水仕事やアルコール消毒などによって、季節を問わずカサつきがちな「手」。乾燥はささくれやあかぎれの原因にもなるため、できるだけしっとりと保湿された状態をキープしたいところです。今回は、ドラッグストアでよく見かける定番のハンドクリームを実際に使って、塗り心地や保湿力、香りなどを比較しました!
本当におすすめできるアイテムだけを厳選して紹介します
<レビュー協力> ペパーミント
幼少期から音楽や絵に囲まれながら育ち、地元の名古屋や東京都内を中心に活動するミュージシャン。価格.comマガジンでは、美容&日用品のレビューを中心に、読者から共感を集めるライターとして幅広く活動しています。
ハンドクリームは、製品ごとにメインで配合されている成分が異なります。ケアしたい目的によって選ぶべき製品が変わってくるため、まずはそれぞれの配合成分が、どのような肌の対策によいとされているのかを見ていきましょう。
●乾燥対策 【有効成分】セラミド・ヒアルロン酸など
乾燥対策で使うのであれば、「セラミド」や「ヒアルロン酸」などの保湿成分が配合された製品が向いています。また、肌に弾力を与えるとされる「コラーゲン」や、今回の記事では紹介していませんが、肌のハリを保つとされる「エラスチン」などの成分が配合された製品もチェックするとよいでしょう。
●ひび割れ・あかぎれ対策 【有効成分】ビタミンE・ヘパリン類似物質など
ひび割れやあかぎれなどの肌荒れをケアしたい場合は、血行促進や抗酸化作用のある「ビタミンE」や「ヘパリン類似物質」が配合された製品を選びたいところ。水仕事をするときは、薬用成分をキープするためゴム手袋を着用しましょう。
●硬くなった皮膚・ゴワゴワ角質のケア 【有効成分】尿素など
皮膚が厚くなる角化の症状が気になる場合は、角質をやわらかくして取り除く作用のある「尿素」入りの製品が向いています。
成分表には、配合割合が多い順に成分が掲載されています
ドラッグストアでよく見かける、チューブタイプのニベア。缶に入った「ニベアの青缶」と配合成分は同じで、日常のスキンケアにぴったりな全身に使えるアイテムです。今回、さまざまなハンドクリームを比較した中で感じたのは「ニベアは意外と伸びがよくない」ということ。硬めのクリーム系でこっくりとした質感ですが、その分、保湿力はすぐれていると感じました。また、昔ながらの化粧品のような花の香りも個人的には落ち着きます。
肌の保護・保湿に効果があるとされる「ワセリン」や「グリセリン」を配合します
・香り・・・・フローラルの香り
・クリームのやわらかさ ・・・・硬め
・保湿具合・・・・★★★☆☆
・ベタつき・・・・少々ベタつく
・水への強さ・・・・★★★☆☆
・コスパ・・・・★★★★★
「セラミド3」「コレステロール」「遊離脂肪酸」などの肌脂質成分をバランスよく配合した製品で、香料・着色料・防腐剤無添加の処方です。硬めの油成分である「パラフィン」由来のこっくりとした硬めのテクスチャーが特徴で、手に密着する感じがありました。これを「保湿されている」ととらえるか「ベタつく」ととらえるかは人によると思いますが、一日使ってみた感想としては、乾燥感が出にくく、塗り直しも少なく済む印象。また「皮膚保護クリーム」とうたっている製品なだけあって、水に濡れても手が保護されている感覚が続いたため、水仕事をする人にもよさそう。
手にラップがされているような保護感覚がありました
・香り・・・・無香料
・クリームのやわらかさ ・・・・硬め
・保湿具合・・・・★★★★★
・ベタつき・・・・ベタつく
・水への強さ・・・・★★★★★
・コスパ・・・・★★☆☆☆
「セラミドE」「カモミールエキス」「月下香エキス」など植物由来の保湿成分を配合し、しっとり潤うのにベタつかない、これぞスタンダードなハンドクリームといった印象。硬すぎず、やわらかすぎないテクスチャーが特徴で、伸びもよいのでひじやかかとなどの部位にも使いやすいです。一日のうちで何度か塗り直しを行いましたが、耐水性は思ったよりも高いと感じました。コスパもよいので、保湿目的のハンドクリームとしてはとても優秀。
ほんのり漂うやさしい香りも魅力
・香り・・・・微香性
・クリームのやわらかさ ・・・・標準的
・保湿具合・・・・★★★★★
・ベタつき・・・・あまりベタつかない
・水への強さ・・・・★★★☆☆
・コスパ・・・・★★★★☆
「スーパーヒアルロン酸(アセチル化ヒアルロン酸)」「ヒアルロン酸Na」などの潤い成分のほか、皮膚のガサガサや手荒れに効果があるとされる「尿素」を配合しています。やわらかく伸びのよいテクスチャーですが、手を洗うとぬるっと落ちてしまったため、耐水性はあまり高くない印象。サラッとしたハンドクリームを使いたいけれど、肌によい有効成分はしっかり補いたいという人に向いています。
「メンソレータム」系の製品によくある、薬品らしい香りが個人的に好みです
・香り・・・・薬用のリップのような香り
・クリームのやわらかさ ・・・・やわらかめ
・保湿具合・・・・★★☆☆☆
・ベタつき・・・・あまりベタつかない
・水への強さ・・・・★★☆☆☆
・コスパ・・・・★★★★☆
ロクシタンの中でも「定番品」に位置づけられるハンドクリーム。チューブから出したときは硬めのテクスチャーですが、肌に伸ばすとスッとなじみ、軽い質感に変化します。シアバターを20%も配合したぜいたくな処方ですが、ベタつきはほとんど感じず保湿感が長続きしました。また、高級な石けんのような匂いが手に残っていたため、 香りを楽しむ目的でハンドクリームを使いたい人にもぴったり。コスパはあまりよくありませんが、プレゼントとして贈ればよろこばれるでしょう。
高い保湿力があるうえに香りもよい
・香り・・・・高級感のある石けんのような香り
・クリームのやわらかさ ・・・・やや硬め
・保湿具合・・・・★★★☆☆
・ベタつき・・・・ほとんどベタつかない
・水への強さ・・・・★★★☆☆
・コスパ・・・・★★☆☆☆
家庭の薬用品として昔から親しまれているユースキン。特徴的な黄色のクリームには、「ビタミンE誘導体(血行促進成分)」や「グリチルレチン酸(消炎成分)」などの有効成分が含まれており、ひび・あかぎれを効果的にケアしてくれます。また、「dl-カンフル」という炎症を抑える薬用成分が配合されているため、スッと鼻を通るような香りが特徴。塗り直さなくても一日しっとり感が持続し、水にも強い印象でした。まさに“家事のお供”というイメージどおり、水仕事をする人の頼れる相棒となりそう。
クリームの黄色は「ビタミンB2」配合によるもの。やや硬めのテクスチャー
・香り・・・・スッと鼻を通る、昔ながらのバームのような香り
・クリームのやわらかさ ・・・・硬め
・保湿具合・・・・★★★☆☆
・ベタつき・・・・少々ベタつく
・水への強さ・・・・★★★★☆
・コスパ・・・・★★★★★
医療現場でも使われているという純度99%の高濃度「グリセリン(保湿成分)」を配合したハンドクリーム。軟膏のようにかなり硬めのテクスチャーのため、チューブから出しにくいのが難点ですが、手に取ると意外にも伸びはよく、ほかのハンドクリームに比べて「手に膜を張る」ような感覚がありました。手で温めてから塗ると伸ばしやすいです。保湿力に関しては、ベタつくような油っぽさがあるため好みが分かれるところですが、個人的には硬くなった角質をしっかりとやわらげてくれる印象でした。
半透明のクリーム状のテクスチャー
・香り・・・・無香料
・クリームのやわらかさ ・・・・硬め
・保湿具合・・・・★★★★☆
・ベタつき・・・・結構ベタつく
・水への強さ・・・・★★★☆☆
・コスパ・・・・★★★★☆
「尿素」を10%配合したロングセラーのハンドクリーム。ハンドケアはもちろん、ひじやひざ、かかとなどのカサつきにも使えます。みずみずしいクリーム状のテクスチャーが特徴で、手に取った瞬間はやや重たく感じましたが、いざ塗り込むとじんわりとなじんでいく印象。無香料タイプで人を選びませんし、コスパもすぐれているため量を気にせずにたくさん使いたい人にはぴったりです。
水分をたっぷり含んだ、やわらかくて伸びのよいテクスチャー
・香り・・・・無香料
・クリームのやわらかさ ・・・・やわらかめ
・保湿具合・・・・★★★★☆
・ベタつき・・・・ベタつかないがやや重さは感じる
・水への強さ・・・・★★★☆☆
・コスパ・・・・★★★★★
マイクロカプセル化した高純度の「コエンザイムQ10(ユビデカレノン)」を配合したハンドクリーム。保湿成分である「ヒアルロン酸」や肌に弾力を与えるとされる「コラーゲン」、肌荒れ対策の有効成分である「ナイアシンアミド」など、肌の調子を整える成分が配合されています。テクスチャーは標準的なやわらかさで、伸びもよいので肌にスッと浸透する印象。手荒れ対策はもちろん、美容ケアにも使える高コスパなハンドクリームだと感じます。ただし、チューブサイズがやや大きいため持ち歩きには不向きかも。
ベタつかず肌がしっとり潤います。爪やささくれのケアにもよさそう
・香り・・・・無香料
・クリームのやわらかさ ・・・・標準的
・保湿具合・・・・★★★★★
・ベタつき・・・・ベタつかない
・水への強さ・・・・★★★☆☆
・コスパ・・・・★★★★★
花王の「キュレル」といえば、「セラミド」成分配合による潤いケアに特化したシリーズ。テクスチャーはやわらかめで、ベタつきはまったく感じられませんでした。無香料・無着色・弱酸性・アルコールフリーのやさしい処方で、敏感肌の人でも使いやすいのがうれしいポイント。ただし、耐水性はさほど高くなく、塗り直しの頻度は多めになりました。
伸びがよいうえに肌への密着感もあって◎
・香り・・・・無香料
・クリームのやわらかさ ・・・・やわらかめ
・保湿具合・・・・★★★☆☆
・ベタつき・・・・ベタつかない
・水への強さ・・・・★★☆☆☆
・コスパ・・・・★★★☆☆
コーセーとマルホの合併会社が手掛けるハンドクリームで、肌トラブル時などに皮膚科で処方される「ヘパリン類似物質」を配合します。ほかにも、肌荒れ防止の有効成分である「グリチルリチン酸ジカリウム」や厳選された保湿成分「うるおいバリアCPX」(グリセリルグルコシド・スクワラン・セラミド類似ポリマー・3つのアミノ酸・濃グリセリンなど)を配合しているのがポイント。テクスチャーはやわらかめで、塗り込んだ瞬間に肌にフワッと浸透しました。塗った直後は手指にクリームが残っている感じがしましたが、ベタつくというほどではなく、全体的に軽くてみずみずしい使用感が印象的でした。
「ヘパリン類似物質」は、保湿作用だけでなく血行促進や抗炎症にも効果があるそうです
・香り・・・・無香料
・クリームのやわらかさ ・・・・やわらかめ
・保湿具合・・・・★★★★☆
・ベタつき・・・・ほとんどベタつかない
・水への強さ・・・・★★★☆☆
・コスパ・・・・★★★☆☆
65年以上の長い歴史があるザーネクリームは、「天然型ビタミンE」を配合しており、手指だけでなく全身に使えます。保湿や肌荒れ対策などさまざまな肌ケアに役立つクリームといえるでしょう。やわらかめのテクスチャーで、手に取った瞬間はベチャッとした感触がありましたが、手に伸ばしていくとベタつきは抑えられて、肌なじみがよくなる印象でした。ほんのりやさしい石けんの香りが漂います。
耐水性が高いのもうれしいポイント!
・香り・・・・石けんのようなやさしい香り
・クリームのやわらかさ ・・・・やわらかめ
・保湿具合・・・・★★★★☆
・ベタつき・・・・ほとんどベタつかない
・水への強さ・・・・★★★★☆
・コスパ・・・・★★★★☆
ここまで、おすすめのハンドクリーム12選を紹介してきましたが、なかでも特に「保湿力が高い」と感じた製品と、「水に強い」と感じた製品のBEST3を発表します! あくまでも個人的な印象ですが、参考になれば幸いです。
1位:花王「アトリックス ハンドクリーム チューブ」
2位:第一三共ヘルスケア「ロコベースリペア クリーム」
3位:コーセーコスメポート「コエンリッチQ10薬用ホワイトニングハンドクリーム」
1位:第一三共ヘルスケア「ロコベースリペア クリーム」
2位:ユースキン製薬「ユースキン」
3位:エーザイ「ザーネクリーム」
個人的なNo.1は「コエンリッチQ10薬用ホワイトニングハンドクリーム」! 使い心地、配合成分、塗ったときの使用感、保湿力など、総合的に優秀なハンドクリームでした。また、これだけ充実した成分を配合しているのにコスパがよいのも魅力。今後もリピートして使い続けたいです。
人気のハンドクリームを使って比較してみると、製品ごとに特徴や使用感にかなり差があることに驚きます。手の状態や香りなどの好みは人それぞれですが、今回の記事が自分に合ったハンドクリームを見つける一助になればうれしいです。ぜひ参考にしてみてください!
本記事は、紹介する製品の効能・効果について保証するものではありません。アレルギー体質の方や妊婦の方は、かかりつけの医師に相談のうえ購入してください。
(※本記事の内容は、筆者個人の感想に基づくものです)
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