レビュー
「高圧」「低圧」と2つの圧力が使い分けられる

パール金属「クイックエコ 3層底切り替え式圧力鍋」で、圧力調理の幅がさらに広がる!

鍋の内径は約20cmで、深さは約15cm。取っ手を含む最大幅は約40cmです。家のスケールで重さを量ると2,485gあり、ややずっしりとした印象。IH調理器にも対応しています

圧力鍋は、硬い食材をやわらかく煮たり、時間のかかる煮込み料理を短時間で仕上げたり、とても便利な調理器具。でも、使い慣れていない人にとって「圧力調理」というのはハードルが高く見えがち。「実際、どのくらい使いこなしが大変なのか?」「料理はどのくらいおいしくなるのか?」「手入れは大変じゃないのか?」などの疑問を、料理初級者の家電ライターが身をもって検証してみるのがこの企画。前回はティファール「クリプソミニットイージー」をチェックしましたが、今回は同じく価格.comでも売れ筋の人気圧力鍋ブランド、パール金属「クイックエコ 3層底切り替え式圧力鍋 4.5L H-5041」をお試しします。

調圧レバーで「高圧/低圧」を簡単切り替えでき、安全対策もぬかりなし!

「クイックエコ 3層底切り替え式圧力鍋」は「鋳物の街」として知られる新潟県三条市に本社を構えるパール金属の人気圧力鍋シリーズ。鍋底にステンレス鋼/アルミニウム/ステンレス鋼の3層構造を採用し、保温性が高く焦げつきにくいのが特徴です。また、調理圧力を低圧60kPaと高圧100kPaの2段階に調整でき、野菜など煮崩れしやすい食材は低圧、肉の塊など芯まで素早く熱を通したい場合は高圧など便利に使い分け可能です。

本体の取っ手部分とふたに「○」印のマークがあり、これを合わせた位置から少し回転させることでふたがしっかり閉まります。「○」の位置がずれた場所からふたを閉めようとするとうまく閉められなかったり、ふたが外れなくなったりするので、しっかり合わせましょう。筆者の場合、ふたが傾いた状態で閉めようとして失敗するなど、最初は多少閉めるのに手間取りました。

最初「○」の位置を合わせようとしましたが、角度によって合っているように見えても、本体とふたがうまく合わない場合も。ただ、「○」を大体の位置で合わせてからふたの位置を微調整すると「ふかっ」とふたが沈み込むポイントがあります。これは何度かやるうちにコツがつかめてくるので、慣れればそれほど問題ないと思います

鍋本体やふたの構造はシンプルで洗い物もラクです。

圧力ふた裏面の突起はロックピンと安全装置と蒸気口パッキンだけ。蒸気口パッキンの真ん中に青い突起が出ていますが、これは圧力調整おもりの先端で、簡単に取り外せます。ちなみに安全装置は、本体とふたの噛み合わせが不完全だったとき、蒸気を逃して圧力が上がるのを防ぐようになっているそう。ゴムパッキンも簡単に付け外しができます

調圧レバーを動かすことで「高圧」「低圧」を切り替えることができます。レバーには、「蒸気排出」の目盛りもあります。取扱説明書には、「加圧途中での圧の変更は行わないように」との注意書きがありました。

おもりを押し込みながらレバーを動かすことで、圧力の変更が可能です

おもりを押し込みながらレバーを動かすことで、圧力の変更が可能です

圧力調理中でロックピンが上がっているとハンドルがロックされ、中が十分減圧されるまでふたが開かない安全設計。どうしても早くふたを開けたい場合は、水道水をかけて内部を強制的に冷やす「急冷方法」を行います。また、ふたのサイドに「安全窓」があり、万一ロックピンの安全バルブが詰まった時も、蒸気を排出できるようになっています。

鍋の内部の圧力が上がると、ロックピンの赤い玉が上に上がります。赤い玉が上に上がるとロックがかかり、取っ手をスライドさせてふたを開けることができなくなります

圧力調理の仕方は以下の通りです。鍋に材料や調味料、水を入れてふたを閉めたら、圧力調整おもり(調圧レバー)をセットして、「高圧(2)」か「低圧(1)」を選択します。

ふたと取っ手の「○」を合わせてふたが鍋にうまくはまったら、ふたの取っ手が本体の取っ手とぴったり重なるまでスライドさせます

調圧レバーを「高圧2」に合わせました

調圧レバーを「高圧2」に合わせました

コンロの火をつけて、強火で加熱します。ガスの炎の先には透明の「高温層」があり、青い炎が鍋底の端からはみ出すほど強火にすると、取っ手の樹脂部分が焦げてしまいます。炎の先は鍋底端より1cmくらい内側にあたるくらいがちょうどいい「強火」です

火を強火にかけてしばらくするとロックピンが上がり、おもりの蒸気口から蒸気が出始めます。「シューシュー」とかなり大きな音がするので、わかりやすいです。ここで火を弱くしたところから「圧力調理」がスタート。加圧終了時間になったら火を止め、ロックピンが下がるまで放置します。その後調圧レバーを「蒸気排出」位置に動かして残った蒸気圧を外に逃がしますが、ロックピンが下がった段階で、ほぼ圧はなくなっているようでした。

ロックピンが下がったら、一応安全のためレバーを「蒸気排出口」マーク部分までスライドします。これで圧力調理は終了です

豚の角煮は圧倒的なやわらかさ。白米はおこげの香りさえ漂う極上の炊き上がりに

前回「クリプソミニットイージー」を試した時と同じく、今回も「豚の角煮」「いわしの梅干煮」「豚汁」「白米炊飯」の4品の調理を行い、その仕上がり具合をチェックしました。

豚の角煮

まず、圧力鍋調理の定番である「豚の角煮」です。同梱のレシピ集に載っているレシピに従い、豚ばら肉をかたまりのまま高圧で30分圧力調理。その後ブロックに切り分け、調味料を加えてさらに高圧で30分圧力調理しました。調理時間は圧力がかかるまでと、自然冷却しロックピンが下りるまでの時間を含めて、最初の加熱に約57分、2度目の加熱に約47分かかりました。トータルの調理時間は2時間強といったところでしょうか。

左上は下茹で前。右は下茹で後。かなり肉が小さくなったうえ、脂身と肉の境目部分の繊維がすでにホロホロに崩れ始めています。肉を取り出して4等分に切って鍋に戻し、水3カップと調味料を入れて再び圧力調理します(左下)。調理後に皿に盛って煮汁をかけ、練りからしと白髪ねぎを添えました。肉にも脂身にもしっかりつゆがしみています(右下)

100kPaという高圧で、しかも合計1時間も圧力調理しただけあり、鍋から取り出す際に崩れそうになるくらいホロホロの仕上がり。脂身は口に入れた瞬間にとろけ、肉の部分も箸がスッと入り、繊維がほどけてゆきます。また、ティファール「クリプソミニットイージー」のときは最初の圧力調理後、圧力ふた部分に水をかけて急冷しましたが、今回は自然冷却で火を止めたあともじっくり熱を入れていきました。これだけ時間をかけただけあって、その味と食感はまさに「お店に出せる」レベルです。

箸を入れるだけで脂身が崩れ、肉の繊維がほろりとほどけました。つゆ自体を味見するとやや薄味でしたがしっかり味がしみていたので、物足りなさはまったく感じず、塩分控えめのヘルシーな仕上がりになりました

いわしの梅干煮

続いていわしの梅干煮を作ってみました。今回はレシピ集に乗っていた「さんまの梅煮」のレシピを参考に、圧力鍋に調味料としょうがを入れて火をつけ、煮立ったら頭と腹わたを取ったいわしと梅干しを入れて高圧で13分30秒圧力調理。火をつけてからロックピンが降りるまでの時間は約26分でした。加熱時間に対して水分量がやや少なく感じたので50mLほど水を足しましたが、調理後には煮汁がかなり少なくなっていて、仕上げに煮詰める必要もありませんでした。

いわしはスーパーで頭と腹わたを取ってもらったので、キッチンでの作業は腹わたの取り残しを流水で洗ってキッチンペーパーで水分を取り、調味料としょうが、梅干しで圧力調理しただけ。煮汁もちょうどよい具合に煮詰まっていました。

ちなみにレシピ集の「さんまの梅煮」のレシピでは圧力時間は高圧15分と書かれていましたが、今回は食材がいわしなので、煮崩れを防ぐため、それより1分30秒短い加圧時間にしました。それでもかなりやわらかい仕上がりで、取り出すときに身が崩れたものもありました。

試食してみると皮がトロトロで身もふっくら。小骨を口に入れてもまったく気にならず、中骨も問題なく食べられました。調味料にお酢を入れたので、よりやわらかくなり、臭みもより消えたように感じます。身が本当にやわらかいので、盛り付けにこだわる人は崩れないように注意が必要ですが、筆者は多少崩れても家族で食べるぶんには問題ないと思うタイプなので、このやわらかさは大歓迎です。

脂がたっぷり乗ったいわしにつゆがしっかりしみて、最強のごはんのおかずに

脂がたっぷり乗ったいわしにつゆがしっかりしみて、最強のごはんのおかずに

豚汁

次に作るのは豚汁です。これもレシピ集にレシピがなかったので、レシピ集に掲載の「ビーフシチュー」の野菜を入れて調理する場合の「低圧7分」で圧力調理を行いました。ちなみに高圧だと「5分」と調理時間が短いですが、野菜(特にじゃがいも)が煮崩れしやすいので、ここでは加圧が穏やかな「低圧」で調理してみることにしました。

今回は素材と調味料をすべて入れて加圧。4人分の量を作りましたが、最後に味噌を溶いてひと煮立ちさせるまで30分強で完成しました。

具材は豚のこま肉に玉ねぎ、じゃがいも(メイクイーン)、にんじん、大根、こんにゃく。低圧で調理しましたが、大根がだしを十分吸っているのが見てわかります。

試食してみるとじゃがいも(メイクイーン)は崩れる直前のやわらかさ。にんじんもやわらかく、歯がスッと入ります。大根はにんじんに比べるとわずかに歯ごたえが残っていましたが、硬いということはなく、人によっては「これくらいがいい」という意見もありそう。だしもしっかりとしみて、文句なしのおいしさでした。

低圧で調理しましたが、ジャガイモはすでに真ん中に亀裂が入り始めています。もう少しだけ圧力調理の時間を短くしてもよさそうです

炊飯(白米)

最後は白米の炊飯です。圧力鍋で炊いたごはんは、もちもちした食感になるのが特徴ですが、今回のもちもち具合はどうでしょうか?

お米は新潟産コシヒカリを3合炊飯。レシピ集に従い、米を研いだあと「浸し時間」を取らず、すぐに火にかけました。高圧で5分加圧したあと火を止め、10分蒸らす(自然冷却)……とレシピには書かれていましたが、実際には10分経ってもロックピンは落ちず、ロックピンが落ちた15分後にふたを開けました。調理時間は約27分といったところです。

ふたを開けるとコメがたっぷりとおねばをまとってツヤツヤ。炊きたてごはんのいい香りがキッチンに広がりました

印象的だったのはごはんをほぐした時におこげの香りがしたこと。ただし、ごはんに硬いおこげの部分はありませんでした。

食感はかなりやわらかめで、かなりもっちりした中にほどよい粒感も感じられました。甘みも十分強く、今回のお米は29年度産でしたが、新米を食べているようなみずみずしさも感じられました。30分弱でここまでおいしいごはんが炊けるとはちょっと驚きです。

ごはんをほぐしたあと。圧力鍋で炊いたごはんのもちもち感が写真を見ただけでわかります。やわらかいごはん、もちもちのごはんが好きな人にはベストの食感。ごはんだけ食べても強い弾力と甘みで十分満足感があります

片手鍋ながら取っ手が短く、シンクでスムーズに洗える

使用後のお手入れについては、豚の角煮を作った際に付く肉のアクのこびりつきがやはり取れにくかったです。ただ、ここは特殊コーティングなしのステンレス製なので致し方ないところ。炊飯後のご飯のこびりつきは、鍋にお湯を張ってしばらく放置しておけば簡単に取れます。また、いわしの梅干煮を作ったあとに鍋にいわしのニオイが残ったのもちょっと気になりました。

鍋にこびりついた豚肉のアク。アクの量は少ないのですが、亀の子タワシでこすっても取り残しがあるほど取れにくいです。ごはんのこびりつきは、ごはんかすが乾く前にお湯を入れれば、10分ほど浸けておくだけで簡単に取れる印象でした

圧力調整おもりも分解して洗えます。毎回使用前に分解して汚れや詰まりがないか確認し、汚れや詰まりが見つかったら取り除きます

ちなみに、本製品は片手鍋となっていますが、取っ手がそれほど長くないので、洗う際も流しに引っかからず、使い勝手はまずまず。収納する際もそれほど取っ手がじゃまになりませんでした。

鍋を洗う時に取っ手がシンクに引っかかるとちょっとイライラ。わが家の流しは標準サイズだと思いますが奥行きが45cmあり、鍋を回転させても取っ手が引っかからず、スムーズに洗えました

「高圧/低圧」の切り替えができるのが便利でコスパもよし

「クイックエコ3層底切り替え式圧力鍋」の最大の特徴は、「高圧/低圧」の2種類の圧力調理ができること。「高圧」設定なら100kPaの高い圧力で調理でき、豚の角煮もとてもやわらかく仕上がりました。基本的にはより短時間で調理できることもあり、「高圧」を使う場面が多いと思いますが、煮崩れしやすい野菜や魚などの調理に60kPaの「低圧」を選べるのも大きなメリットです。実売価格は5,000円弱ということでコスパも良好。使いやすさを考えた特別な機能はないですが、2種類の圧力設定ができてこの価格は、これからどんどん圧力鍋を使いこなしていきたいという人にはかなり魅力的だと思います。

平島憲一郎

平島憲一郎

雑誌やWEB媒体において、生活家電の紹介記事やお試し記事を執筆。家電ジャンルは調理家電から掃除機、美容・健康家電など幅広くこなす。夫婦共働きのため、調理など家事も応分に担当(ただしあくまでダンナ目線)。立食いそばも好き。

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