本連載は、文房具ライターのきだてたくが、「価格.comマガジン」の編集担当・マキノに、便利な文房具をリモートで必死にプレゼンする様子を実況。もし紹介された製品の中で「欲しい」と思うものがあったら、それをマキノは実際に購入!……という自腹買い企画です。
第11回は、「最新のクリアホルダー系文房具」をテーマに、3製品をプレゼン!
「価格.comマガジン」の編集担当・マキノ(左)に対し、文房具ライターのきだてたく(右)が、プレゼン!
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きだて 今回は、最新のクリアホルダー系文房具を紹介しようかなということで、3点揃えてみました。
マキノ 「クリアホルダー系」というのが、よくわかんないんですけども。「系」って?
きだて 要するに、クリアホルダーの進化形だったり、クリアホルダーを使うのに便利なツールだったり、ということです。
マキノ あー、はいはい、了解しました。クリアホルダー系ね。
きだて クリアホルダーなんですが、在宅ワークが増えることで、全体的に使用頻度が落ちているような気がしているんですけども、マキノさんはどう?
マキノ いやいや、使いますよ。自宅で書類をまとめるのに使いますし、あとはメーカーからもらうプレスリリースなんかもクリアホルダーに入れて管理しています。
きだて そりゃよかった。在宅ワークの多い知り合いに聞くと、「そういや最近クリアホルダー使ってないな」って言われちゃったし、DX化でペーパーレスが進んでいる企業も多いみたいで。
マキノ なるほど、それはあるかも。
きだて ただ、コロナが落ち着いてオフィスに軸足が戻ったら、やっぱり紙の書類のほうが便利なことも多いしね。なので、やっぱり紙を入れるクリアホルダー系はまだまだ重要だろう、と。
きだて まず、2022年2月に発売されたばかりのキングジム「ナナメクリ ファイル」です。
マキノ なんか変なのが付いていますね、カドに。
書類の閲覧に特化したキングジム「ナナメクリ ファイル」
きだて 最大の特徴が、まさにカドに付いているクリップパーツ。これで書類を束ねて固定することができます。
マキノ うん、見た目でそうかなとは思いました。
きだて で、カドで書類を固定することで何ができるかというと……、こうやってペラペラと書類をめくっていくことができるんですよ。
カドのクリップで書類を束ねることで、“ナナメクリ”が可能に
マキノ そうか、ナナメに。だから商品名が「ナナメクリ」なんだ。
きだて 書類を束ねて、ホッチキスでカドを留めてめくることってあるでしょ。あれと同じことができるようになる。
マキノ なるほど、ホッチキス不要で、ファイリングするだけでめくれるようになるんだ。いいな。
きだて ホッチキスで留めちゃうと、中の1枚だけ取り出してスキャンしなきゃいけない、なんて場合は針を外す手間が発生しちゃう。でもこれなら、クリップパーツを解除するだけで、簡単にバラせちゃうわけです。
マキノ はいはい、そういうこと、ありますよね。これは、確実に便利じゃないですか。
きだて 何より、いちいちホッチキスを使うの面倒くさいしね。しかも、このクリップパーツが折れ曲がるようになっているので、ナナメにめくる時に引っかからずスムーズ。
書類をめくるのに合わせてクリップが折れる構造で、かさ張らず、スッキリめくれます
マキノ へー! これはよくできているな!
きだて クリアホルダーは便利なんだけど、明確な欠点として「収納してある書類の閲覧性が悪い」ってのがあるんですよ。何枚か入れてあっても、見えるのは上の1枚だけ。でも、こうやってめくる機能があるとすごく便利。
マキノ 使い勝手はクリアホルダーだけど、ページとしてめくれるクリアファイルの要素も持っている、という感じですか。
きだて そういう解釈でいいと思います。書類を持ち運ぶ時は、右下に書類カドを入れるコーナーポケットがあるので、ここに挿し込んで表紙を閉じればOK。この状態だと、かなり頑丈なクリアホルダーって感じ。
マキノ 見た目もクリアホルダー感はありますね。カバンにもスッと入りそうだし。
きだて 気に入っているのが、裏面にある切り欠き。ここに裏から指を入れて押し上げると、コーナーポケットに挿し込んでいた書類束のカドが一気に抜けるので、めくりやすくなるという仕組みです。
裏面から指で書類を押し上げることで、収納モードから閲覧モードへスパッと移れます
マキノ そうか、書類の端を爪でカリカリやって浮かせなくてもいいんだ。気がきいてる!
きだて 雰囲気としてはちょっと地味なんですけど、細かいところに便利機能が満載でね。実際に使ってみて初めて「あっ、こういうの欲しかったんだ」って気付くタイプのツールだと思います。
きだて お次は、サンスター文具の「PAAT(パット)」という製品でして、クリアホルダーというよりは、もうちょいしっかりした書類バッグという雰囲気なんですけども。
マキノ マカロンカラーでいいですね。オシャレ感あるな。
前面が透明窓仕様の書類バッグ「PAAT」(サンスター文具)
きだて そこは女子文房具に強いサンスター文具ですからね。で、オシャレカラーの次にする話題としては合わないんですけど……、僕、カバンの中がめちゃくちゃ汚いんですよ。
マキノ うん、一気にオシャレじゃなくなりましたね(笑)。
きだて 外でもらったパンフレットとか書類とかを、そのままカバンにズボッて突っ込んじゃう癖があって。そうなると、家に帰った頃には中でクシャクシャになっているじゃないですか。
マキノ うん、わかりますよ。打ち合わせの時とか、帰りはドタバタしますもんね。早く退出しなきゃと思って、書類を雑にカバンに入れちゃうことはありますよ。
きだて まさにそういうことです。一応、カバンにクリアホルダーを入れて持ち歩いてるから、余裕がある時はそこに挟むんですけど……、カバンの中のクリアホルダーって、書類を入れにくいんですよ。挿し込む口が開きにくかったり。
マキノ あー、それもわかるな。
きだて その点、「PAAT」は口がマグネットフラップで覆われてるので、フラップさえ開けられれば、そこにスッと書類が入れられるんですよ。
開閉が手軽なマグネットフラップで、書類の出し入れは簡単
マキノ でも、そういう感じの書類ケースって、ほかにもありませんでした?
きだて ありますけど、便利なポイントはそれだけじゃないんです。今、本体を横にした状態でフラップを開け閉めしたのは見ていました?
マキノ ? 見ていましたよ。普通にパカパカ開いていましたけど。
きだて そう、長方形の長辺にフラップが付いているんですけども、実は短辺側にもフラップが付いているので、縦にした状態でも短辺側から開閉できるんですよ。
裏面の短辺側には、縦方向に開閉できるフラップが……
マキノ え!? そっちも開くんだ!
きだて 縦横ダブルフラップだから、たとえばリュックを使う時は縦にして、横長のトートに入れる時は横にして使える。どっちのタイプのカバンにも対応するのは便利。
マキノ それは使いやすそうだな。
きだて さらに縦横のフラップを同時に開くと、L字にガバーッと大きく開くので、中のモノがめっちゃ出し入れしやすくなっています。
ダブルフラップの同時開けで、全体が大開口!
マキノ おー! これはすごい! こう開けると、クリアホルダーっぽいですね。
きだて 本体に芯板が入っているので、とても頑丈なんだけど、そういう書類ケースって開閉しづらくて、中身を取り出しにくいんだ。だけど「PAAT」は、こうやってガバッと開けるから、その辺りはまったく問題なし。これは、すごく優秀ですよ。
きだて またキングジムからですが、こちらは「ホルサック」というファイルです。
マキノ 最後はファイルですか?
クリアホルダーごと書類の整理収納ができるキングジム「ホルサック」
きだて どういうファイルかというと……、こうパラパラとページをめくっていけばわかるかな?
マキノ なんか普通のポケット式クリアファイルっぽいですね。特に変な感じもしないですけど。
きだて 実は今めくったページ、すべてクリアホルダーなんですよ。
マキノ ん? すいません、どういうこと?
めくっているページ、実は全部クリアホルダーです
きだて だから、ファイルのページに見えたものが、それぞれクリアホルダーなんですよ。こうやると簡単に外れて……、ほら、クリアホルダーでしょ?
マキノ ホントだ。どういう仕組みなんだろ。
きだて ファイルの中を見てもらうと、トゲのような不思議な形のパーツがいっぱい生えているの、わかります?
マキノ あまり見たことのない形のパーツが並んでいますね。
きだて ここに、クリアホルダーの上側を挿し込みます。あとは、ホルダーの下側をファイルのスリットに軽く押し込むと、ファイリングできます。ほら、ちゃんとページみたいにめくれるでしょ。
特殊なパーツをクリアホルダーの上に挿し込むことで、がっちりファイリングできます
マキノ それで固定できているんですか? 抜け落ちたりはしない?
きだて うん、一定の方向に力を加えない限り、簡単に抜け落ちることはないです。振ったりしても平気。
マキノ すごいな。これだけのパーツで、しっかりファイリングできるもんなんですね。
きだて さっき「クリアホルダーに入れてしまった書類は閲覧性が悪い」って話、しましたよね。でもこうやってファイリングすると、クリアホルダーがページのようにめくれるのに加え、収納された中の書類も1枚ずつめくっていけるようになるんです。
マキノ あっ、そういうことか。なるほど。普通のクリアホルダーをバラで管理するより、圧倒的に使いやすそうだな。
きだて そう、そこ。ひとつの案件ごとにクリアホルダーに書類を入れていくと、結局クリアホルダーばかりが大量に積み上がっちゃうわけですよ。
マキノ 積み上がりますね。
きだて 積み上がるだけならまだいいけど、パッと見ただけでは中の書類が確認できないし、かさ張るしで、なかなか管理も大変なんですよ。
マキノ 聞く限り、書類の管理はかなりやりやすそうに思えてきました。うーん、いいかも。
きだて 感覚的には、「ホルサック」本体が“上位フォルダー”としてあって、中にクリアホルダーが“下位フォルダー”として並んで、さらにそれぞれに書類ファイルが入っている、みたいなイメージですね。これで整理しやすくなるし、不要になったクリアホルダーは抜き取っちゃえばいいし。
マキノ ちなみに、1冊にどれぐらいクリアホルダーが入るんですか?
きだて 6枚入るタイプと、ちょっと厚めで12枚入るタイプがあります。クリアホルダー自体は、サイズがA4なら大体どんなモノでも入ると思いますよ。
マキノ 今、仕事用の紙の書類って、クリアホルダーに入れてデスクの引き出しに重ねてしまってあるんですよ。これが出し入れするの、毎回面倒くさいんですよね……。
きだて それ、必要な書類を探し出すのも、結構手間かかりそうですねー。
マキノ なので、個人的に今最も必要なのは「ホルサック」かなー、という気が。メーカーからのプレスリリースって、大体クリアホルダーに入って送られてくるんですが、それをそのままファイリングしちゃえるのはラクそうですね。
きだて 検索性を上げる必要性があるなら、まずはこれから買うべきかもね。
マキノ とはいえペラペラと中をめくって見られる「ナナメクリ」も面白そうな気はしているんですよね。うーん、どうしようかなー。
きだて 僕は原稿チェックをする時に、プリントアウトしたものを入れてペラペラめくっていますよ。ホント便利!
マキノ そうか、そういう使い方もアリですね。ちょっと考えます。
今回は、キングジム「ホルサック」の透明タイプ12枚収納モデルを自腹買い! 今まで仕事の資料はクリアホルダーに入れてバラバラに引き出しにしまっていましたが、「ホルサック」のおかげでひとつにまとめられて、とてもスッキリ。必要な時にサッと出して参照できるから、仕事の効率も上がりそうです。「あれ、どこいった?」とはオサラバ!
それぞれ書類が入ったクリアホルダー12枚をセット。20ページほどの冊子を挟んだクリアホルダーなんかもすんなり納められました。下の写真は、フタを閉じたところ。12枚のクリアホルダーと計50〜60枚A4用紙を挟んでいますが、そこまでかさ張らないのもうれしいポイント! あえて難点をあげるとすれば、最初クリアホルダーを本体に挟む方法がわかりづらくて、手こずったこと。まあ、これは慣れてくれば、問題にはならないでしょう
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。