まな板といえば長方形、ボウルといえば丸のように、世の中には“形がある程度決まっているモノ”というのがあります。ではフライパンはどうでしょう? 当然のように、丸くて黒い姿が頭に浮かぶのではないでしょうか。
我が家の定番フライパンがこちら
フライパンといえばこの形が定番です。私も長年、何の疑問も持たずに使ってきたのですが、考えてみるとちょっと不満もあるんですよね。
一番は収納。キッチンの中ではかなりかさばるアイテムですし、丸くて持ち手が付いているため収まりがよくないんです。
みなさんもこんなふうに収納していませんか?
我が家ではこんな感じでシンク下に重ねて置いているのですが、場所を取るし、重ねてしまうので下のほうのフライパンが取り出しづらいのです。
しかしこのたび、そんなフライパンの常識を覆すアイテムが登場しました!
それがこちら、ドウシシャの「スマートフライパンsutto(スット)」です。
え、四角い……!?
そうなんです。「フライパンは丸い」という常識を覆す、“四角い”形をしているのです!
四角いフライパンといえば卵焼き器もそうですが、この「sutto」は正方形に近く、また持ち手が角に付いているのが相違点ですね。
その最大のメリットは、“立つ”こと!
なんと自立するのです! こんな壁際にも立てておけるので、狭いキッチンでも助かります
シンク下に収納してみると、驚くほど省スペース! 重ねなくていいことと、持ち手が角に付いていることで、しゃがまずにスッと取り出すことができます。だから「sutto」という名前なんでしょうか?
サイズは、16cm、18cm、20cmの3種類。私が購入したのは16cmと20cmです。
手前が20cmタイプ、奥が16cmタイプ
20cmタイプのサイズは、約210(幅)×210(奥行)×60(高さ)mm(持ち手除く)。中型フライパンくらいのサイズ感ですね。
16cmタイプのサイズは、約170(幅)×170(奥行)×80(高さ)mm(持ち手除く)。こちらは小さめですが、深さがあるため、ちょっとした汁物にも向いていそう。
熱源は、電磁調理器(IHクッキングヒーター)やガス火などの定番どころから、ハロゲンヒーター、エンクロヒーター、ラジエントヒーター、シーズヒーターまで幅広く対応! ひとり暮らしのアパートにありがちな電気コンロでも大丈夫そうです。オーブンや電子レンジ、食器洗い乾燥機には非対応。
さて、フライパンが自立することで収納問題は解決したのですが、肝心の使い勝手が気になるところです。丸いフライパンの代わりに数週間使ってみました。
そもそもフライパンはなぜ丸い形をしているのか調べてみたところ、丸型はムラなく火が通りやすいとのこと。「sutto」は四角いですが、そのあたりは大丈夫でしょうか?
チヂミを作ってみました
角の部分の焼き色が薄くなるかもしれないと思っていましたが、均一に焼き上がりました! 四角いので、形もキレイにできてうれしい♪
16cmのほうは、汁気のあるものでも使いやすいですね
どちらのフライパンでも問題なく料理することができました! 四角いため、切り身の魚やフレンチトーストなどの細長い食材を焼くときも重ねずに並べられるのがいいですね。
また、実生活で使っていると、むしろ“焼く”以外のシーンで活躍することがわかってきました。
レトルトパウチにぴったりすぎる!
レトルトカレーなどを温める際、これまでは雪平鍋を使っていたのですが、形が合わないため水をたくさん入れる必要がありちょっとわずらわしく思っていました。しかしご覧の通り、「sutto」なら四角いので形がピッタリ! 水も少量で済むのでありがたいです。
そして一番うれしいのがこれ!
麺類、特にインスタントラーメンはほとんど四角い形をしているので、これもピッタリハマります。
角を使えばこぼす心配もありません
ゆでやすいだけでなく、非常に器に注ぎやすいんです。これはかなりうれしい!
全体的にはとても使いやすいのですが、家にある丸いフライパンをすべて「sutto」に置き換えよう!とまでは言えません。四角いことによる使いにくい部分もありました。
ちょっと混ぜにくい……
まず、フライパンを振って食材を混ぜることが難しいため、強火で一気に作るような炒め物にはあまり向いていなそうです。やはり通常の丸いフライパンは炒め物に最適で、あのゆるかなカーブのおかげで食材がうまく回っているのでしょう。
また、四隅が角になっているため、できあがった料理を盛るときに少し残ってしまいます。
角は丸くなっていますが、食材が残りがち
角の部分にお玉やヘラなどの調理器具が入りにくいため、食材をきれいにすくいにくいのです。汁気の多い料理ならそのまま注げるので問題ないのですが、とろみのある料理では具材が隅にたまりやすく、少し使いにくかったです。
ほかには、オムライスやホットケーキもこの形では作るのが難しいですよね。逆に、食パンや魚のような形の食材ならむしろ扱いやすいので、適材適所で使い分けるのがいいのかなと思います。
そのほか使ってみて感じたのは、コンロ上で干渉しにくいこと。これまでは、同時にいくつか料理を作るときにフライパン同士がぶつかってしまうことがあったのですが、「sutto」なら角度を調節すればほぼ干渉しません。
我が家は横並びの2口コンロですが、3口コンロの場合は特に便利なはず
また、四角いので洗いにくいのではないかと想像していたのですが、角がなめらかな仕上がりになっているため、特に洗いにくさは感じませんでした。
水切りかごに入れにくいということもありませんでした。むしろ、我が家の小さい水切りかごにはよりフィットして安定しました♪
ちなみに、専用のガラスフタも付属しています。もちろんフタも自立しますよ。
シリコンリングと蒸気口が付いていて、使いやすいです
四角いフライパン「sutto」をじっくり使ってみましたが、総合的にはかなり使いやすかったです! まず何より自立するのがいいですね。キッチン周りの収納は場所が限られているので、立ててしまえるのはとってもありがたいです。使用感としては、料理によって向き不向きはありますが、特に麺類やレトルトでの使いやすさに感動しました! 個人的にはチヂミがキレイに焼けたのがうれしかったです♪
もう丸いフライパンは不要、というわけではなく、シーンに合わせて使い分けることで料理がグンと快適になると思います! 場所をとらず、麺類の調理に便利ということを考えると、ひとり暮らしの狭いキッチンで使うのに最適なのかもしれません。サイズがあまり大きくないので、作れる料理も1〜2人前が目安ですね。特にこの春、新生活を始めるという方は、普通のフライパンにプラスして、四角いフライパンをひとつ導入してみてはいかがでしょう?
都内を中心に活動するミュージシャンです。歌ったり作ったりしています。よろしくお願いいたします! http://www.peppermint-web.net/