本連載は、文房具ライターのきだてたくが、「価格.comマガジン」の編集担当者に、便利な文房具をリモートで必死にプレゼンする様子を実況。もし紹介された製品の中で「欲しい」と思うものがあったら、それを編集担当者が実際に購入!……という自腹買い企画です。
第22回は、「季節モノの文房具」をテーマに、3製品をプレゼン!
「価格.comマガジン」の編集担当・マキノ(左)に対し、文房具ライターのきだてたく(右)が、プレゼン!
今回は「季節モノの文房具」をテーマに、便利なメモ帳を紹介しようと思ってまして
へー、メモ帳って今の時期の季節モノなんですか?
というのも、新社会人のみなさんがこのタイミングでメモ帳を準備することが多いので、店頭ではよく売れるそうなんです。仕事のことを教えてもらうときにメモは必須でしょ?
新卒もそうですけど、異動とかで働く環境が変わった人たちも、メモして覚えること多そうですしね
あと、メモなんかスマホでいいじゃん? という人も多いみたいだけど、結局のところ、紙のメモ帳のほうが書き出すまでの初速が速い。あと、スマホ入力中はずっと手元を見ていることになるので、何かを見ながら説明を受けるのに向いてないんだよね
確かにそうか。でも同じアナログなら、メモ帳じゃなくて手帳でもよくないですか?
手帳は基本的に1年で終わりでしょ。でも、仕事関連で教えてもらったメモって、そのあと何年でも役立つことってあったりする。なので、コンパクトに残しておけるメモ帳のほうが便利だと思っている
はー、なるほど
今回は携帯しやすいハンドメモに加えて、オフィスで使うデスクメモも紹介します。紙のメモ帳といえども、機能性の高いモデルを揃えておいたほうが仕事がスムーズに進むのは間違いないしね
まずは、2022年に発売されたオキナ「プロジェクトガジェットメモ」ですね。2サイズあるんですけど、どちらも天リングのリングメモです
スマホやタブレットと一緒に持ち歩くように設計された「プロジェクトガジェットメモ」(オキナ)
さっきまで「アナログのメモ帳がいいよ!」みたいな話をしていたのに、「ガジェットメモ」とはこれいかに……
そう、まずポイントはそこですよ。表紙にサイズが表記されているんですけど、読んでもらっていいすっか
何これ? サイズが「6.1inch」と「8.3inch」って、スマホとかタブレットみたいな……あー、そういうことか!
気づきましたね。このメモ帳はスマホやミニタブレットに近いサイズなんですよ。だから名前も「ガジェットメモ」ということで
言われてみれば、一般的なA7とかB6サイズとはアスペクト比が違うっぽい
スマホでメモは取らないとは言っても、結局持ち歩きはするじゃないですか。サイズが一緒なら、片手でスマホとメモ帳を一緒に持ちやすいでしょ
スマホと重ねて持つのにジャストな特殊サイズです
それは今までになかった観点だなー。スマホと合わせて携帯しやすいサイズか。8.3インチはミニタブレットサイズですね
あと、綴じているリング周りにもポイントがありまして。表紙の厚紙で天リングが包まれてるのがわかります?
ちょっと不思議な形状ですね
スマホと一緒に持ち歩いたとき、金属リングがスマホの画面やボディに当たってキズがつかないようにガードしているんです。気が利いてるでしょ
中の用紙は5mm方眼罫ですか
表紙ラインアップが4色あるんですが、中の方眼罫はそれぞれ表紙色を淡くしたカラー罫線を採用しています。たとえば、ラベンダー色の表紙なら、方眼罫は淡ラベンダーみたいな
おしゃれですね。罫線も濃すぎず書きやすそう
紙自体もオキナの定番ノートパッド「プロジェクトペーパー」と同じもので、薄いけどコシがあってサラサラした書き味の紙だから、書きやすいんですよ
シンプルに「いいメモ」って感じしますね
あと、表紙の紙も面白い。紙なんだけどベルベットみたいなしっとりした質感で、このしっとり感も便利機能のひとつなんです
表紙のしっとり感が便利機能? どういうこと?
表紙に滑り止め効果があるので、机の上で押さえなくても安定してメモが取れます
デスクメモとして置いて使うとき、この机の上で表紙がツルツル滑らないんですよ。なので、メモ本体を手で押さえず片手で書けるわけです
あ、滑り止めになってるんだ。随所で気が利いてるメモだなー、これ
次もちょっと変わった機能付きのメモ帳ですね。この春に発売されたばかりのLIHIT LAB.「スタンドメモ」です
変わった機能と言われても、もう名前でわかりますよ。メモ帳が立つんですよね
机の上で自立させておける「スタンドメモ」(LIHIT LAB.)
確かにこの名前で立たなかったら逆におかしい(笑)。そう、立つんですよ。こちらも天リング綴じメモなんですけども、表紙と裏表紙の下側中央にグレーのパーツが付いてるのが見えます?
あー、なんかちょっぴりしたヤツが付いてますね
このパーツがエラストマー樹脂なので滑り止めとして活躍するんだ。で、メモを開いて三角にして机に置くと……ほら、このとおり自立します
最初からわかっていたんで、驚きはあんまりなかったなー(笑)
表紙を折り返してポンと置くだけで、滑らずにしっかり自立します
わかりやすい製品名もよし悪しだな。ともかく、立てておけることで、メモの内容が常に視界に入るというのが重要なんです
それ、割と大事ですよね。わかります。ToDoリストとか書いて立てておきたい
平置きのデスクメモだと、上に何か乗っちゃうともう紙面が見えないし、そもそも視界に入りづらいですしね。あと、メモが立っていると、ゴチャッとした机でも紛失しにくい
急いでメモしたいときにメモ帳が見つからないとか、よくありますよ
リングに関してなんですが、LIHIT LAB.独自の開閉できるツイストリングを搭載しています。ツイストリングはすべて穴のピッチ(穴同士の間の距離)がサイズに関わらず共通なので、たとえばこのメモをリングから抜いて、同社のA4サイズの「ツイストリングノート」に綴じる、みたいなこともできるわけです
リングが開閉できるので、用紙が自由に抜き差しできるのがポイント
きだてさん、前から「ツイストリング」好きですよね
うん、好き。普段使いのノートも「ツイストリング」ですしね。「これはあとあとも見返したい情報だな」と思ったメモは抜き出して、情報をまとめておく用のノートに綴じ直す。すると、あとから見返しやすいんだ
そういう使い方かー
逆に不要な情報はどんどん捨てて新しい用紙に入れ替えればいいから、メモ帳自体がスッキリするのもいいよ
そういう情報の取捨選択ができるのは強みですね
あとはサイズなんですけど、従来からあった「ツイストリング」タイプのメモより少し大きめに設計されています(約35%)。書く面積が増えてちょっとお得な感じかな
ラストはこちらです
え、なんですかそれ。これもメモ帳?
特殊な横長フォルムの「TAGGED 7 CUT MEMO」(HI MOJIMOJI)
めちゃ細長いけど、これもメモ帳だよ。HI MOJIMOJIの「TAGGED 7 CUT MEMO」です
今のところ、細長いなーという感想しか出ませんけども
いや、まずはこの細長さが大事なんだって。この連載でも以前に、横に細長いノートを紹介したの、覚えています?
ありましたね。というか自腹で買いましたよ、「isshoni. ノート デスク」。PCと自分のすき間に置けるから、省スペースに使えるんですよね
でしょ。同じように、デスクメモも横に細長いと便利なんですよ
なるほど、言われてみたらそうだわ
細長いメモは、ノートPCの手元など机の微妙な空きスペースにフィットします
ちなみにこの「TAGGED 7 CUT MEMO」は2016年発売ですからね。今やトレンドになってる“横長ノートの元祖”というぐらい言ってもいいんじゃないかな
へー、それは失礼しました
サイズは横252×縦42mmですから、見たとおりかなりスリムですね。で、この紙が60枚綴りで製本されています
とはいっても、これだけ細長いとさすがにメモとしては使いにくくないですか? ほんのちょっとメモしたいときに、用紙のどこに書いていいのか迷いそうですよ
そう、まさにそこですよ。この細長用紙をよく見てください
……あれ? もしかしてミシン目入っています?
入ってるんですよ、ミシン目。しかも1枚が7分割できるように入っています
おっ、ピンと来ましたよ。7分割ということは、1週間のToDoとか書けるんじゃないですか
書けますよねー。しかも終わった日のメモは切り取ってしまえば見やすくなるっていうね
あれ、切り取ったら別の色の紙が出てきませんか?
ミシン目ごとにデイリースケジュールを書いて、終わったらピリッとカット
はい、そこもポイント。このメモは2色の紙が交互になるように製本されてるんで、切り取ったところには必ず別の色が出るんです
うわー、よく考えられてる! 1週間の進行具合が体感できるし、翌週の予定を書いておいてもまぎらわしくないんだ。しかも1年って52週だから、60枚綴りなら1年ちょい使えますよね
普通にメモとして使うにしても、これ1枚のサイズって、電話番号とかちょっとした伝言ぐらいを書き留めておくのにほどよいでしょ
十分使えますね。これは面白いな
今回は主にフレッシャーズ向けでメモ帳を紹介してみましたけど、マキノさん的に刺さるものはありました? そもそもメモ帳って使う?
うーん、今はメモ用途には、ハードカバータイプのノートを使っているんですけどね。デスクメモとして「TAGGED 7 CUT MEMO」は気になりました。何か使うところがイメージできたというか
形状がだいぶ特殊だから、逆に自分で使うシーンを想像しやすいのかもね
せっかくまだ5月ですから、自分の仕事のやり方として新しいものを導入してみようかな? という気持ちもあるし。あとは「プロジェクトガジェットメモ」の紙と罫線の感じも気になっています
スマホと一緒に持ち歩けるジャストなサイズ感も味わってほしいな
うん、買うならやっぱりスマホサイズですよね……。ひとまず考えます!
結局、すぐに活躍してくれそうな「TAGGED 7 CUT MEMO」を自腹買い! 使ってみてわかったのは、このメモ帳のキモは左から切り取っていくという点にあります。適当にToDoを1区画ごとに書き殴っていくと、たとえば先に右端に書いたタスクをこなしてしまったらそこだけ切り抜くことはできないので、完了タスクがメモ帳に残ってしまいます。つまり、いわゆる殴り書きメモ帳としてではなく、ToDo管理メモ帳として使うのがいちばん活躍できるっていうこと。左から優先順位の高い順に書いていくもよし、もちろん月曜から日曜日まで曜日ごとに書いてもよし。メモるだけでタスク管理もできる有能なヤツでした!
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。