その道の専門家に聞く! 介護に必要なモノとコト
紙おむつの前に使うアイテムについて知ろう

トイレが間に合わない! 尿もれが始まったら使うべき介護用品とは?

家族を自宅で介護する際に必要となる介護用品。数ある介護用品の中から何を選べばいいか迷った時に役立ててほしいという想いからスタートした、この連載。今回は、排尿にまつわる介護用品を紹介します。


排尿対策用品は紙おむつだけじゃない!

排尿トラブルは、誰にとっても人に知られたくない悩ましい問題です。ましてや人に介助してもらうとなれば、たとえ家族であっても躊躇してしまうデリケートなもの。にもかかわらず、家族間では「大人用紙おむつを使ったら?」と、簡単に紙おむつを勧めてしまいがち。そこで親が拒否すると、おむつ問題が家族介護の大きな介護トラブルに発展する、なんてこともよくあります。

ここで覚えておいていただきたいのは、介護レベルにより排尿対策用品が違ってくるということ。紙おむつのほか、尿もれパッド、失禁パンツなどがあり、介護者の状態によって適するものが異なるので、「排尿トラブル=紙おむつ」とするのは間違い。おむつは「老い」や「介護」を連想させるため、強い拒否感を覚えやすいのです。もちろん、紙おむつが必要な介護レベルになった時には否応なく使わなければなりませんが、ほかの排尿対策用品でこと足りることも。おおまかに分類をすると下の図のようになります。

ひとりでトイレに行けるか行けないかが大きな分岐点。行けなくなったら、紙おむつを使うことになるケースが多いです。ただし、介助してもらえばトイレに行くことができ、排尿できる人の場合、紙おむつでなくても問題ないこともあります

排尿対策用品を選ぶ際、もっとも重要なのはどのくらいの尿を吸水できるかということ。10cc以下の微量、15〜30ccの少量、50〜100ccの中量、150cc 以上の重量または長時間用というように、吸水量に応じたアイテムが用意されています。一般的な高齢者の1回分の排尿量は100〜150ccといわれており、このくらいであれば大人用紙おむつの手前の段階で使う尿もれパッドや失禁パンツでもカバー可能。しかし、対応できるのは最大200〜300ccなので、自分で交換できない、心身のさまざまな理由によりトイレでの排尿が難しい状態になった際には、大人用紙おむつへの移行を検討したほうがいいでしょう。

介護というと紙おむつの印象が強いので、紙おむつについて知りたい方は多いかもしれませんが、今回は、比較的軽度なレベルで使用する尿もれパッドや失禁パンツについて解説します。紙おむつについては次回紹介するので、少々お待ちください。

“ちょっと漏れる”が続いたら、まずは「尿もれパッド」

尿もれパッドはメーカーにより、パンティライナー、吸水ナプキン、軽失禁パッドなど呼び名は異なりますが、普段の下着に装着して使用する尿を吸収するパッド(ナプキン)。ちょっとトイレが間に合わないことがある時に役立ちます。実は、尿もれパッドは介護を必要としない30代以降の人が使っていることもめずらしくないため、介護用品という感じはしませんが、介護用品としても扱われています。介護という印象が薄いので、自由に動け、自分でトイレに行けるけれど、たまに間に合わない時があるような高齢の親にも、尿もれパッドは比較的抵抗なくつけてもらえるでしょう。

そんな尿もれパッドを選ぶ際のポイントは、やはり吸収量。2ccから300ccまで吸収量の異なる製品がラインアップされているので、普段用、長時間用、夜間用など、場面によって使い分けできます。さらに、男女兼用ではなく、男性用、女性用と性別に合ったものを選ぶと、より安心で快適。男性用は前側を幅広くカバーする形状となっており、目安吸収量10〜200ccの種類が用意されています。女性用は男性用よりも種類が豊富で、フラットなライナー型から体にぴったりフィットする立体型や羽根付きなどさまざま。目安吸収量も微量の2ccから1回分の尿がしっかり吸収できる300ccまで揃えられています。

ユニ・チャーム「ライフリー さわやかパッド」(吸収量80cc)の女性用(左)と男性用(右)。男性用は前側が幅広いカタチになっています

吸収量270ccの尿もれパッドは、長さがあるだけでなく厚みもあります。装着した際の不快感を減らしたい人は、薄型をうたった商品を選ぶといいでしょう

たっぷりの量を吸収できる尿もれパッドは、ある程度長時間着けっぱなしにしておく可能性が高いもの。日本国内メーカーの商品であれば、まず品質は問題なさそうですが、吸水した水分が逆戻りしないのかを検証してみました。

ユニ・チャーム「ライフリー さわやかパッド」(吸収量270cc)に着色した水(約270cc)を注ぎます(下の動画参照)

上の動画を見ればわかるように、270ccの水はすべて吸収されました。実際の失禁の場合、尿はもっと勢いよく出るため完全な再現とは言えませんが、サイドや裏からの漏れも一切ありませんし、吸収力は上々と言えるのではないでしょうか。とはいえ、吸収した部分がびしょびしょでは装着しているのが気持ち悪いもの。そこで、紙のコースターで吸収部分を押さえ、どのくらい逆戻りするのかをチェックしてみました(下の動画参照)。

上の動画で試したとおり、紙のコースターにはほぼ逆戻りせず。手で触ってみたところ、サラサラ! この検証は尿で行っていないため、実際の使用感とは異なる部分もありますが、吸収面は想像以上にサラッとしていると思われます

<代表的な尿もれパッドをピックアップ!>

薄型をウリにしている商品を中心に集めてみました。いずれも、かぶれやムレ、消臭を配慮しています。

・日本製紙クレシア「ポイズメンズパッド 薄型ワイド」(男性用)

ボクサータイプのトランクスやブリーフの下に装着できます。300ccが吸収できるパッドでも厚みは5mm。吸収量80cc、120cc、200cc、300ccの商品が用意されています

・日本製紙クレシア「ポイズ 肌ケアパッド 超スリム」(女性用)

従来の「ポイズ 肌ケアパッド」に比べ約半分の薄さを実現。これは、一般的な尿もれパッドの半分の薄さとのこと。肌に触れる部分は弱酸性なので、かぶれも軽減。吸収量60cc、110cc、160cc、190cc、230ccの商品が用意されています

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・リブドゥコーポレーション「リフレ 超うす安心パッド」(女性用)

上で紹介した日本製紙クレシアのパッドよりもさらに薄いのがこちら。吸収量170ccのパッドの厚みは2mm、もっとも量の多い300ccのパッドでも3.5mmという薄さです。吸収量25cc、50cc、80cc、120cc、170cc、200cc、230cc、300ccをラインアップ

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なお、尿もれパッドと名称や形状の似ている「尿とりパッド」というものがあります。尿とりパッドは大人用紙おむつに取り付けて使う仕様となっているので、サイズが大きく厚みもあり、尿もれパッドのように下着に装着することはできません。その分、尿とりパッドは尿もれパッド(〜300cc)がカバーできない吸水量(300〜1,000cc以上)がラインアップされています。尿とれパッドは紙おむつと併用するものなので、次回以降で紹介します。

同じ吸収量300ccのパッドでも、下着に装着する尿もれパッド(左)と大人用紙おむつ尿とりパッド(右)では大きさや厚みだけでなく、形状も若干異なります。尿もれパッドのほうが下着につけやすいようにフラットなカタチになっています

ランニングコストを抑えるなら「失禁パンツ」という選択肢もあり!

尿もれパッドは使い捨てのため、コンスタントに費用がかかります。この費用を抑えたい人は、洗濯して何度でも使える、尿もれパッドと下着が一体となった「失禁パンツ」を選ぶのもいいでしょう。男性用は15〜200cc、女性用は10〜300ccと、微量から1回分の尿をカバーできるものまでラインアップされていますが、吸収量に応じてパッド部分の層が厚くなるため、100cc以上の吸収量になると少々もっさり感はでてきます。なお、男女別に商品が用意されており、男性用はトランクス、ブリーフ、ボクサーパンツ型、女性用はショーツ型、1分丈、5分丈と、普通の下着と変わらないデザインが揃えられています。

男性は尿もれが下着などに染みたことをきっかけに、女性は旅行先でも見た目が気にならないという理由で失禁パンツを選ぶことが多いようです

吸収量に応じてサイズが異なりますが、下着の内側にパッドが縫い付けられています

吸収量に応じてサイズが異なりますが、下着の内側にパッドが縫い付けられています

横からの漏れを防ぐために、パッドのサイドをパンツに直接縫い付けていない商品も多いようです

横からの漏れを防ぐために、パッドのサイドをパンツに直接縫い付けていない商品も多いようです

<代表的な失禁パンツをピックアップ!>

普通のパンツに近いデザインを意識したアイテムを中心にセレクトしてみました。いずれも抗菌防臭加工が施されているほか、伸縮性もいいのでフィット感や履き心地もバッチリ。今回ピックアップした商品は、パッドを直接縫い付けていないタイプとなります。

・グンゼ「愛情らくらく ニットトランクス(前あき)」(男性用)

普通の下着と遜色ないデザインで、50ccまでの尿もれをカバー。消臭効果だけでなく、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌の増殖を抑える加工も施されています。同仕様のブリーフタイプ「天引ブリーフ(前あき)」もラインアップ

吸収量50ccのタイプは、お尻のほうまでパッドが装着されています。パッドのサイドは縫い付けられていません

吸収量50ccのタイプは、お尻のほうまでパッドが装着されています。パッドのサイドは縫い付けられていません

・テイジン「ウェルドライ」(男性用)

パッド部分を「ドライ層」「吸水層」「防水層」「表地層」からなる4層構造とすることで、通気性を確保しつつ、素早い吸水を実現。縫い目の針穴からももれにくい独自技術が施されています。トランクス(吸収量40cc、80cc)とブリーフ(吸収量40cc)のほか、ステテコパンツ(吸収量40cc)もラインアップ

吸収量40ccのトランクスタイプのパッドは、前側のみ装着。パッドのサイドを一部縫い付けることで、性器の位置に合わせパッドが当たりやすくするとともに、パッドがズレすぎないようにしています

・グンゼ「愛情らくらく ショーツ」(女性用)

吸収量別に10cc、20cc、50ccが用意されています。もっとも吸収量の多い50ccは写真のように、後方までパッドが大きく装着されていますが、履いてしまえば、見た目は普通の下着。消臭・制菌加工がされているのはもちろん、洗濯しても型崩れしないように工夫されています

パッドのサイドを縫い付けないことで、横漏れを防ぎます

パッドのサイドを縫い付けないことで、横漏れを防ぎます

・テイジン「ウェルドライ」(女性用)

基本的な仕様は上で紹介したテイジンの男性用と同様。4層構造のパッドで、快適性と確かな吸水を実現。吸収量10cc、50cc、120ccが用意されているほか、五分丈(10cc、60cc)も用意されています

グンゼ「愛情らくらく ショーツ」と同じように、縫った糸から尿漏れしないようにパッドのサイドはすべてパンツに縫い付けない仕様となっています。ただし、一部を縫い付けることで、ズレを低減しているのだそう

ほぼ下着感覚の超薄型紙パンツがトレンドに!?

最近、超薄型の紙パンツが続々とリリースされています。紙パンツは薄型の紙おむつなのですが、これまでのものは介護が必要な人や高齢者が使うようなデザインのものがほとんどだったのですが、超薄型の紙パンツは限りなく普通の下着に近く、かつ、おしゃれ。ローライズでズボンのウエストから紙パンツがのぞかないタイプなども登場し、まだまだアクティブに動ける中高年以上を対象としているようで、紙おむつでもない、下着でもない「新しい下着」として注目を集めています。分類的には紙おむつですが、介護レベル的には今回紹介している尿もれパッドに代わるアイテムといえるでしょう。まだ尿もれが軽度な時にこのような紙パンツから始めて慣れてもらえれば、将来的に紙おむつが必要になった時、抵抗が少なくなるかもしれません。

・花王「リリーフ まるで下着 ローライズ」

ピタッとしたズボンを履いてもヒップに紙パンツのラインが出ないほど薄い「まるで下着」シリーズに、新たに登場したのがローライズタイプ。尿吸収回数は1回のみで、150mlまで対応しており、男性用、女性用が用意されています

・ハッソーケア「吸水パッド&ショーツセット」

複数の柄が用意された薄型の紙ショーツと、横もれをガードする立体ギャザーを装備した消臭性の高いパッドを一緒に使用します。パッドは50cc、100cc、150cc、300cc(45cmと51cmの2種類)がラインアップされているので、必要に応じて使い分け可能。単品で購入できるほか、ショーツとパッドがセットになったものもリリースされています。男性用もあり

最後に……

以上、尿もれパッド、失禁パンツ、超薄型紙パンツそれぞれについて見てきましたが、いずれにも対応する吸収量の商品があった場合、慣れないうちはどれを選ぶか迷ってしまうかもしれません。介護の現場で働く人によると、女性は「下着+尿もれパッド」からスタートして、それでも不安になってきたら「失禁パンツ+尿もれパッド」に切り替える人が多いのだそう。また、普段の昼間は「下着+尿もれパッド」で、就寝時や外出時だけ「失禁パンツ+尿もれパッド」にするというように、臨機応変な使い方をする人も少なくありません。ただ、失禁パンツは毎回洗濯しなければならないので、尿もれが頻繁になってきたら、次第にパンツ型の紙おむつ+尿もれパッドの組み合わせに移行していくのがいいそうです。

トイレに自力で行けなくなった人は、次回紹介する紙おむつを使用するという選択肢になりますが、そこまでには達しない場合、紙おむつを使うことに大きな抵抗がある人が多いもの。自分で尿もれを認識していても、尿もれパッドや失禁パンツにすら手を出さない人もいます。そんな頑なな拒絶反応を大きく変えてくれる可能性を秘めているのが、最後に紹介した超薄型紙パンツ。アクティブに使える、30代、40代の人も使っていそう(実際に使っている人も多いですが)と思わせるメーカーのイメージ戦略も功を奏し、実際、筆者の知り合いの80代の女性が「使ってみようかしら」と言い出してびっくりしました(家族に尿もれパッドをすすめられても拒否していたのに……)。このような心境変化を起こしてくれる排尿対策用品が出てくることは、非常にいいことだと思います。「着けて」vs「着けたくない」といった言い争いは精神的に疲れますし、介護するほうもされるほうにもメリットはありません。もし、親に尿もれパッドなどをすすめたいなら、「(自分が)使おうかな」というノリで超薄型紙パンツの情報を教えてあげると心を開いてくれるかも。

浅井郁子

浅井郁子

介護、福祉、高齢者支援をテーマに執筆活動するかたわら、地域の高齢者支援にも励む毎日。在宅介護の経験をもとに「ケアダイアリー介護する人のための手帳」を発売。

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  • 本記事は情報の提供を目的としています。記事内で紹介している商品は人によっては合わない可能性もありますので、試供品などがある場合は、試されてからの購入を推奨します。
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