質感を整えて美しい髪をキープするために欠かせないトリートメント。特に、普段からよくカラーリングを行っている人やスタイリング剤を活用している人は、傷みがちな髪をケアするためにも、自身の髪質に合ったトリートメントを選ぶことが大切です。ここでは、トリートメントの選び方を解説するとともに、美容のプロが実際に使ってわかったおすすめの女性向けトリートメント8選を紹介します。
人気のトリートメントを実際に試して、本当におすすめできるアイテムだけをピックアップ
はじめに、よく聞かれる質問である「トリートメント」と「コンディショナー」の違いについて解説しておきます。結論から言うと、これら2つに明確な違いはありません。一般的な定義としては、コンディショナーは「髪の表面を保護するもの」で、トリートメントは「髪の内部に浸透して補修するもの」とされていますが、メーカーによって表記ルールが異なるのも事実。どちらに分類されているかにこだわるよりも、これから紹介するように「配合成分」や「シャンプーとの組み合わせ」を意識して選ぶことが重要です。
いくつかの「トリートメント」のパッケージ裏面をよく確認してみると「トリートメント」と「ヘアマスク」の2種類に分類されていることに気づくでしょう。一般的には、ヘアマスクはトリートメントよりも粘度が高く、保湿・補修力が高い傾向にあるため、パーマやカラーリングなどを施術しており、髪のパサつきやダメージが気になる人に使ってほしいアイテムです。ただし、使いすぎると仕上がりが重たくなりすぎるため、週に1〜2回程度の使用にとどめるのがおすすめ。もちろん、製品によって仕上がりや配合成分は異なるため、最終的には使いながらベストな回数を探っていくのがよいでしょう。
ここでは、女性向けトリートメントを選ぶときにチェックしたい2つのポイントについて解説します。
まずは、トリートメント選びで特に重要となる「保湿成分」と「補修成分」をチェックしましょう。
▼代表的な保湿成分とその特徴
・セラミド:肌なじみがいいとされる潤い成分
・リピジュア(ポリクオタニウム-51):ヒアルロン酸の約2倍の保湿力があるとされる成分
・ホホバ種子油:ほかの種子油と比べて毛髪の内部に浸透しやすく、保湿力が高いとされる成分
▼代表的な補修成分とその特徴
・ケラチン:ハリコシやまとまりを与えるとされる成分
・ヘマチン:ハリコシが出る、カラーやパーマの持ちがよくなる、消臭効果があるとされる成分
・ペリセア(ジラウロイルグルタミン酸リシンNa):毛髪の深部まで浸透して補修を助けるとされる成分
乾燥で髪がパサつきやすい人は「ヒアルロン酸」や「ホホバ種子油」などの保湿成分を配合した製品、髪のダメージをケアしたい人は「ケラチン」や「ペリセア」といった補修成分が配合された製品を選ぶとよいでしょう。
トリートメント選びにおいては、「シャンプーとの相性」を考えることも大切。たとえば、髪の乾燥やダメージが気になる人は、洗浄力がマイルドな「アミノ酸系」や「ベタイン系」のシャンプーを選びつつ、保湿成分や補修成分が豊富に含まれているトリートメントを使うことで、潤いのある髪に近づけられます。いっぽう、頭皮のベタつきが気になる人は、洗浄力が高めの「アルコール系」や「石鹸系」のシャンプーと、髪質に合ったトリートメントを組み合わせて使うことで、頭皮をスッキリと洗いつつも、まとまりのある髪に整えられるでしょう。
もし、どの製品を選べばよいか迷ったときは、普段使っているシャンプーと同じラインのトリートメントを使うのもひとつの手段。香りや仕上がりのバランスを十分に考慮して作られているため、失敗しにくいというメリットがあります。
ここでは、美容のプロが実際に試してわかったおすすめの女性向けトリートメントをお悩み別に紹介します。
エイトザタラソのユニセックスライン「u」から販売されているヘアマスク。テクスチャーはコッテリしつつもやわらかく、髪なじみがよい印象。「ジラウロイルグルタミン酸リシンNa」「γ-ドコサラクトン」などの補修成分を配合しており、つるんとした潤いのある髪に仕上がります。爽やかなサボンとリラックスできる甘めのムスクが組み合わさったような香りも魅力のひとつ。
コッテリしつつもやわらかい、潤いのあるテクスチャー
香りのよさに定評があるブランドが手がけるトリートメントで、「精油の力で、強く美しく」がコンセプト。乾かした後のまとまり感と指どおりのよさがすばらしく、ゴワつきが気になる髪でもサラッとまとまります。香りは、レモングラスが強めにきいた、爽やかで甘さも感じるシトラス系の香り。精油ならではのナチュラルな香りで癒やされます。
コッテリとした、やや重めのテクスチャーが印象的。乾かすとサラッとした仕上がりの髪に
サロン専売メーカーが手がけるトリートメントで、サラサラな指どおりと軽くてふんわりとした仕上がりが特徴。軽めの質感でありながらも潤いはしっかりと感じられて、軟毛や猫っ毛でボリュームが出にくい髪でも、ふんわりとまとまる印象です。落ち着いた雰囲気のグリーンティフローラルの香りは、大人の女性にもぴったり。ほんのりと感じるローズの香りもよいアクセントになっています。
サラッとした軽めのテクスチャーで、コッテリ感はそこまで気になりません
天然由来成分94%配合のコンディショナーで、トロッとしつつも伸びのよいテクスチャーが特徴。比較的サラッとした軽めの仕上がりになるため、ダメージが気になる人には物足りない可能性がありますが、軟毛や猫っ毛などで、髪のボリュームを潰したくない人には向いていると言えるでしょう。自然でスッキリしたハーブの中に、ほのかに柑橘系も混ざった香りです。
トロッとしつつもやわらかいテクスチャー。まるで草原のような香り
独自のケアメカニズムを採用したブランドが手がけるトリートメント。指どおりがよく、なめらかな髪に仕上げてくれます。毛先までぷるんとまとまり、ゴワつきもかなり抑えられるので、髪のダメージが気になる人向け。ローズならではの華やかで奥行きのある香りも好印象です。
サラッとしたテクスチャーで、まとまりのある髪に仕上げてくれます
成分へのこだわりの高さから、SNSでも話題となったトリートメント。重めの仕上がりが特徴で、潤いとまとまりのよさがすばらしいと感じます。「ケラチン」などの補修成分が豊富に含まれているので、ダメージ毛やくせ毛に悩む人にもおすすめ。男女問わずに使いやすい、爽やかでやさしいシトラス系の香りに包まれます。
コッテリとした重めのテクスチャー。洗い流すと髪がぷるんと潤います
夜の髪・地肌の乾燥ダメージケアに着目した、独自の「ナイトキャップ処方」で人気のヘアケアブランド。サラッとしつつもつるんとまとまる仕上がりが印象的で、うねり髪もサラサラと指どおりがよく仕上がります。ゴワつきも少なく、軟毛やダメージ毛の人におすすめ。甘さと爽やかさが融合した洋梨と花の香りも見逃せないポイント。
やわらかさを感じるテクスチャー。なめらかで触れたくなる髪に仕上がります
美容大国であるイスラエル発祥で、全世界にファンを持つヘアマスク。かなりコッテリしたテクスチャーなので、少量でも潤い感を出しやすい印象です。また、しっとりとした仕上がりになるので、髪の広がりやダメージが気になる人でも高い満足度を得られるでしょう。イスラエルらしく魅惑的で甘さを感じるフローラルの香りは、かなり強く香るので好みが分かれるところですが、好きな人にはたまらない香りとなるはず。
しっとりするけど、重たすぎないテクスチャー。海外製品らしく強めの香りです
今回は、トリートメントを選ぶうえで特に重要となる「毛先のまとまりのよさ」と「使用感」に着目しておすすめのアイテムを厳選しました。個人的には、奥行きのあるシトラスの香りが魅力的な「2.THE PUBLIC ORGANIC」、サラッとした質感の中にも潤いがしっかりと感じられた「3.UTAU」、毛先のパサつきを抑えてまとまりのある髪に仕上げてくれた「5.FLOWDIA」の3点が特におすすめできるトリートメントだと感じます。
ただ、“髪をキレイに整える”ことを考えたときに、大切なのはトリートメント選びよりも圧倒的にシャンプー選びだということも、長年髪のプロとして携わってきた立場から付け加えておきます。なぜなら、髪は基本的に一度傷んでしまうと修復することは難しく「いかに傷ませないか」の予防が重要となるため。品質のよいシャンプーでダメージを抑えながら頭皮と髪を洗い、トリートメントで髪の潤いやまとまり感をプラスするのがトリートメントの役割だと知ったうえで選んでもらえればと思います。ぜひ本特集を参考にして、あなたに合うトリートメントを見つけてみてくださいね。
本記事は、紹介する製品の効能・効果について保証するものではありません。アレルギー体質の方や妊婦の方は、かかりつけの医師に相談のうえ購入してください。
(※本記事の内容は、筆者個人の感想に基づくものです)
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1人ひとりに寄り添って「髪をきれいにするために大切なこと」を発信する美髪スペシャリスト。運営ブログ「ボク、オトメン美容師」や「ぼくのヘアケアLabo」は読みやすさに定評があり、商品レビューが人気。