「ペンケース」=「文房具を入れて持ち歩く用の入れ物」と思っている人、いませんか。
いや、もちろんそれで間違ってはいないんですけれど、でも、それだけならジップロックとかコンビニ袋にボールペンを入れても十分じゃないですか。実際、ペンケース文化が薄いアメリカなんかはそんな感じらしいです。それでも単なる袋じゃなくて、きちんとしたペンケースを使うのは、そっちのほうがより便利だからなわけで。
じゃあ、ペンケースの便利さって具体的に何よ?って話になるんですが、それはもう間違いなく、「文房具の取り出しやすさ」です。ほかにも、カバンへの収納のしやすさとか本体の頑丈さとか、それぞれ使う人の都合によってもいろいろとあるんですけれど、でも万人にとって便利なのは、いかにサッと使いたい文房具が取り出せるか、という部分。これこそが、単なる袋と便利なペンケースを区別する絶対的な価値観だと思います。
ということで今回は、取り出しやすさに焦点を置いた、超絶使いやすいペンケース3点を紹介します。
自立タイプ、寝かせるタイプ、そしてユニークな機能付きポーチが登場!
まず紹介したいのが、2020年9月発売予定の最新アイテム、レイメイ藤井の「デテクールペンケース」。モノとしてはご覧の通り、今や定番となった自立タイプのペンケースです。狭い机の上にも立たせて置けるので、場所を取らず使いやすいヤツなんです。
厚みだけで割とバランスよく自立する「デテクールペンケース」(レイメイ藤井)。価格は1,870円(税込)
とはいえ、単に自立するだけでは、今や「あー、それ普通」って感じ。もちろん立つだけでも便利なんですが、それ以上にスゴいポイントが隠されています。それが、名前の通り「デテクール」というところ。
まずは、左右のダブルファスナーを引き上げます。すると、フタがペローンと開くので、持ち上げて背面にペタリ。フタの先端とケース背面の下にマグネットが入っているので、くっつけるだけでフタが固定完了。
収納部が30°傾く、かなり独特なスタイル
内部には、筆記具などを立てておく収納部があるので、それを手前に倒すと……中身がこちらに向かって出てクール、という次第。30°の角度をつけて、筆記具がこちらに差し出されているカタチになります。
この斜めに角度がついた状態だと、普通のペン立てのように垂直に立っているよりも、ペンの取り出しがはるかにラク。戻す時も、雑にポイポイと投げ込むだけなので、快適です。
作業に必要なツールも、出し入れラクラクでとても快適!
容量は、一般的なボールペンで20本前後。ただし、ギチギチに入れ過ぎると、せっかくの取り出しやすさが損なわれてしまうので、ほどほど(最大で14〜15本)にしておくのが快適性を保つポイントかも。
また、ケース内の上部には、小物用ポケットも備えています。メイン収納部は、ペン立てと同様に深くなっているので、消しゴムやテープのりなどの小物はこちらに入れておきましょう。
上部には、消しゴムなどの小物が入る小さなポケットを搭載
本体サイズは、65(幅)×195(高さ)×95(奥行)mmと大きめなので、カバンに入れて携帯するよりも、オフィス内で移動する際のお供として使うのが最適だと思います。持ち運びやすくて、出し入れしやすい高機能ペン立て感覚のペンケースとしてオススメです。
ペン立て感覚で雑に出し入れするのも快適ですが、仕事道具はスッキリと整理収納されていてこそ、というのも正論です。
たとえば、オフィスデスクの引き出し内が整っていれば、中に入れてあるホッチキスやシャチハタ印なんかも、使いたい時にすぐ取り出せますし。ゴチャゴチャの中から探すとかありえない! そんな「仕事環境はきれいに整頓しておきたい」派の人に使ってほしいのが、コクヨ「ネオクリッツ ワークサス」です。
一般的なポーチ型とも微妙に異なる、独自形状の「ネオクリッツ ワークサス」(コクヨ)
自立タイプに対して、こちらはペントレーのように使う“寝かせる”タイプ。
ファスナーを開けると、収納部は仕切りでざっくりと「(1)メイン収納」「(2)定規やハサミなどの長物」「(3)修正テープ/テープのり」「(4)75mm角の付箋」「(5)印鑑/消しゴム」用の5つに分割されています。
さらに、仕切りのひとつはメッシュポケットなので、ここにはボールペンの替えリフィルやシャープ芯、USBメモリーなどを入れておくとよさげ。
内部構造でざっくりと文房具の配置が決まるので、戻す際もゴチャッとなりにくい
で、使用時はファスナーを開いて、さらにそのまま開口部をグイッと折り返します。
すると、一気に浅いペントレー形状に変身。ペンケース内部の全体が見渡せるので、どこに何が入っているのか一目瞭然です。これなら中身の出し入れがグッとラクですし、仕切りで立たせてある印鑑などにもすぐ手が届くようになりました。
また、各文房具の定位置が決まっているので、戻す時はそこに戻すだけ。これなら、常に整理された状態がキープできますよね。
開口部をめくるように折り返せば、スタンバイ完了!
ただ、今はペンでサッと書きたいだけなのに、いちいち全体を折り返すのが面倒くさい……という場合もありますよね。そういう時のために、折り返しパーツの上に2本分のペンホルダーも備えています。ここなら、ファスナーを開けるだけですぐに取り出すことが可能。ひんぱんに使うメイン筆記具は、ここに挿しておくと便利なんです。
折り返さなくても簡単にアクセスできるペンホルダー
仕事に使う文房具をひとまとめにしておけば、どこでも開くだけで仕事環境が整うわけで。テレワーク環境なんかにも使いやすいペンケースだと思います。
最後に紹介するのは、サンスター文具の「seepo(シーポ)」。こちらは、ガジェット入れとしても使える大きめなポーチです。
まあ、基本的にはファスナーを開けてポイポイ放り込む感じなので、中身の取り出しやすさという点では普通って感じ。
文房具ではなくて、ウェットシートの取り出しやすさに特化した「シーポ」(サンスター文具)
じゃあ何が取り出しやすいのかというと、実はこれ、ウェットシートやティッシュが取り出しやすい特殊な機能が付いているんです。
ポーチ内部に透明なポケットが付いているので、ここに開口フィルムをはがしたウェットシートをセット。あとは、ポーチ側面のプラのフタをパカッと開けると、そこからシートが出せるという仕組み。
専用のポケットにウェットシートを入れて……
ここから、パカッと取り出せる!
透明ポケットはファスナーで密閉できるので、中のウェットシートが乾燥しにくくなっています。ウェットシートをそのままカバンの中に入れておくと、勝手に開口フィルムがはがれていて、いざ使う時にカピカピ……なんてこともありますが、これなら安心。
作業前に机を手早く除菌。新型コロナウイルス感染予防に気をつかえる男性がこれからモテる!?
こんなご時世ですから、たとえば除菌用ウェットティッシュなんかを入れておけば、いつでもサッと拭いてクリーンな環境が手に入りますよね。机や筆記具、スマホなどをこまめに拭いておくのは、感染予防の面からすごく大事。
夏場の汗が気になる人は、サッパリするボディシートを入れておくのもアリ。「大判30枚」サイズのシートぐらいならギリギリ収納できます。ただし、透明ポケットに大きなのを入れると、その分だけポーチの容量が食われるので、そこは要注意。
ポーチ内部の容量は、割とたっぷりめ。ただし取り出しやすさはさほどでも……
とはいえ、ポーチ自体はそこそこ大きいので、20枚サイズのウェットティッシュ+筆記具20本ぐらいは収納可能です。小型のホッチキスやテープのりなどもサイズ的には問題なく飲み込みますので、仕事用ツールをまとめて携帯するにも最適でしょう。
実際に使ってみると、取り出しやすさに工夫のあるペンケースって、確実に便利だなーと実感できるんですよ。こういう工夫のある機能性ペンケースが人気になったのって、せいぜいここ5〜6年ほどですが、それ以前の製品(単なる袋+α程度)とは使いやすさが雲泥の差。
愛着があって古いペンケースを使い続けている人はいいんですが、何となく程度でそのまま使っているなら、買い替えちゃったほうがいいですよ、マジで。
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。