猫飼いの皆さまにおかれましては、一度は壁でガリガリやられた苦い経験があるのではないでしょうか。
私は最近まで猫OKの賃貸マンションに住んでいました。一応保護シートを貼ってはいたものの、7年間住み続けるとひっかき傷が目立つようになっていました。
退去のときは、猫OKの物件なので壁紙の損傷について請求されることはなく、敷金も戻ってきたのですが。
引っ越し先の新居は一戸建てをリフォームするという形でした。真っ先に「猫のひっかき傷に強い壁紙にしてください!」と工務店さんにリクエストをし、施工してもらいました。
しばらくは猫も爪を立てなかったけど、数か月後ふとみると、やられてるやん!
冷蔵庫の上に乗ろうとした巨体猫が後ろ足を引っかけたもよう。早々にこれはへこむわー。さすがに10kgの猫ともなると表面強化の壁紙も限界があるのか……。
犯人
あなたが冷蔵庫の上に乗るなんて思ってもみなかった。出来心だったのだろうか。
新居でこうなってしまうとさすがに悲しいので、なんとか直せないか補修グッズを試してみることにしました。
かわいい名前だけど心強い味方
セメダイン社の「かべっ子」。なんてかわいい名前なんでしょう。扱いやすい水性で、乾くと透明になります。木工用ボンドに似た質感です。
傷をめくって、つまようじを使いボンドを入り込ませます。はみ出たボンドは、乾く前に濡れ布巾で拭き取りましょう。壁紙によっては、はみ出たボンドが光って見えてしまうそうです。
爪で押してなじませます。ぱっと見どこに傷があったかわからないくらいになりました。これくらいの傷だと3分くらいで直せます。 速乾なのも使いやすかった。
冷蔵庫のすぐ横だったので毎日気になっていたけど、もう大丈夫。
犯人の10kg猫は、冷蔵庫の上に乗るのは大変だったようで、今はまったく乗ろうとしません。結果オーライだけどもうトライしないでほしい。
同時期にやられたやつ。さっきのような裂けた感じではなくペラッと剥がれてしまっていて、剥がれた部分が浮いてしまいそうだけど、うまく直せるのか?
犯人
ここも冷蔵庫に乗るときにやられたようだ。
ここで新アイテム。ローラーです。
へらと、小さな筆もセットになっています。
先ほどのようにボンドを付けて濡れ布巾で拭き、力を入れてコロコロします。
剥がれた壁紙のクセで浮いてきてしまうので、ある程度ボンドが乾いて固定されるまでコロコロしまくります。人生にはこういう試練もあるのだ。
中腰でひたすらコロコロし続ける私の姿を、猫が不思議そうに見ていました。お前らのせいだぞ。
ただの亀裂タイプより時間はかかったけど、直せました。これもぱっと見わからないレベル。1か月くらいたつけど浮いてきていません。しつこくコロコロしたかいがあった。
ちなみに、剥がれた部分を損失してしまった場合は、型取りをして補完するやり方があります。
これは壁の模様を型取りできるパテタイプの補修材です。欠けたパーツの代わりとなってくれます。心強いですね。
商品レビューを見ると、これを使って壁を直し、敷金が全額返還になった人たちが歓喜していました(我が家はまだ出番がないけど、これからも出番なしでいてほしい)。
ある日見つけてしまった。あー、一番やっかいなタイプ。しかも広範囲……。
ここはトイレの引き戸のところの壁なんですが、手違いでなぜかやわやわな壁紙を貼られていたのです。ポロポロと細かく剥がれてしまっていますね。
犯人
爪が入らない表面強化の壁紙では爪をとがないけど、やわらかい壁を見つけるとちゃんととぐ女。猫としてのアイデンティティー、ぬかりない信念を感じます。
こういった細かい傷の場合は、つまようじでボンドを塗り、はみ出たボンドを取るときは濡れ布巾をこすらずにトントンとたたくようにしましょう。
小さな傷はボンドが付けづらく、そして浮きやすいので、へらでグッと強く押していきます。 数が多いと心が折れそうになる。
最後にローラーの端っこでギリギリと押さえ込みます。ある程度乾燥して固定されるまで続けましょう。このとき、ローラーの動きに猫がじゃれついてきました。完全にケンカを売られている。
猫との攻防のすえ、どうにか気にならないレベルに。
最初の2つの傷補修は楽しかったけど、ちっちゃいのがたくさんというのは全然楽しくないな(笑)。
今回いろいろと試してみた結果、どの傷も気にならないレベルにまで直すことができました。
保護シートを貼るのが一番なのはわかっているけど……
保護シートも家じゅうとなるとなかなか難儀で、剥がれてきてのりの跡が残ってしまったりするんですよね。ほかにも爪とぎを複数置いたり、爪を切ったり、爪カバーを施したりといろいろ対策をしてはいるけど、完全には防げないのが現状。
絶対に引っかかれないように気を張るより、もしやられたら補修すればいっか、と構えるのもひとつの手かもしれません。
壁で爪とぎするのは本能だけど、障子を破るのはたぶんわざと