レビュー
4回のフライトでノーマルタイプ、人気モデル、高級モデルをチェック!

“耳キーン”対策に耳栓は有効か? 「飛行機用耳栓」を徹底検証してみた

飛行機の離着陸の際に耳が「キーン」となったり、「何かが詰まったような感覚」があって痛みや圧迫感を感じたり、周囲の音が聞こえにくくなることはありませんか? これは機内の気圧の変化によって、鼓膜が影響を受けたことで発生する症状です。こういった症状を緩和するための「飛行機用耳栓」と呼ばれるジャンルの製品があるので、今回は合計4回のフライトで3つの飛行機用耳栓と、1つのノーマル耳栓を使用してその効果をチェックしてみました。

なぜ? 飛行機に乗ると“耳キーン”が起こる理由

飛行機内は予圧されており、外気と同じ気圧ではありませんが、離着陸の際には高度の変化が大きいため機内の気圧は不安定になります。そのため、鼓膜の奥にある「中耳」の中にたまった空気がふくらんだり縮んだりして、それが耳の中に圧迫感などを生じさせる原因になります。

「中耳」は「耳管」でのどと鼻につながっているため、本来は空気が「耳管」を通じて鼻に抜けることで圧力が調整されますが、うまく空気が抜けないと、いわゆる“耳キーン”が発生してしまうのです。

【参考】
旅立つ前に 機内で発生しやすい症状とその対処法| JAL
飛行機に乗ると耳が痛くなることがあるのはなぜか?|JAL

“耳キーン”対策用に作られた飛行機用耳栓のしくみ

「中耳」の中にたまった空気と機内の気圧を安定させるには、あくびをする、飴をなめる、耳抜き(鼻をつまみ、口を閉じて吸った息を耳の方へ送り込む)をするといった方法があります。しかし、こういった方法の効果や成功率には個人差があるため、“耳キーン”の予防策として飛行機用耳栓を用意しておくと安心です。

飛行機用耳栓は、耳栓に気圧調整用の弁を設けることで、外(機内)の気圧の変化の影響を急激に受けないようにし、鼓膜への負担を軽減して“耳キーン”を起こりづらくする仕組みになっています。

なお、飛行機用耳栓を使用したからといってフライト時の耳の痛みや圧迫感を100%絶対に防げるものではありません。症状が深刻な方や強い不安がある方は、事前に医師などの専門家に相談することをおすすめします。

飛行機用耳栓には気圧調整のパーツ(弁)があり、機内の気圧の変化による影響をマイルドにしてくれます。なお、写真中央(オレンジ)は一般的な耳栓で、気圧調整機能を持たないものです

そもそも、フツーの耳栓じゃダメなの?
「MOLDEX 使い捨て耳栓」をチェック

飛行機用耳栓には気圧調整をするための「弁」が備えられていますが、一般的な耳栓にはそれがありません。しかし、「とりあえず、耳をふさいどけば何とかなるんじゃね?」と担当編集のM氏が言い出したため、こちらもあわせて検証することに。筆者は内心「めんどくさいですぅ〜」と思ったのですが、このM氏の提案のおかげで思わぬ発見も……。それはこの記事の最後「感想とまとめ」でご紹介していますので、ぜひ、最後までじっくりとお読みください!

一般的な耳栓として選んだ「MOLDEX 使い捨て耳栓」は、アソート(つめあわせ)で販売されている製品。再利用はできないものの、1回の旅行では使い切れない量が入っているので安心

サイズは今回検証した4製品中最大。ただし、やわらかい素材のため「フリーサイズ」として、耳の穴の大きな人も小さな人でも使えます

フニャフニャのやわらかい素材。つぶして耳の中に入れると、ゆっくりとふくらんで耳の穴をふさぐ仕組みです

フニャフニャのやわらかい素材。つぶして耳の中に入れると、ゆっくりとふくらんで耳の穴をふさぐ仕組みです

派手なカラーが多いので、明らかに「耳栓をしています」という見た目になります。少し恥ずかしい気分にならなくもないですが、よく目立つのでキャビンアテンダントさんからも耳栓をしていることがわかり、少し大きめの声で話しかけてもらえるというメリットもありました

「MOLDEX 使い捨て耳栓」を飛行機で使ってみた

成田からの離陸時に使用しました

成田からの離陸時に使用しました

当たり前ですが“耳キーン”予防効果は明確には感じられませんでした。「気分」の問題として、なんとなく鼓膜が守られているように感じられたり、何もつけない場合にくらべて耳に意識を集中しやすいため「耳抜き」がしやすい、といったことはあるものの、やっぱり“耳キーン”予防用ではありません。ただし、本来騒音対策向けに作られているため、遮音性は検証製品の中で最も高かったです。また、非常にやわらかい素材が使われているので、装着時の快適性も高いものがありました。

価格:◎(税込540円、2018年10月12日時点)
耳キーン予防効果:×
遮音性:◎ 同率1位
快適さ:◎ 同率1位
再利用:× 洗っての複数回使用はおすすめできない

耳の奥まで入れやすい人気モデル
「サイレンシア フライトエアー」

「サイレンシア フライトエアー」は、気圧調整機能を搭載しアマゾンでも評価が高い人気の耳栓。今回試したモデルのほかに、耳の小さい人向けの「Sサイズ」もあります。やや硬めの素材と、長い柄が特徴で、耳の奥までしっかり押し込めるため、しっかりとした装着感が得られるのがメリット。また、機内の気圧の影響を低減するには耳をしっかりとすき間なく塞ぐ必要があるので、きっちりと耳の奥まで入る点は高ポイントです。

耳栓1セットに透明ケースが付属します

耳栓1セットに透明ケースが付属します

「5枚羽根」の栓に、指でしっかりとつまめるように長い柄を備えています

「5枚羽根」の栓に、指でしっかりとつまめるように長い柄を備えています

素材はやや硬め。「10時間を超えるフライト中、装着しっぱなし」といった長時間の使用には不向きです

素材はやや硬め。「10時間を超えるフライト中、装着しっぱなし」といった長時間の使用には不向きです

ワンポイントのブルーカラーが耳栓を装着していることをわずかに主張するものの、目立ちにくいデザインです

ワンポイントのブルーカラーが耳栓を装着していることをわずかに主張するものの、目立ちにくいデザインです

「サイレンシア フライトエアー」を飛行機で使ってみた

アブダビからデュッセルドルフへのフライト時に使用

アブダビからデュッセルドルフへのフライト時に使用

フライト中に装着したところ、耳への圧迫感が低減されていることをしっかりと実感できました。結果に個人差があると思いますが、筆者の場合は「サイレンシア フライトエアー」が同率1位で “耳キーン”予防の効果が感じられました。

また、耳をしっかり塞げるので遮音効果も高め。ただし、耳の中が敏感な人には、長いフライトを通して使うには硬すぎる印象です。特に説明書などを読まなくてもしっかりと装着できる点もよく、ベーシックモデルながら高い完成度が感じられました。

価格:◎(税込736円、2018年10月12日時点)
耳キーン予防効果:◎ 同率1位
遮音性:◎ 2位
快適さ:○ 3位
再利用:○ 洗って、複数回使用できる

ソフトな装着感が魅力
「コンサイス イヤープレーン(大人用)」

「コンサイス イヤープレーン(大人用)」は、「サイレンシア フライトエアー」と同じ飛行機専用の耳栓です。こちらも人気の製品です。「サイレンシア フライトエアー」と比べてソフトな素材が使われています。やわらかい素材で、かつ、柄が短いため、耳の奥まで入れたい場合には少し手間取ることもありますが、3〜4回のトライですぐにうまくなるので、慣れてしまえば問題のないレベルでしょう。女性や子ども用に、サイズが小さいタイプも用意されています。

耳栓1セットに透明ケースが付属

耳栓1セットに透明ケースが付属

「4枚羽根」の栓と短めの柄がついたつくりです

「4枚羽根」の栓と短めの柄がついたつくりです

今回試した飛行機用耳栓の中では最もソフトな素材

今回試した飛行機用耳栓の中では最もソフトな素材

耳栓全体が青色をしているため、装着時の主張は強めです

耳栓全体が青色をしているため、装着時の主張は強めです

「コンサイス イヤープレーン」を飛行機で使ってみた

デュッセルドルフからアブダビまでのフライトで使用しました

デュッセルドルフからアブダビまでのフライトで使用しました

“耳キーン”予防効果と装着時の快適さ、そして遮音性能のバランスにすぐれたモデルです。筆者は少し耳の中が敏感でカナル型のイヤホンなども長時間使いたくないたちですが、この耳栓は違和感なく装着していられました。

飛行機に乗る際は離着陸時の気圧の変化はもとより、飛行中の「ゴーッ」という騒音も大きな不快感につながるので「騒音を減らす」ことも快適さアップには重要な要素です。そのため、両方の効果が得られる「コンサイス イヤープレーン」は一石二鳥のお得感があります。

価格:◎(税込754円、2018年10月12日時点)
耳キーン予防効果:◎ 同率1位
遮音性:○ 3位
快適さ:◎ 2位
再利用:○ 洗って、複数回使用可能

ハイエンド飛行機用耳栓の性能は?
CRESCENDO Fly

今回テストした4種の中では群を抜いて高額な2,855円の飛行機専用耳栓です。スマートなデザインや、いかにも気圧調整効果がありそうなプラスチック弁、金属製ケースなどは魅力的ですが、果たしてその効果はいかほどなのか、しっかりと確かめました。

標準で大小2モデルの耳栓が入っていて、金属製のケースも付属します。

標準で大小2モデルの耳栓が入っていて、金属製のケースも付属します。

「3枚羽根」の栓に極小のつまみが付いた構造で、今回テストした4モデルの中では最小サイズ。ただし、小さい方の栓を選んでも根本が太いため、実際には耳の穴が大きめの人に向いた製品です

やや硬めの素材で、外側(写真下側)にはプラスチック製の弁があるため装着時に硬さを感じます

やや硬めの素材で、外側(写真下側)にはプラスチック製の弁があるため装着時に硬さを感じます

装着時に耳の外にでる部分が少ないデザインなので、「目立つ耳栓は恥ずかしい」というタイプの人にはメリットです。なお、小さいほうの栓を選んでも筆者の耳には太すぎたのか、いいフィット感があまり得られませんでした

「CRESCENDO Fly」を飛行機で使ってみた

アブダビから成田へのフライトでテストしました

アブダビから成田へのフライトでテストしました

実際に使用してみたところ、小さく柄がないデザインのため装着にかなり手間取りました。また、耳の奥までしっかり入れるのが難しく、どうしてもすき間ができてしまうため、離陸時には“耳キーン”予防や遮音効果がきっちり得られませんでした。

装着に慣れた着陸時には、「効果があったかも?」と感じられるレベルになったものの、かなりクセの強いモデルであることは間違いありません。コンパクトさや装着時の目でにくさに強いこだわりがある方は要チェックですが、そうでない場合は先の2モデルを選ぶほうが無難と言えるでしょう。

金属製ケースは他ほかのモデルと一線を画す高級感があるものの、耳栓が出しづらいというデメリットも

金属製ケースは他ほかのモデルと一線を画す高級感があるものの、耳栓が出しづらいというデメリットも

価格:×(税込3,600円、2018年10月12日時点)
耳キーン予防効果:○
遮音性:△ 4位
快適さ:△ 4位
再利用:○ 洗って、複数回使用できる

おまけ:耳栓の付け方

耳の穴と耳栓の間にすき間があってはダイレクトに機内の気圧が変わった影響を受けてしまうため、“耳キーン”を防ぐためには、耳栓をしっかり耳の穴にフィットさせ気圧変化の影響を減らす必要があります。耳栓そのものの性能はもとより、正しく装着できないと効果が失われてしまうので要注意です。

耳栓をしっかり耳にフィットさせるには、耳をつまんで上に引っ張りつつ同時に耳栓を入れる方法が各社の説明書でおすすめされています。

耳を上に引っ張りながら、耳栓をつけるとしっかり装着できます

耳を上に引っ張りながら、耳栓をつけるとしっかり装着できます

また、耳の形により個人差があるかもしれませんが、筆者の場合は耳栓を「床と並行に」入れるのではなく「少し下から上に」入れるほうが密着度が高くなるように感じられました。少しわかりにくい例えですが「眼球の奥を狙って入れる」ようなイメージ(※本当に眼球の奥に到達すると、“耳キーン”どころの騒ぎではなくなるので、あくまでも例えです)

“耳キーン”を防ぐ飛行機用耳栓を使ってみた感想とまとめ

今回は、合計4回のフライト時に一般的な耳栓1種、飛行機用耳栓3種をテストした結果をレポートしました。

飛行機用耳栓は、正しく装着できれば3種とも気圧の変化による鼓膜への影響を抑えられる効果を感じられました。ただし、装着のしやすさにはそれぞれクセがあるので慎重にチョイスする必要があります。

「サイレンシア フライトエアー」は長く硬めの柄があるため装着が楽なので、不器用な人や特に耳の奥まで栓を入れたいという人に向く製品です。いっぽうで、硬めであるがゆえに長時間装着し過ぎると違和感や痛みを感じることもあります。

筆者は離着陸時のみ「サイレンシア フライトエアー」で、高度と気圧が安定したタイミングで一般的な耳栓に付け替えるという方法で快適に過ごせました。編集のM氏が「フツーの耳栓も試しましょう」と言ってくれたおかげで見つかった、この小技。何事も試してみるもんですね。

ちなみに、まったくの余談ですが「耳栓をTPOによって使い分ける」とか通っぽくていいな、と思いました。謎のこだわりを発揮したい方は「耳栓2種持ち」スタイルで写真をSNSに投稿するなどして「旅慣れ感」と「通っぽさ」を周囲にアピールして煙たがられるという展開を楽しまれてはいかがでしょうか?

いっぽうで「耳栓を何種類も持っていくのはめんどくさい」という方は、気圧調整効果がありながら柔らかく、長時間使用も可能な「コンサイス イヤープレーン」で1フライトを乗り切る方法が向いていると言えるでしょう。

飛行機に乗って耳に圧迫感や痛みを感じたことがある人、不安な人は、ぜひこの記事を参考に飛行機用耳栓を用意して、快適な空の旅をお楽しみください!

ちなみに、なぜ4回も飛行機に乗っていたのかと言うと……ドイツで開催された世界最大のカメラ展示会「フォトキナ2018」の取材に行くためです。よろしければ、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週間アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

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