筆者はたい焼きが好きだ。ちなみに、頭から食べるタイプだ。それはさておき、最近は自粛生活で外に出ないため、たい焼きを買う機会が少なくなった。
とはいえ、たい焼きのためだけにわざわざ外出するのも腰が重い。リモートワークが続き、出不精になっている。
そこで、こんなものを買った。
パール金属から販売されている「おやつDEっSEふっ素加工たい焼き器」
ガスコンロ専用(卓上コンロ)
ポップなデザインのパッケージとは裏腹に、重厚感のある本格的なたい焼き器がお出まし。2匹分のたい焼きを作ることが可能だという。
まずはノーマルなたい焼きを作ってみよう。
さっそく、あんを購入してきた。こしあんも捨てがたいが、たい焼きはつぶあん一択だろう。
こしあんも好きだけど、今回はつぶあんを購入
8〜10人前の場合の材料・分量は薄力粉(150g)、ベーキングパウダー(大さじ2/3)、卵(1個)、牛乳(180㎖)、砂糖(40g)
生地も手作り。我が家には計量器がないため感覚で混ぜ、それっぽい色になったらたい焼き器に流し込む。
たい焼き器に油を塗り、5分目程度まで生地を流し込む
ほほ〜。この時点で、もう楽しい!! あんの適量がよくわからないが、こんなもんだろうか?
続いて、あんを入れる
その上から生地をかけて、あんにフタをする。広がった部分は、たい焼きの「羽根」になる。いい感じだ。
なんかあふれてるけど大丈夫かな?
フタをして、火にかける
あとは、中火から弱火で両面を返しながら、10〜15分ほど焼くだけ。
はたして……
簡単にできました。ちゃんとたい焼き
初めてにしては、きれいな焼き上がりではないだろうか?
思いのほかいい焼き色
羽根つき餃子ならぬ、羽根つきたい焼き。普通にすごくうまそうだ。
手でつかめないほどの焼き立て熱々を、さっそくいただく。
どうかな……たい焼き
うま〜い!!
やっぱり焼き立ては最高。外パリパリ、中しっとりの、本格たい焼きだ。思った以上にちゃんとしている。惜しむらくは、ビビってあんの量をケチってしまったこと。あんが少なすぎて、なかなかたどりつかなかった。お店だったらクレームものだろう。
ここからは、あん以外の具材でも作ってみよう。せっかくなので、あまりお店では売っていないような味がいい。カスタードや白あん、チョコレートなどのスイーツ系はよく見かけるので、今回はしょっぱい系、食事系のたい焼きを開拓してみたい。
まずは和風のたい焼き。試すのは、焼き鳥&きんぴらごぼうの組み合わせだ。何となくだが、甘辛い味付けで食感もいいので合いそうな気がする。
スーパーのお総菜コーナーでひらめきました
作り方は先ほどと同様。生地を下面に流し、具材をセット。
期待させてくれるビジュアル
後は具材が隠れるように上から生地をかけるだけ。隠れなかったけど……。
焼き鳥が飛び出ちゃってるけど、大丈夫かな?
完成。でかい具も、ちゃんと中に収まってくれた。なお、今度は生地の量を調節し、羽根なしにしてみた。
大丈夫でした
うん、おいしいはおいしい。だが、もう少し汁気があったほうが生地全体に味が行き渡り、さらによくなる気がする。マヨネーズをトッピングしてもよさそうだ。
焼き鳥ときんぴらごぼうを一緒に食べると◎
<評価>
味★☆☆
コスト★☆☆
断面の見た目★☆☆
中華の定番「エビチリ」。エビの食感とチリソースが、たい焼きの生地とどんな化学反応を起こすのか楽しみだ。汁気もあるので、生地に味が浸透してうまい気がする。
続いてエビチリ。ちなみに大好物
生地の上に乗ったエビチリは、ちょっとかわいかった。
彩りはバッチリ
タイのおなかにエビがいる。これぞ、「海老で鯛を釣る」。
焼き加減もわかってきた
狙いどおり、チリソースが生地にうまくからんでおいしかった。もう少し小さなエビをたくさん入れるのもアリかもしれない。
うまい!
味★★☆
コスト★★☆
断面の見た目★☆☆
続いて、エスニック風のたい焼きを作ってみる。用意したのは、ガパオライスで使われる、ガパオ炒めとパクチー。
タイ料理の中でも人気なガパオ
この時点で食欲をそそる。これは勝ち確定か……!?
一気にエスニック風に
パクチーの緑がうっすらと見える。問題は、パクチーの香り。これが吉と出るか、それとも……?
焼きがどんどんうまくなっている
好みにもよると思うが、甘めの生地とは合わなかったかもしれない。だが、ガパオのピリ辛と、パクチー独特の香りに食欲をそそられた。生地にナンプラーを入れたら、より一体感が増しておいしいと思う。
大吉! と言いたいところだが、まあ末吉くらいかな
味★☆☆
コスト★★☆
断面の見た目★★☆
4品目は「キーマカレー」だ。これは期待値が高い。カレーはライスにもナンにもうどんにも合う千両役者。きっと、たい焼きでもいけるだろう。
優勝候補のキーマカレー
キーマカレーと言えば卵。中央をちょっとくぼませ、どーんと乗っける。いやあ楽しい!
イイネ!
心なしか、ぽっちゃり系のたい焼きになった。焼き上がりも、これまででベスト。これは絶対にうまいやつー。
卵のおかげでふっくらした仕上がりに
はい、おいしいー。同時に、カレーはやはり万能だということを再認識。たぶん普通のカレーでもおいしいが、キーマカレーのひき肉とトロトロ感がたい焼きにフィットしたのだと思う。若干辛いが、卵のおかげでマイルドな仕上がりにもなっている。
これぞ、求めていた「食事系たい焼き」だ!
味★★☆
コスト★★☆
断面の見た目★★★
ラストはイタリア風のたい焼き。チーズとトマトソースでピザ風の味わいになると予想する。
チーズ、トマトソース、ベーコンがあれば、大体イタリアンになるという安易な考え
今回はチーズ、トマトソース、ベーコンだけだが、お好みでバジルや野菜をサンドしてもよさそう。
あんこの反省をふまえ、チーズたっぷりで
完成! はみ出したチーズがカリカリの羽根になっている。
今回も焼き加減は完璧。焦げているように見えるのはチーズ
こちらもまた、文句なしの美味。というか、一番うまい。2位のキーマカレーをだいぶ突き放しての、圧倒的1位だ。
チーズもちゃんと伸びる
味よし、見た目よし、食感よし。ここまでですでにおなかいっぱいだったが、尻尾まで完食してしまった。550円くらいで売れるクオリティだと思う。
断面の見た目もよし
味★★★
コスト★★☆
断面の見た目★★★
というわけで、食事系たい焼きの可能性を模索してみた。どれも普通においしく、改良の余地もありそうだった。なんだか、すごく伸びしろのあるジャンルを発見してしまったかもしれない。
楽しいので、みなさんもぜひやってみてください。
気づけば6個も食べてしまった
1991年生まれ埼玉育ち。編集プロダクション「やじろべえ」所属。服飾大学を出るも服が作れず、ライター・編集者を志す。https://twitter.com/onoberkon