文具対談
【特別編】シャープペンシルのネクストジェネレーションはこれ!

シャーペン新時代到来! 筆記が超快適になる「高機能グリップ」搭載モデル3傑

2014年、ゼブラは「どれだけ力を込めても芯が折れない!」というキャッチコピーで、シャープペンシル「デルガード」を発売しました。それ以降、現在に至るまでのシャープペンシル界は、芯が折れない機能をうたった製品で埋め尽くされてきた感があります。

パイロットの「モーグルエアー」シリーズしかり、ぺんてるの「オレンズ」シリーズしかり。芯が回転して片減りしない三菱鉛筆の「クルトガ」シリーズも、途中からは芯が折れないアピールを強めて対抗してきました。これはもう、完全に「芯が折れないシャープペンシル戦国時代」だったわけで。

ところが、昨年2019年ぐらいから風向きがちょっと変わってきたような雰囲気が……。芯が折れない機能ではなく、グリップ性能の向上をうたう製品が各メーカーから現れ始めたんです。もしかしたら、今後のシャープペンシルは、「握りやすい」「汗で滑らない」「手が疲れにくい」といった新グリップの機能競争にシフトするのかもしれません。

であれば、今、注目しておいて損はない! 今回は、シャープペンシルのネクストジェネレーションになるかもしれない「グリップ強化型シャープペンシル」を3本紹介します。

ゼブラの主張「最強グリップは自分で巻いて作れ」

まず紹介したいのが、2019年秋に発売されたゼブラ「マイティグリップ」。

「デルガード」の発売以降、芯が折れないシャープペンシルを強固に打ち出してきたゼブラらしからぬ、なんと“折れない機能非搭載”の製品です。

「滑らないグリップを求めるならコレ!」と断言したいほどの機能を持つゼブラ「マイティグリップ」

「滑らないグリップを求めるならコレ!」と断言したいほどの機能を持つゼブラ「マイティグリップ」

製品名を見る限り、グリップに特徴があるんだろうなー、というのは予想できるんですが、その肝心のグリップがやけに細くてヒョロヒョロ……。この時点では、「もやしっ子か」という印象しかありません。

それもそのはず。実はこのシャープペンシル、購入時点では未完成。付属のグリップバンドをユーザーが自分の手で巻き付けることによって、ようやくその真価を発揮する設計なんです。

グリップバンドは少し伸びるので、割と強めに引っ張りながら巻くのがきれいに巻くコツ

グリップバンドは少し伸びるので、割と強めに引っ張りながら巻くのがきれいに巻くコツ

軸の細いグリップにグリップバンドをぐるぐると巻いて……これで完成。握ってみると、これまでに触ってきたどのシャープペンシルとも異なる、指にがっちりと吸い付くような感触があります。

このグリップバンド、実はテニスやバドミントンのラケット用グリップバンドと同じ素材で作られているもの。つまり、汗びしょびしょの手で握ってフルスイングしても滑らない想定のグリップ機能を持っている、というわけ。確かに、どれほど手汗をかいても、これなら握りがズレるような心配はないでしょう。

グリップバンドは、サラッとした感触の「DRYタイプ」と、しっとりと吸い付くような「WETタイプ」から選択可能。

サラサラの「DRYタイプ」(左)と、しっとり「WETタイプ」(右)をラインアップ。質感がまったく異なるが、どちらかと言えば「DRYタイプ」のほうが万人向きかも

手汗が心配という人は、「DRYタイプ」の手触りがとても気持ちいいはず。対して「WETタイプ」は乾燥肌で指がカサつく人でも滑り知らず。どちらにしても、グリップ力は規格外の安定性を持っています。

さらに、1枚巻いただけだとちょっと細過ぎる……と感じるのであれば、グリップバンドだけで別売りもされているので、追加で2枚、3枚と重ね巻きするのもOK。グリップの太さに対する好みも、自分で調整可能です。

個人的には、2枚巻きが太さの面ではベストな気がします。クッション性も高まって快適

個人的には、2枚巻きが太さの面ではベストな気がします。クッション性も高まって快適

とにかく、「グリップが滑るのが不快!」と思ったことのある人なら、使って損のない絶対的性能。アスリートライクに筆記作業を行うなら、マストなシャープペンシルだと思います。汗で汚れたら巻き直せるのも、これからの暑い時期にうれしいですよね。

パイロットの主張「機能性グリップの歴史は『ドクグリ』から始まった」

そもそも、筆記具のグリップに「握りやすさ」という概念を持ち込んだ元祖と言えるのが、1991年発売の初代「ドクターグリップ」(初代は油性ボールペン。シャープペンシル版は翌1992年発売)、通称「ドクグリ」です。

人間工学に基づいた太めの軸径に、安定して握れるシリコンゴムのグリップ。「首や肩の筋肉に負担をかけず、書き仕事の疲労を軽減させる」といううたい文句は、発売当時、とても衝撃的でした。

機能性グリップで知られる「ドクグリ」の最新フラッグシップモデル「Dr.Grip ACE(ドクターグリップエース)」

以降30年近く、パイロットの大看板のひとつとして存在し続けてきた「ドクグリ」シリーズですが、その最新版にして高機能フラッグシップモデルとも言るのが、この「ドクターグリップエース」。

もはやおなじみ過ぎるほどに特徴的な先広がりのゴムグリップですが、こちらは現行の人気モデル「ドクターグリップGスペック」よりも硬めの感触です。

好みの問題はありますが、2重ラバーがやわらか過ぎるとの声もある「Gスペック」よりも、しっかりと握れる硬めの「エース」のほうが好ましい、という人は出てくるでしょう。

しっかりと握った感のある、やや硬めのシリコンゴムグリップ

しっかりと握った感のある、やや硬めのシリコンゴムグリップ

上下に振るだけで芯が出る「フレフレ機構」。これに慣れると、もうノックノブを押す気になれない、というファンも多い

機能面では、同社の折れないシャープペンシル「モーグルエアー」シリーズと同等のアクティブサスペンションを搭載。過剰な筆圧がかかると、先端が沈み込むことで芯折れを防ぐ構造を採用しています。

さらに、これまた人気の高い「フレフレ機構」(軸を上下に振ることでノックせずに芯が出せる)も付いており、もはやパイロットのシャープペンシル人気機能全部盛り、といった感じ。

「軸タンク内の残り芯ラスト1本」を知らせてくれる「ラスイチサイン」

「軸タンク内の残り芯ラスト1本」を知らせてくれる「ラスイチサイン」

加えて面白いのが、内部の残り芯が1本になると、軸に搭載された窓をオレンジ色に変化させて知らせてくれる「エース」独自の「ラスイチサイン」機能です。

シャープペンシルは、芯補充のタイミングがつかみづらいため、試験の時などにうっかり芯切れを起こして大慌て、なんてことも。「ラスイチサイン」さえ見逃さなければ、そんなトラブルを事前に回避できるため、これはかなりありがたい機能と言えるでしょう。

ただ、窓が軸後端にあるため、このサイン自体を見逃しがちなので、そこは気をつける必要があるんですが。

三菱鉛筆の主張「グリップの硬さは好みで選ぶべき」

最後に紹介するのが、三菱鉛筆の「ユニ アルファゲル<シャカシャカ機能搭載モデル>」。

「パイロットの『ドクグリ』、三菱鉛筆の『アルファゲル』」と並び称されるほど、こちらもグリップ性能で昔から人気の高い製品です。

衝撃吸収グリップを搭載する「ユニ アルファゲル<シャカシャカ機能搭載モデル>」。左から「やわらかめ癒し系タイプ」「ややかため実用系タイプ」、そして最新の「かため」

太いグリップは、衝撃吸収材「αGEL」をシリコンゴムで巻いた2層構造で、ぷにぷに&モチモチとした独特の感触が特徴。滑らないグリップ力をゴムで、筆記時の指への衝撃吸収をゲルが担う仕組みです。

ソフトな「やわらかめ癒し系タイプ」と安定感のある「ややかため実用系タイプ」というラインアップでしたが、2019年春に「かため」タイプが新登場。これでついに、「アルファゲル」シリーズが出揃ったな、という感じでしょうか。

「やわらかめ癒し系タイプ」(左)は握ると、ここまで変形するぐらいやわらかい。「ややかため実用系タイプ」はそこまで極端ではない、ほどほど感のあるやわらかさ

硬さで比較すると、「やわらかめ癒し系タイプ」は「フワフワ〜」と表現する以外にない、超ソフトな握り心地。力を入れずに持っただけでも指に当たる部分が変形して沈み込むほどで、握力が弱い人でもしっかりと握って書くことができます。

「ややかため実用系タイプ」も、やわらかな印象に変わりはありませんが、その名の通り、やや硬め、と言うか弾力が増したチューニングで、より万人向け。

握って力を入れると、押し戻してくる高反発の「かため」。安定感と衝撃吸収性を兼ね備えている

握って力を入れると、押し戻してくる高反発の「かため」。安定感と衝撃吸収性を兼ね備えている

対して、最新の「かため」はと言うと……、もちろんこれも「αGEL」を内包している分、シリコンゴムだけのグリップよりはモチモチした感じ。

ですが、いざ書こうと指に力を入れて握ると、その圧をグッと押し返すような反発力が感じられます。これで筆記時の安定感が大幅にアップし、とても書きやすくなりました。

ソフトに指を守りつつ、攻める時はハードに。個人的な感想ですが、「アルファゲル」シリーズの完成版はこれなんじゃないか?と思えるほどに気持ちのよい握り心地です。

「シャカシャカ機構」のオン/オフが可能な芯ロック機構は、ノックノブと兼用。強く押し込むと、芯にロックがかかる構造です

グリップ以外に注目すべきは、軸を上下に振って芯が出る「シャカシャカ機構」でしょう。

これは、パイロット「ドクターグリップエース」の「フレフレ機構」と同等のものですが、こちらのほうがグリップに衝撃吸収ゲルが入っているせいか、軸内でオモリが移動するガツンガツンという衝撃音が外に響きにくくなっています。図書館など、静かな場所では、その音が耳障りにもなりえるので、静かなほうがいいですよね。

また、シャカシャカ振っても芯が出なくなるロック機構が付いているのもうれしいポイント。

【まとめ】筆記時の快適性は大幅にアップすることは間違いなし!

「芯が折れない」という単一にしてシンプルな価値観に対して、グリップ性能は形状/太さ/硬さ/滑りにくさ……など、複雑にしてさまざまな要素があります。

したがって、自分好みのグリップを選ぶのはなかなか難しいことではありますが、自分にマッチするものに当たれば、筆記時の快適性は大幅にアップすることは間違いなし!

今回オススメした以外にも、グリップに特徴のある製品はまだまだあるので、ぜひいろいろと試してみてください。グリップ、面白いですよ。

きだてたく

きだてたく

最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。

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