いいモノ調査隊
高いイスにはワケがある

専門家が厳選した「高級オフィスチェア」6モデルを座り比べてみた

このエントリーをはてなブックマークに追加

モノ系ライターのナックル末吉です。筆者はライターという職業柄、1日中イスに座って原稿を書いているのですが、ホームセンターで1万円くらいで売っているようなノーブランドのオフィスチェアの座り心地が悪くて体のあちこちが痛い日々を送っております。ノーブランドのオフィスチェアは耐久性も悪く、筆者のような巨漢が毎日のように鎮座していると1年くらいでヘタってしまうのもデメリットの1つ。特に、脚のショックアブソーバーが弱ってきて、高さ調節ができなくなるのはホント勘弁してほしいです…。そんなとき、ふと「安物を使ってるからダメなのか? 高級品の座り心地ってどうなんだろう?」と思い立ちまして、以前から気になっていた高級オフィスチェアを取材してみることにしました。

おなじみ編集部を召還!

今回も例によって、編集部しえるを召還。「IT企業にお勤めの意識高い系OLのコスプレしてきて」という筆者のリクエストに快く応じてくれたしえるに感謝です。

題して「しえる流意識高い系OLコス」。いったい、何頭身あるのだろうか…

題して「しえる流意識高い系OLコス」。いったい、何頭身あるのだろうか…

各種メーカー製のオフィスチェアを取りそろえたセレクトショップ

では実際に高級オフィスチェアに座るにはどうすればいいのか? メーカーや販売代理店のショールームだと、そのメーカーの製品にしか座れないので複数メーカーのイスを横断的に試すのはちとキビシイ。そこで今回は、各種メーカー製のオフィスチェアばかりを取り扱っているセレクトショップ「WORKAHOLIC(ワーカホリック)」さんにご協力いただきました。

ということでやって来ました! オフィスチェアのセレクトショップ「WORKAHOLIC」

ということでやって来ました! オフィスチェアのセレクトショップ「WORKAHOLIC」

ショップINFO
WORKAHOLIC

世界的にも珍しいオフィスチェアの専門店で、国内外メーカーのオフィスチェアを約60脚ほど展示。実際に座ってみて、感触や座り心地を確かめてから購入できるので、イス選びに間違いがありません。さらに、オフィスチェアのエキスパートが「チェアコンシェルジュ」として、アナタにピッタリの製品を紹介してくれるのも同店の特徴です。

WORKAHOLIC
〒105-0001東京都港区虎ノ門1-4-7
(※2018年4月4日に下記住所に移転します。
〒103-0002東京都中央区日本橋馬喰町2-7-15 THE PARKREX NIHONBASHI BAKUROCHO 1F)
OPEN : 11:00-20:00 CLOSE : 木曜・祝日
TEL.03-6550-9730 / MAIL.info@iamworkaholic.jp
https://www.iamworkaholic.jp/shop/

同店は西新橋一丁目の交差点のカドに位置し、ダンディーなイメージキャラクターが交差点を見下ろしています

同店は西新橋一丁目の交差点のカドに位置し、ダンディーなイメージキャラクターが交差点を見下ろしています

間接照明がオシャレな店内には各メーカーのオフィスチェアが所狭しと並んでいます

間接照明がオシャレな店内には各メーカーのオフィスチェアが所狭しと並んでいます

今回、我々の取材に協力してくださったのは、同店のチェアコンシェルジュである伊藤 僚範(いとう とものり)さんです。伊藤さんはオフィスチェアに精通しており、製品知識だけでなく座り方やユーザーの体型にあったイスをフィッティングまでしてくれるというプロ中のプロ。

プロフィール
伊藤 僚範(WORKAHOLICチェアコンシェルジュ)
1978年生まれ
高機能オフィスチェアをメインに扱うセレクトショップ
WORKAHOLICのチェアコンシェルジュ。

前職にて体の仕組みや健康などについて学ぶ。
自身も腰痛経験があり「腰痛人口を減らしたい」という思いから、1人ひとりに合ったワークチェアの選び方や負担のかかりづらい座り方を案内している。

オフィスチェアのフィッティングを学ぶ

さっそく、伊藤さんに人気のオフィスチェアを紹介していただきましょう。と、その前にオフィスチェアのフィッティング術を伊藤さんに教えていただきましたので、皆さんにもご紹介します。

まず、デスクでパソコンを使用する際には、肘掛けの高さが重要となってきます。ここがズレていると、疲労や凝りの原因になりかねません。肘掛けを適切な高さに調節することで、全身の姿勢が決まってくるそうです。

ヒジが浮いてしまっているのはよくないとのこと

肘が浮いてしまっているのはよくないとのこと

肘掛けをデスクと同じ高さに調節することでヒジから手首までが水平になり、どこも浮かなくなります

肘が90度になるようアームレストの高さを調節することで、肘から手首までが水平になってどこも浮かなくなります

足の高さはフットレストを置いてラクな姿勢にしてあげることで疲れの軽減につながります

足の高さはフットレストを置いてラクな姿勢にしてあげることで疲れの軽減につながります

オフィスチェアのフィッティングで最も重要なのは「体のフィット感」とのこと。特に姿勢が悪い人の大半はお尻と太ももが前にズレているため、腰の部分が宙に浮いてしまっています。これは、腰痛になるだけでなく、肩こりや目の疲れにまで波及してしまうので、特に注意すべき点だと伊藤さんは指摘します。実は、筆者もこの座り方をしており、背中から腰に掛けて弓なりになるくらいのけぞって座っています。よく原稿をサボりたくなる原因はコレでしょうか…。

今回、座り比べする製品は筆者が以前から気になっていた製品に加え、チェアコンシェルジュがおすすめする特に人気のある最新モデルを含めた計6製品。実際に座ってみると、それぞれに特徴があるのがわかります。では行ってみましょう!

高級オフィスチェアといえばコレ!
「ハーマンミラー アーロンチェアリマスタード」

ハーマンミラー アーロンチェアリマスタード

ハーマンミラー アーロンチェアリマスタード

トップバッターは高級オフィスチェアの代名詞ともいうべきアーロンチェア。座面と背もたれがメッシュになっているのが最大の特徴で、体にフィットする曲面と蒸れることのない通気性を確保。お尻だけでなく腰や背中で全身を支えるために、背もたれの角度調節システムやサスペンションなどで快適な座り心地が得られる逸品です。最新モデル「リマスタード」は、従来モデルに比べてメッシュ編み方や背中を支えるサポート部分に改良が加えられ、座った際の安定度が向上しています。

このメッシュがアーロンチェアの真骨頂

このメッシュがアーロンチェアの真骨頂

画像ではわかりにくいのですが、ブラックライトをあてると、場所によってメッシュの硬さを変えているのがわかります

従来モデル(左)に比べて、リマスタード(右)は背骨が当たる部分にサポートが搭載されています

従来モデル(左)に比べて、リマスタード(右)は背骨が当たる部分にサポートが搭載されています

体型にあわせて各種サイズ設定もアリ

体型にあわせて各種サイズ設定もアリ

筆者の感想としては、メッシュの座面の張り詰め感が正直苦手だったんですけど、このリマスタードは張り詰めた感じがなく、かといってユルい感じもせずちょうどよい座り心地。体へのフィット感は申し分がなく、アーロンチェアに対するイメージが一新されました。正直、欲しいです…。

実はハーマンミラーのフラグシップはコレ
「ハーマンミラー エンボディチェア」

「ハーマンミラー エンボディチェア」

「ハーマンミラー エンボディチェア」

アーロンチェアをリリースする「ハーマンミラー」の中でも最高額モデルとなるのが「エンボディチェア」。座面の中にはピクセル状のモコモコが内包されており、座るとそれが沈んで体重を支える仕組み。背もたれの傾きは、反発力を調節する機構を搭載しており、体型や座り方を問わず、幅広い人に向いています。伊藤さん曰(いわ)く、太ももが太い人や足を開いて座る人にはアーロンよりもエンボディが適しているとのこと。

硬めだがクッション性も確保した座面

硬めだがクッション性も確保した座面

反発力を調節できる背もたれ。フレームの形状が個性的

反発力を調節できる背もたれ。フレームの形状が個性的

筆者が座るとピタリとフィット。特に太もも裏の圧迫感を感じません

筆者が座るとピタリとフィット。特に太もも裏の圧迫感を感じません

今回の取材で筆者が最も注目していたのがこのエンボディチェアでした。メッシュ座面が苦手な筆者が、もし買うならコレだろうなぁと以前から目を付けていました。実は今回の企画もエンボディチェアに座ってみたい一心で記事化に踏み切った次第です。座り心地は、筆者のような巨漢が座ってもビクともしない剛性感と、広めの座面のおかげで窮屈さを感じさせないのがすばらしい。座面はある程度の硬さがあり、編集部しえる曰く「ちょっと硬いかな?」と、人によって好みが分かれるところではありますが、クマ系男子にはおすすめできると思います(ソースは筆者)。

国内メーカー話題の新製品
「コクヨファニチャー ing」

「コクヨファニチャー ing」

「コクヨファニチャー ing」

昨年末に発売されたコクヨファニチャーの新シリーズ「ing(イング)」。今回、試用したのは背もたれが広く、ヘッドレスト付きタイプ。ingシリーズの最大の特徴は、独自のメカを搭載し座面が360度グラインドすること。簡単に説明すると、バランスボールに座っているのに似ています。もちろん、バランスボールのようにふわふわするわけではなく、体を傾けると座面がどの方向にも傾きます。これは、同じ姿勢で長時間座っていると、血流がわるくなったり、疲れの原因になるという発想から、座りながらにして運動するというコンセプトで開発されたそうです。

座面と背もたれが左に傾いた状態

座面と背もたれが左に傾いた状態

右に傾けました。肘掛けの位置は定位置のまま

右に傾けました。肘掛けの位置は定位置のまま

普通に座っている分にはユラユラしたりしません

普通に座っている分にはユラユラしたりしません

どのオフィスチェアにもいえることですが、長時間座ってみないとその真価がわからないところであります。このingは、確かにユニークな発想で、座った瞬間「なるほど」と思うのですが、グラインドさせたことによる運動がどれほどの効果を発揮するのかは体感できませんでした。筆者のイメージですが、クリエイターや企画職の人なんかは、アイデアを練っているときにユラユラさせると、集中力をブーストさせることができるのかもという印象です。

シンプルだけど実はスゴい性能だった
「スチールケース リープ」

「スチールケース リープ」

「スチールケース リープ」

スチールケースはアメリカの老舗オフィス家具メーカー。オフィスチェアをはじめ、デスクやキャビネット、パーテーションなどをリリースしています。数あるオフィスチェアシリーズの中でも「リープ」は同社の主力製品。オフィスに置いても違和感のないシンプルなデザインですが、このモデルがアナタの会社にもあるようなエントリーモデルと思ったら大間違い。座った瞬間「あ、いいわコレ」と声が出てしまうほど。特に、背もたれを傾けると、座面も一緒にスライドするため、のけぞった姿勢でも体へのフィット感はそのまま。この機構は「ナチュラルグラインドシステム」と呼ばれ、ユーザーの根強い支持を得ています。また、背もたれの丸みを調節して、体へのフィット感を追求しているのも特徴の1つです。

背もたれを倒すと座面が前にスライドします

背もたれを倒すと座面が前にスライドします

サイドにあるダイヤルで背もたれの腰の部分のでっぱりを調節可

サイドにあるダイヤルで背もたれの腰の部分のでっぱりを調節可

編集部しえるもご満悦の様子。特に座面のクッションの柔らかさがお気に入りだとか

編集部しえるもご満悦の様子。特に座面のクッションの柔らかさがお気に入りだとか

このリープこそ、座ってみないと性能がわからないイスNo.1ではないでしょうか。特にのけぞって座るのが好みの筆者も、ナチュラルグラインドシステムのフィット感には脱帽です。他メーカーのイスにありがちな、姿勢の悪さを矯正する設計が多い中、これは「のけぞって座るのもアリ」を提案してくれているようで、超絶筆者好みでした。WORKAHOLICの伊藤さんの話によると、アーロンチェアを買いに来たお客様が、リープに座ってみたところ気に入ってしまい、購入していくこともしばしばあるとか。

イタリア感漂うシリーズ最新作
「オカムラ コンテッサ セコンダ」

「オカムラ コンテッサ セコンダ」

「オカムラ コンテッサ セコンダ」

オフィス家具の国内大手メーカー「オカムラ」のフラグシップモデル「コンテッサ セコンダ」。「セコンダ」は「2」を意味し、シリーズ最新モデルとなっています。デザインはアルファロメオなどを手がけたイタリアの工業デザイナー「ジウジアーロ」とコラボ。座面がメッシュタイプとクッションタイプから選択でき、カラーバリエーションも10色以上とニーズに合わせた幅広さが主な特徴となっています。また、座面の高さやリクライニング角を肘掛けのレバーで調節できる「スマートオペレーション」も独自の仕様となっています。

左右の肘掛けの下に設置されたレバー。引くことで座面の高さやリクライニング角を調節できます

左右の肘掛けの下に設置されたレバー。引くことで座面の高さやリクライニング角を調節できます

イスが悲鳴を上げそうなくらい寄りかかっても無問題な剛性感

イスが悲鳴を上げそうなくらい寄りかかっても無問題な剛性感

本モデルは座面も広く、筆者のような座り方をしても窮屈になることはありません。ただし、背もたれのクッション性が硬めな印象で、寄りかかって座る人にとってはフィット感がイマイチに感じるかもしれません。

リラックスしすぎてオフィスで寝落ち必至
「エルゴヒューマン プロ オットマン」

「エルゴヒューマン プロ オットマン」

「エルゴヒューマン プロ オットマン」

エルゴヒューマンはその名のとおり、人間工学(エルゴノミクス)を追究したオフィスチェアをリリースしているブランドです。その中でもフラグシップモデルとなる「プロ」シリーズは、座面、腰、背中、首と4つの曲線で体をサポート。腰の部分に当たる「独立式ランバーサポート」は、体型にあわせてでっぱりを調節してフィット感を増すことができます。今回、試用したモデルは「プロ オットマン」というモデルで、座面下にあるオットマンを引き出せば、足を乗せることで超絶リラックスタイムが始まります。

アルミポリッシュのぴかぴかフレームと独立式ランバーサポート

アルミポリッシュのぴかぴかフレームと独立式ランバーサポート

本モデルの最注目機能、オットマンを出してみました

本モデルの最注目機能、オットマンを出してみました

編集部しえる「もーサイコー」

編集部しえる「もーサイコー」

オプションでタブレットスタンドも追加可能。なんだか歯医者さんの治療台に座っているみたいじゃないか…

オプションでタブレットスタンドも追加可能。なんだか歯医者さんの治療台に座っているみたいじゃないか…

編集部しえるはオットマンのリラックス度に大喜びでしたが、筆者というとやはりメッシュ座面の張り詰め感を克服できず、しえるほどリラックスできないという印象でした。

最も座り心地がよかったのはどれだ!?

さて、以上6製品を座り比べてみたわけですが、どれも個性的で初めて体験する座り心地のものばかりでした。普段、会社から支給されているイマイチなオフィスチェアに座っている皆さんも、今回ご紹介したモデルに一度でも座れば、そのすばらしさがわかると思います。

それでは筆者と編集部しえるが選んだ、自分的ベストなオフィスチェアを発表しましょう。

まず、しえるが選んだのは「スチールケース リープ」。

編集部しえるは「スチールケース リープ」がベストチョイス

編集部しえるは「スチールケース リープ」がベストチョイス

しえる曰く、座面のクッション性とフィット感が群を抜いていたとのこと。また、座面が前にスライドする「ナチュラルグラインドシステム」は、背もたれに大きく寄りかかってもお尻がズリ落ちる不安がないのが秀逸だったこともベストとした理由と語りました。

コレには筆者も激しく同意で、リープには今回初めて座りましたが、全モデルの中で一番の衝撃を受けたことは間違いありません。仮にしえるがリープを選んでなければ、筆者がベストに選びたかったくらいです。もし、WORKAHOLICに行った際は、購入候補に挙げていなくても一度リープに座ってみることを強くおすすめします!

次に筆者が選んだベストなオフィスチェアは、「ハーマンミラー エンボディチェア」です。

クマ系男子御用達!

クマ系男子御用達!

正直に告白すると、編集部しえるが選んだリープも捨てがたかったし、アーロンチェアリマスタードも購入を考えるほどの逸品に思えました。なのにエンボディチェアを選んだ理由としては、長時間座ることだけじゃなく、長期間使用し続けることを考えたときに、この剛性感は安心できるというのが1つめの理由です。2つめは、自分の体型にピッタリだったこと。スポーツカーのシートのように体をホールドしてくれて、「高級オフィスチェアに座っているんだ」という感覚すら忘れさせてくれる自然な座り心地が決め手となりました。

オフィスチェア座り比べまとめ

今回、座り比べたオフィスチェアは、10万円前後から20万円を超えるものばかり。どれも庶民にはなかなか入手できない価格帯なのは間違いありません。高い買い物であると同時に、イスというのは座って使うもの。やはり実際に座ってみて、座り心地を確かめてから購入すべきということが、今回の取材で確信できました。そのため今回取材にご協力いただいたWORKAHOLICのように、さまざまなメーカーのオフィスチェアを座り比べられるお店はありがたい存在だと思います。

筆者が使用しているノーブランドなオフィスチェアは、そろそろ限界に近づいてきており、買い換え時期なのは間違いありません。筆者としては超絶エンボディチェアが欲しいのですが、逆さに振ってもその資金が出てこないのがあぁ無情……。

ナックル末吉

ナックル末吉

スマホ、パソコン、家電などのガジェット系記事を執筆するモノ系ライター。それ以外にもハイレゾオーディオや文房具、バイク、食レポなどについても執筆するため「節操がないのが持ち味」と豪語する。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
ページトップへ戻る