっていても結局は結果的にコケ育成環境を整えてしまうのが人の性というものです。35年やっている私もしょっちゅう失敗しますが、グッズで多少なりとも解消できればアクアリウム趣味層は拡大するのではとの期待が高まりますね。

コトブキ工芸の「すごいんです砂利コケ防止」は、多孔性の砂利により水中の余計な物質を吸収することでコケの発生を抑制するとあります。活性炭と同じ原理なので、脱色や脱臭効果も得られるとのこと。軟水化効果もあり、pH(ペーハー)を安定させる効果もあるといいます。

アフリカンシクリッドなど、硬度が高めのアルカリ性の水を好む魚には不向きということでご注意ください。ほかに、アロワナなどの古代魚や、エビなどの甲殻類にも使用しないでくださいとの注意書きがありました。

魚にとって有毒となり、分解されるとコケの肥料になるアンモニアを吸着する効果が特に高いようです

魚にとって有毒となり、分解されるとコケの肥料になるアンモニアを吸着する効果が特に高いようです

開封してそのまま使っても魚などに害はないようですが、微細な砂利が水を白く濁らせるので、使用前にまず水洗いをします"

開封してそのまま使っても魚などに害はないようですが、微細な砂利が水を白く濁らせるので、使用前にまず水洗いをします

お米を研ぐ要領で、なんとなく水の透明度が高くなるまで数回ゆすぎます。あまり強く研ぐと砂利が砕けてしまうので、やさしくていねいに

砂利以外は同じ条件の水槽でコケの発生具合を比較した

今回は、砂利以外はまったく同じ条件のプラケース水槽2つを用意して比較しました。
向かって右の白っぽい砂利の水槽が「すごいんです砂利」を敷いたもの。向かって左の茶色い砂利の水槽が「ソイル」と呼ばれる砂利を敷いたものです。ソイルにもいろいろありますが、基本は焼いた土を丸く固めた粒状の砂利で、最近の定番の砂利といえます。

30×15×15cmのプラケースに砂利の厚さは4cmほど。砂利の量はやや多めにしてみました。セットしたのは6月初旬。水はカルキを抜いただけの水道水を使用

「小学校低学年ぐらいの子が初めて挑戦するアクアリウム」をイメージしてセットしました。ろ過やエアーポンプは使わない止水状態です

砂利だけだと魚が落ち着かないので、「マツモ」という、これまた超ポピュラーな水草を少々配置しました。我が家の水槽で適当に増えたものです

水洗いするのが甘かったせいか、セット直後の「すごいんです砂利」のほうは若干白濁していますが、すぐに水は澄みました

投入した魚は、超ポピュラー種の「アカヒレ」を4匹ずつと…

投入した魚は、超ポピュラー種の「アカヒレ」を4匹ずつと…

定番人気種の「ゴールデンハニードワーフグラミー」の幼魚を1匹ずつ。いずれも自家繁殖したものです

定番人気種の「ゴールデンハニードワーフグラミー」の幼魚を1匹ずつ。いずれも自家繁殖したものです

セットして1週間後の「ソイル砂利」の様子。まだコケは発生せず、特に変化は見られません

セットして1週間後の「ソイル砂利」の様子。まだコケは発生せず、特に変化は見られません

同じくセットして1週間後の「すごいんです砂利」の様子。水の透明度は互角といったところです

同じくセットして1週間後の「すごいんです砂利」の様子。水の透明度は互角といったところです

これはセットして20日後の「ソイル砂利」の様子。微細な藻類が大量発生し、水が緑色に濁りました。いわゆるグリーンウォーターと呼ばれる状態です。アオミドロが発生する一歩手前

これはセットして20日後の「すごいんです砂利」の様子。水槽の壁面や水草にうっすらとコケが発生していますが、水は濁っていません

コケの少なさとパッと見のきれいさは左側の「すごいんです砂利」が圧倒的。水が緑色になったほうも、現状では魚の健康状態に問題はなさそうです

「すごいんです砂利」のコケ防止効果は高かった!

テストを実施したのは6月初旬〜下旬にかけての20日間。砂利以外はまったく同じ条件のプラケース水槽2つをセット。設置したのは南向きのベランダで、気温は20〜28度。晴れの日は10日以上あり、コケの発生にはまずまず理想的な天候が続きました。

水量3リットルほどに小魚5匹(アカヒレ4匹/ゴールデンハニードワーフグラミー1匹)を入れ、ろ過装置は設置せず、エサは多めの状態にて飼育。これは「初心者がやりがちな」環境です。本当は水の量に対して魚がもっと少ない方がいいのですが、水槽に魚が少ないと寂しく思ってついつい多く入れすぎてしまうのがコケ発生の原因のひとつなのです。
「すごいんです砂利」のほうも多少はコケが発生しましたが、それでも「ソイル砂利」のほうと比べるとコケの発生は大幅に抑えられたことが確認できました。コケを防ぐ効果は間違いなく高いです。

ただ、今回のテストでは硝化バクテリア(ろ過バクテリア)がほとんど機能せず、魚が排せつするアンモニアの毒で魚が死ぬ恐れがあったので、いずれの水槽も5日に1回、水を半分ほど交換しています。

「すごいんです砂利」にはアンモニアを吸着する効果があるとのことでしたが、セットして5日目にpHを計測したところ、「すごいんです砂利」のほうは8.8〜9.0と、やや強めのアルカリ性に傾いたので、アンモニアの発生量が多すぎて吸着が追いついていないと判断したのです。

製品の注意事項に「アルカリ性で高硬度の水を好む魚にはNG」とあることから、製品の特徴的に酸性化することは予想したのですが、今回のやや極端なテストでは、pHはやや高くなりました。「ソイル砂利」のほうは7.8〜8.0で、こちらもセット時よりはやや高くなりました。いずれも、もう少し日数を経て硝化バクテリア(ろ過バクテリア)が機能しだせば、pHは徐々に下がって安定すると思われます。

「すごいんです砂利」を使っても数日おきに水換えしたい

「すごいんです砂利」がコケの発生を抑制する効果は確かながら、硝化バクテリア(ろ過バクテリア)がほとんど機能しないセット直後は「数日ごとの水換え」をすることを強くおすすめします。

セットしてから1か月以上経過して、硝化バクテリアがある程度機能し始めれば環境はもっと安定するので、水換えは徐々に下げていっても大丈夫でしょう。環境が安定すれば、水替えの少ないズボラな飼育でもコケはあまり生えず、いい環境がキープしやすくなると思われます。

どんな砂利を使おうとも、水槽が小さく魚が過密気味である場合は、セットしてから環境が安定するまでは(ろ過バクテリアが機能するまでは)頻繁な水換えが不可欠であるということを忘れないようにしてください。小さな水槽で、ただ水を換えるだけの作業はそんなに面倒なことではありません。

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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