髪に潤いを与えて、ブラッシングや熱などのダメージから髪を守ってくれるヘアオイル。美しい髪をキープするために人気のアイテムですが、ヘアケアの知識がないと、どの製品を選べばよいのか迷ってしまいがち。ヘアオイル選びで大切なのは「自分の髪質に合ったもの」を見つけること。そのうえで、髪の悩みや目的に応じてきちんと使い分けましょう。ここでは、ヘアオイルの選び方を解説するとともに、実際に使ってわかったおすすめのヘアオイル10選を紹介します。
15製品以上のヘアオイルを新たに試して、本当におすすめできるアイテムだけを厳選しました
ヘアオイルとは名前のとおり、オイル(油)を主成分としたヘアケアアイテムで、主に髪のスタイリングと保湿を目的に使用されます。ここでは、ヘアオイルの主な効果と役割について解説します。
ヘアケア剤の中でも、特に高い保湿力を持つとされるヘアオイル。定期的に使用することで、髪に不足しがちな水分や油分を補い、潤いとツヤを与える効果が期待されます。特に、冷房や暖房をよく使う時期はいつもより髪が乾燥しがち。外出前や入浴後など気になるタイミングでこまめに使用し、みずみずしい髪をキープしましょう。
髪の表面を油分でコーティングし、熱や摩擦などの刺激から髪を守ってくれるのもヘアオイルの役割のひとつ。タオルドライした後にヘアオイルを数滴なじませてから、ドライヤーで髪を乾かすと効果的です。また、冬場はマフラーやセーターとの摩擦で起きる静電気を抑制してくれる効果も期待できるでしょう。
髪のボリュームを抑えたり、濡れ髪ヘアを作ったりと、スタイリング剤としても活躍するヘアオイル。特に、ウェットなツヤ感やナチュラルヘアを作りたいときにはうってつけです。うねりやパサつきによって広がった髪も、毛先までしっかりまとめやすくなるので、ブローやセットに活用して好みのヘアアレンジを楽しみましょう。
忘れてはいけないのが、香りによるリラックス効果。ヘアオイルを使った後にサラサラになった質感の髪に癒されるのはもちろん、好みの香りをまとえば1日気持ちよく過ごせるでしょう。ここ最近は「金木犀」の香りがトレンド。なかには時間が経つにつれて香りが変化するユニークな製品も。香りが苦手な人向けに無香料タイプもあるので、好みやシチュエーションに合わせて使い分けてみてください。
ヘアオイル選びにあたっては、髪にやさしい製品を探すのはもちろんですが、使い心地や実用性も重視したいところ。ここでは、ヘアオイルを選ぶときにチェックしたいポイントを解説していきます。
ヘアオイルは大まかに、毛髪補修効果の高い「ヘアケアオイル」と、ヘアアレンジに使う「スタイリングオイル」の2種類に分類されます。製品ラベルに「流さないトリートメント」や「アウトバストリートメント」の表記があればヘアケアオイル、「スタイリング剤」の表記があればスタイリングオイルと考えて差し支えありません。
▼ヘアケアオイルの特徴
主に髪の補修やコーティングを行い、熱やダメージから髪を守るといったヘアケアの役割を持つアイテム。比較的サラッとした質感が多く、髪を乾かす前後どちらでも使用できます。
▼スタイリングオイルの特徴
髪のまとまりや濡れ感を出すといったヘアアレンジの役割を持つアイテム。重みのある質感が多く、ボリュームダウン効果も期待できるため、くせ毛や髪の広がりが気になる人におすすめ。主に髪を乾かしたり、セットしたりした後に使います。
ヘアオイルの質感は主に「さらっとタイプ」と「しっとりタイプ」の2種類に分類されます。もし迷う場合は、下記のように髪質やダメージレベルに合わせて使い分けてみてください。
▼健康毛の人におすすめのさらっとタイプ
健康毛の人が「しっとりタイプ」を使うと、油分過多で髪がベタついてしまいがち。髪のダメージがあまり気にならないなら「さらっとタイプ」を使うとよいでしょう。また、猫っ毛など髪質がやわらかい人も、せっかくのふわっと感を損なわないように、軽い質感のものがおすすめ。今回おすすめ選定した中では「UTAU」「uka」「NiNE」などが該当します。
▼くせ毛・ダメージ毛の人におすすめのしっとりタイプ
ダメージ毛の人は「さらっとタイプ」が物足りなく感じることも多いです。髪のうねりやゴワつきが気になるなら「しっとりタイプ」がおすすめ。また、ウェットな質感をプラスしたいときも、しっとりタイプがうってつけ。「track」「oggi otto」「LINC」などが該当します。
「熱から髪を守ること」もヘアオイルの重要な役割のひとつ。代表的なヒートケア成分には「メドウフォーム-δ-ラクトン」「γ-ドコサラクトン」などがあり、ドライヤーなどの熱に反応してダメージを軽減してくれる効果が期待されます。ヘアアレンジを積極的に楽しみたいなら、ヒートケア成分が配合される製品(「THERATIS」や「LINC」など)の中から選んでもよいでしょう。
ヘアオイルの価格は、市販品だと1,000〜1,500円、サロン品だと2,500〜3,000円ぐらいのアイテムが人気の傾向です。一概に「価格が高ければよいヘアオイル」というわけではないので注意しましょう。最近は、ドラッグストアで買える市販のヘアオイルの中にも、サロン並みの仕上がりが期待できる優秀なアイテムが増えてきました。
初心者におすすめなのは適量を出しやすい「ポンプタイプ」。髪の長さや毛量に合わせて、1プッシュ、2プッシュと使用量をコントロールできるので、付けすぎによるベタつきや塗りムラを抑えられます。「ボトルタイプ」は、大量に出し過ぎてしまったり、濡れた手でボトルに触れて落としてしまったりするリスクがありますが、美しいデザインが魅力。「スプレータイプ」は、髪全体に均一に付けられるメリットがあります。
美髪スペシャリストが実際に使ってわかった、おすすめのヘアオイル10選を紹介します。
トータルビューティーカンパニー「uka」が手がけるヘアオイル。「梅雨のじめじめでも、私は平気で歩く」のコンセプトどおり、湿度が高い日でも、まとまりのある髪を作りやすい印象です。ぷるんとした潤い感は少なめですが、雨にも負けないハリコシのしっかりした仕上がりに。雨の日でも前向きに過ごしたくなるような、レモン、ユーカリ、ミントのスッキリ爽やかな香りが楽しめます。
全体的にサラッとしているが、少々ぬるっとした質感もある
◆質感の重さ:3
◆ツヤ感:3
◆使用感:5
◆香り:レモンやユーカリ、ミントの香り
モロッコ南西部でのみ採れる植物油「アルガンオイル」を配合したヘアオイル。テクスチャーはトロッとして重めの仕上がりですが、ドライヤー前に使用することで毛先のゴワつきが軽減されて、サラッとした指どおりのよさが感じられます。スタイリングオイルとしても幅広く使えるのもうれしいポイント。バニラムスクの香りは、ほんのりとアジアンエスニックな印象を与えてくれます。万人受けする香りではありませんが、珍しいからこそ好きな人にとっては手放せないヘアオイルとなるでしょう。
かなりトロッとした印象のテクスチャー
◆質感の重さ:4.5
◆ツヤ感:4.5
◆使用感:4.5
◆香り:スパイシー&フローラルブレンドのモロッカンオイルの香り
「スリーク」は成分へのこだわりの高さから、SNSで話題のヘアケアブランド。質感はぬるっとしていますが、仕上がりはサラサラでナチュラルにまとまります。また、ベタつきはほとんど感じられないのにしっとりまとまるので、くせ毛やダメージ毛に悩んでいる人には満足度が高いはず。キャップ付きのスリムなボトルは、軽くて使いやすいのもポイント。
ぬるっとした重めのテクスチャー
◆質感の重さ:4
◆ツヤ感:4.5
◆使用感:4
◆香り:クリアアプリコットの香り
「自分への最高のご褒美」がコンセプトのヘアオイル。毎日使いたくなるような質感と香りにこだわった製品で、使用感のよさが際立ちます。糸を引くほどのとろみがあり、よく伸びるテクスチャーは髪なじみがよく、乾かした後はつい髪に触りたくなるほど”つるん”とまとまる印象。使用量を調節しやすいスポイトタイプのボトルも好印象で、上品でやさしいフローラルの香りも魅力です。
トロトロ&ねばねば感が残る、とろみのあるテクスチャーが印象的
◆質感の重さ:3.5
◆ツヤ感:4.5
◆使用感:5
◆香り:チューリップやローズ、アップルブロッサムといった花々を基調とした香り
サロン専売メーカーであるデミコスメティクスが販売する、軽めの仕上がりを求める人にうってつけのヘアオイル。保湿成分の「ホホバオイル」とヒートケア成分の「メドウフォーム−δ−ラクトン」を配合し、サラッとした質感でありながらも潤いがあり、毛先までしっかりまとまる印象です。熱から髪を守る役割も期待されるため、ドライヤーで髪を乾かす前に使うとよいでしょう。スパイス×シトラスのスッキリした香りが特徴で、甘い香りが苦手な人にも向いています。
ぬるっとした質感ながらもサラッとした仕上がりが印象的
◆質感の重さ:3
◆ツヤ感:3.5
◆使用感:5
◆香り:ハーバルフローラルの香り
「寝ている間に補修成分がしみ込む」がコンセプトの“ナイトケア”に特化したヘアオイル。サラッとして軽やかなテクスチャーは髪なじみがよく、毛先までよくまとまり、指どおりのよさも○。髪のダメージや乾燥が気になる人には、やや物足りなく感じるかもしれませんが、健康毛の人であれば、ベタつくこともないので使いやすいアイテムと言えるでしょう。爽快感のあるジャスミンの香りもポイント。
とろみがありつつも、サラッとした印象のテクスチャー
◆質感の重さ:3.5
◆ツヤ感:3.5
◆使用感:4
◆香り:ナイトアロマジャスミンの香り
おしゃれなパッケージと使用感のよさが光るヘアオイル。比較的重めのテクスチャーで、使った後は髪に潤いが残ってつるんとまとまります。乾燥やダメージが気になる人にも向いているでしょう。香りのよさも印象的で、フランスの老舗香水店に置いてありそうな華やかな花の香りには、男女ともに癒されること間違いなし。リンクオリジナルメーカーズの「モテ」を感じる奥行きのある上品な香りが楽しめます。
重めでトロッとした印象のテクスチャー。ややベタつきが気になる
◆質感の重さ:4.5
◆ツヤ感:4.5
◆使用感:4.5
◆香り:フルーティーフラワーの香り
美容師からの支持も厚いサロン専売メーカーが手がけるヘアオイル。「ホホバオイル」「セラミド」などの保湿成分に加え、髪にハリやコシを与えるとされる「CMC」が配合されており、髪に弾力と潤いが感じられる仕上がりに導きます。ブリーチや縮毛矯正など、髪へのダメージが大きい施術を行った後に使いたくなるような”つるん”としたまとまりのよさにも定評あり。髪のダメージで悩んでいる人には試してみてもらいたいアイテム。フローラル×柑橘系の香りは、爽やかでクセがないのもうれしいところ。
コッテリした重みのあるテクスチャー
◆質感の重さ:4.5
◆ツヤ感:5
◆使用感:5
◆香り:フローラル×柑橘系の香り
今流行りの”金木犀の香り”の先駆けとなったアイテム。上品な香りは1度使ったらやみつきに感じてしまうでしょう。まったりとした重めのテクスチャーで、髪を巻いた後のスタイリング剤として使うと、束感を作りやすい印象。今回おすすめ選定した中では最も重めの仕上がりになるので、髪が太い人や、髪のダメージ・乾燥による広がりが気になる人に向いています。
コッテリしたテクスチャーで、かなり重めの印象
◆質感の重さ:5
◆ツヤ感:5
◆使用感:5
◆香り:シトラスフローラルの香り
一般的には重めの仕上がりになるスタイリングオイルが多い中、本製品はほどよい軽さとツヤ感を演出します。束感がしっかり作れるいっぽうで、不自然に固まりすぎず、バランスが絶妙。ベタつきにくいので、軟毛の人でも手軽に使えますし、ウェット感を出したいときにもぴったり。柑橘系×ハーブ系の爽やかな香りが心地よく漂います。
サラッとしてベタつきの少ないテクスチャー
◆質感の重さ:3.5
◆ツヤ感:4
◆使用感:5
◆香り:ゼラニウムとバーベラの香り
お気に入りのヘアオイルを見つけたら、正しい手順で使っていきましょう。動画とともに注意すべきポイントもまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。
ドライヤーで乾かす前に、ダメージが特に進行しやすい「髪の毛先」にヘアオイルを付けます。使用量は、「ショートヘア」と「ボブ」は1〜2プッシュ、「ミディアムヘア」は2〜3プッシュ、「ロングヘア」は3〜4プッシュが目安。次に、紫外線や摩擦の影響を特に受けやすい「髪の表面」にヘアオイルを塗っていきます。髪の表面(ハチの上)をすくって、指を通すようにしてオイルをなじませるのがコツ。このとき、根元からベタっとヘアオイルを付けるのはNGです。量が多すぎると、ヘアスタイルの立ち上がりが悪くなるので気を付けましょう。
目の粗いクシでコーミング(髪をとく)するのは、濡れている髪への負担を減らす(クシでヘアオイルをすくってしまうのも防げる)ため。手でヘアオイルを付けるとムラができてしまいがちなので、なるべく均一になじませるため、コーミングでのケアを忘れずに。
ヘアオイルを付けた後は髪を乾かさないと「ボリュームが落ち着かない」「ツヤが出ない」など、せっかくのヘアオイルの効果が半減してしまいます。自然乾燥はなるべく避けて、髪の根元から毛先までドライヤーで乾燥させましょう。
濡れ髪ヘアを作ったり、束感を出したりとヘアアレンジを楽しみたいときは、スタイリングオイルを活用しましょう。「ストレートヘア」と「コテ巻きヘア」では下記のように使い方が変わります。
▼ストレートヘアの場合
大切にしたいのは“面のきれいさ”。髪をもみ込んだりせず、指を通してオイルを毛先になじませてください。表面に軽くオイルを付けるとツヤ感を演出できます。もし手元にクシがあれば、コーミングもプラス。
▼コテ巻きヘアの場合
大切にしたいのは「動き」。髪をもみ込みながら、巻いた髪の毛をほぐすイメージでヘアオイルを付けます。付けすぎたり、髪を強く引っ張ったりすると、せっかくのカールが崩れてしまうのでやさしく扱うのがポイント。
ヘアオイルは、時間帯を気にせず使えるアイテムですが、朝のお出かけ前に使うと髪全体にまとまり感が出るのでおすすめです。夜なら、お風呂上りに使ってみてください。ただし、就寝前はヘアオイルを布団にしみ込ませてしまう心配があるので、避けたほうが無難です。
コテで髪を巻く前にヘアオイルを使うのは絶対にやめましょう。熱によってヘアオイルが髪に張り付き、剥がれるときに髪に大きな負担がかかります。髪を傷つけないためにも、正しい手順を守って使いましょう。
今回は、仕上がりのよさはもちろん、テクスチャーや香りがよく、長く使いたくなるようなアイテムを中心に選びました。個人的には、伸びのあるテクスチャーと使いやすさが魅力の「エマコッカーナ」、金木犀の香りのよさが際立つ「track」、サラッとしたやわらかい仕上がりが印象的な「UTAU」の3点が特におすすめできるヘアオイルだと感じます。ラインアップのほとんどがサロン専売品という結果になりましたが、髪のまとまり・使用感・香りのよさいずれにおいても、市販品とは明らかな違いを感じたのは新たな発見でした。
これまで数々のヘアオイルを使ってきて言えることは、人気のヘアオイルの実力はやはりスゴいということ。流行を押さえつつも、独自の”こだわり”がしっかり感じられました。どのヘアオイルを買えばよいか迷ったときは、ぜひ本特集を参考にしてみてくださいね。
本記事は、紹介する製品の効能・効果について保証するものではありません。アレルギー体質の方や妊婦の方は、かかりつけの医師に相談のうえ購入してください。
(※本記事の内容は、筆者個人の感想に基づくものです)
>>価格.comユーザーのおすすめは? ヘアトリートメント・パック人気売れ筋ランキング
>>価格.comでそのほかのヘアトリートメント・パックをチェックする
1人ひとりに寄り添って「髪をきれいにするために大切なこと」を発信する美髪スペシャリスト。運営ブログ「ボク、オトメン美容師」や「ぼくのヘアケアLabo」は読みやすさに定評があり、商品レビューが人気。